表面に裏の意匠と

表の意匠が混ざり合い、

見た目要素だけでなく正しく裏地として構築しているがゆえ全体に生じる微細な引きつりや歪みをそのままデザインとして昇華させた


2002AWのランウェイEXIT4のインサイドアウトコート。

いやぁ、痺れました。
このシーズンのメインであったインサイドアウトデザイン。服を裏返してデザインとする手法を最初にモードシーンに強く打ち出したのはやはり、70年代当時において戦略的アンダーグラウンド・ポジションを取りパンクという大きなうねりを生み出したヴィヴィアン・ウエストウッド&マルコム・マクラーレンの両名が一番最初でしょうか。服を裏返す=反逆の意思主張でもあったそれは以降モードシーンにおいてアヴァンギャルドなデザイン手法として定着しこれまでも様々なデザイナーが発信してきましたが、ここまでエレガンスが先立つインサイドアウトは御目にかかったことがありません。
ここでもやはりミウッチャ女史のDNAと育ちが上手く作用したように思います。インサイドアウト自体が非常に解りやすくキャッチーですので簡単にデザイン性が高まった見た目となりアヴァンギャルドな印象を獲得しますが、そのまま裏面を表に露出させるわけではなく従来の表要素も織り交ぜることで単純なインサイドアウトとは一線を画した自然体ながら複雑な個性を獲得し、丁寧かつ本格的に構築するがゆえ全体に生じる引きつりや歪みによってインサイドアウトの意味合いをより強く、かつエレガントに主張。そしてナイロンのフューチャー感とウールのクラシック感の心地良いマリアージュ。この複雑な全体構築にも関わらず美しい調和とバランスはちょっとちょっと巧過ぎるでしょう!
シルエットはどちらかと言えばオーヴァーサイズフィッティングですが、さりげない範疇でコンサバティヴな側面もあり。ゆったり着るとモード感がグンと高まるでしょう。これまた現PRADAに通じる要素性がありながらもそれらとは異なる世界観を楽しめます。あとなんだかよく分からないのですが猛烈に着心地が良いです。滑らかなウールが身体側にあるから気持ち良いのかしら?


New arrival,2002AW RUNWAY EXIT4,wool and nylon inside-out coat.
これぞ革新的、これぞ挑戦的。滅茶苦茶格好良い。天才ですミウッチャさん。ハイ皆拍手!
SURR 福留
03-5468-5966
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親愛なるミウッチャ・プラダ女史。彼女ほど最初期のクリエイションに後々の全てが詰まっている/揃っているデザイナーはいないのではないでしょうか。ゆえに後の23年間(PRADAにラフシモンズが参入したファーストコレクションは2021SSですが、個人的に彼女のフルクリエイションは2018AWのキャリアハイにて終了していると勝手ながら捉えています)は最初期のプロダクトをリミックスしたり若干アレンジしたりシルエットスタイルを調整したりといった時代のムードと彼女の気分に則ったREクリエイションが数多く行われました。
“私もおじいちゃん(創始者)みたいに素材感で皆をビックリさせたいわ”という想いから発掘された軍事用素材ポコノの発見であったり、“なんか私たちの鞄の偽物を作っている会社の社長(後の伴侶)が私にメンズウェアをやれとか言ってるわ”というアドバイスから始まったPRADA Uomoのクリエイションであったりと、常に革新的で挑戦的であると同時に歴史と伝統を重んじ、今を未来へと繋げて未来で過去を見返すヘリテージ要素が元来から強かったミウッチャ・プラダ女史。彼女のクリエイションはラフシモンズへと受け継がれて新たな世界観として一層の人々を楽しませていますが、弊店にとって今のPRADA Uomoと1995年から2018年までに発展し続けたミウッチャ・プラダによるPRADA Uomoは明らかに違う存在です。どちらが偉い偉くない,凄い凄くないではありませんが、ミックスコーディネートを前提としたスタイル性でロゴを前面に掲げないコンサバティヴな基本姿勢を貫き、オーヴァーサイズフィッティングであっても直線ではなくクラッシックな仕立て文化の曲線を採用していたミウッチャ・プラダによる Vintage PRADA Uomoが弊店は好き。
2021年11月27日(土)に御披露目させて頂いて以降、弊店のレギュラーメンバーとなったVintage PRADA Uomo。これからもじっくりとゆっくりと、大きな声ではなく大きなうねりも生まないかもしれませんが一点一点着実に御提案させて頂きたい所存。それでは2023年初のVintage PRADA Uomoセレクションです。



1998SS RUNWAY EXIT19, pure fleece wool sports jacket.



2000AW RUNWAY EXIT30,padded trench coat.



2001AW RUNWAY EXIT30,medicine bag.



2002AW RUNWAY EXIT4,wool and nylon inside-out coat.


