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KARIM HADJABについて最後に少しばかり / Diary546
7.6.2018

 

 

 

「Karim Hadjabの表現でなければ」というだけの熱気がある。
 
1年間自然界に放置する。泥で染める。バクテリアに衣服を食べさせる。それらを治して(直して)着られるようにする。そこにもし、条理というものがあるのなら逸していると思うし、あるいは反しているのかもしれない。それにもかかわらず、氏の “表現と実現” というものには、極少数ながらヒトを強く惹きつける何かがあると思う。「Karim Hadjabの表現でなければ」というだけの熱気がある。わたしにとっては、Karim Hadjabという人物自身に強く心を奪われているから、という回答が、起因する理由の骨子であるように思う。

 

環境と資金があればわたしにでもできるのかもしれないし、トライするチャンスというものは皆にあるわけだが(簡単にはいかないというプロ・ロジカルな実際は非・前提に)、仮にも同等のクリエイションが、仏左岸の億万長者によるメゾン界を震え上がらせる前衛的な取り組みであったとしても、中東石油王の持て余した暇つぶしであったとしても、今をときめくファッションスターが「服を大切にしよう」とプラカードを掲げる資源演説的取り組みだとしても、少なくともわたしは心を動かされないと思う。たとえ別の種類の感動を憶えたとして、対価を払って着ることはないだろうと思う(根拠のない個人的の話だが)。氏のクリエイションは、どういう意図で、どういう種類のパッションで、どういった哲学をもって、どれほどの愛を注いで成しているか、とてもハッキリとしている。わかりやすいほど、深い。『 時を経た洋服は、まさに人間のように生きている 』など表面的に理解しようとしてもそうはいかない。そういう意味で、とてもクリアである。そこには、ファッションというこれからのあり方にとってのひとつの可能性が、もしかしたら潜んでいるのかもしれない。そうはいっても、KARIM HADJABというネームにもブランドにも(ブランディングというものがあればを前提に)クリエイションのみに惹かれているわけではない。例によって、Karim Hadjabという人物自身に強く心を奪われているわけである。根源的ともいえる氏の無垢な愛情と、深い情熱と、少年のような人間性と、女性を大切にする紳士性と、そして服への絶大な敬意というものに、見事に心を打ちのめされているわけであり、それらが総合的に凝縮された「表現と実現」に圧倒されるわけである。それは誰しもが持ち得る資質であると同時に、努力では決して持ち得ない種類の資質であるように思う。そこに感じる深い魅力というのも、無条件に等しい。そのようにして、強く惹きつけられるのである。Karim Hadjabというひとりの男性に。KARIM HADJABという紡ぎだされた創造に。同氏が愛情を注いだ衣服に。そしてそこには「Karim Hadjabの表現でなければ」というだけの熱気がある。

 

ヴィンテージが、ファッションが、落し所が、丁度良さが、スタイルが、既成概念が、SURRというフィルターが、それらの不確かな感覚や確かな性質による擦り合わせや検討や発信でもなく、ひとりの男性として “ 着たい ” と思えるだけの熱気が、わたしにもある。その想いや情熱というのを(結局のところ具体的な意見を持たずして)わざとらしく、仰々しく、本文において綴るというのは、青山3丁目の小さなお店からではなく、わたしの大きなエゴと偏見であり、極少数ではなく、少しでも多くの方々に触れて頂きたいという想いの顕れであります。それを混じり気もなく、加工もなく、塗装もせず、表現すると、いささか失礼な文体となってしまったことを最後にお詫び申し上げたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お披露目開始となった5月25日より、お越し下さった方、お手に取って頂いた方、試しに袖を通して下さった方、御選定下さったお客様、此の場を借りて、深く御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。また、本会期におけるカリーム・アジャブ氏による KARIM HADJAB 名義作品の特別編集につきましては、引き続き、6月10日(日)までとさせて頂いております。弊店の分かりづらい編集点でありますので、僭越ながら今一度のアナウンスとさせて頂きます。擦れ合うご縁にでも感じて頂けましたら、幸いに思います。
 
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KARIM HADJAB , 4Saison , base : 50s Frenchwork cotton coverall

 

 

SURR by LAILA 小林

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comming soon

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Argile , coat / Diary544
1.6.2018

 
兼ねてよりご提案を続けてまいりました50年代あるいはそれ以前における、French work atelier coat という存在。就業時、自身の衣服が汚れないように、または来客時に仕事で汚れた衣服を覆い隠すため上から羽織られていた主な活用法でありながら、あらゆる場面に適応する実際力と驚異的な快適性から「完璧な生活着」として永い時代失われず,愛され,護られつづけてきた歴史的所産。膝付近まで覆うことができる守備要素と、僅かな留保すら叶わない軽快さ/驚くほどの軽やかさ、デイリーギアとして実践的なポケットの深さと完璧なポジションは、当時、多くの芸術家たちに愛され、作品制作時のみならず習慣的に着用されていたことから “ atelier coat ” として服飾史に刻まれるに至ったわけであります。
 
1950年代,フレンチワーカーのためにつくられた衣服というのは、希少性やらヴィンテージ的考慮を抜きにしましても、“本当に美しい仕立て” という見解は店頭でご説明させて頂いている通りで御座いまして、ダーツの入り方やらアームの振り方やらの実際的細部より, “着てなんぼの美しさ” という到達点も、店頭でご説明させていただいている通りであります。何も謂わず、先ずはどうぞお試しを下さい。と接客マニュアルが存在するならば第七章辺りに記載されていそうな文面ですが、特に、そう、コートに関しては。
 
しかしながらその絶大な魅力というのを必要最高峰の情報として頭の引き出しにそっと仕舞っておきながら、時にメゾンの強烈な美質にやられ、時に正統的気品に打ち負かされ、テクニカルトーンを放つ変態的個体にまんまと骨抜きにされ、そのようにして絶えず,重ねて,コートメモリという引き出しの容量は常にいっぱい。このような機会にメモリの奥から揺り起すに至るのはヴィンテージショップ一店主としては誠にお恥ずかしく、とはいえ心から有り難く、そのようなお話を先日お越し下さったお客様と相通じた時間というのもまた事実でありまして、兎にも角にも、素晴らしいわけであります。ミッドセンチュリー,1950年代、atelier coatというのは。余分な肉付きもなければ、余計な機能もない。ましてや当時、大変に稀少かつ高価であったリネンの占有率が高いコットン&リネンともなれば、私からは何も申し上げることは御座いません。接客マニュアル第七章を発動するわけであります。

