Category Archives: 未分類

運動量を経た精査 / Diary725
29.5.2019

御人によって異なる判断基準, 趣味嗜好, そしてそれに伴う視え方の違いたるや、その千差万別で全てが正しく、きっと厳密にそれらはぴったりと重なることなくそれぞれの方向に向かって, それぞれが等しく美しい結果に向かって進み続けることが本当に本当に素晴らしいと, 尊いと想って止みませんで、そんなそれぞれに対してほんの僅かでも豊かになる要因に成りたいと願っていることは以前綴らせて頂きましたが、弊店にて御提案させて頂く品々には “ 時を重ねることで変化する一つの基準 ” と “ 変化しない二つの基準 ” を除いて制限を一切設けていない理由の一つは、前述の通り御人によって向かう方向や結果が異なるがゆえと我々が想って止まないからでして、その点を 節操がない と言われましたら何一つ返す言葉がございませんが、それ以上に節操がないからこその感覚器官の運動量と、その運動量を経ての精査に重要性と魅力を感じておりまして、例えばこと足元に関しましては制限を設けていない, 制御をかけていないうえで現状は革靴しかございませんで、それも運動量を経た精査の結果なのですが、それこそサンダルそのものもスニーカーの新作も御提案できていないことは我々にとって恐縮と反省の繰り返しでありながらも引き続き現状を打開する予定はございませんので、今年一年も革靴を御提案させて頂くことと、どうやら相成りそうです。

その現状は決して正しい / 正しくないといった概念ではなくあくまで我々の基準と判断ですので、それこそ皆様方それぞれに在られます向かう方向と結果に沿っておりましたら心の底から嬉しく感じる次第ですが、こと右足と左足で一つとなる、国や時代や文化に基づく構築理念と美意識と、何よりも職人の技術力を結晶化させた物質的に単純明快な美しさに関しましては、例え沿っておられずともほんの僅かでも御興味頂けましたら是非にと強く強く想わずにはいられない説得力と求心力を、初めて感じたあの日から一切変わらぬ熱量にて抱き続けている次第です。それは望郷の念と美意識が同居した王道なようで異質な注文靴にも、“ サイド・エラスティック ” という機能性と美しさを両立させた知的な一足にも、堅牢さと繊細さを丁度半分で融合させた反則的なほど明確に格好良いブーツにも、最上級の技術と経験値と実行力にて仕上げられた全てにおいてタフでカジュアルにも関わらず履くと脳内にエレガンスが響き渡る一足にも、それこそそれぞれ向かう方向と結果が異なりながらそれぞれに等しい熱量と美しい熱意が込められておりまして、精査を経て我々にとっての “ より厳選 ” という現状に成りながらも、このように千差万別な存在を物質として認識・経験, なんと言っても御提案できることは、やはり幸せだ と想います。

 

 

 

 

 

それではささやかな癖である夜の散歩に行ってまいります。

 

 

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別次元の何か / Diary724
28.5.2019

弊店において設立以降重要な存在の一つで在り続ける Tom Ford 氏による Gucci のクリエイションにおいて、かねてより最も好ましい / 輝かしいと感じていた一つの期がございまして、そう感じているのはそもそもにおいて私だけでなく、以前より, これは私的印象ですが、Archive という言葉が一部においてより形骸化したように感じられる近年よりも以前に, 既に保存・保管対象として強い敬意を抱く人々がいたがために、その期の特に濃密な要素が詰め込まれた品々にはなかなかどうして出逢うことが叶いませんでした。
ブランド ( 社会 ) とデザイナー ( 個人 ) という関係性および結びつきにおいて、製作する品以外も用いて世界観を表現するクリエイティヴディレクターという立ち位置を創り、長い歴史と文化において築き上げられた Gucci という存在をより高みへと押し上げ、そして “ 今のモード ” を創る人々を育てた一人である氏は、24 年間の Gucci クリエイションにおいて服飾史に対する学びと敬意を経たうえで独自の解釈と概念を盛り込み、なおかつ様々な文化や技術を用いた多彩かつ重厚な表現によって沢山の名作を生み出しており、その柔軟な思考と嗜好に品位に対する追及心と実行力、表現は常に明確であり時に非現実的なようでも品そのものを身体に沿わせた際の驚異的な変幻自在な着地点といった、独自性と創造性と品としての品格に弊店は心酔し続けてまいりましたが、この度の御提案における期には、そして本品には氏の Gucci クリエイションにおける全てが明確かつ的確かつ簡潔に、何よりも強く詰まっているように想います。

