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と、各国のコレクターさんに尋ねるようになって何年かが経ちますが、ほとんど全ての答えが あるわけないじゃないか というニュアンスを含んだ No 。男性がまとうシルクという御提案の残酷な難しさを毎度実感せざる得ません。良くてワンシーズンに一着程度でしょうか。しかしながら前回の旅にて、かねてからお世話になっているその道何十年の PARIS 在住, 妻一筋, 中学 3 年生の息子が遊んでばかりで少々困っている親愛なるコレクター様を訪ねた際に、“ おぃ Mr シルク。見つけといてやったぜ ” という一言と共に、未着用という貨幣には代えられない付加価値を内包した 4 枚の白いシャツが現れました。そう、私は時たま Mr シルク。もしくは Mr ポジティブと呼ばれているのです。

“ 息子が遊びまわって全然帰ってこないんだよ ” と独り言ちるコレクター様 ( 私は “ 貴方の息子だから仕方ないんじゃない? ” と答える ) の愛によって実現した 4 枚は、全て 1930 年代に紡がれたシルクにおける生糸を示す Row silk という大変に求心力溢れる要素を備えた布陣。端的に申し上げますとロウシルクは 糸を磨く前 の状態でして、水分にも適応 ( =洗って頂ける ) する、着用を重ねることでの風合い変化をお愉しみ頂けるという従来のシルクとは一味異なる魅力を有する存在です。もちろん特有であり圧倒的な軽やかさと異常なまでの肌触りの良さ, 肌から発される体温を優しく包み込むかつ通気性も良いという従来の要素も兼ね備えておりますので、極暑においても極寒においても極上を御体感頂けます。1930s という時代ならではの丁寧かつ繊細な各所の手仕事による繊細かつささやかながら圧倒的な迫力は、是非実物にて御査収頂けたらと想います。



1930s France, row silk shirts collection
男性の白シャツ姿は本当に良い。常に心から切実に。私は日頃よりモードやファッションは基本的に女性のためのものと考えていますが、白シャツは極めて極めて数少ない男性だからこそ真に愉しめる特権的存在ではないかと考えます。それが、袖を通せばその存在価値が五感に響く, 蕩ける表情が男性的な色気を異常なまでに促進してくれる, 類まれなるシルクという御素材によるものとなったら。これはちょっとした事件です。
SURR by LAILA 福留
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貴方にも私にも 慣れ というものがあるにも関わらず何度じっくり眺めようとも衰えないばかりか新たな輝きに魅力に気付かせてくれる存在がいかに稀有か、そのような存在に出逢えたことがいかに幸運か、そのような感情を抱けることがいかに幸せかを貴方も私も知っている。 慣れ がなければ社会や生活は成り立たないにも拘わらず私は慣れることに未だ慣れておりませんでして、特に探求心や好奇心においては、出逢っては慣れ見つけては慣れを幾度となく繰り返しているにも関わらず、いつぞやは心震えていた事柄にいつの間にか慣れてしまっている自分にふと気が付くと、月並みではありますが物寂しい心持ちとなりますが、慣れがなければ成長もなく、かつそこから更に出逢える新しい輝きの求心力を知っているがゆえに、結局のところ無意識的に 慣れ に向かっているのだろう という究極的な矛盾を貴方も私も抱えているのでしょう。
どれほど探求しようと慣れない、いつまでも愉しいと思えるものごとが有難いことに幾つかありますが、その中の一つが “ 靴 ” という存在。否、造形芸術。そしてその中でも私にとって特出して慣れず愉しいと思わせ続けてくれる一つが Edward Green であり90年代の本品なのですが、貴方はいかがでしょうか?



同社において最高位区分であるトップドロワー用足型が描くトウから甲にかけての妖艶なカーブに、ウイングチップとストレートチップの中間に位置する極めて珍しい仕様。トップドロワーの定義において足りない点があるものの、その要素を多く見受けられるために そうである とも そうでない とも言い切れないのがもどかしいながら、誇張無しにとろけるような風合い, 革の質を鑑みるとやはりトップドロワーと同格と考えずにはいられない、同格としてしかるべきなヴィンテージ個体ならではの切なさと愛しさに満ち満ち未知溢れる本品。

90s Edward Green Semi brogue shoes.
これを切り取る今回の撮影は本当に本当に楽しかった。最期に皆様に強くお伝えしたいのは私にとってヴィンテージなどに携わるこの生業においての定石である “ いくら努力して美しく撮ろうとも、実物はその何倍も美しい ” の法則が本品にもきっちりぴったり当てはまるということ。御期待くださいませ。
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現代に比べ外界環境が整われていなかった1940年以前。塵埃,微塵,砂埃,砂塵,風塵 、外気に紛れるあらゆる種類の土埃からお洋服を護るため重宝された通称 “ Duster coat ” は、紳士の定石的外套として見事にポジションを果たした当時、例えば1920年代、例えばそう、英国において。



あらゆる衣服の上から着用することを目的に仕立てられていたDuster coat、其の外套というのは、基本的には軽やかでなければならないために当時採用されていた御素材の殆どが、リネン、で御座いまして、幸運な巡り合わせを叶える其の殆ども例によって、リネン、で御座いました。というので驚きを隠せない,本作に用いられている「天然木綿」のみの出立ちは、リネンではないから驚きを隠せないのではなく、採用された天然木綿による組成、純一なる此のコットン、それは永い歳月が凝縮された時間的経過による獲得事例、それのみでは説明がつかぬ程に、本来的に備わる潜在性こそおおよその理由であると省察しながらも、此の御素材について簡潔的かつ正直な感想を申し上げますと、あまりにも “良すぎる” のです。ふっくらとしている、柔靭である、人肌に沿う、常温である、月並みな表現で恐縮ながらすべて的を得ております。第二の感想を述べますと、Duster coatとしての当時の採用が、勿体がない、それほど潜在的に素晴らしい組成で御座います。


