この度の新作である “ フランスにて製作された、それぞれに一人の注文主が居たコート ” 其の完結となる三着目を御披露目させていただく数ヶ月前に弊社で行われた商品検討会において熱視を浴びる事となった其の一着の変則的製作背景に対して疑いを隠せずに居たわたくしですが、ハウスプレートに刻まれたParisの印字と注文コード、そして一人の注文主の軌跡として記されるオーダータイム(年月日)の確固たる証拠を目の当たりしても尚,素直に受け入れることが困難であった理由を敢えて述べますと、今現在最も獲得困難と囁かれる同社フレンチビスポーク・コートである事、そのうえ当時得意とされた提案要素の主軸であるコットンギャバジンの組成,頭脳ど真ん中に仕入れていた情報を根底から覆す本品の御素材事実に尽き。総じて全的な裁量権を握る注文主とハウス基底に沿って要望を具現化するアルチザン=職人との応酬の末 Tweed / ツイード の精選が成された1956年10月11日に想いを馳せずにはいられず。
アイリッシュ・ツイードと憶われる重厚な平織りを視認できますが、油分を含んだような瑞々しいテクスチャーと謂いますか柔らかでコシのある強さは永い歳月をかけて行渡らせた油と湿気,其の非計画的な連続と丹念に向き合い続けた 主 と 衣 の厳然たる関係性,ゆえのエイジングと謂いきるにはどこか不十分で、あるいは毛羽立ちを許さない織り込みの細密さは丁寧なブラッシングとケアリングを習慣化しただけでは裏付けることができない根幹的な組成起因と憶い,率直かつシンプルに申し上げまして恐ろしいほど見事なツイードで御座います。幾重に同種類の御素材を嗜好されてきた方ならばおそらく御感取頂けるのではないかとも、僭越ながら憶う次第です。
正統的ベクトルをたっぷり注がれた御姿は例によってチェスターフィールドコートとして迎えられるわけですが、通常設置されない前立て裏のシガレットポケット(大きさから推定)が追加オーダーのように想起させる特異点と偽りのない純度を披露する三つ釦,比翼,シングルベント、そして潤沢なツイードを精選しながら外套=古き良きオーバーコートとしての意図を全的に感取しきれない明確点として同社においては極めてマニアックレンジなショートスタイルである事、さらにフィッティング・プロポーションとして全体的にコンパクトに抑えられていながらレングスを13cm程出せる余裕を保った御仕立てである事、以上から御身体が完全に仕上がる30代より以前、20代の内に注文された背景を推測する其れはファッション・モードとは遠いところに或るパーソナル性と洗練性と仏青年性/想像性の凝縮容姿のように憶い,完璧なる個人物を個人様に御譲りしたい,伝えて参りたい想いも褪せる事無く,ゆえに引き続きご提案したくてたまらない Bespoke piece であり French bespoke coat で御座います。おっと謂い忘れました、
最後に変則的な製作背景のコートを仕立てた老舗店を記しておきます。
皆様どうぞ宜しくお願い申し上げます。




1956.10.11 order, Burberrys french bespoke chesterfield coat
“ フランスにて製作された、それぞれに一人の注文主が居たコート ” より最後のエントリーと成ります本品 “ 老舗による変則的な製作背景のコート ” は明日 12/8 ( 土 ) 12:00 に御披露目させて頂きます。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
この度の新作である “ フランスにて製作された、それぞれに一人の注文主が居たコート ” 其の二着目となる本品は、自身のために潤沢な資産を惜しげも無く投下する事を許された高貴者による粋な試み、(第一次/第二次)世界的争いの限られた狭間のなか自身の贅沢のため 外套を仕立てる 事を認められた裕福者の極自然的行為による唯一無二,其の具像で御座いまして、同年代同区分においては極めて稀有かつ同区分において稀有な色気特徴を有するコートを選択する注文主の存在事実と時代背景から色濃く分泌された本品 ドレス・チェスターフィールドコート を迎えられて至極光栄に憶います。
ドレス・チェスターフィールドコートとして細分化される襟部分の切り替え ヴェルヴェット の象徴性は視覚的美しさを求めたアンティーク・ビスポーク由来の色気特徴,其のサインで御座います。シンボリズムと身分提示の役割も担っていたマテリアルゆえに時代背景を鑑みると注文主の圧倒的立ち位置を想起せざるを得ず, 数色の羊毛で構成されたダークグレイ・トーンに重ねたブラックヴェルヴェットの調律具合は、永い時流を経て洗礼された慎ましい高尚さが伺えるダンディズム、あるいは公共の場でブラックトーンを愛するフランス同国ゆえの美しき審美眼と憶い、次いで我々の生業では一種の癖と謂いますか習慣と謂いますか、初見考察の際に襟を立たせる行いから始まる、そこから視えるハンドステッチが重厚に及んだ様というのは無条件にこゝろそそられるわけです。その細やかさと濃密さは “ 襟は立たせて良い ” シグナルと御査収頂きたいわけですが、本品においては「まるで視た事がないディテイルカテゴリ」にプールする事となった妖艶なステッチ・バランスで御座いました。


