1993年〜2001年
アントワープ王立芸術学院のファッション科を経てモードファッションに進出した彼女が自らのクリエイションにその頭脳と手腕を揮った期間は、僅か10年未満。その限定的な時間の中で儚くも色濃いデザイナー人生を歩んだ彼女の感性は、その後、人財育成の分野で発揮され、現代のファッションシーンに脈々と引き継がれたとされておりますが、彼女が最も評価されるべきは、ファッションシーンに一石を投じた数々の功績を脇に置いても、第一線で製作し続けたコレクションピースであると我々は感じております。
ドリス・ヴァン・ノッテンやマルタン・マルジェラ氏の7年後輩にあたる彼女は、文頭の通り、1993年に小物のデザイナーとしてデビュー。専ら、製作するにあたって一貫して拘り続けたひとつの素材があるのですが、彼女の出発点とも謂うべき小物類は、殆どが “ その素材 ” で構成されておりました。後に発展したフルコレクションは、第一歩を踏み出した素材があってか、彼女の脳内の要素が既にそうであったか、一部を除いて大概がモノクローム・トーンという彩度を排除した世界。音楽への造詣を活かしたアントワープ出身者らしい濃密さとマニアックさは、当時においても、現在におきましても、一層と際立つものでしょう。
堅苦しい前置きはここまでとしましても、声を大にして申し上げたいのが、彼女が試行錯誤の末に辿り着いた “出発点なる作品” や、手腕を揮った全盛期の作品が、素直にも、真から素晴らしいと思えるプロダクトであるという事。
先ずは、 “ その素材 ” に関しまして、以前ご紹介した1点を口切りに。

謂わずもがな、 “ Leather ” で御座います。

誇大して申し上げるつもりは毛頭御座いませんが、今まで視界に捉えてきた彼女のレザープロダクトで「普通」と感じたことは一度もありません。突出して90年初期〜中期にかけての彼女のレザーへの選定は本当に素晴らしいもので、“目的”に乗じて確実に条件を満たすのが前提か、モノや衣類によって多種多様に使い分ける程。前述の通り、彼女の出発点ともいうべき小物類は一貫してレザーを用いている事から、革質に対しての熱量がそれは半端ではなく、クリエイションにおけるキーマテリアルであると同時に、〜といえば、というイコール的存在と謂いましても過言ではないでしょう。1999awにマルタンマルジェラ氏が発表した名作中の名作と詠われている、とあるレザージャケット(黒)も同質の素材だったと記憶しておりますが、奇しくも同じアントワープ。大きくも小さくも彼女の波が及んだのではと、想像を巡らせます。
そう、彼女はアントワープきっての、レザー使いのウイザード。

そして次に記しておかなければならないのが、 “ 工業性 ”
彼女がレザーを用いる作品は、“その素材本来の魅力をそのままの状態で表現する” ことを主軸に置いておりますが、その大半が工業的な匂いを付加させております。分かりやすい一例ですと「レザー と ジップ」のように、謂うなれば生命の先に位置する革に対して、無機的かつ工業的な匂いを纏った金属,鉄製,アルミ,ステンレス等をチューニングすることによる前衛的アプローチ。施すか、施さないか、否、前者であるからこそ生じたモダン性は、最高レヴェルまで急上昇しながらも、使用する前提である“道具”としての理解すら与えるので本当に凄いです。

90s Lieve Van Gorp leather T-shirt with Zip




彼女を代表する作品において、マスターピースと位置づけられている「バッグ」。初期のクリエイションから一貫して拘り続けたひとつの仕様が、手に持つことのみを許したハンドバッグスタイル。硬く、しなやかで、光を吸収するような漆黒。しっとりとした油分を多く含んだようなキメの細かい質感は、J.M WESTONのブラックカーフと同等の印象を受けます。力学的な作用を完璧に捉えたかように、最少数に打ち込まれた鋲。恐ろしくミニマムな作りながら、的を得たように簡易的かつ頑丈そのものは、縫うという行程も目立たぬよう確実に施してある点と、バッグとしてのモノを持ち運ぶ機能をデザイン性を超えた位置に的として定めている点。エルメスやセリーヌにみられるボリード型のバッグは、弧を描く外形に対して持ち手の長さを完璧に計算されているからこそ認められる使いやすさですが、本品も同様に、39cm×40cmと正確無比なカッティングは、正方形に見えて実はという拘りと、ガーメントバッグのように2つ折りの仕様は中を空洞にし、約13cmのハンドルはそれが計算の上かは扨措き、全て驚異的な“軽さ”を実現するための布石。
メインコンパートメントを2つ設け、ジップの開閉のみのシンプルな構造、空洞の片面に同じくジップによるサブコンパートメントと、計3つの収納ながら、ニュースペーパーやマガジン、ドリンクボトルなどは中央のこの空洞に挟んで持ち運べる事から、4つの収納部屋を確保。そしてベルトの調整により実現する最大幅のマチ。ダブルコンパートメントのこのシステムは初見の構造です。



Newarrival 90s Lieve Van Gorp leather bag “ Garment style ”