用心深い者が着ることを許されたような特異的な襟型とタフに付き合えるよう力強く袋縫いされた様子は、用心深いわたくしの心を掴んでは離さないので参ってしまいます。異様な大きさに形成された釦、歪な大きさとランダムな位置を占める4ポケット、それらもまた所有者の人格を表出させるに一躍を担っているのでしょうが、これらエキセントリックな要素を魅力的であると捉える方もまた、風変わりであると申し上げねばなりません。誠に失礼ながら。そうはいってもアームの歪みやフィッティング精査に神経質な(トレーニングが一向に実らない)わたくしも、変わらずビールを止められない福留も現実的に受け入れる懐の深さに関しては、極めて近代的であると記しておきます。温かいクリーム色の全貌も含めて。




New arrival 20s British cotton dustar coat
お洋服において久方振りエントリーが叶いました30s以前のアンティーク。
素晴らしい個体で御座いますので、是非とも御賢察を頂きたく存じます。
SURR by LAILA 小林
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漸く、整いました。
本日より御披露目と致します。
皆様のご来店を心より,御待ち申し上げております。



70s John Smedleys Sea Island cotton middle gauge cardigan


90s Yves Saint Laurent baseball cap tricolor color

90s DELVAUX silk scarf

30s France silk shirt collections “ short & long sleeves ”

early00s Carol Christian Poell leather belt

20s British cotton dustar coat



90s Edward Green, kilt&brogue loafers



70s Lanvin summer tailored jacket
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少しばかり余談を。
わたくしは音楽から遠いところを歩んで参りました。常日頃と聴かないのです。しかしながらファッションの畑では音楽と密接な側面も御座いますため、そしてそのような側面を愛する方達が大勢と居りますもので、幾分、マイノリティに位置するわたくしであると哀しき自負も御座いまして、とはいえわたくし自身、音楽を忌み嫌うというものでは決してなく、なければならない種類の必然事項でもなく、只只、聴かないのです。
そんなわたくしですが、時はたまに、本当に時はたまに、最寄りの蔦屋へ足を運び、アルバムを購入することが御座います。その足を向かわせる原動力は気まぐれとしか謂いようがないのでつまらない話なのですが、例によって音楽から遠いところを歩んできたわたくしがアルバムを購入するに至る理由すらも “ 気まぐれ ” というわけでは当然になく、容赦もなく素晴らしい “ 歌詞 ” こそ気まぐれを上回る明確な理由でして、綿密に構成された言葉のセレクションというのに心を惹かれるわけでして、普段このようにタイプする拙い言葉選びとも違い、あるいは純文学のように500pに渡って繰り広げる壮大な長編構成とも違い、僅か数分の中に想いやストーリーやドラマや人と柄がすっぽりと収まった編集に心を打たれるわけであります。そのようにして購入するわけですが、例によって音楽から遠いところを歩んできたわたくしですので自宅にCDデッキがなく、歌詞カードのみが古びていくのです。お恥ずかしい。
そして先日、購入した奇跡の一枚というのが、福留も申していたように、宇多田ヒカルの新譜で御座いました。音楽とは無縁の道なりでしたが、彼女の曲(歌詞)だけは義務教育中盤辺りより目を落とすようになりまして、情感が静かに生まれていく光景に心を何度も動かされ、その度に、14.5歳の小僧が悟り開いたように女性に近づき(結果は聞かずとも)音楽に慰められるわけでも元気を頂くわけでもなく、ひとり静かに潜考するもんですからこのように歪んだ人格を形成したわけであります。扨措き、この度の新譜も大変に素晴らしい綴りと思います。そして先刻、NHK某番組で作家又吉直樹との対談において彼女が語った今回新譜のタイトル名についての内容が心に残りまして、“落ち”のないこの余談を締めくくる意味でもご紹介したいと思います。一字一句差異はあると思いますがご容赦下さいませ。
Q「初恋」というタイトルについて
A【デビュー20年だし、面白いじゃんそうしよう、と思ったわけではない。
初恋とは、初めて人間として深く関係をもったときがそうであるように、わたしにとっては両親がそうであった。
必ずしも恋ではない。どんな形であれ、対象であれ、むしろ愛のほうでしょう。
それを紐解くため、20年間、テーマはずっと「初恋」かもしれません。】


とある仏アーティスト様が習慣的穿物として最も快適であると認めたコットン&リネンの簡潔的個体は、アーティスト様自身デイリーギアとして,会心の日常活動着として御愛用。

わたくし足を通して驚きました。ヒップ外郭と太腿付近、つまりは膝から上にかけての居心地というのが其れはもう見事なもので、座る,立つ,腰掛ける,歩く,止まる,走る,しゃがむ,四股を踏む、あらゆる運動を助長し、追随せず、習慣物として最も快適であると認めた仏アーティスト様の表現が、強烈な説得力とフィジカルな訴求力をもって、成る程、認識に至ったわけであります。巨大なウエストをドローコードで男性的に絞るフィッティング精査、骨格,体型問わず受け入れられる深い懐、その独特なフォルム、精妙なヒップバランスは、経験則上過去の作品どれにも当てはまらず、あるいはフレンチワークの世界でもミリタリーでも拡散期80年代メゾンの作品でも経験したことがない、あまりにも “心地よい歪み” 。