 

 

 



目的意識が “ 着飾る ” の対極に位置し、その純真さゆえにオートクチュールの時代から, そしてプレタポルテに移行してからはより明確にモードの世界と結びついた “ ミリタリー ” の世界における雛形的な存在の一つであるユーティリティシャツを純真無垢な視点で選択したうえで文化と威信の結晶である職人技術を糸一本, 縫い一線, 構築一曲線の全てに注ぎ、それらは一着における各部位や装飾とは異なる、よりささやかなで静かな要素であるものの、着用時には同等の, 捉え方によってはそれ以上に重要な役割を果たして本品の存在意義を支え、それこそ御手本となるユーティリティシャツらしさであり、なおかつそれらとは一線を画す異質な上品さを備えた無口な平織りに乗せられたハンドペイントの動植物によって、ミリタリーの世界において時たま行われる名も無き手書き作家の意匠に対してと、1966 年に生まれた同社の象徴紋様 “ Flora ” に対して敬意を表しており、簡潔に綴りますと以上の通りですがその物質としての現実的な存在感と説得力には言葉で表現できない別次元の何かが含まれているのです。

 

 

 

 

 

2003SS Gucci shirt jacket.

着用を重ねることで深みが増す生地感と、徐々に失われ表情を変えてゆくペイントと、シャツジャケットとして, 時に素直なシャツとしての極めて現実的かつ独善的な着こなしと、これぞ “ ファッション ” これぞ “ モードのクリエイション ” な御姿を御賞味頂きたく心から想います。

 

 

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Gnossiennes No.1 / Diary723
24.5.2019

静謐に揺れる匿名のドレープ、計算的かつ創造的なイタリアンクリエイションの腰回り、耳に残る無音のように豊かなサマーテーラード、3 分少々漂い続ける妖艶さそのもののようなビッグ・メゾンの佇まい等、この度の新作は私にとって Eric Satie の Gnossiennes No.1 を喚起させる品々ばかりでございました。

 

 

 

80s Italy anonymouse

 

 

Silk&wool

 

 

80s Ermenegildo Zegna

 

 

Linen

 

 

early80s Best Company

 

 

70s Ermenegildo Zegna for summer

 

 


My best of Tom Ford creation for Gucci

 

 

 

 

 

Newarrival0524

この度も混沌とした無作為な品々であり、特に日常のふとした隙間に在る異世界のように奇妙な, 心がざわつくにも関わらず触れてみたくなるような, 一度知ったら抜け出せない危うい妖艶さをはらんだグノシエンヌな品々です。機会ございましたら是非に。

 

 

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緑を纏った乳白色 / Diary722
22.5.2019

弊店にとって欠かせない要素である Maison vintage において特別な存在であり、そもそも服飾史における最重要人物の一人であり、当時から現在に至るまで沢山の, 本当に沢山の人々の装いを豊かにし、美術館・博物館のショーケース内を彩り続け、数年前に財団によって設立された二カ所の独立美術館によってその地位を今まで以上に確固たるものとし、服飾史に残した幾つもの偉大な作品群がこれからも服飾における全方位にとっての教科書で在り続ける、“ モードの帝王 ” の冠がまさしく相応しいムッシュが心酔した地で私が過ごしたあの時間は、他の国内外各地と同じように一言では表すことのできないものであり、きっと歴史や文化に明るければより実感が沸く様々があったであろうとは想うもののあいにく全方位に不勉強な私にも関わらず、空気や人々や大通りや裏通りやタジン鍋やミントティーや御風呂やテラスから圧倒的な感情の運動量, 生物的な強さ, 脈々と受け継がれた文化の濃さ, なにより人間の手仕事による尊さを五感, 特に視覚的に強烈に感じ、その刺激を受け止めることに必死でした。




