ショートコート又はハーフスタイルコート、総じて、此の1着の “ スポーツコート ” は、膨大なデータを照合させましてもヒットの予感すら叶わない、我々にとっては未踏地のエリア13、平たく言いまして初見の其れで御座いました。純粋に好奇心のアンテナが起立する瞬間でもあり、純粋に勉強不足が露呈する瞬間でも御座いまして、しかしながら、製作された年代やら大まかに表出されるステータスについては、実のところ合理的疑いを超えて有効であると示すに値する情報というのを十二分に認識しているわけでありますが、それ以上に、概念的にも実際的にも内包されている心核の部分、「一体なんのために」という核心につきましては、仮設,分析,検証を慎重に進めなければならず、それはここまで綴らせて頂いている通り、近しい種類あるいは同等の構成プログラムを具有したお洋服というのをまるで視たことがないという素朴で鮮明な理由による、まったく以って御恥ずかしい次第。

そのような種類のお洋服を、我々は “ ビスポーク ” と仮定し、テーラードにもカジュアルウェアにも属さず、目的性も視えない種類のお洋服を “ スポーツジャケット / コート ” と総称致しております。しかしながら本作に関しましては、ビスポークであると仮定し詳述することは叶いましても、推測から断定までの道のりがマラソンからスパルタと同じくらい距離が御座いますので、当然フィリッピデスのように一日で往復できるレヴェルのお話ではありませんが、いずれにしましても、そうであろうかと推測域を広げるに値する1着であるということを、どうぞ御含み置き頂けましたら幸いに思います。



初見の段階で、ズドン、と受けた強烈な衝撃は、初めてジーンズにウェストンのダブルソールを履き合わせた征服感に近しく、もしくは、ブローグシューズの魅力を全的に理解した幸福感に近く、あるいは、小田原温泉の帰り松琴楼の鰻を腹一杯頬張った充足感にも近い、具体例そのような感覚で御座いました。正統性や普遍性など見る影もなく、「皆様これがクラシカルで御座います」と声を大にして申し上げることも叶わない、“ モダン ” という性質に垂直的に帰結するほど、あまりにも近代的な実態で御座いまして、それはマストメソッドとは到底思えない “ デザイン ” されたようなステッチワーク、よく訓練されたようなコットンキャンバスに全面反抗するように位置付けられたメタリックバックル、採用されたラグランスリーブスが容易に想起させるハンティングというひとつの世界から驚くほどかけ離れた都会的なコンパクトフィッティング、故に成立したアームの見事な弓形。削りたてのペンシルで丁寧に描かれた鮮度の良い図面から飛び出したばかりのプロトタイプのように新鮮、しかしながら既に完成された技、テクニック、手技、技術、驚くほどに技巧的な数々。そしてシンメトリー美学を物語る構成にもかかわらず、左中央に装着されたシルバーチェーンは本作が製作されてから約20年後に取り付けられた懐中時計を装備するためのツール。初代オーナー様、もしくは2代目主人の実践的な施し。






80年代以降の積み上げ方が専門的にまるで意図的に起こされたようにクロノロジカルから完全に乖離したその様子は、正直なところ、木の枝と山道に転がる自然材料で見事なコンテンポラリアートを創り上げる一例に極めて近い、そう申し上げても偶さか大袈裟ではないほど、戻るべく適切な表現、視覚的実態以上に、何より決定的に、 “ モダン ” そのもので御座います。

New arrival 30s France sport canvas coat with 50s silver chain.
「一体なんのために」という核心につきましては、各要素を潜考,解読するにあたり、あるいは消去法という術を用いながら検分した上で、抽象的表現にて誠に恐れ入りますが、“ 仏紳士に向けて仕立てられたインフォーマル用の外套 ” 詰まるところ、“ スポーツコート ” で御座います。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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Hors d’oeuvre