膝下より急激に絞られたレッグライン、濃厚かつ瞭然たるネイヴィ、驚異的な快適性と共存するこの素晴らしきモダニズム、50年代、ミッドセンチュリー。納豆をこよなく愛する仏アーティスト様は70s某スニーカーを丁寧に合わせておりましたが、このレッグラインを美しいとお認め頂けるならば、あるいは普段我々からあまり申し上げないので異例としてご提案させて頂けるならば、是非とも、お気に入りのレザーシューズを結び合せ頂きたく存じます。
余儀なく、素晴らしいトラウザーと,心より。

New arrival 50s French work cotton & linen comfortable trousers
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この度、勝手ながらご用意をさせて頂きました【Summer trousers】という編集点は、それぞれ異なる方向性に大きく舵が取られた先、完璧別様の成功が収められた個体と漸くをもって考察を終えました。異なる方向性というのは、目的性や作製者的意図による差異、加えて、そもそもステージが異なる上、そもそも作製年代も異なるもんですから、レッグラインのみで完璧別様の成功を語るには不足が過ぎるほど、実相個体そのものの「完璧別様の成功」なわけであります。そしてここでいう “それぞれ” とはおおかた “3種 ” のトラウザーが該当致しまして、希少性を推し量ることすら叶わない某メゾン/ランウェイピースは誠に、誠に、誠に、幸運な出逢いで御座いました。一方、とある仏アーティスト様が習慣的穿物として最も快適であると認めたコットン&リネンの簡潔的個体は、アーティスト様自身デイリーギアとして,会心の日常活動着として御愛用。あるいは米国某社がパリジャンのために提案した60年代,正統的気品、素晴らしき素晴らしきスポーツトラウザー。
いずれも皆様のレッグラインとお心にどっぷり栄養を注いで頂ける個体と、先ずはNewarrival , Summer trousers 、少しばかりでも御愉しみ頂けましたら幸いに想います。特に、とある仏アーティスト様が愛した個体というのは、この度、4本の出逢いが叶いまして、それぞれ同一製法ながら人体に沿わしますとシルエット,フォルム,空間コントロールが見事に異なる4本であるため、ご所望でありましたら、僭越ながら我々からお客様に最適な1本をご提案させて頂きます。

Summer trousers , 7/7(土)12:00〜 御披露目
皆様のご来店を心より、御待ち申し上げております。














SURR by LAILA 小林
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先日の小林店長の Diary を読み、自宅の縁側にて再び心から寂しい気分となりました。在りし日に友人の松澤 匠くん 【 後述1 】 が連れてきてくれた頃 ( 当時は LAILA VINTAGE ) から既に窓の外で生い茂っていたヴァージニアクリーパー。それから時を経て私が LAILA でお客様をお出迎えする立場になってから既に10年以上経ちますが、外を見れば常にそれが在りました。春が近づけば葉がつき始め, 気温の上昇と共に茂り, 夏の終わりから枯れ始め, 徐々に紅葉し行く末枯れ, そして再び緑が息吹く。移ろいゆく四季を明確に現わしてくれ、何より常に穏やかな気持ちにさせてくれた “ お向かいさん ” が無くなってしまうという事実は、宇多田ヒカルの新譜 【 後述2 】 との出逢いで幸せな気分であった私を一挙に悲しみの渕へと沈めてくれました。まずは LAILA VINTAGE の宮本店長が “ どうやら… ” と教えてくれ、その後に界隈の情報通のお方が教えてくれたことで疑惑は確信へ。お向かいさん、並びに向かってその隣がどうやら商業施設の類へと生まれ変わるそうです。
SURR はその立地ゆえいわゆる極めて入りづらい空間なのだと思います。しかしながら御入店頂くとお客様の中にはゆっくりお過ごしくださる方がいらっしゃるのですが、考えてみるとお向かいさんの景色, ヴァージニアクリーパーの色や空気がその大きな要因になっているのではないかと思います。そして何よりもお出迎えする我々にとってその景色は常に大きな心の支えでした。SURR においてまず大切にしていることはお客様方に可能な限り豊かなお心持ちでゆっくりとお過ごし頂く事でして、そのためにお出迎えする我々自身が豊かな心持ち, 立ち振る舞いを行うことを信条とさせて頂いているのですが、考えてみるとその信条を築くこととなった要因の一つはヴァージニアクリーパーの粛々とした生命力 だったのかもしれません。
私自身は基本的に楽天的であり悲しい気分も割合すぐ切り替えることが出来る, 意識的に切り替えるようにしているのですが、この度のさよならはあいにくながら不可でした。LAILA が設立して 16 年目。その期間だけでもこの界隈は様々な変化がございましたし、そもそも昨今は都心部各所で大きな変化が訪れておりますので、本件もその一つなのだと思いますが、まだ寂しい気持ちは消えそうにありません。しかしながら楽天的かつ前向きを個人信条としておりますので、限りあるお向かいさんの風景を楽しもうと思います。はてさて、極めて私的な綴りとなってしまいました。お目汚し失礼致しました。