 

 

知っていた青とは異なる青, 赤とは異なる赤。彩り全てがこれまでの人生経験と大きく異なる心地良く異質な色調に感じられたのは決して自律神経の不調などではなく正真正銘に土地の色であり、網膜に襲い掛かるかのようなそれら全てに時間を忘れて見入っているとふと、その魔力に魅せられたムッシュが新たな色彩と感性を手に入れたことを想い出し、ただ現状を視ることしかできない私とは別の世界に居た、それらから新たを産み出すことのできた氏はどのような感情を, 時に愉しさを得ていたのだろうと夢想せずにはいられず、この生業において幸運にも数多くのムッシュの作品を眼に手にし、それらを現代の装いとして様々な御客様方に御提案させて頂き、いつからか氏がこの生業における最上のデザイナーとなり、こうしてこの地を訪れることとなった自らの人生の経緯をなんともなかなかに面白いものであると, そこまで悪いものでもないなと薄ぼんやりと素直に考えられたのは私にとってささやかながらとても大きいことであり、やはりマラケシュの匂いと音と風などのお陰だなぁと想い、またどこかで機を設けて訪れたいな、その時はホテルのベランダでのんびり過ごそうかしら なんて想って鳥の声と木々のざわめきに耳を澄ましながら太陽の下で寝ころび、そういえばここも同じ地球かと独り言ちた時間が少し前にございました。



 

 

 

 

 

そもそも数年前までその存在自体を認識しておらず、とある一着との出逢いによって衝撃を受けたあの瞬間から常に求め続けているものの、我々が交流する限りの各国の専門家において全くといってよいほど認知されていないムッシュ全盛期の Rive gauche “ homme ” 。この度幸運にも出逢うことが叶った一着のシャツはこれまで数少ないながら御提案させて頂いた中でも最も王道的な装いながら、その構築理念に, 基本要素の装飾論点に, 素材が醸し出す空気に, そして出で立ちそのものにムッシュの姿を重ね合わせずにはいられず、この緑を纏った乳白色がこれまでの人生経験と大きく異なる心地良く異質な色調を感じられ、あの地を想い出さずにはいられません。



 

 

70s Yves Saint Laurent rive gauche homme cotton shirt

本品に関しましては僭越ながら一個人的な願望と致しましてシャツという存在の根本的な美意識に沿った御姿にて御愛用頂きたく想っております。御身体が合われる貴方様に猛烈に嫉妬しつつ心から御推奨させてくださいませ。

 

 

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強大かつ素朴な欲望 / Diary721
21.5.2019

そしてもう一つの運営目的, 信念は “ 品の魅力を御伝えする ” ことに何より尽きまして、前述が御客様方へ向かった類に対してこれらは店という空間での表現全てへと向かった永久に精査と洗練が終わることのない類でして、男性に向けてのヴィンテージ専門店という題目を設けさせて頂いている弊店においてその判断や区別, 品一つ一つに纏わせる価値は様々な精査の末に弊店の勝手な基準であり続けており、ゆえに必ず異なる考えを有される御方が居られることは実感致しておりますが、そんな勝手な基準ながら, いやだからこそ全てに品において強く御伝えしたくてたまらない, この感動や愉しさを共鳴させたくてたまらないという強大かつ素朴な欲望が根本的にありますので “ どのよう ” に表現したら “ より良いか ” という各鍵括弧の部分は常に考え模索し悩み続けております。

