
しかしながら “ 鉱石 ” という区分を検討する際、「良いモノである」ことは初見でお認めを頂きながらも、男性とジュエリーの関係性を前提に考察すると、リジェクトシールドが自然と発動する方も少なくないと思います。金無垢のゴールドに対し、丁寧にチューニングされた天然素材,自然鉱石は主に、当時の職人のハンドワークによりカッティング、研磨が繰り返され、光を跳ね返す「宝石類」を指しますが、宝石とジュエリーというワードのみを拾い上げますと、ファッションとの結びつきについて直接性を帯びないイメージが少なからずは存在するのだろうと憶測します。とは謂いながらも、仮にそのイメージが実在するとして、それに対し否定的な言葉を述べるつもりはありません。かといって、「ご理解頂ける方にのみお認めを頂けましたら」なんとも失礼なまでに上からの姿勢を格好宜しく貫くつもりも当然になく、先日のエントリー通り、広く認知されていないであろう男性向けのステージにおいて、ファインジュエリーをより広くお伝えしたいという不躾がましい想いのみで御座います。この度のfine jewelry collectionに際しまして、天然鉱石について少しばかりでも触手を伸ばして頂けましたら、幸いに思います。

今回、お披露目が叶いましたファインジュエリーは約20点前後。その7割近くが天然鉱石を伴った作品で御座います。そしてご用意が叶いました天然鉱石の9.5割は、以下の2種類。
Diamond / ダイアモンド
Sapphire / サファイア
上記載の鉱石を単種のみ丁寧かつ完璧に配置、または複合的に構成,設置されたジュエリーが目立ちます。数ミリのカッティングながらも力強く存在するシャイニーな面立ち、膨大な時間を吸収した事実を明瞭に反映したように鈍くマットに輝くもの。デザインやイメージの具現化,そんなもの到底追いつけない地球物質ならではの魅力とムードは、言葉の通り、“特有性” そのものでしょう。鉱石のみに着眼しますと、多数存在する中でそれぞれの特色ないし古くから伝わる意味や神秘的効力なども伴うようですが、いつもなら「そんな事は扨措き、」と申し上げているところ。折角ですのでこのようなベクトルでお愉しみ頂くのも。

early 1900s Victorian 9k pure gold with Diamond
1900初頭、英国はヴィクトリア王朝期の作品。9kの金無垢に嵌め込まれた7粒のダイアモンド。地球上で最も硬い鉱石とはご存知の通り。古代ギリシャ語で「強者」を意味するadamazeinの頭文字が取れた派生語が語源とされております。和名は「金剛石」。諸説様々と御座いますが、権力,力,武力という意味合いも存在していたそうです。また強さの波形で、愛や永久という意味合いも。力の証明として、指元に宿すのも一興でしょう。腕力を得意としない柔らかい方にこそ。

early 1900s Victorian 12k pure gold with Diamond & Sapphire
同様に1900初頭、英国はヴィクトリア王朝期の作品。本品はダイヤモンド2粒、サファイア3粒で構成。互い違いに嵌め込まれた鉱石は、クリアホワイトが引き立てるサファイアの深いネイヴィブルー。元来、ラテン語の派生とされてますが、和名では「蒼玉」。あらゆる曇りを見透かすブルーは地球色として好まれ、誠実,真実,徳望など意味が込められております。一途性も内容として保持しており、一度決めたら微動とも動かない頑固者や、過去を偽らない正直者にこそ。

early 1900s Victorian 18k pure white gold with Diamond & Sapphire
本品もまた、上記2種と同じくヴィクトリア王朝期の逸品。今回、唯一のホワイトピュアゴールドは18kというスペシャリティと、道端に転がるストーンを具現化したようなゴロりとしたカッティング、そこへ傭兵の如く設置された17粒のダイヤモンドが護るのは、中央に君臨する大粒のサファイア。控えめな5カットは鈍くも静かに輝くディープネイヴィ。光の入射角度によって芯のブルーが明るく垣間見える瞬間は、透明性と不純物のない天然鉱石ならでは。地球色とは皮肉でしょうか、我々が住む地球も争いない透明な色を保ちたいものです。これは失敬。
年に数点叶うか叶わないか、単純にも “年代による貴重性” が主な事由として挙げられますが、1800年代後半〜1900年代初頭のヴィクトリア王朝期の品々は、当時の歴史的背景を色濃く反映している作品が多い印象です。アンティークファインジュエリーを代表するような顔立ちは、ヴィクトリア期,特有の壮麗さこそ物語りますが、兎にも角にもプロダクト自体の精密さと品質の高さが突出して目立ちますので、強くお勧めを致します。

