1989年 / Diary1118
29.3.2023

そういえば先日御客様からSNSをやっていないのでDiaryの更新は助かるとの有難い御言葉を頂いた時に自分も“そうそう、最近ブログが無かったり更新されないショップ多いんだよな!”と最近思っていたことを言語化できました。ブログというコンテンツからSNSというコンテンツへの移行は当たり前になりましたねぇ今更ですが。ブログは既に形骸化してしまったのでしょうか、引き続きDiaryを更新し続ける自分は相も変わらずで良く言えばクラシックないしオールドSTYLE悪く言えば時代遅れ。私の中では自己形容は後者の方がしっくりきますHAHAHA。

 

あ!あと日本でもやるんですねゴルチェのミュージカルFASHION FREAK SHOW!!!2018年に運良く現地で観覧できたんです。下はその時のワンカット。

滅っっっ  茶苦茶面白かったもんなぁー構成とか演出同じかなー同じだとしたらオープニングムーヴィーは必見なんだよなー。舞台とか知人が出てるのしか行かない造詣や趣きを微塵も有さない私ですが存分に楽しめました。5/19から6/4までみたいですね、皆様も機会ございましたら是非に。

 

さて、そんなゴルチェさんとTHE ALFEEの共同ライブが行われた1989年に製作されたこちらのHermes hommeジャケットのライニングはヴェロニクさんの最々初期にのみ採用されていた一見それと認識できないHが隠された超絶格好良いデザイン。私をどこまでも興奮させてくれます。

 

 

 

 

 



複雑で豊かなカラーリングと光沢が相まってなんかこの写真CGみたいじゃないですか?特に一枚目。なんというかピクサーのカーズ的なテクスチャーと言うか、たまに自分で撮っておいて脳が混乱することがあるんですが、今回は特に顕著。その理由はピュアシルク・フランネルの起毛を伴う光沢感でして同社ならではの特出して特別で贅の限りを尽くした素材選びに仕上げはここでもまた着る本人だけが濃く強く感じられる最上の楽しさと幸せに成ってくれます。
“着る人の個性特性を邪魔せず、陰ながら支えてそっと底上げする”。そんなクリエイション哲学を一貫することによって一冊の本に一つの章が増えるかのようにコレクションを積み重ね続けるヴェロニクさん、良い意味でその時その時の時代性を感じさせながらも太い縦軸で繋がった世界観は最初期であればあるほどに彼女の根本的なパーソナリティーを色濃く感じさせてくれますが、先の1992年クリエイションよりも更に古い1989年クリエイション、やはり肩と背中が抜群に逞しく凛々しく果てしなく美しく儚い。出逢えて触れられて、そして現代の一着として御提案できて幸せです。

 

 

 

 

 

New arrival,1989s Hermes homme houndstooth pure silk jacket.

先日東京でランウェイやっていましたね。その前後日は道端にやはらめったら洒落た欧米人が多数居り眼福でした。ショーの最後に登場したヴェロニクさん絶妙なレッドカラーの腰丈ジャケット着ていましたね、アレアレ、美しさと機能性を天秤にかけた時後者を選んで羽織りました的なスタイルムード。最高です。

 

 

SURR 福留

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80年代初頭 / Diary1117
28.3.2023

先日この一着に対して“ムッシュってこんなのも作ってたんだ”という御言葉を頂いたのですが、私はムッシュに対してそのように思ったことが無かった。何故ならばムッシュはなんでも作ってきたから。退任する少し前にキャリア40周年を記念して過去クリエイションを総集結させたドラマチックなショー(BGMはラヴェルのボレロ、最高)がスタジアム,スタッド・ドゥ・フランスで行われたのですが、終了後に幾人かから“あまり刺激的ではなかった”というコメントが寄せられました。しかしながらその理由はムッシュが後々のファッションデザイナーや人々のスタイルに強い影響を与え過ぎたがためにの過去クリエイションの数々が街中で当たり前のように見かけるほど人々の間に定着してしまったがためのものという、一見否定的なコメントながらいかにムッシュが偉大なファッションデザイナーであるかを物語ると言うエピソードがあるくらいですから。




 

しかしながらなんでも作ってきたムッシュにおいても今回の一着ほどデザインリソースが個性的と言うかユニークと言うかフェティッシュなことはほとんどないように思います。そもそもにおいて60-80年代のRive Gauche hommeが幻のような存在であることを,ウィメンズのクリエイションと比較すると出逢いの確立は1/100以下であることを,デザイナーズヴィンテージを長年専門的に収集してきた現地のコレクターですらその存在を認識していないほどであることを,当然ながら私も10年ほど前にとあるコレクターの下で出逢うまでその時代のRive Gauche hommeなんて存在することを一度も考えなかったことを差し置いて、単純明快にユニークなリソースを採用した一着なんです。

 

 



ザラリとドライなライトコットンを採用しアイヴォリーとカーマインでまとめたこちらのツートーンの腰丈ジャケットのモティーフはなんとテニスプレイ。テニスではなくテニスプレイです。サイズ表記が存在しないがためにフィッティング提案が読めないのですが、身幅のボリューム感に対して短めの袖丈バランスもプレイを考慮すると納得で、更に細身なアームと何よりボールが落ちないがための特殊なスラッシュポケット設計が紛れもなくテニスではなくテニスプレイであることを示す特出してユニークかつフェティッシュなリソースなのです。想像の域を出ませんが、本当にテニスプレイ用に製作されたと言われても不思議ではない構築なのです。その可能性がゼロではないのがそれこそなんでも作ってきたムッシュならではというもの。

 

 

 

 

 

New arrival,early80s Yves Saint Laurent Rive Gauche homme tennis jacket.