 

 

 

 

 

このような機会に、感覚の揺り起しというのが決定的に行われたわけでありますが、そこに起因する理由の大部分が、謂わずもがな「Argile」で御座いました。カリーム氏が凝視する年代,ミッドセンチュリー,1950年代,フランス市民のための別称atelier coat。501bigeのレッグラインとまるで同じように備わる最高峰の“ノーマル”。マリ共和国の民間伝承を通過させることにより、天然色としての黒を手に入れただけでなく、完全的に浄化された風格というものは、“ 圧倒性 ” という言葉をもってしても程遠く、“ 超然的 ” という言葉でさえも手応えを感じず。そもそもこの会期に際して、私は「Argile」というプログラムに完全にやられてしまいまして、色調や視認できる個体性,独立性、完璧なる個性という要素のみでも十二分に魅力的なのですが、この色調というものは副次的産物にすぎない、と、(あくまで)わたくしは捉えておりまして、他クリエイションや、今現在のメゾンにおいてさえも確実に存在しえない「浄化」こそ、絶大な魅力であるように感取致します。氏の言葉を拝借するならば、それらは実際的に「生きており」、僭越ながら自身の言葉を置かせて頂きますと、「(限りなく)無垢な,衣服に,純化した」そのように憶うわけであります。故に、2つほど欲を謂わせていただくと、雑念なくフラットに向き合って頂きたいのです。そして触手を少しでも伸ばして頂けるならば、1点だけお好きな個体の袖を通して頂きたい。各作品にはブランドプレートや品質表示やらサイズ表記やらもなく、しかし購入する寸前まではKARIM HADJAB / argile / coat でありますが、手に入れていただいた瞬間にはそれらの情報というのは引き出しの奥底にそっと仕舞っていただき、例えばそれがatelier coatであれば「完璧な生活着」の実証とともに、ひとつの生命のように心から可愛がっていただき、末永く、恒久的に、愛情を注いでいただきたく存じます。誠に勝手ながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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KARIM HADJAB , Argile , base : 50s Frenchwork cotton & linen atelier coat

 

 

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Argile , tailored jacket / Diary543
30.5.2018

初めて自分のものとして袖を通したその日はややばかり肌寒かったこともあってか “ なぜこんなにもふんわりとした温かさを感じるのだろう ” と瞬間的に想い、更に活動するうえで即座に “ 特出してなめらかな着心地 ” に気付き、極めて極めて驚かされました。発される体温を生地が, 糸がほど良くコーティングし、不快感皆無の温かみを保持してくれるこの感覚。骨格に併せて動きに併せて生地が滑りながらも心地良く付いてきて寄り添うこの感覚。 どこかで味わったことがあるぞ と記憶の引き出しを探ってみましたところ結びつきました。私が愛して止まないカシミアやシルクの感覚に。

マリにおいて伝統的な存在であり、日常に則した存在であり、様々な意味合いを有する染料としての泥。日本古来であり今や絶滅の危機に瀕している総天然藍染料と同じく科学的な要素を一切用いずに、気温の変化やそれに伴う微生物の作用によって採取した状態から “ 染料泥 ” へと変化するそれは、耐久性や快適性 ( 生活機能性 ) を目的に衣類を染め付けるだけに留まらず、アフリカにおいては胎児を守るために妊婦のお腹に塗られたりと、現実的であり複数の意味合いで有益であり、何より高尚な存在である染料泥。余談ですがヨーロッパにおいては高価なエステ材料として用いられるほどに肌に良い影響を与えてくれます。

“ 染料泥を塗布し・乾かし・洗い落とし・乾かす ” 全て手仕事によるこのプロセスを Argile クリエイションのほとんどの作品において7回、常に表情変化に配慮しながら行うことにより仕上げの洗いを経てもなお繊維の間にミクロで潜む染料泥の成分が前述のカシミアの如きシルクの如き心地良さの理由となります。

総天然要素による泥染めという文化はマリという土地だからこそ培われ、現存が叶いました。氏が “ 黒 ” を求め、呼応するように結実した Argile 。幾つかの氏のクリエイションの中でもなんと申しますか、決して 100 % 表現し切れている言葉ではございませんが “ 特出してダンディ ” な印象を私は抱いており、その充足感を胸に本日も着用しております。
旅にも連れて行きます。夏も着ます。と申しますか数か月前より Argile → 4Saison → 4Saison → Argile → Argile → Argile
→ 4Saison → Argile → 4Saison → 4Saison → Argile → 4Saison…と日々そんな感じです。

 

 

 

 

ダブルブレストのテーラードジャケットなどはいかがでしょうか?心の底から驚異的な熱量にて御推奨させて頂きたい一着です。背中がこれまたたまらなく、ボウモアロックが止まりませんこと、請け合い。

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KARIM HADJAB , Argile , base : 50s Frenchwork double breaseted cotton tailored

 

 

なお、Argile は先々の如実な変化にも是非に御期待くださいませ。以下は私の一着でございまして、着用初日に雨風にどっぷりと晒されたこともあり即座に変化を感じさせてくれました。これまた背中がたまりませんでして、赤霧島ロックが止まりませんこと止まりませんこと。

 

 

SURR by LAILA 福留

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Argile / Diary542
29.5.2018

 

 

– Argile –

 

カリーム・アジャブ氏が今現在、最も心血を注いでいるクリエイションである「Argile」
先日御掲載頂いたThem magazine様の記事が、要を得た素晴らしい内容で御座いまして(というのも上からの文言に聞こえてしまい失礼かもしれないが)「Argile」の実相につきましても、とてもクリアに御掲載を頂いております。しつこいようで恐縮ですが、下記URLにてリンクをさせて頂きます。

 

【インタビュー】Karim Hadjab as《APRÉS》

 

カリーム氏と過ごした時間を咀嚼し、目の前にある1着に熟慮を寄せる、僭越ながらわたくしは、Argileというクリエイションに対する考え方や向き合い方、直感的なインスピレーション等等を超えた、コントロールの効かない “ 情 ” のような感情を抱きまして、なんとも感慨に打たれた次第であります。もし私が宝くじを当てたら、御興味くださる全てのお客様に KARIM HADJAB をプレゼントさせて頂きたいと思うほど皆様と共有したい感情、私も同様であります。(連番買いましたが、数字一文字すら当たらず)

 

 