なんにせよ、このワイン、開けてしまいたい心持ち。
SURR by LAILA 小林
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例えば、上質な無垢のリングで男性が身に着けられるものとなると、ブライダル的なベクトルをどうしても払拭できず、純粋にファッションとして愉しむ心持ちと、ひとつのリングにひとつの願いを付与するベクトルが同時に存在したとしても、選択肢そのものに圧倒的に幅が無いという現実に突き当たりました。そこを掘り下げることで認識出来たのが、数シーズン前から少量ばかりエントリーを続けている「ファインジュエリー」という区分であり表現です。その定義は人によって,ブランドによって様々ありますが、SURRではそれらを統括したうえで要約しますと、以下のように表現しています。
【純金やダイヤモンドなど、質の高い天然素材を用いて創られる上質なジュエリー】
しかしながら、またしてもそこで突き当たるのが “紳士向けの存在が圧倒的に少ない” という現実です。
日本以上にアンティークジュエリーという存在が身近であり、現代のジュエリーと同じくハイエンドな存在として主に富裕層が親しみ楽しんでいるヨーロッパにおいて、ファインジュエリーを主としたアンティークジュエリー専門のコレクターが数多く点在していながらも、彼ら/彼女らが所有する品々のほとんどが女性向け・女性用なのです。とは謂うものの、全体の9割近くがパーソナルオーダーで創られていたであろう(アンティーク)ファインジュエリー。男性向けが存在しないはずがないと思い、地道に追い求め、道中幸運なことに男性向けを少量ながら所有しているコレクターに出逢えたりしつつで、偶発的なご縁が幾重にも重なり、漸く今回のラインナップが実現致しました。


ジュエリーを日常的に愉しむ一連の流れ,その先の方向を「文化」という定義で括れるとして、前述の通り、ヨーロッパ諸国より本国では未だ未だその文化すら誕生していない気さえ致しますが、それが悪、前者が良、という検討外れな偏見を晒すつもりもなく、偉そうに文言を連ねるつもりも御座いません。取って付けたような表現で歯がゆく思う方もいらっしゃるかと思いますが、純粋にも、より沢山の人々にファインジュエリーの上質さを味わって頂きたい,広く認知されていないであろう男性向けのステージにおいて、ファインジュエリーをより広くお伝えしたい、不躾がましい想いのみで御座います。

Antique fine jewelry collection for men
launch on 5th August , 2017
1854 – 1980s
22k , 18k , 12k , 10k
yellow gold , white gold , pink gold
diamond , ruby , sapphire , garnet , onyx ,andmore
今回、過去最多である約20点ものエントリーが叶いましたが、弊店において最古の生産期をさらに更新する「Georgian」期の逸品もお披露目が叶いますことを素直に嬉しく思います。
明日、8/5 12:00 より。どうぞ宜しくお願い致します。
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不思議なことに、 “ XX ” というたった2文字のアルファベットが有るか,無いか、其れだけでその1本の貴重性や高級度は変わってくる今の世の中ですが、現存数が少ないから貴重であり、伴って額面上立派なものだから高級である。仮に前者が正しく、後者を再考しようものなら、 “ XX ” と記されているのには意味がないわけがないと先ずはそこから。当時は「最も丈夫な生地、かつ、上質の証明」という意味もそのまま、この上なくスペシャル印字なわけです。と謂いますとチープなニュアンスに聴こえますが、とはいえ、あくまで当時の証明表記。現在では素晴らしい織り機や生産背景、丈夫なパーツ、丁寧な縫製、工夫を凝らしたパターンメイクが御座いますので、偏に謂ってしまえば、当時の “ XX ” よりも上質なジーンズは当然に生産できるだろうと、生産のプロでないので安易に申し上げることはできませんが。さらに、現在のあらゆるメーカーやデザイナー、存在する千差万別なるブランド、そこから送り出される多くのジーンズの外形やディテールは、「Levis」というメーカーのジーンズを教科書としている事実もまた無視はできない事実でありましょう。「おまえは是だけ世の中に認められてるレッグラインだってよ」と、目の前の1本に対する付加価値や敬意に値するものですが、ともすれば、現在の卓越した加工技術を保って、リアルな人間が、リアルの日常で、リアルの動きで、膨大な時間をかけて、生活に徹した着地点の証、例えば、腰回りの迫力を再現したとて、裾の2重線や偶発的に出現した膝下の狙っていないホールまでも、“わざわざ”再現する必要はなく、再現するとすれば、もっと良い位置に、もっと格好良く。将又、忠実に再現したところで、何故こういう加工を?と疑問符が付き纏う中、裾の2重線や偶発的に出現した膝下の狙っていないホールを有した50年代のXXが、疑問すらなく許される事由は、とてつもない時間を過ごし蓄えられた経験値と、吸収し続けた水と酸素、日の光も天水も支配者までもも全てを許し、最も丈夫な生地、かつ、上質さを、腰の小さなパッチが取れようとも結果で証明してきた柔軟の上に頑丈な青い生地。対面した際に、敬意すら払う心境を無下にはできず、「これからもよろしく」と挨拶を交わし、ふと我にかえった瞬間、疑問すらなく許される事由と、額面上立派なものだから高級ではない回答に気付き、そのときに感じた感情は、そっと心の引き出しにしまっておいて下さい。そして挨拶を交わしたその1本は、現在のハイクオリティな生産環境で生まれたものではなく、1950年代初めてジップという機能を取り入れた501Zというナンバーであり、「最も丈夫な生地、かつ、上質の証明」が成された2文字のアルファベットを有しただけのジーンズで御座います。ステッチはどうか、赤タブは付いているか、パッチは、アーキュレイトステッチは、裾上げは、其れよりも、この1本が過ごしてきた過程に想像を巡らせ、「おまえはこの先も応えてくれるか」とセカンドコンタクトを。それはクエスチョンというより、大きな期待。
あえて申し上げるならば、この先もきっと応えてくれるでしょう。





50s Levis 501ZXX vintage jeans
SURR by LAILA 小林
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