可愛くないですか?でも着用時のスタイルはダンディにも成れます。そこはやはり良質で上質なクリエイション特有の懐の深さで着用者の特性に合わせて印象を変化させられます。軽くてスポーティーで上品でシックでしっかりと個性的なコットンジャケット、春夏の羽織りの最適解の一つですね。

 

 

SURR 福留

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70年代初頭 / Diary1116
27.3.2023

建築学,航空学,フランス空軍パイロットを経てからファッションの世界に入り、クリストバル・バレンシアガを師事した後の1961年にデビュー。ファーストコレクション“白の幻想”にて高い評価を得て1965年の“ミニ・ルック”にてそれまで醜悪とされていた女性の膝頭を解放しファッションシーンに大衝撃を与えた後も“コスモ・ルック”や“シースルー・ルック”などの様々なコレクションによって服飾史を牽引していたフランスのファッション・デザイナー,アンドレ・クレージュ氏。ミニスカートの発案者はマリー・クワント女史だと言われていますが、オートクチュール・コレクションで初めて採用したのは彼なんです。私にとってアンドレ・クレージュ抜きに服飾史を語ることは、至極当然不可能。

 

 

我々はデザイナーズヴィンテージと定義する区分には様々な人々が居りまして、その内容は年々更新しています。2050年に成ったら2020年代をヴィンテージとしているということですね。はてさていったいどんな内容になっているんでしょう、その頃にはアレやコレが良いクリエイションに感じられるのでしょうか。神のみぞ知る。なので今とSURR設立直後も違いますし、旧体制であったウィメンズとメンズ混合のLAILA VINTAGE時代の頃なんてもう本当に全然違います。更新され続ける今をモダン・デザイナーズヴィンテージとしたら旧LAILA VINTAGE時代は紛れもなくクラシック・デザイナーズヴィンテージ。そう、クラシックなんです。

 

その頃は前述した60年代を一つのカテゴライズとして強く濃く認識していましたし、実際にそれを特出して好まれる御客様方も少なくありませんでした。今はきっとファッションを学ぶ立場の方や調べるのがお好きな方でしたら一つのカテゴライズにしているかもしれませんね。事実雑誌や映画やCM用の衣装として“シックスティーズスタイル”という御要望の声が消えることはありません。それほどまでに明確な世界観を有するシックスティーズを構築した数人のうちの一人であるアンドレ・クレージュ大先生は元々建築や航空を学んでいたり、1967年の時点でオートクチュール部門をPrototype(原型)、プレタポルテ部門をCouture futur(未来のクチュール)、ニットなどの軽い衣類部門をHyperbole(双曲線)とクリエイションを3つに分けるといった今のアチラさんやコチラさんのような姿勢を先行して行うなど近代未来に対する関心が強くそれらを先読みして行動に移す方で、それゆえに膝頭を開放したりコスモ(宇宙)ルックなどが産まれたのですが、それと同じく大先生本人が愛して止まなかったフューチャリスティック素材にビニールがありました。いわゆる化繊素材、ここでもアチラさんやソチラさんの顔が浮かびますね。

 

 

このスタイルを本当に好んでいたようで、時代を越えて様々なシーンでの着用が確認されています。上記の記録写真ではウィメンズプロダクトを着用しているのでCourrages hommeが始動する1973年以前ですね。

 

こちらは1976年の記録写真。メンズプロダクトになっていますね。

 

 

 

 

 





そしてこちらがミッドナイトブルーカラーの同プロダクト。デザイナー本人が愛用していた個体の御提案が叶うなんて本当に光栄ですよ、大先生。

 

と言うか、と言うか、とゆーか。この時代のCourrages homme自体出逢ったことがないし記録写真もキャンペーンビジュアルも一度も見たことがない。これを譲ってくれたコレクターも同じくでした。2020年にニコラス・デ・フェリーチェが就任して70年代のビニールジャケットをアイコンとしてReedition名義でメンズでも展開した時にこんな感じなんだーって関心したくらいですもん。なんだよラベルデザインかっけぇなぁ、ac(Andre Courreges)ロゴ横並びしか見たことなかったけどHommeだと縦バージョンになるんかい、サイズ表記Cってそのカルチャーを知っているからA→Sサイズ,B→Mサイズ,C→Lサイズって分かるけどそうじゃなきゃ珍紛漢紛(ちんぷんかんぷんって漢字あるんですね)やないかい。15年以上向き合っててもなお“はじめまして”、面白いって。

 

 

 

 

 

New arrival,early70s Courreges homme vinyl jacket.

リーバイス2ndジャケットSTYLE、フレッドペリーのポロシャツを愛用していたがための胸元ワンポイント、特徴的なFULLパイルライニング。独創的過ぎるって面白過ぎるって大先生。
これは私にとって紛れもないミュージアムピースであると同時に現代のファッション目線において独創的なテクスチャーで,堪らなく好みなカラーリングで,猛烈に愛する腰丈でクラシックカルチャーを直接的に感じさせつつオリジナリティー満載で,現代的な着こなしにマッチするオーヴァーサイズというリアルクローズに適し過ぎており,コンディションが抜群なヴィンテージピースです。本当ありがとうございます過ぎるって大先生。

 

 

SURR 福留

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