【 後述1 】
『 ドメ、LAILA って店があるらしいぞ 』 そう言って私をヴィンテージの世界に誘ってくれた人物、松澤 匠くん。それまで古着という文化しか認識していなかった私は、ヴィンテージという文化に衝撃を受けそれを志し現在に至ったのに対して、彼は役者の世界を志し現在に至っております。悪い意味ではなく用事が出来ないと連絡を取らないのでそういえば全然会っていませんが、私は定期的に彼の姿をテレビなどで拝見しており おっ匠ちゃんじゃん などと独り言ち、彼が Aスタジオ に出た際、鶴瓶さんにどんな話をしようかとイメージトレーニングしているのです。
霧ヶ峰50周年ムービー「僕の人生に吹く風」【三菱電機公式】
なお、先々公開の映画 『 SUNNY 強い気持ち・強い愛 』 に御出演だそうです。皆様ご興味くださいませ。
【 後述2 】
私はタワーレコード渋谷店が大好きでして、定期的に素敵な出逢いを求めては訪れ、いわゆるジャケ買いをしております。その日 6/27 は敬愛する 現代音楽家 Nico Muhly の新譜がございましたので意気揚々とレジに向かいましたところ、カウンターの上に 宇多田ヒカル の新譜が鎮座しておりました。その時は時差ボケ【 後述3 】でややばかり朦朧としていたこともあり、気付かぬうちにジャケットを眺めていたようでして、おもむろにカウンター内の店員さんが 『 そちら、本日発売です 』 とおっしゃられたのですが、その後に続いた一言に私の心は射抜かれました。 『 宇多田ヒカルはデビューアルバムが 「 First Love 」だったのですが、20年目に発表したこちらが「 初恋 」 というタイトルなんです 』 短くなく長くない、単純かつ明快で、純然たる真実に基づくご説明。 “ これこそまさにお客様に御提案するという意味での接客だ ” と私は本当に感動致しまして、購入させて頂きました。
これまで彼女の曲をしっかり聴いたことが無かったのですが、素晴らしい才能をお持ちの方だということを今更ながら知ることが出来ました。沢山聴いております。個人的には 「 嫉妬されるべき人生 」 が好みです。曲自体もちろん魅力的ですが、 嫉妬されるべき人生 という言葉の響きに大変な渋みと凄みを感じずにはいられません。
【 後述3 】
先日、新たな出逢いを求める旅より帰国致しました。今回もヨーロッパにおける観光的な意味合いでの御報告はございませんが、SURR においての御提案という意味合いでの御報告は喜ばしいことに沢山沢山ございます。トップメゾンにおける当時の挑戦的創造や、お披露目のため創られた純粋な1点もの【 後述4 】、意欲的なメゾンの姿勢から生まれる秀逸作、一つの区分においてそこに属していながらもくくり切ることのできない歴史が生んだ不確定的要素【 同後述4 】、個を明確に感じるアンティークピース / ヴィンテージピース、製作者不明な圧倒的才覚の品々など。 “ 誰にも気付かれることはないんだ。自分のものにしてしまえ ” という孤独な悪魔のささやきに幾度も打ち勝ち、無事日本に連れて帰ってまいりました。従来通り、 SURR の空間にてお客様に御披露目するに相応しい最終段階の様々を経まして順次御提案させて頂きますので、御期待頂けましたら幸いです。
【 後述4 】
つきましては近々、先日の旅で出逢えた第一陣のお披露目が叶いそうです。今回は自然な出で立ち,居様とご認識される品々かもしれませんが、その実それぞれにモードの本国, フランスならではの要素と魅力とそれぞれ異なる骨太な求心力を備え、現代に生きる皆様のレッグラインを秀逸に彩りお愉しみ頂けると信じて止まない布陣になることと思います。追ってご報告させて頂きますので宜しくお願い申し上げます。
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New arrival, early00s Dries Van Noten red selvedge indigo jeans, limited piece
ニューノーマルという言葉が飛び交っている今日ですが、ワードを拾い上げるとどうも恥ずかしくなるのはわたくしの悪い性格。当然、ノーマルに愛せよとも申し上げませんし少しばかりエゴを置かせて頂けるならば、某米国王者の正統的レッグラインを知る者にこそ、アントワープ鬼才の此の仕事というのを慎重に御潜考頂きたく存じます。昨年末のエントリーより心を奪われている同社製ジーンズ、今シーズンも引き続き。

New arrival, early00s Dries Van Noten double-breasted cotton trench coat
天然木綿による組成、美しき塩色。
論を待たず、素晴らしい外套で御座います。

90s J.M WESTON full-brogue shoes
メゾンが美しさの先を見出そうとする世界と同義、こと、レザーシューズではブローグによる意思表示。なにを以て履物を選択するかは自由で御座いますが、ハウスの美的結晶,ブローグの敷居の上では、ラストのフィッティングやらナンバリングやらトゥのフォルムやら巷に充満している各情報より先行する視覚的、圧倒的な “ 美しさ ” 。何故、このブローグが美しいかを外枠から中核まで深く理解し、とにかく履く。その習慣的痕跡を、“ 履き皺 ” として保存させていくプロセス。粋ではありませんか。

New arrival, 90s-early00s Dries Van Noten pure cotton shirts
釦の大きさ、カラーのフォルム、裁断、運針間隔、整えられたフィッティングバランス、ダーツの位置。
おそらくは、ちょっとしたことなのでしょう。良きシャツで御座います。

New arrival, early00s Dries Van Noten military basis, superior cotton shirt jacket
ミリタリーへの深い愛執というのを感取できる作品は、90年代から現在まで一貫された同氏の中軸的表現スタイルであるように思います。プレタの世界で其の深い愛執というのを注ぐに注いだ痕跡を垣間みれる瞬間たるや、あるいはより厳しい視線をより細かいところまで落とす試みも、必然に。ファッションを愛する慎重な男たちを虜にし続けるその振り幅の自由度と厳格な制限性との均衡。本作もまた。
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美しい四季があるこの島国において、季節を感取するタイミング/モノ/コトというのは皆様其々と存じます。弊店においては、それはおおかた植物で御座いまして、4面の窓から覗くバージニアクリーパーの移り変わりこそ、四季を感取するタイミングと、常日頃,通年を通して愉しませて頂いておりました。それは私どものみならず、道往く人々も同様に、時折写真に収めていく方も多く見受けられます。2階の窓からそんな姿を目撃しますと美しさの共有とまで大袈裟に申し上げませんが、少しばかり嬉しく思うのも正直なところ。春には花を,ときに果実を実らせ、小鳥やイタチの親子(おそらく)が様子を伺いに集まる。梅雨の雨と夏の日差しを浴びて緑力しく生い茂り、秋には焦げた褐色を帯びる。厳しい冬の寒さでは生命まで凍らせないように力強くツルが絡み合う。それらは「情景」として見事に成立する四季の凝縮で御座いました。