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北アフリカは死海に沈殿している泥。“ 衣類を染める ” もしくは “ 身体に塗布し洗い流すことで綺麗にする ” という実際的に護られてきたその死海の泥と目的性は、習熟した行いのように浸透している現地民の伝統的習慣、ある種類においての民間伝承、謂わば、フォークロア。水分量を多く含むその泥というのは、限りなく黒に近いセピア色、“極”天然染料で御座います。ここでいう “ 衣類を染める ” とは “ 伝統的なる黒染め ” に値します。泥を衣服に塗布し、天然色としての黒を浸透させていくわけであります。カリーム氏のクリエイション「Argile」においては、この死海の泥を用いるわけでありまして、その過程において、あるいは事前段階において「草木染め」という行程を踏み、自然界より抽出した天然染料を栄養素のように衣服に注ぎ込み、黒染めが実行され、草木染料,泥の浸透具合や浸透箇所、天候や湿度の差異、様々な自然的要素/不規則的環境,状況により、完璧なる「個体色」を獲得するわけですが、視覚的には、ダークトーンのオリーブベースや、慣用色には名を持たない匿名的なカーキ色、濃密なミルクカラー、そして全体が広域かつニュートラルに濃縮された黒(確認できているのは1点)。それらには近しい3種の絵の具をドラマティックに混ぜたような濃密とも謂える深いコク、そして、あたたかな温度があります。近しいカラートーンが並んだとて全くを持った「同色」という完全性はなく,むしろ比較性を超え、完璧なる「個性」というものが保存された独立色。

 

 

 

 

 

 

 

何よりも美しいのが、それらに映える “ 色彩としての黒 ” で御座いまして、襟やラペル,袖口に静謐な表情で佇む黒、既成ルールなど無視、リバースして着用した際のあまりにも美しい対比色は、 “ 天然色としての黒 ” の強烈な存在感というものをノンフィクションで感取致します。その様というのは、造形が見事な額縁に収めてすらも成立するであろう美術的視点と、無垢な衣服としての機能が、完璧に近いほど共存していると、拙い言葉/言葉で恐縮ながら感慨に打たれたわけであります。
 

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“ 身体に塗布し洗い流すことで綺麗にする ”
 
氏は、その意味性や言葉を超えたカルチュアに対する絶対的な敬い、あるいは限りなく深い尊敬、賛美すら抱いております。 “この泥を用いて” “衣服を染色することで” “綺麗にする” 。視覚的美しさや、完璧なまでのアイデンティティを認めること以上に、文化への誠実な敬意と、アナロジーではない力強い実相、概念性を遥かに超えた “ 衣服を綺麗にする ” という美徳、それらは自然的回帰の顕れのように感じますし、ある種類においての「衣服の純化」にすら感じます。実際的な意味でも、概念的浄化であったとしましても『 時を経た洋服は、まさに人間のように生きている 』という氏の無垢な想いに添う行いであり、ひとりの男性の憶いであり、何より衣服に対する不可侵なほどの敬意と愛情を感取するからこそ、これから先はおそらく、この1着を連れ添うことになるだろうと、宿命的なナニカと同時にコントロールの効かない “ 情 ” のようなナニカを深い部分で受け取るのだろうと、拙い言葉/言葉で恐縮ながら、やはり感慨に打たれたわけであります。

 

 

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KARIM HADJAB “ Argile ”

 

1950年代の美しき個体をベースとした境地。品質表示,サイズ表記/サイズ展開はおろか、ネームプレートも御座いません。どのベクトルでどのように向き合おうと、どのアイテムで絞ろうと、どのような精選法を用いようとも、どのようにお選びになられましても、どのようなスタイルで着用されましても正解で御座います。

 

そして、オーナーとしてたっぷりと愛情を注げるような1着、そんな出逢いと成り得ましたら。僭越ながら、我々としましても至極幸福に尽きる想いであります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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KARIM HADJAB new collection / Diary541
24.5.2018

本日、カリーム・アジャブ氏による KARIM HADJAB 名義作品の新作御披露ならびに特別編集を開始致しましたこと、ご報告させて頂きます。

 

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従来と同じく氏のアトリエから我々の目線で選択した品々に加え、先日 LAILA TOKIO 1F で行われたインスタレーションのために氏が選んだ品々を幾つか預かることが叶いましたので、それらも加えた我々にとって至福な特別編集となっております。なお後者は期間限定のお取り扱いになりますこと御理解御了承のほどお願い申し上げます。

 

 

 

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これまでもこれからも良い意味で難解な存在であり続けるあろう KARIM HADJAB の作品群。引き続き可能な限り沢山の皆様方にお認め頂きたいと心から切実に、驚くほど強く願っております。難解ではありますが一つ確かなのは 実際に着て過ごして頂かなくては御認識頂けない要素が多く、そしてそれは何よりも素晴らしい感情を喚起させてくれる と言うことです。もし私が宝くじを当てたら、御興味くださる全てのお客様に KARIM HADJAB をプレゼントさせて頂きたいと思うほど皆様と共有したい感情です。まぁ当たっておりませんが。買ってもおりませんが。

特別編集による当会期は 6/10 までとなります。皆様の御来店を心よりお待ち申し上げております。

 

 

 

 

 

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KARIM HADJAB new collection exhibition 5/24 – 6/10

 

 

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Karimへの想い / Diary540
23.5.2018

 

以下の文章は、先日LAILA TOKIOにて行われたKARIM HADJABの新クリエイション「APRÉS」Exhibitionのため、10日間来日していたKarim Hadjab氏と、密な時間を過ごすこととなった弊店ディレクターが、氏の来日中、頭中に浮かんできた想いをそのままの形式で綴った、謂わば作文である。極めて私的な日記のようなものかもしれない。というので、SURR by LAILAというショップのフィルターを通過させることを前提としてはいないセンテンスであり、ディレクターである福留が自分のために「記録」として保存していた内容であるので、上述の通り、極めて私的なプライベート要素と、彼の感情要素が多い内容となっており、常軌であれば此の場を借りて公開すべきものではないのかもしれないが(とはいえ弊店Diaryは私的な内容が多いのでいずれにしても恐縮な心持ちである)、Karim Hadjabという人物を紐解くうえで、もしかすると重要な内容かもしれないという具体性のない第六感と、「氏と密な時間を過ごしたことでしか知る事の出来ない感情」という部分において、その感情や、情景や、あるいは氏がどういった人物であるか、その魅力について、その片鱗でさえ、世界でたったひとりでも共有して頂ける方がいるのなら公開すべき内容ではなかろうかと、ショップマネージャーである私の勝手な裁量により、本文を迎えることにした。おそらく全てを綴った文章ではないと思うが、ほんの少しでもKarim Hadjabという人物、KARIM HADJABという表現を “ 知る ” という事に向けた手助けとなり得れば、私は素直に嬉しく思う。夕食後、アイスクリームを片手に目を通して頂けたら幸いである。
 

