
2017A/Wシーズンも誠に勝手ながら「原点回帰」というテーマを軸にエントリーを続けさせて頂きますが、それは弊店においての心棒をぶらさないという内容に加え、男性にとっての上質な衣類をVintageというカテゴリーから掘り下げ,追求,研究し、じっくりとご提案をして参りたいと思っております。例えばその1着が皆様の原点となり得ましたら、素直にも嬉しく思いますし、そして其れを切に願います。このサブジェクトを核心にしっかりと懐抱し、始まったばかりのAWシーズン、勝手ながらゆっくりと愉しんで参りたいと思います。
さて、店内中央の重厚なケース内に収められている写真を視ますと、写っている彼らが何を感じ、何を考え、何に興味を持ち、何を美徳と説いたのか、終着駅のみえない妄想に駆られます。環境、国勢、様式、生活、価値観、それこそ洋服との向き合い方や感じ方、そこに存在する美意識。当然、それは各時代や国によって、ましてや電車で隣合う他人まで異なるものでしょうが、男性にとっての上質な衣類を探求する際、上記のようなベクトルが当てはまるのではと憶いに至りました。例えば1920年代、夜な夜なの賭け事と煙草と女性を愛したひとりのフランス人男性。彼が男性で在るため自身が憶う最高の衣類を検討した着地点が、ピークドラペルのウールテーラード,デイリーに着用するため頑丈なハードコットンコート,絶大な信頼を寄せるメーカーシャツとシューズ,手元にはルビーのリング。それらを細部まで隙をなくすため行き着いた向こう側が、“ 誂える ” という選択ならば、その彼にとっての衣類の原点は其処でしょうか。その行き着いた場所こそ、原点となり得る領域。少しばかり飛躍しましたでしょうか。ともあれ、当時生きた彼の美的センスや取り巻く環境、あらゆ意図思考趣味嗜好、そこにエッセンスとして加えられる職人とのダイアローグ。其れを忠実なまでに完成させる技術。その先人達が過去に誂えた逸品を、現在の環境、国勢、様式、生活、価値観、それこそ洋服との向き合い方や感じ方、そこに存在する美意識によって、男性にとっての上質な衣類を検討するには十二分な気さえ致します。そう、「男性にとっての上質な衣類」これを追求した際に浮かぶ、例えばひとつの回答を得られた気がしました。
【 Bespoke 】
当然、富裕層にこそ愉しめる行いですので当時もそう多くはない品々でしょうが、それを現在でこそ “ 貴重 ” という言葉で括り上げるのは簡単な事で、とは謂うものの、本当に貴重としか謂いようがないので心苦しいばかり。引き続きご提案を続けて参りたいと切に願いますが、A/W開始と共に店内に数着,数点のみ静かに潜むそれらは、確実に世界中の衣料においてマイノリティながら匿名性のみが力強く浮遊する存在感。ましてや、時代を越え、大きくも小さくもない、“ 丁度宜しく ” 身体に沿えるものならば、私からは何も申し上げることは御座いません。

Newarrival 70s J.M WESTON 180 signature loafers “ Bespoke to lizard leather ”


Newarrival 1930s France Bespoke to cotton coat “ short style ”

1930s France Bespoke ring “ 12k pure gold with garnet stone ”


Newarrival 1920s France Bespoke antique wool tuxedo

Newarrival 00s Charvet Bespoke cotton shirt
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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先日18日をもちまして無事に2017A/Wシーズンを迎えることができましたが、これも日頃、足をお運び下さる皆様の御引き立てのお陰と、此の場を借りて改めて御礼を申し上げます。本当にいつもありがとうございます。
初日は、初の2人体制というシステムをとらせて頂きましたが、勝手ながら我々としましても普段感じることのないムードを愉しませて頂きまして(息の合わないコンビネーション含め)、それをご来店頂いたお客様と共有することができておりましたら、大変に嬉しく思います。貴重なお休みにご来店下さった皆様、夕立の中ご来店下さったお客様、開店後すぐに足を御運び下さったお客様、本当にありがとうございました。今シーズンも変わらぬ御引き立ての程を、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

店内99.7%は、世界中のコレクターから厳選した完全新作のヴィンテージピースを並べさせて頂いております。残暑続くこの頃では御座いますが、秋冬のムードと鮮度潤うこの瞬間を、少しばかりでもお愉しみ頂けましたら幸いに思います。
さて、本日よりDiaryにて商品のご紹介をさせて頂きたいのですが、またいつもの如く、何から書こうか,,と贅沢な悩みに苦しんでおります。そうは謂いながらも「私を紹介しろ」と頭の中で自己主張を繰り返す1点が居りますので、誠に恐縮ながら、その1点を口切りに2017A/W first entryとさせて頂きます。



男性にとって上質なニットウェアを検討する際、そこに重厚かつ保温性のみを追求した“ローゲージ”という編みの選択、それを具体的な像として心中に結べずにおりました。“ メゾンが織り成す上質で繊細なウール地 ” “ 英国某メーカーの格別なるカシミア ” 思い描くそれらは男性の生活をより豊かにする衣類であることは確実なものでしょう。だからこそ “ ハンドニット ” “ ローゲージ ” ワードのみを掬い上げますと、どうしても副次的な印象のみが頭に絡み付くもので、それはヴィンテージという領域で具体的な像が見つからないという情けなくも明確な事由が存在するから、なのですが、この度ひとりのコレクターより出逢いが叶ったその1点は、副次的な印象が消えなかったローゲージ,又はハンドニットという既成概念を正面から摺砕く、爆発的な威力を有した1着で御座いました。今後しばらく、この衝撃は消える事がなさそうですので様々な意味を持って苦しいばかりです。