バージニアクリーパーが永くに渡り保存されてきた向かいの建造物を含む、一定域の区間が撮り壊され、新たな商業施設(聞くところによると)が建築されるようであります。7月初旬よりその工事作業が開始されるようでありまして、まもなく、着工されるとの事。わざわざここで綴らせて頂く内容では御座いませんが、4面窓からの景色というのが大きく変化することは、それらを心から愉しみ、あるいは心の栄養を頂いていた私からしますとワールドカップで開催国ロシアがスペインに勝利した歴史的トピックスよりも大きく、米朝国際進捗より気にかかる内容で御座いました。誠に勝手ながら。
正直申し上げまして、哀しいの一言に尽きます。それは隠す感情でもありませんし、カレー屋で愛すべきパートナーに突如別れを告げられるように隠せる種類の悲しみでもない、率直な感情で御座います。しかしながら、難しいことはなにも分かりませんが、街の移り変わり、発展、あるいは其々における「成長」という概念性においては、北青山3丁目にとって必要な成り行きやもしれませんし、より良く、成る、ことを切に祈ろうと、夕暮れ時、初夏の此の頃にまた眺めているわけであります。
上述の通り、わざわざここで綴らせて頂く内容では御座いませんが、弊店にとって此のバージニアクリーパーは視覚的魅力、それ以上に、なにかもっと深く、熱く、おおきな存在で御座いました。我々が、1点物という特性が強いヴィンテージピース、メゾンの大作、100年前のリアルクロース、名も無き傑作達を、想いを込めてシャッターを切るのと同じように、そして文章と写真各カットを保存していく作業と同じように、誠に僭越ながら本文を迎えております。そうはいってもアンチテーゼのように何かを申し上げたいのでは当然なく、わたくしと同じようにこの窓から覗く景色を気に入って下さるお客様へ勝手ながらご報告とさせて頂いております。何が建つのでしょうね、と期待を寄せながら。また弊店では椅子もご用意致しておりますので、緑ある内、ときに避暑地代わりに、ゆっくりと御過ごしを頂けましたら。引き続き、皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。










2018/7/2 17:40
SURR by LAILA 小林
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我々が “ アントワープ・シックス ” に成ったのは、皆が共通して衣類の歴史や伝統を重んじると共に独自の野心と創造力を持っていたから この言葉をまさに現わすピースが、この度お披露目した Dries Van Noten の新作群には幾つもございます。
これまで Dries Van Noten は 90 年代のみを御提案してまいりましたが、 ( 人知れず告知無く ) SURR にとっての焦点年代を改訂させて頂きました今期より 00 年代の初期も我々の区分とさせて頂きましたことで一層に色濃く映ることとなってくれた、氏なりの衣類の歴史や伝統を重んじる姿勢と独自の野心と創造力によるコントラスト。


海上という時に過酷な環境で従事する人々のための強固なダブルブレストとラペルサイズという着飾ることを目的としなかった設計に、鮮やかながら品位に溢れるイエローを朴訥とした上質な綿で構築する選択感性と、レイヤードを模した目が覚めるようなホワイトカフスの独創性。 French military pea coat ≠ Dries Van Noten


過酷な環境において身体を包む, 守るという純真無垢な目的によっての設計を限りなく忠実に受け継ぎ、その時代だからこその素材選別によって実現した似て非なる男性像。何より何よりその素材に対する探求心あってこその何にも代え難い和名:茄子紺, 英名:Eggplant という名の極上繊細色の静かに強大な存在感。 French military M64 coat ≠ Dries Van Noten

想像と創造が叶う環境で育ち豊かな環境に身を置いていたからこそ、何より外的要因と内的要因に豊かな心を育てたからこそ成しえる着地点。今なお美しい氏の表現が、なぜ今なお美しいかを証明する品々です。
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Newarrival
early90s 〜 early00s
Dries Van Noten
6/29(金)12:00〜 御披露目
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ムッシュが表現するプレタの世界でさぞ当然かのように選択されてきたテーラード。左岸に馴染むよう設計された構築性、力強い男性美より流れるような美しいフォルムを愛してきたパリジャンの心を掴んでは離さないアームの輪郭線、すとんと落とすような外枠、心地よくなびく着丈。セーヌ川を歩く後ろ姿を捉えるだけで認識できるほど公衆的に認められたそのテーラードというのは、今現在でさえ美しい造形のひとつであると喝采を浴びるムッシュのテーラードであり、呼吸をするように袖を通す彼らの男性像を護る、実践的な上着で御座います。
同様に、ムッシュ統制下におけるプレタの世界でさぞ当然かのように選択されてきた極上のウール、とろけるようなシルク、何より、精選された御素材の中で稀有ランクなるものがあるならば疑いもなくトップクラスに入るであろう “天然木綿” による構成。ロバートレッドフォードがウエストエッグで優雅に着ていそうな具体性と「オールドスポート」と聞こえてきそうな20世紀傑作の想起点は、まさに純然たるホワイトテーラーであり、純然たるシアサッカの精選でありますが、それでも尚、時代性や象徴性やらが無関係に、あるいは左岸に馴染むよう設計された構築性,2つ釦,ノーベンツ,計画的なダーツ,力強い男性美より流れるような美しいフォルムを愛してきたパリジャンの心を掴んでは離さないアームの輪郭線、すとんと落とすような外枠,心地よくなびく着丈。禁酒法時代のビールではなくブルゴーニュ産がよく馴染む実相こそ、いくつかの仏的セオリーを通過した(あるいは同氏が形成した)見事な表現であると。