 

SURR by LAILA 小林

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『LAILA TOKIO の 1 階で行われたインスタレーションのためにカリームとクリエイションメンバーが来日してくれたのだが、(現時点で)7回共に過ごした夜明けまでの時間と数えきれないほどの乾杯とハグを経て、またもや彼から様々なことを学んだ。

これまでに彼が行ってきた数多な方法による“服を媒体とした表現”には、彼がこれまでに得た様々な想いが込められている。それを例えば ” 服は生きている ” という言葉で現すとしたらそれが全てで、“自然界に1年間放置する”という行為とすればそれが全てだが、それには生まれた時代や環境、幼少期や青年期、そして今に至るまでの全ての経験が関わっており、それには明るいエピソードもあれば決してそうとは言えないエピソードもある。全ての人々と同じく。
50才を目前とした経験値。フランス国籍という立ち位置。その国で過ごし、実際に目にしてきた様々な出来事。それによって様々なアイデンティティを得ているが、今回共に過ごした中で特に印象深かったのは、自分に正直に生きる。と、人と人とは平等である。という想いだった。
私ごときが言うのは大変に失礼だが、彼は真に少年の感覚を持ち続けている人物だと思う。渋谷のスクランブル交差点を渡るだけでも、代官山から中目黒まで歩くだけでも、ドン・キホーテに行くだけでも、寿司を食べるだけでも、彼の眼は純粋に輝き続けていた。写真も好きな彼のパソコンは歴代のバックアップで常に容量が足りない。
そして様々な道中で聞かせてくれた今の表現への想い。そのうちの一つであるArgileという泥を用いた染めのクリエイションには、アフリカという国にある自然への考えや、それがもたらしてくれる泥という媒介を選んだ理由、その存在意義と特性。そしてArgileを行うことで生まれるアフリカの人々と自身の平等性などが秘められており、彼の純粋な言葉と無垢な瞳で語られるそれらの想いは、彼がいかに稀有な人であるかを再確認させてくれた。

だから彼が“服” “は” “生きている”という言葉を選ぶ感覚基準や、自然界に放置する等の行動とその結果辿り着いた変化が美しいか否かという判断基準は決して誰にも真似することが出来ない。これは間違い無く言い切れること。

彼の環境は近年良い意味で変わり続けているので、もしかしたら遠い未来なのかそれほど遠くない未来なのか、服以外の媒体による表現を行うかもしれない。その行為が良い悪いではなく、私は彼のように尊く無垢な聖人のように稀有な人がやりたいと感じたことは、引き続き是非ともやってほしいと心から想う。もちろん彼が服を用いて表現しなくなったらとても悲しいが、そんな個人感情以上にこの世の中が彼にとって表現し続けたいと想える世界であることを、表現し続けられる世界であることを切に願う。』

2018年5月6日  福留
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カリーム・アジャブ氏が手掛けるKARIM HADJABについて少しばかり / Diary539
21.5.2018

 

 

カリーム・アジャブ氏が手掛けるKARIM HADJABの新作発表を今週末に控えているわけでありますが、氏の感性が実際的に、意図的に、あるいは極自然的に保存された作品をどのような日本語句を持ってお伝えすればよいか、沈思黙考する日々であります。それは丁度昨年の今頃もそうでありましたし、只今この瞬間もそうでありまして、この先においても難攻不落の命題のように感じております。先日福留が記していたように、氏の初来日に伴い、同じ空間で同じ空気を吸い、等しく流れる時間を共有することにより理解が層一層と複雑化した事実というのは、わたくしも同様であります。ごく控えめに申し上げるとしましても、パワーがすごいのです。氏あるいはクリエイトされた作品から無意識に放出される不可視のパワー。その力強さや増強された資質というのは、袖を通すというファーストコンタクトを実際的に経ることで確実な目路を手に入れ、所有したその瞬間から共に人生を歩んで往く必然的な誓約なるものが必然的に結ばれる感覚というのもまた、そのパワーに起因するのでしょう。どのようなクリエイションを通過し、いかなる自然的恩恵や意図のセーヴがなされ、つまりは目の前のパワーを手に入れているという現実的内容を各作品毎にご説明させて頂くことは勿論叶いますし、そのようなメソッドが何よりも好ましく思いますが、概念的分野におけるカリーム・アジャブ氏が手掛けるKARIM HADJABの鬱然たる絶対領域に関しましては、「理解していたつもりであったが、それ以上に、あまりにも深かった」という正直な想いと、その及ばない理解というのがより複雑化した、という正直な心境に起因する具体例として、“ 氏の作品に対する圧倒的な愛の深さ ” をお伝えせねばなりません。例えるならば、氏は作品に対してまさに実子のように向き合い、時に誉め称え、時に叱り、個を尊重し、敬い、無条件に愛する。当初から一貫された氏の哲学である『 衣類=ヒト つまり、1つ1つの自立性 』が意志の制御の支配下にない領域で、「愛情」という形で顕われている、もっといえば、その愛情という無垢な性質の中に「敬意」が内包されておるのです。このようにコトバで表すのは容易なことでしょうが、無垢の敬意を孕んだ愛情というのを呼吸するのとまるで同じように習慣的に、何より偏執狂的に注ぐというのは、注げる人間というのは、そう多くはないとわたくしは感じております。そうであると思いますし、時間を共有した先日の機会で、よりハッキリと感じた次第であります。異常なまでの愛の深さについて。

 

 

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わたくしが勝手ながら氏が手掛けた作品に対して感じる感情、コトバ、表現として “ 民主的 ” である、という事も記しておきます。常軌を逸した段階を踏もうとも、ありえない、という言葉で括れるクリエイションであったとしましても、着地された作品というのはどこまでも現実味を帯び、どこまでも民主的であり、純粋な衣服であります。ピュアでクリアな目的をもった衣服であり、我々人類に深く添え得る衣服であります。それは、初見よりずっと抱いている具体的な感触であり、今でも一貫として心に深々と刺さっているような感銘であります。気に入った色彩、色調、クリエイション、フィッティング、コート、ジャケット、シャツ、分類できない衣、二面性、四面性、本来の実相、希少性、夥多性、特異性。どの方面でどのベクトルでどのように向き合おうと、どのような精選法を用いようとも、どのようにお選びになられましても、どのようなスタイルで着用されましても正解で御座いますし、心の底より、オーナーとしてたっぷりと愛情を注げるような1着、そんな出逢いでありましたら。
僭越ながら、我々としましても至極幸福に尽きる想いであります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Newarrival0518 / Diary538
18.5.2018