どのように言葉を綴っても実物を目の前にした感情の方が大切で、どのような写真も人間の眼による表現には遠く及ばず、どのような背景も着用時の感覚的な “ 格好良い ” という説得力には敵わない。これらは私がこの生業における割合初期の段階に想ったことでして、ゆえに選ぶ存在と御提案させて頂く存在が向き合う形となる小売という生業を心から尊く豊かに感じております。そして世界中を旅して人と出逢い, さらに人から人へと繋がり, それに伴って数多くの選択肢を眼に手にし続ける過程で訪れる様々な輝かしい出逢い ( 本当にその品から微弱な光が放たれているかのような ) のきっかけのほとんどが感覚器官である私にとって、品を表現するうえでの最上として “ 物質としての魅力を直線的に、感覚的に無垢に現わす ” という目標ならびに欲求を常に抱き続けております。何度か店頭にてお話しさせて頂いているのですが、我々の知る背景や特徴などの言葉や解釈はただのおつまみ, 御通し, 箸休めでしかなく、主食は御客様であり主菜は品そのものである と、炊き立ての白米が御客様方で揚げたてのから揚げが品ならば我々はきんぴらゴボウだ と心から想っておりまして、とは言え結局のところ品は物言わぬ存在ですので、その僅かなる補足要因として我々のような者が居りますが、その品を捉え判断するのは御客様方ですので、その邪魔をせず, かつ御用とあらば陰ながら推し支えるのが我々に与えられた存在意義で、その推し支えの場となるのが店という空間であったり Diary であったりとするにも関わらず、言葉ならびに写真において、私は未だに満足できる表現に至ったことがございません。人の感情の, 人間の眼の, 感覚的な説得力の凄さたるや。いつも自らの力不足を実感致します。

 

表現を模索し悩む存在というのは実のところ弊店でほとんどの品が該当し、イコールそれだけ魅力を感じるという大変に幸せな成り立ちなのですが、直近で申しますと新作の以下ジャケットは本当に悩ましい存在でございまして、もちろん “ いつ ” の時代に “ どこ ” の区分より “ どのような ” 目的に則って製作され “ どのような ” 特徴を有するかというおつまみとしての要素はありつつも、一個人的にはそれ以上に物質としての根本的な魅力にて表現させて頂きたくて頂きたくて特にたまらない一着でありながら、並行して物質的な様々に “ あまり沢山の御人に共感頂けないのではないか ” という要素を感じつつも、だからこそどうしようもなく惹かれてしまう一種の中毒的な求心力に、Paris の中心地から外れた親愛なるコレクター様のもとで出逢ったあの日から熱病ごたる冒されているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

メゾンやデザイナーとは異なる出生であり職人技術や文化とは異なる論点ながら、全く異なる方向性の豊か過ぎる特徴とそれらと同等の熱量と、どうしようもないほどの熱病性を有する一着です。

 

 

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Newarrival0518, 流線美 / Diary720
18.5.2019



 

 



 

 

革靴における季節の制限が良い意味で消失したように感じたのは何年前でしょうか。引き続き御興味頂ける御方とそうでない御方に細分される存在ですが、弊店はこれまでもこれからも革靴が表現する研ぎ澄まされた流線美が軸で在り続けます。どのような質感であったとて。

 

 

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Newarrival0518, 無作為 / Diary719
17.5.2019


 

 


 

 


 

 



 

 


 

 



 

 

年代, 国籍, 背景, 目的。数多に分布しておりますが、それら情報を意識から排除したうえでそれぞれを単純に物質として捉える無垢な視点にて物言わぬ品々を相手にじっくりと対話して頂きたい と、どういったわけか今まで心から想う無作為な新作群の御用意が整いました。

 

 

 

 

 

明日12時より御披露目致します。

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日々が豊かになる要因 / Diary718
16.5.2019