そのうえ、ここまで純然たるサマーテーラードというのは。

mid70s Yves Saint Laurent , cotton summer tailored jacket
ミアファローが居らずとも、一夏の物語に。
SURR by LAILA 小林
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素晴らしき御縁。
ご年齢,職種,一切問わず、全ての紳士に。

Newarrival
1996s HERMES
Sac à Dépêches
SURR by LAILA 小林
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本作は、6月23日 ( 土 ) 12:00より御披露目と致します。
弊店の取り扱いは全て1点ものとなり、これまでの御提案で光栄にも幾度かお問い合わせが重複した経緯から、当日のお問い合わせに関しましては、順にご回答とさせて頂きます事、御了承の程をお願い申し上げます。
皆様の御来店を心よりお待ち申し上げております。
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独自に根付いた歴史を辿りましても,辿らずとも、我々の箇条書きにした計画リストの最上列トップに存在し続ける其の貫禄というのは、「イタリアの風」というテーマを決定させた瞬間から必然的に存在している貫禄ですし、北青山の小さなヴィンテージショップの勝手なテーマが閣議決定されるずいぶん前から王者として君臨し続けている、其の、貫禄で御座います。しかしながら素晴らしき70年代の紳士服など仮にリストアップをこなしたところで邂逅など容易く叶うはずもなく、朗報を座して待ち続ける日々から約4ヶ月ばかり。TomFord氏の情のかけらもないほど容赦のない美しい造形というのは自明の事ですが、上質な色気を支配し、最上の品質を保ち、正統性すら包容するグッジオの真髄というのを直接的に,明確に,そして濃厚に感取するに好適であろう70年代。某ミリタリーフライトピースを資料に設計された各所、余分な肉を削ぎ落とした造形は現代のオーバーイズムには馴染まず、匿名性によって抱擁された見事なコントロール。1921年フィレンツェのブティックからすべてが始まった「最上の伝統を最上の品質で」という熱いプラカードは本作でも証明されたように、紡ぎだされたふっくらとした綿、強固で滑らかなパーツ、純真無垢なリバーシブルという2面性、イタリアを象徴するスポーツシステムの採用(主にポケット)そして資料に敬意を払うように精選された美しい “ 色 ” と “ 色 ” については、ここでは控えておきます。
片面が、情熱色という事実も。
其の貫禄、70年代後期、グッジオ・グッチ。
18ssシーズンテーマ「イタリアの風」に乗せて。


New arrival late70s GUCCI reversible sport jacket
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紳士服飾史を辿れど、ここまで優雅で端麗でエレガントで鮮烈な世界を閉じ込めた衣服というのは存在しないだろうと慎重に省察を進めます。そこに語弊が混じるとするならば、ミラノコレクション史を見事に彩らせるMissoniという強力な存在ですが、あの絶望的に美しいテキスタイルの編集性というのは比較してどうこうというレヴェルではない確立的存在であろうとこちらも慎重に省察を続けます。
当時の活動期間は82年〜92年の僅か10年間。ステッチの糸1本における配色から全体のカラーバランス、トーンバランス、テキスタイルキープまで、実際的なその全てを統制,管理,統括指揮していた鬼才、Olmes Carretti氏をメインパーソンに配した同社クリエイションというのはぐうの音も出ぬほど素晴らしく、洋服を着るという単純な物理的行為を超えた何かもっと深く重たいものを1枚のtee shirtにすら感じる具体性、洋服でありながら美術的作品性という因子を実態として感取する,感取せざるを得ない強力な訴求力を備える、しかしながらMissoniと同位置でイタリを色彩の国へ押し上げた立役者というわけでもなく、ミラノコレクションを彩らせたミッドフィルダーというわけでもなく、確実に斜め上をゆく孤高世界、「Best Conpany」から送り出されたお洋服というのは時代性やらカルチャーやらが果てしなく遠いところに感じるほど美しく偏執的なテキスタイル、色彩、刺繍技術、上述のそれら以上に確認できる圧倒的 “ 質の高さ ” こそ、皆様に是非とも、御賢察をいただきたい引き続きの熟視点で御座います。

80-90s Best Conpany tee shirts , design from “ Olmes Carretti ”
おそらく人類が、季節問わず最も多く着用する衣服であろうtee shirtという区分。
しっとりと油分を含んだようなコットン、頑丈なリブの厚み、カラーコントロール、一貫されたイタリ本国生産と綿密な計画、1着に命を吹き込むようにフィニッシュされたネックの手縫いステッチは各作品ともに選定される糸色は異なり。
5枚の出逢い。この機会に宜しければ。





SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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久しく、久しく、Newarrival(お洋服)で御座います。
わたくしが愛してやまない某デューティーギアの中で最も情熱を傾ける80年代2ワラントに加え、3種の美しきテーラー、素晴らしい,素晴らしい,素晴らしい配色とテキスタイル群、ミリタリーの省察、某社カスタムピース、76年“H”の傑作。

90s Best Company short sleeve shirt , amazing textiles

early90s Edward Green , semi brogue shoes

50s French military paratrooper trousers

and more


90s Best Company tee shirts , amazing textiles

意は尽くされたかのように溶き解され、母国PRリズムにより一層と既視感の強い本作と思いますが、どこをどう解釈しようと実践レヴェルでは最強であり最高であると此方も改めて。田舎くさいパブで「Oh! Nice jacket!」と酒浸りの老人にアプローチされ兼ねないとはいえ、都会の小世界でもやはりNice jacketなわけであります。私物の1着は約10年情熱の火を絶やさず本日を迎えているので、おそらく今後ともMy Nice jacketとしてポジションする事でしょう。そのように思います。