この1点に関しましては、Lieve Van Gorpのバッグというより、純粋にモノを持ち運ぶ道具としてお認めを頂きたく存じます。
ノーブルな雰囲気におまとめ頂くのも一興。
そして彼女に経緯を払い、モノトーンの構成で御座いました。
ご縁御座いましたら、是非。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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以前のエントリーで触れました、とあるアイテムにおいての感覚更新に関して、僭越ながらここに記させて頂きます。御暇つぶしにして頂けましたら幸いです。
簡潔に申し上げますと私はここ数年 (正しく思い出せないほど長い期間だったように思います) Tシャツを着ておりませんでした。正しく申し上げますと、 Tシャツを着て人様の前に出ておりませんでした。それには様々理由があり意図がありましたものの、大したそれぞれではございませんので割愛致しますが、味わうことを選ばなかったのは自分自身にも関わらず着こなす皆様に羨望の眼差しを向け、その楽しさと意義を理解しつつも結局は自身で味わうことなく何年も過ごしておりましたが、今年に入りましてふと “ Tシャツを着たい ” という、活字にしてみるとなんともまぁ気の抜けた文字面ながら、私にとっては大変に有意義かつ大きな意味合いをもつ感覚更新がまき起こったのです。
皆様と同じく思い立ったら吉日とばかりに、信頼のおける幾人かのコレクターさんにコンタクトをとり、ヴィンテージ Tシャツの “ 今 ” を自分なりに捉えてみたのですが、やはりファッションの流れ、スタイルの流れと同じく芳醇に変化しており、大変に面白く思いました。私にとっては主にハイファッション/モードという存在との兼ね合いがより強まっているように感じられ、その変化もまた、ヴィンテージという要素と存在価値をより豊かにしてくれているように思います。
ということで、例年ささやかながら御提案させて頂いておりますヴィンテージ Tシャツですが、本年は私にとって一層楽しい存在になってくれました。私的な感情を大いに含んだ御紹介になってしまい恐縮ですが、よくよく考えますと私的な感情で誕生し、今や小林店長というもう一人の私的を加えて成り立っているのが SURR ですので、引き続きの皆様方の寛容を祈らずにはいられません。

New arrival , Vintage Tee shirt
感覚更新を伴いながらも、それを選ぶ判断基準はこれまでの御推奨と変わらずでして、一着に秘められた背景はそれぞれ様々ですが、最も重要な要素はやはり、徹頭徹尾にデザイン。フォントにせよグラフィックにせよ、心の琴線が強く揺さぶられるか否かで御判断頂きたいと切に思います。その判断がその人の 『 個 』 そのものであり、Tシャツは『 個 』 を素朴に実直に表現できる楽しい楽しい存在ですので、御興味お有りの暁には一枚一枚ゆっくりと出逢って頂けたら幸いに思います。
そんな皆様方の判断基準を拝見させて頂く時間やお話しをお聞かせ頂く時間は、本当に楽しいです。結果的に特定のバンドのみを選ばれる男性、アルコールカルチャーを追い求める男性、様々なTシャツを見過ぎて基準が格好良いの向こう側に行ってしまった女性、結果的に誰にも理解されないグラフィックを選ぶようになってしまった女性、一切の垣根なく良いと思ったものをカオティックに選ぶ女性、など。
弊社系列のとある店長は、もともと好みであった音楽カルチャーが昨今改めて人気を博していることを受けて、であればそのベースとなるカルチャーTシャツ探す宣言をしており、こいつヤベェなと改めて愛が深まった次第です。ニッチ過ぎるそのカルチャーT、彼女は見つけることができたのだろうか。きっと見つかっていないだろうな。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]
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前回Diaryにおきまして、弊店にとってのヴィンテージジーンズとは、とまで、大それた内容では御座いませんでしたが、近しいセンテンスを少しばかりか綴らせて頂きました。世界で最もポピュラーで、そしてアイコニックな存在。Levisというメーカーの魅力については、改めて私の口からご説明するまでも御座いませんが、穿く,穿かないは別としましても、皆様も十二分ご理解が及んでいる事と思います。

XXか、レザーパッチか、ギャランティの有無、BIGEの赤タブ、66前期か後期か、501か、505か、好きなのは606か。解明されている年代の線引きとそれに伴うディテール。だから〜と起因できるシルエットやスタイル。市場的な目線でモノを申し上げますと、年々その個体数は減少していく一方で、珍しいから、貴重だから、“その上でやっと見つけた” 感動は確実なる感情でしょう。ましてや、其れがマイフィッティングであるならば、その体感は50倍。ジーンズに留まらず、ヴィンテージをお好きな方は一度は味わったことがあるやと存じます。
今回、「原点回帰」というテーマと、過去のセンテンスやピクチャー、そして久しく叶いました7本ものヴィンテージジーンズを目の前にした時、その確実なる感情とは別の感動を皆様にご体感頂きたいなと思いまして、誠に勝手ながら、ひとつの “ 形式 ” を取らせて頂きました。






「Tube Package for vintage jeans」
どうぞ、お好きなチューブからご自由にお選び下さい。ご所望のシルエットや色合い、お申し付け下さいましたら、私どもからご紹介をさせて頂きますが、自分で選定したい、という方も勿論いらっしゃるかと存じます。どうぞご遠慮せず、チューブから出してご考察下さいませ。

私のリコメンド。
ラインナップの中で最も色の濃淡が少なく、フラットなホリゾンブルー。

丁寧に “ 対話 ” 成された形跡。

裾は何故かシングルステッチで処理。アタリが生じておりますのでチェーンを抜いた後、“わざわざ”の施しかは扨措き、ボリュームが出ないミニマムな印象を獲得。もはや裾の処理がチェーンステッチである事は、郷に従う、以外、必要性を感じません。どうぞお好きなように、お好きな仕様で。

60s Levis 501 “ BIG E ”
「このジーンズは、名前は忘れたけど北青山のマンションの1室にあるヴィンテージショップで出逢ってね、ジーンズがくるくる丸めてパッケージされていて、可笑しなお店だったよ。」
永らく時が経ち、神経質に追加したチューニングの痕を撫でながら、ご記憶の片鱗として残りましたら。是程、光栄な事は御座いません。
世界で最もポピュラーで、そしてアイコニックな存在。例えばLevisというメーカーの魅力を少しばかりご体験頂けましたら。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]

それでは、皆様のご来店をお待ち致しております。
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