弊店には幾つかの運営目的, 信念がございまして、こと御客様方に向けての最たるはやはり “ 皆様方の日々が豊かになる要因に僅かでも成りたい ” でして、食であったり旅行であったり文学や音楽であったりと豊かになる要因は御人によって異なりますが、それが装いであるということに関しましては、( 言うまでもなく私自身がそうですので一方的な解釈ではありますが ) まず物質として残る点と、何より視覚と心理において高純度な充足心を得られる点に高い有意義性を感じておりますが、心身共に寄り添い過ぎると時に周囲から理解を得難くなるとをかねてから理解していながらも、あの日の高揚や感動や, ある日の喜びや愉しさが頭を過ぎってしまい辞めることができず、そして徐々に中途半端が心に沿わなくなってしまったことと周囲から理解を得難いことに慣れてしまったこともあって、私にとって日々が豊かになる最大の要因は 装い であり続けております。

さて、例によって頭の中を文字に起こすと上記の通りですが、要は装いを愉しいと想うか否かでして、私は勝手ながら “ 弊店を御愛顧くださる皆様方は、格別に ( 御人によっては更に素晴らしいほどに ) 愉しまれている ” と想っておりまして、そんな皆様方と過ごさせて頂く時間は私の日々において装い以上に豊かな要因であることを再任してからの数日間で改めて強く実感致しました。本当にありがとうございます。
御人によって異なるこの点を好む・好まないなどの判断基準が在り、御身体や生き方によって驚くほどに異なる視え方が在り、何よりも本当に本当に様々な趣味嗜好が在り、あぁ人とはなんて素晴らしいのだろう と恥も外聞も無く心から想います。弊社は社会的に視たら中小企業であり、いつまでも何かが足りていない未熟な会社ですが、これまた勝手ながら, 大変に失礼ながら私はかねてより “ 弊店の御客様方は最上だ ” と強く強く想っておりまして、もし仮に 全世界御客様選手権 的な催しがあった際には世界ランキングで相当の上位に食い込むであろうという妄想をもう何年も抱き続けているほどですので、 そんな皆様方に “ どうしたらより愉しいと想って頂けるか ” “ どうしたら御過ごし頂く時間をより豊かに感じて頂けるか ” という思考は空間に居ながら外を眺める時も, 朝弁当を作る時も, 夜グラスを傾ける時も止まることありません。

 

 

 

 

 

 

やりたいことが大なり小なり沢山ございまして、愉しくて仕方がないのも皆様方あってでございます。以前私は趣味が仕事であることに、これで良いのかという疑問を抱いておりましたが、御陰様で今となっては胸を張り声を大にして “ 私の趣味はこの生業である ” と言わせて頂いております。

 

 

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Diary721に続く。

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服飾意識の第六感 / Diary717
14.5.2019

王道力を磨きに磨いたからこそ獲得した特徴や論点というのは、時に仰々しい装飾や狙い以上の彩りによって存在価値を高めることができる と改めて実感させてくれたのが本品でして、仕立てという物質において, 大人の漢をささやかかつ確実に彩る存在において装飾らしい装飾は施されておらず、もちろん前立てのボタンが一つであったりピークドラペルであったりと仕立てとして高い品位を担うべき解釈は注がれているのですが、それらも言わずもがな王道の王道たるゆえんを根幹から支える要素以外の何ものでもなく、同区分が設立されてから一貫している “ 着用者/選択者の個性や特性に寄り添い、陰ながらそっと押し上げるような存在 ” という創作における根本的な目的意識を想い出さずにはいられない、その無垢な強さを再認識せずにはいられない一着なのですが、ではどこに特徴と論点を見出せるかと申しますと私の場合はパターンメイク、生地と生地の縫い合わせそのものでございました。

 

 

 




それこそ言わずもがな衣類を構築するにおいて欠かすことのできない要素であり手順ですので一個人的に気づいた瞬間はさぞ驚いたのですが、本品は意図的にイタリアのサルトリアのもとで製作されておりますために特有の肩のほんのささやかな存在感とそこから重力に則って展開されるしなやかで妖艶な流線による強弱の美しさが極めて際立つのですが、身体を包んだ際にパターンメイクに伴う生地と生地の縫い合わせそのものに強い立体感が生じ、その “ 線そのもの ” がデザインに感じられる強い, それはもう本当に力強いアイキャッチとして着用者を演出する様は、見慣れている存在 ( 要素 ) なはずなのに強烈な違和感を抱かずにはいられない服飾意識の第六感が痺れる論点でございまして、更にウールとモヘアによる混紡の紳士的な仕立てにおける王道かつ絶対的に妖艶な独自の光沢が縫い合わせの立体感を見事なまでに, それこそ陰ながらそっと押し上げ輝かせるのです。