 

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正統的個体から極偏執的個体まで。

プラクティカルからエキセントリックまで。

精査御一考の程、宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

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New arrival 60s Italy military NATOs combat jacket

 

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New arrival 90s Best Company sweat shirt, crazy camouflage

 

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New arrival 90s Hermes wool & silk tailored jacket

 

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New arrival 80s Missoni summer stole

 

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New arrival 60s France herringbone twill coverall “ white ”

 

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New arrival 80s ISSEY MIYAKE special

 

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New arrival 60s J.M.WESTON, opera shoes

 

 

 

 

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擬似的なディベート虚しく / Diary537
16.5.2018

 

 

 

例年に比べて潜思する機会が多いので、ああだろう、こうだろう、と心の中で推測と答え合わせを繰り返しておりまして、蓄えた経験や知識で正しく推量しようとする過程もまた至福の時間でありますので勝手ながら愉しませて頂いております。
そのようにして擬似的なディベートごっこが開催される機会が多いというのは、例年に比べて潜思する機会が多い、詰まるところ、例年以上に出逢いが多い、という極めて幸運な事実でありまして、然もややこしく思案を巡らせる正体の大部分というのは、80s ISSEY MIYAKEで御座います。ああだろう、こうだろうと推測と答え合わせを繰り返す内容というのはディテールの正体を究明するという無邪気な行いですが、そんなことはどうだっていい仄かなプロットに過ぎず、蓄えた経験や知識の外で辿り着く “ 素晴らしい衣服 ” という単純明快な着地点。さらにそのように着地する衣服というのはおおかた「コート」に分類されるものでして、同社,同氏が提唱する哲学というのをより明確に感じ取ることができる実現物であるように思います。そのような機会が多いのです、例年に増して。そう、80s ISSEY MIYAKEのコートというのは意義を挟む隙間もなく素晴らしい。これは紛れもない事実で御座います。ここにわたくしの一意見というのを僭越ながら置かせて頂くと、もっと爆発的な評価を獲得して良いのではないか(現時点で高い評価を得ているという事実のうえで)、安っぽい文句ですが純粋にそのように想うのであります。ヨーロッパ圏においても本国においてもクリエイターやデザイナー様に評価を得ている印象も拭えず、決然としたオーバーフィッティング、あまりにも美しいドレープ、和洋折衷の個体性、仕立ての良い1着の外套として、真髄を求める者にこそお認め頂きたいと。なんとも偉そうでな一意見でありまして、失礼にも不快なお気持ちにさせてしまいましたら申し訳ありません。

 

しかしながら、長年に渡り心を奪われてきた「コート」という区分、以外のステージで素晴らしい資質を放つ1着、この邂逅というのは今シーズン最も幸運であった出逢いのひとつで御座いました。同社においてもっとも心血を注いだとされる要素に「素材」があるのはご周知の通りと存じますが、引き続き日常への探求と快適性、何より “ 天然素材への追求 ” に渾身の力を込めた本作クリエイションライン「Plantation」。羊毛、綿、麻への礼讃。その無垢な資質への圧倒的追求。メインファブリックとした生地開発。同社の魅力が極限まで保存される「生地」という要素。その中で採択された “ 麻=リネン ” という素材。初見立ち会いの際、擬似的なディベートによる回答ではリネンに加えウール(羊毛)の混成を推測致しましたがおおきく裏切られ、占有するはリネンのみ。その軽快さと相反するような弾力のある強力な織り上げ。テーラードでありながら裏地を付けない選定と、無垢本来の勝負。ラペルは排除。背面のプリーツ。細やかな仕事。袖を通すと蓄えた情報や知識の外で辿り着く “ 素晴らしい衣服 ” という単純明快な着地点。

 

 

 

生地の縒れや、癖すら天然物のように美しく、質素でありますが、ここに色気と習慣性を備える技巧的な技というのには、咀嚼するたび、深く感服致します。

 

 

 

 

 

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80s Issey Miyake “ Plantation ” lapel less linen tailored jacket

 

 

 

 

 

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その造形の色気 / Diary536
14.5.2018

 

 

いつぞやご紹介を、と申し上げてから気がつけば3ヶ月ばかり経過しておりました。例年通り穏やかな気候と陽光に満ちた5月は、集中力を切らすと寝てしまいそうな危ない店内でございます。錯綜する情報やら世の中の目まぐるしいスピード感やら、あるいはどうだってよいニュースの一例から脱し、ニュートラルスイッチを限りなくONにするには絶好のタイミングでありまして、そのようにして効きが良くない冷房の風で涼みながら前方4面の窓から覗くバージニアクリーパーの緑緑を視界に捉えますと「緑に映える1本の赤」という状況に出くわすわけであります。とはいっても前々からその状況というのは代わり映えもなく其の状況なわけでありますが、中立的思考を前提に夕方17:00の時刻を知らせる街の音楽が鳴り出す頃合い、そのタイミング、5月の陽光、穏やかな気候、控えめな夕日、緑に映える1本の赤、ニュートラルスイッチはオン、美味いパンケーキレシピと同じようにそれらの要素が欠陥なく混在し成立する瞬間というのは、夢と現実を隔てる線引きがなくなり、あるいは何かの取り違いでパラレルワールドに存在してしまったような不可思議な感覚に思えてくるもの。要するに、寝てしまいそうな危ない店内なわけでありまして、集中力を決して切らさぬ日々という事でして、何よりくだらない独り言でございます。失敬。

 

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いつぞやご紹介を、と申し上げてから気がつけば3ヶ月ばかり経過しておりました。今シーズン設けたテーマを象徴する素晴らしき実例で御座います。1900年初頭に創業したイタリアはミラノをメインフィールドとした同社の起源を辿りますと生地メーカーという内容が顔を出します。後にそのフィールドは世界へ拡散。おそらくスーツをビスポーク(もしくはイージーオーダー)されたご経験のある方はファブリックメーカーという其の顔には馴染みのある内容であろうと思います。70年代直前にはプレタポルテにも参入し、パターンオーダーにも心血を注ぐ。現在ではコレクションネームとしても周知に至っております。とまぁ歴史の陳列などわたくしが偉そうに綴る内容ではありませんが、少なくとも本作に関して申し上げねばならないのが、“ 素晴らしい生地 ” という引き続き同社渾身の採択と、テーラーを土俵としながらプレタの世界で魅せた“ スポーツジャケット ” であるという実相。

