ミシェル・ゴンドリー監督の自伝的映画に登場する少年ダニエルは終盤、いきさつによりセルフで髪を刈上げ、街のスーパーで売っていた紳士シャツ(巨大)を着用し、フランス田舎町を歩行する前方からのロングカット。イタリアメゾン18fwのショーのラスト、照れ臭そうに登場したクリエイティブディレクターが釦2つ程外して着ていたブルーのビックシャツ、引き続き脳裏に焼きついて離れてくれないウィリーガーソンの強烈な色気。ここ最近(“引き続き”を入れると2年程)無意識に浸透していたそれらのイメージを意識的に手繰り寄せるとぼんやり浮かぶ「完璧に近い個性」という共鳴点。その僅かな隙間に落ちた成功を手にするため一任されるシャツというアイテムは、角度を変えて向き合うだけで男性的にも、ファッションとしても通用する見事な振り幅。自身を編集する上でこしらえた多様なセオリーや厳しいルールも突き通せる適応力。ゆえに、枷を外し、本来的にも実際的にも自由で構わないと思いますし、わたくしは絶大な信頼を置いているわけであります。このシャツというアイテムに。気の向くまま釦を外し、風を通すため裾はアウト。本来ダブルカフとは袖を捲りやすいように発明された内容ですのでその意義を通して頂き、あるいはウィリーガーソン並みの色気を獲得するため重力に逆らわず、だらりと。それが最良の資質を備えた1枚ということであれば、ネームに込められた重み、細やかな運針、質のよい釦、圧倒性を放つ生地が具体的要素であるように、なにをどのように着用したとしても満足に受け入れてくれる許容力。「完璧に近い個性」にコミットメントする素晴らしき実相。
プレタレーヴェルでは確実に出現しない、エメラルドグリーン/ストライプという特異点こそ。

1993s Charvet cotton shirts, green stripe
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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1920s 〜 1994s
antique & vintage various twenty shirt for men
cotton , silk , linen , and more
France , British , Italy
4/21(土)12:00〜
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]

1993s Charvet cream yellow

1994s Charvet gray stripe
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ヨーロッパの街で生きる男たちの足元がなんとも不鮮明で不明瞭で隠微な性質が表出しているように、あるいは機動力の中心となるギアの正体を決して他の人間に認識させない美学でもあるかのように、「目の前のこの男はどこの靴を履いているんだい」が、ずいぶん多いように感じるのは私だけではないはず。
こと、レザーシューズ / ドレスシューズに関して。
目の前のその男が機動力の中心となるギアを脱いだ丁度今こそ絶好のチャンスとばかりに、レンズのピントを合わせるように注意深く視線をフォーカスさせるとスニーカーロゴのインソールを装備していたもんですから刮目していた自分が滑稽に思えてしまい、それからというもの、そんなの気にしない精神をどっしり構えて東京の街を生きてまいりましたが、そもそもファッションが好きであるから「気になる」という好奇心は食欲やその他の欲求に等しく、極、自然心理現象なのだろうと引き続き刮目するを辞めずに青山3丁目で日々を過ごしている始末。そんなくだらない葛藤を頭の片隅に、仮にも、機動力の中心となるギアの正体を決して他の人間に認識させない美学が存在するとして、あるいは他の人間にそんなくだらない葛藤を覚えさせるような強力な隠微性(ある種類の)が表出されたレザーシューズの共通点として、“ ロングノーズ ” こそ、手応えを与える実際的な詳細であるように思います。習慣的行動のすべてを支える足元に記憶/更新されていくディープな皺、着脱の利便性を追求した2アイレットダービー、そして有効的に強調されるロングノーズ。隠微性を確実なものにするフルグレインともなれば。
つまりは、不可避の引力のように嫉妬してしまうのです、隠微性のある靴に。




Newarrival 80s Edward Green grain leather plain tow darby

次いで、わたくしが世の中で最も愛する素材のひとつであり、その愛しさはファッションどうこうのベクトルレールからも外れた、もっと内奥から溢れるパトスであると認識しておりますが、砕いて言いましても、物体として、存在として好きなのです。存在そのものが。さらにいいますと其れは目の前にただ佇むのみでは魅力として光らず、長期的関係を現実的に約束された詳細、何より “ うごき ” を許すことで従順に反応し、奏でられる「音」こそ全的に愛おしく思う一例でしょう。着脱の際にこすれる濃厚な音。日々のうごきに追随するコクのある音。レザー愛好家が革の匂いを嗅いで飯を何杯でも喰らえるように、飽きず絶えないフェイバリットナンバーと同様、素晴らしく硬質な音をプレイするのです。断続的に。いずれは日本テレビ同社の伝統や自然に通づる “ 良き音 ” を発信する素晴らしい某番組に出てこないものかと真剣に思うわけであります。
ventile cotton

2018S/S本シーズン、幸運が重なり得られた2着のベンタイル。いずれもThomas Maison社が提供したベンタイルであるという事実は、副次的な魅力として留めておきたい心持ちながらわたくしの全スペックと全容量をもってしても耐えるに耐えられない強力な魅力で御座いました。同社ベンタイルを提供した先はスコットランドのメーカーで御座いまして、ミリタリーやハンティングを得意とする歴史もありながら極専門衣料も請け負っていた事実は、多面的な広がりというより、同国ベルスタッフ社が一例として挙げられる英国的内容、あるいは表面生産ではなく緻密に力強くつくられたお洋服こそ証明であるように、本質的奥行きが感じられる内容で御座います。その姿を拝むには綿密な計画と有効な作戦が必要であるのと同じく、別惑星の生物発見に近しい、ごく控えめに申し上げましても稀有な其れで御座いますが、しかしながら一般的見解ではなくあくまで弊店の力無さが露呈した内容でもありますので、日々精進と引き続き努めてまいります。
プラクティカルで実践的な無数のポケット、システマティックな全貌、驚異的なギミックの数々。
そして絶対的な魅力として満ちている「赤いベンタイル」という特異点。





Newarrival early80s West Winds ventile cotton sport coat fabric from “ Thomas Mason ”
本作が、山岳警備隊の極専門衣料であることは、資料抽出による “ 推定 ” に留めておきます。
副次的な魅力として、
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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