
この設立直後に紙面を飾った広告の言葉に沿って徐々に認知を広げ1980年代には多数の顧客を抱えるようになったもののその後の販売戦略によってロゴを装飾として押し出してから低迷し経営難に陥った当時のBottega Venetaを救ったのはトーマス・マイヤーという一人のドイツ人ファッションデザイナーでした。
Sonia RykielやHermesといった名だたる名門で経験を詰んだ彼がトム・フォードからの命を受けて就任したのは2001年のこと、元々は名が現す通りVeneta(イタリアのヴェネト州)のBottega(職人工房)という存在だった同ブランドを在るべき姿に戻すべく躍進し、装飾ロゴの廃止だけでなく設立直後の広告と創始者考案のイントレ・チャートを再象徴化やファインジュエリー,ファニチャー,テーブルウェア,フレングランスなどといった分野に進出しブランドの在り方を拡充、2006年には職人の養成学校を開校しイタリアの財産でありボッテガの基盤である職人技術の伝統を永遠に守る取り組みを行っています。
最上質な素材,卓越した職人技術,現代的な機能性,時代を越えるデザイン。以上の4つを哲学とした彼が2006SSから始動したのがBottega Venetaにおけるメンズのプレタポルテクリエイション。後年のダニエル・リーやマチュー・ブレイジーによって一層の人気を博すBottega Venetaのメンズクリエイションですが発起人はトーマス・マイヤーで彼は十七年間という長い時間をかけてイタリアの財産であるヴェネト州の職人工房という土壌を耕し続けたのです。


2007SS


2008SS


2008AW


2009SS


2010AW
これよりSURRでもトーマス・マイヤーによるBottega Venetaのメンズクリエイションを可能な限り遡ってひっそりと御提案致します。Sonia Rykielで培ったメンズの世界とHermesで培ったウィメンズの世界、それにマイヤーの独特なスタイル哲学と色彩哲学がマリアージュしたうえでBottega Venetaという職人至上原理に則って産み出されたファッションの世界観、現代の目線で捉えてもはっきり言ってかなりかなり独特で堪りません。良い意味で近代の同ブランドとも異なりますが皆様方でしたらそこに潜む源流性を感じ取って頂けることと存じますのでその他のモードカルチャーと同じく良い意味で直感的に向き合って頂けましたら幸いです。

New 2007-2010s Bottega Veneta by Tomas Maier Selection
“When your own initials are enough” 自分のイニシャルだけで充分。
SURR 福留
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弊店が御提案するヴィンテージ区分のうちオリジンヴィンテージとデザイナーズヴィンテージ、前者にはフレンチワークもアメリカンジーンズもミリタリーも含まれて、いわゆる70年代から日本にも存在したヴィンテージ(古着と言った方が正しいですかね)カルチャーを指しまして服飾史やモードカルチャーにおいての原点的要素性が色濃いことから勝手ながらオリジンという冠にて区別しています。後者はそのままですね、デザイナーによるクリエイション。前者は以前はヨーロピアンカルチャーはほとんど皆無だったとはいえかねてより日本にもありましたし欧米諸国ではより一層確固たる地位を築いていたのは御周知の通り、かつ文化の振り幅も広いし歴史も長くて流石に滅多に出逢えなくなったものの100年前なんてザラに存在しますから。対して後者はメンズクリエイションとなると最古でも60年代となりますのでオリジンに比べるとどうしても若いです、がもちろん60年代以降に一挙に発展した世界観と勢いと天才・鬼才・奇人それぞれの目線による創造性は圧倒的な求心力ですから、幾つかのヴィンテージ区分がある弊店の主軸は何かと問われたらやはりデザイナーズヴィンテージです。
でも私はオリジンもデザイナーズと同等に好きよ、とは言えそこまで深掘りも深追いもするきっかけが無かったし教えてくれる人も居なかったし憧れる人もいなかったですが自分なりに楽しんできました、オリジンヴィンテージ。で、思うのですがオリジンの存在価値がとっても“難しく”なっているなぁ…と、まぁ単純に古い個体だとほぼ絶滅危惧種なので言うまでもなく貴重なのですが、それを踏まえたとしても“難しく”なっているなぁ…と思うのですよ。でも普通に現代の目線で楽しむファッションとして抜群に格好良いプロダクトは格好良いので正面から素直にフラットに向き合って楽しみたいのですが、それがなかなかどうして叶わないヴィンテージカルチャーの時代になってしまったなぁ、と。
だから探していないと言ったら変な言い方になってしまうのですが、そうなんです。だからこそ出逢える時は出逢えるので、この50年代フランスのダブルブレストのバイカージャケットは驚きました。文化としても世界規模で芽吹いたばかりの時代におけるバイカープロダクトで良い意味で普遍的なスタイルながらしっかりと濃密にFrench、こんな個体見たことがありませんし50s USや50s UKは想像したことも遭遇したこともありますが50s Frenchの存在は想像も遭遇も皆無でした。しっかりとバイカーですべからく男らしいのですがポケットの意匠性やシルエットバランスがやはり“さすがモードの本国”な洗練性で、ウエストベルトも切れていないしリアルファーの着脱式付け襟もリアルムートンの着脱式ライニングベストも完備と、もう最高過ぎる。コンディションはヴィンテージの風格ながら十分に綺麗で、やはり革質には圧倒されます。正面から素直にフラットに向き合って楽しみたいオリジンヴィンテージの真髄が詰まりまくりです。