 
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厳格な基準値を通過したように採択された美しい生地は、天然リネンのような軽やかさとテクスチャーが保存されながらも全体を占有するのはコットンである事実。時間を吸収したようなミリタリーカーキに効果的に配色されたグレイ。這わせる新緑、映える赤。ハンドウォームに並列して設置されたチェストポケット。品の良い前立て。アーム設計が成す緻密な空間支配、身体に沿わせた際に発動する固有の規律や立体美。その造形の色気こそ、パターンへの追求と考証が際限なく行われている同社のプライドの顕れであり、テーラーという世界の外においてその品位が保たれた素晴らしき実例のように思います。

 

 

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80s Ermenegildo Zegna cotton sport jacket

 

 

 

 

 

 

 

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Newarrival0511 / Diary535
11.5.2018

 

 

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Newarrival 80s Yves Saint Laurent light weight trench coat

 

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Newarrival 90s Levis number505 deep indigo blue & center crease

 

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Newarrival 50s Swedish military art painted oversized pullover

 

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Newarrival 80s C.P company by Massimo Osti military approach cotton T-shirt

 

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Newarrival 80s Issey Miyake “ Plantation ” double breasted coat & lapel less tailored jacket

 

 

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兼ねてよりエントリーを続けている同社の作品中、幸運にも最古の年代を更新することが叶いました。決して穏やかではなかった時代、富裕層の紳士によって丁重に誂えられた事実と相反するように保存された濃密な静謐、顔立ち、圧倒性。合計5つのコンパートメント。3つ折りという特異点。仏的美色と歴史深いボルドーブラウン。驚異的な革質。2度と出土はしない個体。しかしながら、しかしながらも歴史的産物という極稀有性が内包されながら強烈なリアリティと簡潔力と完結力を備えた素晴らしき個体であるという事実もまたお伝えをしなければならない情報であると同時に、これもまた弊店におけるひとつのモットー、あるいは暗黙の規律、もしくは冴えない店長の独り言でありますが、肌馴染みが良く、使い勝手が宜しい無垢な “ 道具 ” であるかどうか、御賢察と御潜考の程を頂けましたら何よりに思います。

 

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Newarrival 30s Hermes multi way clutch bag

 

 

 

 

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GENERATION / Diary533
7.5.2018

 

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わたくし自身、この素材がどのような特性を持ち、どのような働きを魅せ、どのように時間と共存していくか、いささか勉強不足なものでざっくりとした輪郭や未来の実相を描けぬまま、あるいは到達点というものがあるならば、そこまでの直線ルートは愚か、アウトラインさえ引くこともできない、まるで留意の散在であります。勉強不足というより、経験不足という表現がおおかた正しいのかもしれません。どのような性質を保ち、どのような種類の皺を刻み、どのように呼吸をするものか、着用し、生活を共にしなければ存在そのものの本質は決して視えてこないという種類の経験不足。圧倒的に足りないのです。ピッグスキンという極上特異点。

 

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それがピッグスキンの防具を纏った3rd typeの正統的実体だとしましたら尚更。歴史的所産の再解釈というひとつの行いは「素材」ひとつでここまで変則的に深化するものかと感興を抱くと同時に、茫然自失な心境もまた正直でありまして、ピッグスキンで3rdを構築するなんて一体どこの変質者が試みたのかと思うわけであります。仏の80年代後期、革を極専門的に操るひとつのマニアックネームが仕掛けたという事実を知るまでは。
 
そしてミラノコレクション某社の絶大な色気を保存させる方式とはまるで異なるように、ファッショナブルかつ美的感覚を淀みなく与え、固有の空気を保存させた見事なまでの空間演出、求心力のある大きさこそ極めて特異的であると認めるに充分な要素であり、同社の作品であれなかれ、次はないと完結的な姿勢すら感じる、やはり猛烈に特異的な存在であるように思います。鉛筆で線を引いたように荒々しくも的確な縫製、行き過ぎてしまった運針やら構築的要素やら、もしくは創業初期頃の年代であることから同社が発信する名作(を生むための)プロトタイプであろう印象も拭えず。
 
というわけで、可愛くてたまらないのです。

 

 

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late80s France Chevignon pigskin leather jacket 3rd style

 

 

 

 

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Karim Hadjab in Them MAGAZINE / Diary534
9.5.2018

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かねてより弊店で御提案致しておりますレーベル “ KARIM HADJAB ” ならびに、今期より LAILA TOKIO での御提案が始まりました新レーベル “ APRÉS ” を手掛けるアーティスト, カリーム・アジャブ氏のインタビューが Them MAGAZINE 様にて公開されましたこと、ご報告させて頂きます。

 

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【インタビュー】Karim Hadjab as《APRÉS》

先日 LAILA TOKIO 1F にて開催された新レーベル “ APRÉS ” の御披露目インスタレーションにて実現しましたこちらのページを拝見しまして私は、出来るだけ沢山の方々に御一読頂きたいという想いが素直に強く溢れました。氏から発される特殊な言葉と表現をこうも素敵な形で綴ってくださったライターの Ko Ueoka 様、氏のそれらを日本語に変換するにあたって大変に御尽力くださった通訳の Shoko Yamashita 様、当企画に携わってくださった全ての皆様に心より御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

今回の来日において氏と沢山の時間を共有し様々な貴重な感情を抱いたことによって、KARIM HADJAB という存在は一層難解になりました。しかしながらそれは私にとって極めて良い感情です。なぜなら、彼から得た感情を皆様に伝えきれない, どれほど尽くしても言葉で表現できないというこれまでに感じていた “ もどかしさ ” は、KARIM HADJAB という存在を手掛けるカリーム・アジャブという人間が、これまでの約半世紀を真摯に生きてきた軌跡あってこそ ということに気付けたからです。引き続き弊店にとって、小林にとって、私にとって KARIM HADJAB という存在は, カリーム・アジャブという人物は難解であり続けると想いますが、引き続き氏をより沢山の人々に知って頂きたいという初期衝動と共に御提案を続けさせて頂けましたら幸いです。

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Newarrival0504 「deer leather」 / Diary532
4.5.2018

 

 