そしてこちらが上記と異なりランウェイがないプレゼンテーション形式のみであった最々初期の1995-1997sクリエイション。全世界3店舗のみでしか展開されていなかった母数が極端に少ない時代の御品です。相変わらずポコノが服として構築された時の存在感は凄いですねぇ。。。二着目なんて自分で撮っていおいて何色だよって一人呟いてしまいました(若干青みを感じるグレーです)。

2018AWのクリエイションが大好き過ぎて絶対に何か買おうとPARISのフォーブール・サン=ドニの店舗に行ったら丁度今日入荷したよというスーパーキラーワードと共に提案してくれたナイロンギャバジンパンツを愛用しまくっていてもう一本買っておけば良かったと後悔している私的にはやっと出逢えたVintage PRADA Uomoのナイロンギャバジンパンツ。しかもパデッド、しかもウエストドローコードと喜ばしい限りの構築。これは堪りません。100本入手して常に店頭に置いておきたいです。

New arrival,1995-2006s PRADA Uomo selection.
御期待頂けましたら鳴々此れ幸い。
SURR 福留
03-5468-5966
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やりました、ヴェロニク・クリエイション初期時代のブレザー。しかもカシミア×シルク、しかもダブルブレスト。嬉し過ぎて踊りだしたくなる出逢いです。

“美しいネイビーのフランネルのジャケットとレザーのものなら何でも”

過去のインタビューで男性が身に着けるべきものという質問にそう答えたヴェロニク女史。確かにランウェイの最後に姿を見せる彼女の姿はいつも極めてナチュラルでスタンダードで何より彼女に良く似合っているコンサバティヴゆえにその解答も説得力しかありませんし、時代,トレンド,ムード,気分に応じて/適合して変化しながらも彼女曰く就任から最新のコレクションまで一貫して同じテーマで同じ本の章を積み上げ続けていると語るHermes hommeのクリエイションも、やはりスタンダードやコンサバティヴのファイナルアンサーばかりであるように感じます。私は以前からスタンダードスタイルやコンサバティヴスタイルを好んでいたものの、服飾という生業ゆえスタイルとしての攻めが少ない自分で良いのだろうかと悩むこともありましたが、彼女のような存在に人知れず励まされて今があります。とは言えやはりコーディネートを楽しんでおられる御客様や匠に精査される御客様と相対すると羨望が止まりません。如何せん弊店の御客様方、本当に素敵な方々ばかりなので。自信のスタイルはコンサバティヴで良いですが生業としてのスタイルの攻め方コーディネートの精査性は最近改めて勉強している心持ちです。それこそCHIRICOのディレクター鈴木とかスタイリング好きですからね。勉強になりますね。
と言うことでこの度三連続新作Hermesクリエイションの最後はメンズスタイルヒストリーにおいても現代のスタイルにおいても王道のブレザーであり、勢を極めたHermes hommeクリエイションであり、ヴェロニク・ニシャニアン就任して間もない初期個体という個人感情としては幻レベルの存在であり本気で垂涎な一着です。彼女の初期クリエイションはそれこそ時代,トレンド,ムード,気分に適合された当時のHermes hommeスタンダードバランスでありながら時代を経た今向き合うと個性と癖を感じる良い意味で簡単ではない設計バランスが猛烈に蠱惑的で、個性と癖があるからこそ良い意味で簡単ではないからこそ、それを咀嚼して受け入れた際には他では得難い旨味を御認識頂ける、一種の麻薬のような魅力要素を備えているのです。



端的に申しあげるとその個性と癖は肩の強さ。彼女は洒落た粋な両親の元で育ち、とりわけ父親のスタンダードだけどさりげなく御洒落な姿に,その背中に強い影響を受けてファッションデザイナーを目指すに至ったため、Hermes hommeのクリエイティブディレクター就任直後はそんな父の背中を連想させるかのような強いショルダーラインが特徴となります。当然コンセプトプロダクト以外はスタンダードを極めるのでことテーラードジャケットは着丈もしっかりと在りますし、様々な身体への適合を目指すためシルエットバランスもベーシック。それに方の強さが調和しますので、ヴェロニク・クリエイション最初期の味付けは特にクラッシックで、それが現代目線だとデザインシルエットないしコンセプトプロダクトに感じられるというのが興味深くて面白くて堪らないロジック。個人的にも超幸いなことに彼女の初期クリエイションのテーラードジャケットを所有していて毎年楽しく着ているのですが、今期は特に今っぽさを感じる一張羅として例年以上に楽しめています。

1992s Hermes homme cashmere silk double breasted jacket.
カシミアとシルクによるフランネル,ミッドナイトブルーカラー,ゴールドボタン。兎にも角にも最強の一着。彼女の個性と癖を独自に解釈して是非現代の装いとしてお楽しみ頂きたい。いずれにせよ彼女の就任から最新のコレクションまで一貫して同じテーマというクリエイション・フィロソフィーは確かです。ネバーエンディングストーリー。
SURR 福留
03-5468-5966
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