そんで私ごとなのですが、もういつ買ったか忘れてしまったMYバディことBarbourのINTERNATIONAL SUITS、もう15年?とか毎年着ているのですが去年末から今年にかけてなんだかやたらめったら着たくなってしまって、こんな熱量になったのはここ15年とかでも初めてだったのでちょっと不思議なくらいなのですが、眠くないなら眠くなるまで寝ない派なので気が向くままに着たろうじゃないか と思ったら最近はほぼ毎日に近しく週四やら週五やらで公私問わず羽織っています、今も羽織りながら書いているし先日の法要にも着て行きたくなりましたが施主なので流石に我慢しました。だって格好良いんだもの、そしてとにかくとにかく機能性が抜群なんだもの。超格好良いと思えて機能性が自分と超マッチしているって否定材料無さすぎじゃない?はてさてこの気分はいつまで続くことやら、まぁこれは間違いなく時代の気分というやつなので存分に享受しますよ。
ということでINTERNATIONAL SUITSのアレンジ個体であり短い期間で廃盤となってしまったモデル,BEACON JACKETへの愛もひとしお。INTERNATIONALとの大きな違いは同時代だと胸元に付くパッチが存在しない点、襟裏がコーデュロイからレザーに変更されている点、そして最大要因はライトウェイトの生地に変更されている点です。土台となるスタイルはほとんどそのままINTERNATIONALなのですがこの三つの変更要素性はデカくて、ミニマム感もレザーアクセントも軽い生地感の柔らかなファッション性も格好良過ぎる。バブアーは元々港町の小さなメーカーだったので初期時代は灯台を表すBEACONの文字と灯台のイラストが記されていたのでそれを想起させるモデル,BEACON JACKETに存在価値を深読みせずにはいられないのですがなぜ短期間で廃盤になってしまったのだろうか、2000年初頭のクリエイションリニューアルを機に整理されてしまったのだろうか、そして改めてINTERNATIONALを台頭させたかったのだろうか。いずれにせよBEACON JACKETが早々と廃盤になったことで自ずと希少性が高まり御提案の機会が極端に少なくなってしまったことは残念な限り。

New 50s French double breasted leather biker jacket & 1998s Barbour “BEACON JACKET”
超絶怒涛の余談ですが今しがたふと思い立ってGoogleでBarbourと検索したらサジェストに“流行りすぎ”と出ました。流行り過ぎているらしいです!バブアー!
以上、新作群から抜粋の二着のオリジンヴィンテージでした。
SURR 福留
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2026年も気づけば1ヶ月半が経ち、年明けから山に登ったり、朝まで飲み明かしたり、長く聴いてきたアーティストのライブに足を運んだりと、振り返るととても充実した良いスタートを切れたと感じています。一方で、洋服はなかなか買えていないのですが、「こんなものが欲しい」というイメージはいくつかあり、あとはタイミング次第かなと思っています。 その中のひとつがニットポロです。ほどよく厚みがあり、さりげない個性はありつつも、あくまでシンプルなものに惹かれています。そんな中、まさに「これだ」と思える一着が弊店にあり、それをきっかけに改めてポロシャツの魅力を感じました。今回は、そちらをご紹介いたします。



ワンボタンのデザインに目が行きがちですが、実はこのやや大きめに設計された襟も、大きな魅力のひとつです。主張しすぎることはありませんが、着用した際に自然と存在感があり、全体のバランスを整えてくれます。 ボタンを大胆に開け、襟を立てるようにしてアウターの中に重ねるスタイルもおすすめで、首元に程よいボリュームと変化が生まれ、いつもの着こなしにさりげないアクセントを加えてくれますし、出番の多いアウターの気分を変えたいときのアレンジとしても取り入れやすいかなと思います。

春先の提案として、テーラードジャケットのインナーに取り入れるのもかなりおすすめです。程よく力の抜けた表情が加わり、ドレススタイルの中に自然な抜け感を演出してくれます。ドレスの中にある抜け感っていいですよね、その役割を過不足なく担ってくれる一着だと思います。
まだまだ寒いけど春物も気になるって方にオススメですよ。
SURR 古川
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