デニムジャケットの教科書をつくりあげた米国某社の功績というのは言わずもがな計り知れぬほど偉大なものでありますが、その正統的実態の素晴らしき一例をたとえばレザーで構築するアプローチというのはそう少なくはないプロットで御座いましょう。それすらも、米国某社の功績に既に含まれているように、あるいは既視感すら存在する部門のように思えます。3rd typeのレザージャケットというのは。
とまぁ、そのような安易な思案を根本から取り除き、大いに反省し、腰を折らなければならない羽目になった突然の邂逅。許されるならば完璧なる感覚更新というのが実際的に行われたとポジティブに向き合いたいもの。だってそうでしょう、先ずはディアスキンだなんて反則じゃないですか。天然鹿革というのはどれほど神経質に考慮を払ったとしてもそれはもう見事な資質に溢れた自然所産であるのでしょうが、厳しい自然環境を懸命に生きたであろう痕跡を証跡として視認できる傷、瑕疵、仰々しい限りの各所変調、後、初代オーナー様が生活に付き添わせた形跡やら事蹟。それらを大いなる魅力として認めることができる限りなく深い許容メモリ。軽さと力強さの共存。自然淘汰の顕示。

 

そしてミラノコレクション某社の術である絶大な色気が保存された正統的実態など、いまとなっては正統性などといって包容することも叶わず、むしろ超特異的、超変則的、猛烈にイレギュラーな実態と認めたほうが気は楽なもので、上質なイタリア産ディアスキンのコクのあるい表情、追求を重ねメインレーヴェルでもマストパーツとして採用された釦、さらに力釦で丁寧に縫い付け、着脱を考慮した袖の裏地やら、マニアックショップで佇むノーネームの其れであるような面持ちをステッチの幅感と運針技術で荒々しく表現した綿密さやら、ここまでは副次的ラインとはいえ素直にも深く感慨に打たれるものですが、しかしまぁ、何かの決意の表れのように採択された潔が良すぎるショートスタイル、に、対する、アームレンジの長さというふたつの均衡が、全体を統括し、実践的に支配し、正統的実態であるはずの歴史的所産が禍々しいほどの色気を纏ってフィールドバックされた80年代初頭の同社手仕事というのは。
 
それはもう、
 
絶望的に見事な。

 

 

 

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early80s Emporio Armani deer skin jacket, 3rd style

 

 

 

 

 

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Newarrival0427 / Diary531
27.4.2018

 

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80s France Chevignon 3rd style pigskin leather jacket

 

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40s France cotton work trousers, elegance blue

 

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50s France art repair trousers

 

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80s JM weston full brogue shoes, deep navy

 

 
どれほど賢明で穏やかな考慮を払ったとしてもこの1着のネガティブポイントなど見つけることは困難に等しく、同時に滲出する強烈な気品は知りうる限りの表現を用いると “ 覇気 ” に近しい無形の性質を纏った外套でございました。あるいは慎重に省察を進めるうえで既視感の強い正統的なバルマカーンともあれば、ある分野における,ある種類についてのステレオタイプのようでありまして、それは60年代と70年代と80年代ではなにがどう違うっていうんだいと質疑を問いたくなるステレオタイプの一例でございます。おおかた襟のステッチの存在やら前立てのカッティングやらそもそもとして英国同社における些細な変化というやつは本当にささやかな変遷でありますのでその道の者でない限り追随することもまた困難であるように思いますが、それでも尚、前述数行に留保を置いたとしましても強烈な覇気を纏ったこの外套に限っては、あらゆる側面においても精到的な実相であり、刮目すべき同社の成功を収めた歴史的品位であり、誠に恐縮ながらここでひとつ補強証拠が必要でないレヴェルにおいての断言となる言明を手短に置かせて頂きますと、至極完璧なコート、でございます。

 

 

 

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40s Burberry balmacaan coat

 

 

 

 

 

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最良の資質 / Diary530
24.4.2018

 

ミシェル・ゴンドリー監督の自伝的映画に登場する少年ダニエルは終盤、いきさつによりセルフで髪を刈上げ、街のスーパーで売っていた紳士シャツ(巨大)を着用し、フランス田舎町を歩行する前方からのロングカット。イタリアメゾン18fwのショーのラスト、照れ臭そうに登場したクリエイティブディレクターが釦2つ程外して着ていたブルーのビックシャツ、引き続き脳裏に焼きついて離れてくれないウィリーガーソンの強烈な色気。ここ最近(“引き続き”を入れると2年程)無意識に浸透していたそれらのイメージを意識的に手繰り寄せるとぼんやり浮かぶ「完璧に近い個性」という共鳴点。その僅かな隙間に落ちた成功を手にするため一任されるシャツというアイテムは、角度を変えて向き合うだけで男性的にも、ファッションとしても通用する見事な振り幅。自身を編集する上でこしらえた多様なセオリーや厳しいルールも突き通せる適応力。ゆえに、枷を外し、本来的にも実際的にも自由で構わないと思いますし、わたくしは絶大な信頼を置いているわけであります。このシャツというアイテムに。気の向くまま釦を外し、風を通すため裾はアウト。本来ダブルカフとは袖を捲りやすいように発明された内容ですのでその意義を通して頂き、あるいはウィリーガーソン並みの色気を獲得するため重力に逆らわず、だらりと。それが最良の資質を備えた1枚ということであれば、ネームに込められた重み、細やかな運針、質のよい釦、圧倒性を放つ生地が具体的要素であるように、なにをどのように着用したとしても満足に受け入れてくれる許容力。「完璧に近い個性」にコミットメントする素晴らしき実相。

 

プレタレーヴェルでは確実に出現しない、エメラルドグリーン/ストライプという特異点こそ。

 

 

 

 

 

 

 

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1993s Charvet cotton shirts, green stripe

 

 

 

 

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2018 S/S vintage shirt collections / Diary529
20.4.2018

 

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1920s 〜 1994s
antique & vintage various twenty shirt for men
cotton , silk , linen , and more
France , British , Italy

 

4/21(土)12:00〜

 

 

 

 

 

 

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1993s Charvet cream yellow
 
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1994s Charvet gray stripe

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Newarrival 英国の所産 / Diary528
13.4.2018

 

 

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ヨーロッパの街で生きる男たちの足元がなんとも不鮮明で不明瞭で隠微な性質が表出しているように、あるいは機動力の中心となるギアの正体を決して他の人間に認識させない美学でもあるかのように、「目の前のこの男はどこの靴を履いているんだい」が、ずいぶん多いように感じるのは私だけではないはず。
こと、レザーシューズ / ドレスシューズに関して。
 