Soup


Main dish -fish-

Main dish -meat-

Dessert


M E N U
Hors d’oeuvre 【1962s British 9K pure gold wave ring】
Soup 【1941s British 9K pure gold signet rings】
Main dish -fish- 【1947s British 18K pure gold &diamond CC ring】
Main dish -meat- 【20s British 9K pure gold & diamond wide ring】
Dessert 【1994s British 9K pure pink gold plain ring】
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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例えばリネンという繊維または織物の起源を可能な限り辿ってまいりますと「古代エジプト」という歴史が顔を出しますが、紀元前8000年頃には原料の亜麻が確認され、紀元前3500年頃のエジプトの交易品の中には金やら銀やら陶器やらと混じって、織物として成立した「リネン」が実際的に用意されていたそう。現時点で最古の織物としてエジプト初期王朝時代のリネン製のドレスが出土したり、ミイラに使われる布こそリネンだったり。
いつぞや、紀元前2875年製のエジプト産リネンコート、などご紹介する日もあるやもしれませんが、そこはご安心ください。そんなもの発掘しようものならミュージアムクラス以上に国有資産になり得るレヴェル。そもそも直ちに地球へ還りそうな超自然繊維でできたコートなど、日常的にどうぞ、などと皆様にご紹介するわけにはまいりません。恒久的思考性が人一倍強いわたくしにとっては特に。しかしながら、しかしながらも、事実出土したからこそ歴史が明快に明かされていくわけではありますが、少なくともわたくしは歴史の探求や解明より、そのリネンというお素材/繊維/織物の “ 生命力 ” が(それはもう明快に)証明された瞬間こそ、歓喜に満ち溢れるべきでしょうと思うわけです(考古学者の皆様申し訳ありません)。そうなると今度はリネンというお素材/繊維/織物についての探求心を垂直的に降ろしたくなり、日本麻紡績協会なるオフィシャル集団に問い合わせを致しましたところ、ご多忙なご様子でてんで取り合っては頂けず、渋々と今現在エジプトのお話から綴らせて頂いているわけであります(日本麻紡績協会の皆様申し訳ありません)

なんともリアリティのない文頭からご紹介に至りました「リネン」について、端的にも “ タフネス ” というワードで内包したい心持ち。わたくしからお素材自体の魅力を端から端まで逐一箇条書きを致さずとも、よりディープに、よりワイドに、ファッションをお楽しみ頂いている皆様にとっては欠伸がとまらない内容になると十二分に心得ております故、そんな「リネン」を用いたメインコレクションレーヴェルの素晴らしき作品を一例とし、誠に勝手ながら本日はご紹介させて頂きたいと存じます。




そもそもとして、メインコレクションレーヴェルの素晴らしき一品というものをご紹介するにあたり、質素で簡潔的なお素材に対するボタンがetc、とか、正確無比な縫製はまるでリバーシブルのようです、とか、お素材以外のポイントこそ、つまりそれは、そうか、なるほど、と限りなくロジカルな具体的要素こそ、素晴らしき一品たる所以とご納得頂けるものと存じますが、そんな合理的なオペレーションより、初見で圧倒された純粋無垢な「素材力」を、とてもリアルに、とてもクリアに、お伝えしなかればならない使命感に近い想い、それは今シーズンこのタイミングに偶発的にも様々なお国/年代/種類の「リネン」が肩を並べている店内空間において、あるいは、イタリアとファッションを突き合わせた際に自然発生するいくつもの魅力的要素のうち、“ 素材 ” というキーワードも避けては通れないファクターであり、あるからこそ、別国にはアイリッシュリネンと世界最高峰の質が存在する中で、例えば素晴らしき一例のようなこの硬質無垢であり其れはまるでエクトプラズマのように色気すら漂う洋服であるがための「リネン」であり、驚くことにエクトプラズマのように色気すら漂う洋服であるがためのリネンは、肌に接触する “ 内側 ” に縫い付けられたシステムであり、硬質無垢そのものと云えるリネンをメインファブリックに任命した皮肉と紙一重の術は、決してスポイルではなく、人前に出るのに何かを着なくてはいけないから仕方なく服を着るベクトルも、服装に敬意を払う教えも、休日の午後にファッションを愉しむ単純明快な嗜好すら叶う、万能無敵な1着に見事に昇華された、やはりメインコレクションレーヴェルに相応しい一品で御座いました。

ごく、控えめに申し上げましても。

Newarrival 80s Giorgio Armani pure linen blouson
カジュアルレーヴェルが恐ろしいほどの “ 質 ” を具有するイタリ本国のビックメゾン中で、こうして実際にメインコレクションピースを目の前にしますと、この手のブルゾンの相場は決まりきってるだろう、何が目的かわかってるよと言わんばかりの束を連ねる少年のように、ただ、ただ、直向きで嘘のない “ 自信 ” が顕示され、両面が “ タフネス ” なリネンというお素材で表現されている具体性と、それを驚くほど丁寧に丁重に縫製されている具体性は、安易かつ抽象的な表現にて誠に恐れ入りますが、made in Italyをまるで見事に象徴した一品であると、弊店からも自信をもってお勧めを致します。
恒久的思考性が人一倍強い、わたくしからは特に。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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