ニットという存在に起こり得るあらゆる障害をも包容するであろうと容易に推測が叶う異様な実態感。それは、永い年月に渡り着用し続け、水に晒し、環境に耐え抜いた末の形姿のように、またはそれらを具した各所の様子は、あまりにも力強く、あまりにも仰々しく、何より暴力的、そして人知を超えたムードを実態化したように感じる、ですので、異様な実態感。それでいてよく視ると多色が入り交じるチャコールグレイの主体は、ダンディズムな色気すら発生させるので恐ろしい化け物です。そのリアリティが潜む理由と男性的なフィッティングは、全体が「リブ」で仕上げられるという贅沢に贅沢な編みこそ。普段はスーツを着用し、上質な肉とワインを愛する男性が、着用後は大切に畳み、木製のいつものキャビネットに収める姿を容易に想像させる力は、素直に恐ろしいものです。そんな1着を偏にセーターとは呼ばず、英国式でジャンパーと呼ばせて下さい。フランスメイドですが。

視界に捉えた形姿がそうだから、という安易な理由ではなく、これを邪魔な概念や偏見もなく1着の衣類として素直に向き合えるベクトルは、Karim Hadjabの哲学と重なる要素を孕んでおり、だからなのか、そうじゃないのか、ファーストカット(着用図2枚目)は僅かな不安や違和感すら覚えず、前後逆で臨みました。最高にクールですので心からお勧めを致します。


40s French hand knit jumper
宜しければ、毎年の冬の相棒に。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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ファッションにおける時流と、一種の社会的な時流と、そしてそれ以外の様々が絡み合っているのでしょうが、やはりヴィンテージという要素がそれらにおいて強まっている気配と空気を、実感的に感覚的に思います。そのことは純粋にヴィンテージを愛して楽しむ私としては、やはり素直に嬉しいです。自身が想う “ 今のヴィンテージ ” に立ち返ったある日のロンドンの夜更けにおいて、嬉しく喜ばしい気持ちと同時に頭によぎったのはもちろん SURR のことなのですが、その思考の先に極めて重要な議題がありました。設立から一貫して続けてきたなにがしは様々にございまして、端的に簡潔に申し上げますと “ 上質で尊敬すべきヴィンテージという存在を、それに相応しい編集で皆様にご覧頂く ” ということなのですが、今のヴィンテージがそのような環境であれば、そのような環境だからこそ、自身が据えた “ SURR の軸 ”をより真っ直ぐに伝えなくてはいけない。何かの拍子で軸がずれ、意義が濁ってしまうことは、今のヴィンテージにおいて決定的に致命的な何かなのではないか、という一種の大いなる危機感でした。 by director 2017S/S collections
一歩退いて眺めてみるならば、この“危機感”を感じることはやはり一歩退いた位置だからこそセンシティブに感じることができる感覚ではないだろうかと、ヴィンテージというステージの渦中に居る私はそう思います。2017年2月18日に上記センテンスを記した男は、一歩どころではない遠く離れた外国という地で、おそらく程よく酒に呑まれながら直感的に思い至ったのでしょうが、故に成立した「根幹の奮い起こし」という作業は、別の4文字のワードに置換した2017S/Sというシーズンの重要テーマとして掲げ、約6ヶ月もの間、“勝手ながら”を前置きにエントリーを継続してまいりました。“ 上質で尊敬すべきヴィンテージという存在を、それに相応しい編集で皆様にご覧頂く ” それをひとつ、SURRの軸と捉えるならば、何かの拍子でその軸がずれ、意義が濁らせてはならないという危機感を感じる以前に“覚悟”を強めた約6ヶ月という時間、さらにその先、“ 男性にとっての上質な衣類は” 、とまで、思案を巡らせるように、我々ひとりの男性にとっても「根幹の奮い起こし」であったと、その時間を過ごしてみて改めて気が付きました。それは1960年代のミリタリーなのか、1940年代のワークウェアなのか、1900年初頭のウールテーラーなのか、20年前ひとりの男性が発表したしたウールトラウザーなのか。1着1着、その衣類を愛した証と、その生活やその者が愛した人/モノ、様式、国、時代、作り手の思惑や意図,宿した想い。ゆっくりと想像を巡らせ、裏側に存在する背景と、本質的な力を目の当たりにすると、向き合ったその1着から “尊さ” という感動をしっかりと感受します。それはもう、強烈なほど。
2017年2月18日、S/Sというシーズンを迎える前夜にひとつのテーマを確信し、文章を綴った男の想起となったタイミングがロンドンの夜更けであるならば、私は青山3丁目のマンションの1室、雨が上がった17:44。明確な想いとなって私の中でも確信に変わった瞬間で御座いましたが、引き続き我々の心をがっちりと掴んだまま離さない回帰思想は、「上質で尊敬すべきヴィンテージという存在を、それに相応しい編集で皆様にご覧頂く」というSURRの原点思想と、「男性にとっての上質な衣類」をひとりの男として只管に追求する我々の原点思想というふたつの想いを、引き続き「原点回帰」という4文字のワードに置換し、2017A/W collectionsを迎えたいと思います。“勝手ながら”を前置きに。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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