80s Barbour two warrant oild jacket model “ Beaufort ”

60s British linen three button tailored jacket

mid70s Yves Saint Laurent , cotton summer tailored jacket


early70s Burberry cotton short coat , personal custom piece

1976s Hermes leather belt


late70s Yves Saint Laurent , wool tailored jacket
いずれも、明日6/16(土)12:00よりお披露目と致します。
皆様のご来店心より御待ち申し上げております。
SURR by LAILA 小林
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北東アフリカに位置する南スーダンのナイル川流域のバハル・アル・ガザール地方をフィールドに居住するディンカ族。そのライフスタイルの大部分は季節の変化におおかた依存しており、雨季には定住し農作物を育て、乾季には川辺を畜牛の群れと一緒に流浪。とりわけ家畜である牛との関係が密接である民族であります。同国内に点在している民族の中でも 壮麗な黒肌をもつディンカ族には、装飾欲や美意識の概念が強く、男性/女性としての美しさを引き出すため、また民族への帰属、農業の豊作への祈り、家族繁栄の祝福など様々な理由からジュエリーを身につける習慣が御座います。その美しい肌色をより明確にするため女性たちは色彩豊かな個体を好み、または豪壮な土埃、精強な牛角という生活環境に適合させるため、丈夫で柔軟なアルミニウムを採択したり、勇敢な紳士達はバングルをきつく絞めることによってできる腕の膨らみをシンボルに。(実演、見事に叶わず)

厳格な英国の審査も、仏が提案する官能的なフォルムも、ビックメゾンの是認もなく。50年代頃作成された情報と僅かな量の事実、現代でゆっくりと敷かれたアウトライン。現地においては多種多様な美的感覚と様々なオリジナルの概念が存在する中、フォーマットがどれか、ステレオタイプであるか、デフォルマシオン的美術表現は正しいのか(客観的賢察において)追求の余地と歴史的奥行きは確かにあるものの、引き続きご提案としては同様に。

匿名性に包含された佇まい、スケッチのような平面性、歪んだフォルム。人懐こいあたたかみと、つるりとした非現実的な触れ心地は、ブルジョワへ向けて製作された高級性やマーケットへの提案でもなく精選に至った無垢アルミニウムの強力な訴求力と、120%手仕事による言い訳のない温度。産業革命を背景に部品やガラクタで器用につくられた工場副産物のようであり、一方で、人間の精神の奥底にある複雑さと豊かさを自由に表現しようとした「これはそう戦後仏のアンフォルメル的芸術品であります」と謂いましても解釈によっては外してはいないように思います。あるいは「コンセプチュアルアートへの皮肉」若しくは「モダニズムアートへのアンチテーゼ」どんな名前を付けようと構わないのですが、バングルをきつく絞めることによってできる腕の膨らみがなくとも、困った女性を救える精神さえあれば勇敢に生きていける世の中と、改めて。

about 50s Dinka Tribe handmade aluminum bangle
SURR by LAILA 小林
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いついつの年代、どこどこのメーカー、だれだれの作品、それらの情報というのは「過去の真実」を紐解くにあたり(少なからず)マストファクターであると同時に、ときに個体そのものの魅力を覆い隠してしまう因子でもあると、常日頃と、注意深く、物事をみるように致しております。とはいうものの、覆い隠すという表現がコレクトならば、本質的魅力が消滅するわけではなく、むしろ造形の美しさや本来的色香を増幅させる栄養剤となり得る情報かもしれませんので因子などと描写するのは語弊かもしれませんし、“だれだれ”まで特性できた個体であれば、“だれだれ様”にも失礼なわけであります。兎に角ここで申し上げたいのは、本質的魅力が仮にも覆い隠されてしまう “前に” 物体としての実相と対面頂きたいのです。
こと、「ジュエリー」に関しては。
というので、哀訴嘆願と叶うに至った、“ 匿名造形(アノニマス・ジュエリー)” という世界は、まさにそう、我々のエゴの集体的編集であります。なにかの習慣、なにかの技術、なにかの想いに包まれた造形というのは、誰の評価も、どこの栄誉も、服飾史的記述も必要とせず、手のひらに乗せた肉感と手応えこそ、すべてであります。
一方で、「過去の真実」を紐解くにあたり、なかには匿名性として包まれた正体に近づく情報を追跡/ほんの一部分のみの片鱗を獲得した個体も御座いました。そうはいっても、匿名性に内包された痕跡や光に過ぎない情報でありますし、ハウスを特定したとてミステリアスカーテンに包まれた個体も当然ながら。あらゆる角度で、尺度で、第七感で、長期的関係を築くに値する個体であると御選定を頂けましたら、それが仮にもフィジカルな訴求力と圧倒性のみを有する砂漠のなかのダイヤモンドであったとしましても、あくまで匿名点。群衆に紛れるように、Keep a low profileの心持ちがコレクト。紳士の心得として。控えめに、目立たせず、さぞ、当然のように。

