ミリタリー×デザイナーズ / Diary1371
22.1.2026

 

数年以上前のことになりますが、私は元々「ミリタリー」というジャンルの洋服があまり得意ではありませんでした。どこか無骨で、強さが前に出すぎている印象があり、自分のスタイルとは少し距離のある存在だったように思います。そんな価値観が大きく変わるきっかけになったのが、French Air Forceとの出会いでした、初めて袖を通したとき、無骨すぎるという先入観が一気に覆され、ただ純粋に「カッコイイ」と驚いた記憶が、今でも強く残っています。 機能服でありながら、どこか品があり、空気感はむしろモードに近い、その佇まいに、自然と惹き込まれていきました。元々デザイナーズカルチャーが好きだったこともあり、その相性の良さは想像以上でしたし、構築的なシルエットや素材選び、スタイリングの自由度は、デザイナーズの洋服と組み合わせることで一層際立ち、気がつけばほぼ毎日のように着ていた時期もありました。ミリタリーでありながら、スタイリング次第で表情が大きく変わる。改めて服の面白さを教えられた気がします。 今回は、そんな自身の体験も踏まえながら、ミリタリー × デザイナーズという組み合わせを提案させていただきます。

 

装飾も必要な分だけで、過不足がありません。「足す」よりも「揃える」ことで形を作っている印象で、色は深く、少し鈍さのあるグリーンで、明るさや鮮やかさはなく、その分、全体の印象を落ち着かせていて、背景を加味したイメージと自然につながり、違和感が残らない色です。 着ていて目立つというよりは、ふと目に入ったときに「いいな」と思わせる何かがある。そんな魅力があるなと毎度思います。

Louis Vuittonからショールカラースタイルのスカーフ。一般的な「巻くためのスカーフ」とは発想が大きく異なります。最大の特徴は、首に巻く行為そのものをデザインの中心に置いていない点です。むしろ、首元に預けるような感覚で成立する、極めて構築的なスカーフと言えます。首に触れる部分は柔らかく、圧迫感を感じさせない一方で、前に垂れるパネル部分はニットの目がしっかり立っています。これにより、無造作に掛けただけでも自然とVラインが整い、スタイリングに品と奥行きが生まれます。

全く文脈の違うもの同士を合わせることで、それぞれが持つ良さは削がれるどころか、むしろ輪郭がはっきりと浮かび上がり、ミリタリーの文脈は、スカーフよって中和され、反対にこのスカーフの持つ上質さは、ミリタリーウェアの実用的な空気感によって過剰にならず、自然に日常へと引き戻されます。全く文脈の違うもの程よりマッチする気がします。

 

 

 

 

インナーはお好みで。

どちらも手元にあれば、スタイルの幅を広げてくれると思いますし、何かときっかけを作ってくれるかと。  

 

 

SURR 古川

私見と偏見 / Diary1370
16.1.2026

イタリアの上質なセーター文化には時代性を反映させた“当時の普通”というスタイルの要素が際立つのですが、時代を経ることによってそれらの普通が個性となり結果的にデザインスタイルと成るのは弊店にとって何より興味深く楽しく思えること。昨今のブルネロ・クチネリは御存知の通り総合的なファッションブランドの位置付けですが、この頃は御存知の通り純然かつ素朴なニットメーカーでしたから前述の要素性は顕著でして、特有のボンバーシルエットはまさに近代におけるデザイン性豊かなセータースタイル。ところでニットポロで首元のボタン一つってだけでこんなにもコンテンポラリーな雰囲気漂うって知ってました?

 

 

これはもっと遡って80年代のイタリーセーター文化、maloでここまで古い一着の御提案は弊店でも当たり前ではありません。よりボリューミーでよりボンバーで大胆なオーヴァーサイズ設計に心なしかいつもよりトロトロな内モンゴル産カシミアのモッタリとした肌触り、毛量もすんごいです。深いながら鮮やかな緑も良過ぎるなぁ。

 

 

こちらは90sなのでボリューム感も近代的なスタンダードに寄っているかもしれませんが今のそれよりもやはりデザインなスタイルバランス。しかしながらタートルネックでスプリングカシミアと呼べるほどのライトさって絶妙な存在価値かつ絶妙に出逢え無さ。タートルなのにスプリングカシミアって?ってティーンネイジャーの福留だったら問うていたかもしれないし場合によっては失笑していたかもしれない、そんな昔の自分を叱りたい首根っこ掴んで小一時間正座させるか代々木公園でバトミントンしながら説きたい、だってこんなにも有益なライフスタイルプロダクトなのだから。カシミアセーターの重ね着を昨年習得したからこそ尚更です。