目の前のその男が機動力の中心となるギアを脱いだ丁度今こそ絶好のチャンスとばかりに、レンズのピントを合わせるように注意深く視線をフォーカスさせるとスニーカーロゴのインソールを装備していたもんですから刮目していた自分が滑稽に思えてしまい、それからというもの、そんなの気にしない精神をどっしり構えて東京の街を生きてまいりましたが、そもそもファッションが好きであるから「気になる」という好奇心は食欲やその他の欲求に等しく、極、自然心理現象なのだろうと引き続き刮目するを辞めずに青山3丁目で日々を過ごしている始末。そんなくだらない葛藤を頭の片隅に、仮にも、機動力の中心となるギアの正体を決して他の人間に認識させない美学が存在するとして、あるいは他の人間にそんなくだらない葛藤を覚えさせるような強力な隠微性(ある種類の)が表出されたレザーシューズの共通点として、“ ロングノーズ ” こそ、手応えを与える実際的な詳細であるように思います。習慣的行動のすべてを支える足元に記憶/更新されていくディープな皺、着脱の利便性を追求した2アイレットダービー、そして有効的に強調されるロングノーズ。隠微性を確実なものにするフルグレインともなれば。

 

つまりは、不可避の引力のように嫉妬してしまうのです、隠微性のある靴に。

 

 

 

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Newarrival 80s Edward Green grain leather plain tow darby

 

 

 

 

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次いで、わたくしが世の中で最も愛する素材のひとつであり、その愛しさはファッションどうこうのベクトルレールからも外れた、もっと内奥から溢れるパトスであると認識しておりますが、砕いて言いましても、物体として、存在として好きなのです。存在そのものが。さらにいいますと其れは目の前にただ佇むのみでは魅力として光らず、長期的関係を現実的に約束された詳細、何より “ うごき ” を許すことで従順に反応し、奏でられる「音」こそ全的に愛おしく思う一例でしょう。着脱の際にこすれる濃厚な音。日々のうごきに追随するコクのある音。レザー愛好家が革の匂いを嗅いで飯を何杯でも喰らえるように、飽きず絶えないフェイバリットナンバーと同様、素晴らしく硬質な音をプレイするのです。断続的に。いずれは日本テレビ同社の伝統や自然に通づる “ 良き音 ” を発信する素晴らしい某番組に出てこないものかと真剣に思うわけであります。

 

 

ventile cotton

 

 

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2018S/S本シーズン、幸運が重なり得られた2着のベンタイル。いずれもThomas Maison社が提供したベンタイルであるという事実は、副次的な魅力として留めておきたい心持ちながらわたくしの全スペックと全容量をもってしても耐えるに耐えられない強力な魅力で御座いました。同社ベンタイルを提供した先はスコットランドのメーカーで御座いまして、ミリタリーやハンティングを得意とする歴史もありながら極専門衣料も請け負っていた事実は、多面的な広がりというより、同国ベルスタッフ社が一例として挙げられる英国的内容、あるいは表面生産ではなく緻密に力強くつくられたお洋服こそ証明であるように、本質的奥行きが感じられる内容で御座います。その姿を拝むには綿密な計画と有効な作戦が必要であるのと同じく、別惑星の生物発見に近しい、ごく控えめに申し上げましても稀有な其れで御座いますが、しかしながら一般的見解ではなくあくまで弊店の力無さが露呈した内容でもありますので、日々精進と引き続き努めてまいります。

 

プラクティカルで実践的な無数のポケット、システマティックな全貌、驚異的なギミックの数々。
 
そして絶対的な魅力として満ちている「赤いベンタイル」という特異点。

 

 

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Newarrival early80s West Winds ventile cotton sport coat fabric from “ Thomas Mason ”

 

 

本作が、山岳警備隊の極専門衣料であることは、資料抽出による “ 推定 ” に留めておきます。
 
副次的な魅力として、

 

 

 

 

 

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Newarrival0412 / Diary527
12.4.2018

 

 
red coat
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black shoes
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共鳴するタフギア。
 
赤と黒、80年代、英国の所産より。

 

 

 

 

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45個の成功をもって / Diary526
9.4.2018

 

45個の成功が収められた連なりは、同一同等の個がきちんと整頓されているようにみえて実のところ奇数箇所のみ天然鉱石が与えられた実相で御座います。しかしながら同一同等の個が整われているようにみえるのは連なる全体を鉱石のみが有する光輝に任せず、抑制された金無垢本来の輝きを丁寧に表出させた職人による技巧的なパフォーマンス。それは表面性に留められた “ 美的留意 ” と呼ぶにも等しく、7倍ルーペで凝望しなければ見逃してしまうほど “ 美的留意 ” なもんですから、練磨された手技で謙虚さを表したようで、あるいは練磨された謙虚精神の表れといいましても飛翔した表現ではないように思います。天然鉱石を副次的なポジションに留めるに至った見事な采配であると、僭越ながら見解を置かせて頂きますが、その副次的に留められた地球上の自然物質の中で最高グレードの硬さを誇る天然鉱石は、23個という数字に実際的にセーヴされ、限られた者にしか許されない工程である研磨が施されたにせよ、絶対的な輝きこそ最大の魅力であるはずが、僅か3mmほどの個の中で4箇所を楔のようにまるで的確な食い込みのように見事に抑えられているわけですから、必要最低限度な規律でも設けたようにやはり抑制された輝きで御座いました。内省的というか保守的というか、そういう種類の “ 防御性 ” が閉じ込められた限りなく控えめな気品で御座います。45個の成功をもって。

 

このような種類の気品というのを、あるいは同等のフォルムを具有した紳士用ブレスレットというのを視認したのは、数年前、NYネームの古い逸品で御座いました。購入者以外、五番街どころか敷居から外に持ち出してはならない専用ボックスに込められた品位。力強い実際的な品質、そしてデザインの提供者まで公開された透明性、その脳裏に焼き付いた景色に長い間負かされてきましたが、僅か数秒をもって保たれた景色がみるみる内に溶解し、呆気もなくベストワンの地位を譲りわたすことになるとは、わたくし自身思いもよらぬ邂逅でありまして、それも誰々の何処何処という内容ではなく、約80年前のアノニマスで純真無垢なこの個体に。そしてこれも誠に僭越な独り言でありますが、あるいは飛翔した表現でお許し頂けるならば、紳士用ブレスレットとして完成の域に達した、見事な一例のように思います。

 

 

 

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30s British 9K gold & diamond bracelet

 

 

 

 

 

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