New arrival from Finland

New arrival from Denmark

New arrival the mining sites
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かねてより SURR では背景や組成などが特定できるジュエリーや刻印という名の看板を背負っているジュエリーなどと対極に位置する、製作者や時にその意図すらが不明な匿名造形品を “ アノニマス・ジュエリー ” として不定期で御提案してまいりました。装飾品や造形品に限らず、前者にはそれぞれの専門家が大なり小なり存在するため、その御縁の恩恵によりある程度安定したセレクションが叶うのですが、後者のアノニマス・ジュエリーは基本的に専門家と想える人々がおらず品々は世界中に分散しているため、それらとの出逢いは真の意味で砂漠から一粒のダイヤモンドを見つけ出すようなものだと、私は感じております。
この度お披露目が叶いました新作, 匿名造形の数々。このような編集を行わせて頂く事は実を申しますと、 SURR にとってささやかながら明確に “ 挑戦 ” です。製作者や時にはその意図すらが不明であり、いつの時代に生まれたものかという判断も品によっては素材感という不明瞭な要素を基準にしなくてはならず、我々の基準においては極めて強い求心力を有すると共に危うさも伴う諸刃の剣。そしてなによりも砂漠のダイヤモンドゆえに編集に踏み切れるほどの構築が叶わず、結局のところ着想から実現まで2年という歳月が必要でした。

Newarrival, 匿名造形
なお、感じて考える時間はたっぷりとございましたので、最終的に “ 匿名 ” という概念を拡大するに至りました。製作者や背景不明という純然たる匿名性のみならず、匿名力のある装飾性や、伝統的かつ不変的であるがゆえ逆に匿名性を有することとなったモチーフ, スタイルなど。あくまで我々の基準ではありますが、この度の “ 匿名造形 ” という表現にて編集させて頂いております。もし御興味頂けましたら引き続き純真無垢な眼にて捉えて頂き、僅かでもお愉しみ頂けましたら幸いです。
SURR by LAILA 福留
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森林,野山,平原,地中,木々、あらゆる自然環境に衣服を投下。生物との共存、天水や自然光の恩恵。あるいは自然の猛威という厳しい環境直下での洗礼を受け、その1年後(長くて3年)、収穫をする。収穫した衣服というのは生地の触れ心地や、包まれた陽光の香りにとどまらず、圧倒的ともいえる “精彩” を獲得しており、それはまるで絵様のような美しさである。視覚的魅力として、自然界における四季や風、あるいは成長というものが衣服その1着に保存される。
また洗礼により瑕疵/変調が生じた衣服は、ひとりの女性がすべて手縫いで修繕/補修をする。
このようにして、1着に生命が与えられる。
上述の一連が、KARIM HADJABにおけるメインクリエイション「4Saison」であります。仮にも同一の個体,同様の自然環境,同じタイミングでの投下,同等の条件をパスしたとしましても、不規則的な自然環境下においては等しい “成長” というのは決して叶わず、詰まるところ、究極的な「個」が獲得されるわけであります。因に、同等の条件にて(個体は違えど)行った実例が2着のみ御座いまして、袖を結び合わせ自然界へ投下。片時も離れず、生物の享受も、容赦ない天災も同じく。しかしながら,当然ながら、収穫後は個体として飽きれるくらい鮮烈な差異、驚くほど “不等” で御座いました。同環境下で成長を遂げたという意味性もあってか、氏はその2着を「双子」と称しております。内省的な彼らは店内の何処かにひっそりと息を潜めておりますので、この子か、と視界に捉えた際は、どうぞ対話をお愉しみ下さい。
コレクト/インコレクトの法令下とは全くの逆方向で成立する世界。正解/不正解がなく、制限がなく、自由があり、しかし孤高であります。ありえないほどの独立性。Argileにおいても完全的個体性というものは確立され、平たく申し上げましても同等同個が有り得ない。しかしながら “同じようなトーン” でありましたら “近しい彩色を具有した” 作品というのをご紹介させて頂くことは叶いますが、4Saisonを通過した個体というのは、内包された意味性それ以前に、視覚的魅力が全的に,新鮮に,不規則的に,宿命的に保存され、故に “同じようなトーン” という漠然性が存在し得えず、 “こう在るべきして在る” 運命的な美しさを強く感取致します。











わたくしのクローゼットに迎え入れたファーストピースも4Saisonの1着で御座いました。ほとんど、といって差し支えないほど日々お世話になってまして、4saisonに加え「2face」という2着の50sウェイタージャケットを裏表で縫い合わせたリバーシブルクリエイションですので、考慮を払いましても凄く分厚い。コットンなのに分厚い。夏に着用するととても暑い。しかしながらコットンという御素材に絶大な信頼と敬意を憶えるわたくしは真夏でも何を考えているかわからない目つきで着用するわけです。夏場には10日に一度ぬるま湯で洗濯。タンブラー(儀式のようなもの)。裏表あるのでポケットは8つ。ドロドロのキャラメルとムービーチケット、2年前のティッシュ。そしてこの機会にご縁があり、2人目を我が家へ迎え入れたわけでありますが、こちらはシングルのカバーオール(論を待たずコットン)ですので、毎日しっかりとした目つきでお世話になっております。そのように習慣化致しますと、KARIM HADJABの服という感覚が消滅し、どこの自然環境に身を置いただの(この2着に関してはわたくしも知らない)その過程すらも意識から遠のき、習慣物としての決然とした “手応え” のみが残ります。それはときに脱いだときの皺として、襟の擦れとして、チェストポケットの溶けたキャラメルとしておおかた具像的になり、強力なリアリティを帯び、収拾がつかなくなるほど可愛くてたまらなくなるのです。女性は遠のきます。
SURR by LAILA 小林
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KARIM HADJAB , 4Saison , base : 40s Frenchwork natural cotton coverall
p.s. 新作である此方は、天然インディゴによる染めを実行した後、4Saisonを通過した極特異点。 “精彩” をダイレクトに感じて頂けるほど鮮やかなターコイズブルーへ成長した個体。宜しければ。
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