 

 

細くなく太くもなく、どちらかと言えばハイウエスト気味でクラッシックながら腰回りの設計がコンパクトなので足の付け根にしっかりと太さがあったとてシュッとしたレッグラインになる。誤解を恐れずに言えばデザイナーズジーンズにおけるリーバイス501的存在感なこちらは、一見すると超絶普通ながら普通ではない“ファッションデザイナーによる設計”という意義が隅々にまで注がれています。なんせ32インチ表記にも関わらず実寸がウエスト29.9インチなのですから。デニムブルーも濃いったらないしレングスバランスも良くて満遍なく軽いエイジングがあるので裾の仕上げも最近ではないことが分かりますから、おそらくというか間違いなくこれはいわゆる“相当に良い個体”でしょう。

 

 

茄子っぽい色合いのいわゆるコットンツイル素材もまた如実なアメリカンカルチャー,デニムカルチャーの反映であると同時にカジュアルモードに相応しい個性と品の良さ。というかことコットンツイルに関してはオリジンのそれらが既に十分に品が良いのでファッションデザイナーの解釈が加わればそりゃ良いよな、と私は思います。でもあまりと言うかほとんど御提案したことがありませんのでなんと言うか当たりな印象、と言うかシンプルに洒落てるしスタイル表現の幅は正直ほぼ無限だと思うし季節の幅も広いし絶対良いっしょ、と私は思います。

 

 

胸元ポケット,マフポケット,サイドポケットが二重,そんでアヴィエイター的スリーヴポケットという有りそうでなかったマルチ構築かつハーフコートスタイルで少しだけバイカー感が香り立つ補強的なデザインスパイスという各所がかなり“キテ”るこちらは90年代頃と推測されるヨーロピアンアノニマス、匿名特有の何コレ感ギンギンであり稀に出逢えるもしかしたら○○が手掛けたんじゃ!?という不毛で楽しい妄想をギンギンに掻き立ててくれる感性ギンギンなレザープロダクトです。

 

 

ニット専門メーカーから総合的ファッションブランドに推移したからこそ如実となった“あれ、クチネリさんってレザージャケットめちゃ好きなんじゃない?”というフェチズム的な傾向、これもまた私がブルネロ・クチネリという存在を心から愛する要素性の一つです。私は良い意味で思うんですよ、ブルネロ・クチネリってデザイナーズブランドではないなって、創造するデザインスタイルではなく過去から現代に繋がり続ける文化を継承した真のコンサヴァティヴだなって、だから時に逆に新鮮だし徹底して素敵だなって。真のコンサヴァティヴ哲学によるフェチズムのレザージャケットってやっぱり凄い、猛烈にド直球だから猛烈に無骨で、だからこそ異常なまでの色気が漂うんですもん。これこそガンガンに着倒して相棒に仕上げてほしいレザージャケットだなぁ。

 

以上、私見と偏見による新作群のハイライトでした。

 

 

SURR 福留

優秀なインナー / Diary1369
15.1.2026

 

アウターはだいぶ揃ってきたが、ふとクローゼットを見ると「インナーが足りないな」と感じる方も多いのではないでしょうか。実際、私自身も今の時期になると、何を中に着るかで悩むことが増えてきました。 そこで今回は、今はアウターのインナーとして、春先には一枚でさらっと着られるカシミヤセーターを2点ご紹介します。

 

New 00s German pure cashmere turtle neck sweater

New 00s Cristiano Fissore cashmere zipper neck sweater

カシミヤにカシミヤを重ねる、今の時期だからこそ楽しめるレイヤードですし、上質で軽い素材同士だからこそ成立し、シンプルながらも奥行きのあるスタイルに仕上がってくれます。 それぞれ単体でも十分に活躍しながら、重ねることで保温性と表情が増し、今時期は、特に重宝する組み合わせです。

アウターを羽織ることで、スタイリング全体に立体感が生まれますし、インナーがシンプルだからこそアウターの存在感が引き立ちつつも、決して主張しすぎることなく、全体がバランス良くまとまり、首元から覗くタートルと、ハーフジップのレイヤーが、しっかりと表情を作ってくれる点もいいですよね。

これは個人的に気分な合わせですね。レザージャケットは、スタイリング全体を引き締め、程よい緊張感を与えてくれます。レザー特有のハードさに対して、内側はすべてカシミヤという柔軟な素材でまとめているため、見た目と着心地のギャップを楽しめます。

 

 

皆さんのインナー不足が少しでも解決されたらと思いまして、優秀な2着をご紹介させていただきました。

 

 

気になりましたら是非に。 

 

 

SURR 古川

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