ドレス・チェスターフィールドコートとしては極めて希有な身頃4つ釦、斜め方向に織られた羊毛組成と特質的生地への評価、いずれもヘヴィデューティな関係へと導く相反性を認めることが適いますが、適いますので、この同区分,ドレスというノーブルフィールドへ向けて仕立てられたコートとの御縁が限りなく少ないと謂わざるを得ない実情は他所に、ご提案させていただきたいと素直に想う出立ちは本作が初で御座いました。謂わすもがな、稀有な色気特徴を有する本品ドレス・チェスターフィールドコートをドレス・チェスターフィールドコートらしくドレス・チェスターフィールドコートのようにドレス・チェスターフィールドコート其の関係性を築かずしてたっぷりとお召し頂けるドレス・チェスターフィールドコートとの初見対面を嬉しく憶い、其の様にご提案させていただきたく憶い、貴方様のワードローブに是非とも御収め頂きたい冬期のコートで御座います。

1930s French bespoke dress chesterfield coat for Noble’s
最期に二つの特異性である ノーベンツ=座らない と 裏地のポケット排除=所有物精査 は、注文主の嗜好に息づくオーダー内容である推測も御座いますが、ゆえのビスポーク本来的な比類なき個体偉力としてご対面いただきたく憶います。電車内でいかに席が空いてようと座らない哲学など合わせて。
“ フランスにて製作された、それぞれに一人の注文主が居たコート ” からの二着目となります本品 “ 同区分において稀有な色気特徴を有するコート ” は明日 12/7 ( 金 ) 12:00 に御披露目させて頂きます。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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この度の新作である “ フランスにて製作された、それぞれに一人の注文主が居たコート ” より明日御披露目させて頂きます一着目となる本品は 1963 年に御医者様の要望にて製作された逸品でして、注文仕立服という芳醇かつ特殊な背景に加えて Doctor という純真無垢な要素/要望が加わることで獲得した仕上がりは極地的なまでに我々にとってより強く御注目頂きたいとささやかに主張してしかるべき存在価値と相成ります。

御医者様 - 私は成ったことがありませんしきっと来世も成ることは無いであろう世界のお方ですが、光栄ながらこの生業において触れ合わせて頂く機会があるうえでの浅はかな印象と致しましては、極めて極めて大変なお仕事, もちろん職業に貴賤無しではありますが、御医者様方がいわゆる “ 触れ扱われる ” 事柄はとても推し量れるものではございませんので、私なんぞが大変なお仕事と申しあげるのも失礼に値するほどに想いますが、しかしながら間違いないのは社会にしっかりと貢献される, 尊敬されてしかるべき, “ 先生 ” という敬称に一寸の曇りも無く値する方々 に想います。本当にいつもお世話になっております。お酒飲み過ぎないように気を付けます、すみません。
その 私なんぞが推し量れない大変さ を想像させてくれる要素がこちらのビスポークコートにも潜んでおり、まず始めがベンツの深さでして、皆様方も御存知の通り古き乗馬用のコートなどは稼働目的として通常よりも深いセンターベンツが設計されるのですが、こちらもそれらと同じく深いそれが配置しており、きっと着用時にも即座に従事・対応を目的としたそれだったのではないかと想像します。更に特徴的なのは袖の取り付けでして、この点は私が服創りを学んでいないがゆえ抽象的な表現となってしまい恐縮なのですが、およそ 1930 年代頃以降の仕立服は基本的に “ 身頃から袖が生えている / 身頃から袖が延長している ” ように結合されているのに対して、それ以前, 主に 1900 年代初頭まで仕立ては “ 身頃に対して袖が独立している / 身頃 に対して少々袖が被さる形 ” の結合であるとかねてより想っておりまして、前者が身頃に対して袖が “ シュッ ” だとすると後者が “ ガシャコン ” と申しますか、この内容を可視化するのが初めてなので大変に歯がゆいのですがそのように感じておりまして、本品もその様式にて構築されているのですが、この論点は美意識よりも機能性であろうにも関わらず、私はこの構築形式の結果に極めて強い美しさ, 純粋な目的性ならではの輝きを感じ強烈に惹かれます。



なにより強烈な印象を残すのは袖を通し身体に添わせた時の得も言われぬ心地良さ。問答無用に包み込まれると申しますかコートそのものに優しく抱き締められると申しますか、その絶頂感は言葉で表現しきることが叶いませんで、それはやはり注文服, ビスポークであるがゆえの職人技術によるものが大きいでしょう。私はビスポーク至上主義者ではなく既製服も同等に愛しておりますが、この直感的な問答無用感と絶頂感はビスポークならではの感情に想います。またこれも想像の域を出ませんが、このコートを抱き締め返すとこの美しく青みがかったヘリンボーンはウールだけではなくロウシルクを織り交ぜた組成なのではないかと想わずにはいられません。着用絶頂感と併せましてこの点も是非実物にて御体感頂きたいです。


1963s French bespoke chesterfield coat for doctor
最期の特異性であるポケットを排除された胸部ですが、この点は純粋に注文主の好みだったのではないかと想像致します。前述の要素とこの無機質さを踏まえまして御身体への寄り添いによって, 寄り添わないことでの唯一無二な結果によって, 嗅覚のみによって等で御判断頂き、御医者様という注文主と時代を経て現代のお姿にして頂けましたら幸いです。
“ フランスにて製作された、それぞれに一人の注文主が居たコート ” からの一着目となります本品 “ 社会貢献性の高い資格所有者が注文主のコート ” は明日 12/6 ( 木 ) 12:00 に御披露目させて頂きます。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]
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