料理でも創作的で装飾的な味付けや彩りで最上に辿り着く一皿と、素材と技術の根本を活かして最上に辿り着く一皿がございますが、本品はそれで申しあげるところの後者に属します。肉が食べたい日や魚が食べたい日や野菜が食べたい日や米が食べたい日や麺が食べたい日があるのと同じく服飾における装いにも日や季節や直感における様々な御気分が在られることと想いますので、そのどこかで弊店が僅かでもお役に立てれば幸いですが、こと素材と技術の根本を活かした方向性に関しましては引き続き Maison Hermes のこれらには感嘆しないという選択肢が我々にはございません。

 

 

 

 

 

New arrival 90s Hermes, wool&mohair tailored jacket.

なお、“ 線そのもの ” がデザインとなる様は納得のゆく姿で写真に収めることが叶いませんでして、日常においてもきっと着用する本人より周囲の人々がそれをより強く体感することと想います。肉眼かつ実生活において無意識的に発揮される, かつ自身が気付くことのない本領は、だからこそ極めて極めて強烈であり何より絶対的であると私は強く想います。

 

 

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スタンダードとアヴァンギャルド / Diary716
10.5.2019

御客様方に弊店を御査収頂くにあたって、一つに留まらず複数に御興味頂くというそれはもう大変に光栄な機会がございまして、その際にはそれらを一カ所に集約してご覧頂くことが多いのですが、その集約したテーブルやラックを拝見致しますと、ふとその御方の個の一部を覗かせて頂いているかのような, その日その時の気分を御披露目頂いているかのような, 大袈裟かもしれませんがその御方の人生の一部を繰り広げて頂いているかのような、とてもとても暖かく嬉しく豊かな気分に勝手ながら包まらせて頂いております。時に同背景であったり同時代であったりと致しますが、しかしながら実際は共通要素の極めて薄い混沌とした集約になることがほとんどでして、御人によって異なる,真の視点や論点の豊かさには都度多大なる刺激を受けさせて頂いているのですが、何よりも豊かなのはそれら混沌とした抜粋でありながらも必ずやどこかに 御選びくださった御方の気配がしっかりと匂い立つ という点です。

この度御披露目頂く品とじっくり向き合わせて頂いた際に、そのような時間を想い出しました。仮想及び夢想のみで構築させて頂きますので、その集約がイコールどなた様かの集約になることは無いことと想いますが、大変に恐れ入りますが仮想及び夢想をそのままに御提案させてください。

 

 

 





背景も時代も異なり、一方は仏メゾンによる追及心及び真摯さが秘められた究極的なスタンダード, もう一方は独クリエイションによる技術力及び表現力が注がれた特出したアヴァンギャルドですが、これらを一つに集約とした “ 誰か ” が居た可能性は私がジャニーズに入るよりはあり得ます。それぞれ異なる視点と提案の存在ながら紛れもなく同格の無垢な熱量を有しますので、それらにて現代に活きる皆様の日々を僅かでも豊かに彩って頂けましたら、これ以上幸せなことはございません。

 

 

 

 

 

New arrival スタンダードとアヴァンギャルド
90s Hermes, wool&mohair tailored jacket and 90s Hugo Boss, cotton trench coat.

 

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想像すると口角が上がる / Diary714
2.5.2019


豪奢さや秀麗さと共に混沌を調和させるー  そのそれぞれが並大抵ではない深度で調和しているからこそ氏の世界観は街中で定期的に眼にすることができるものではないにも関わらず、心が寄り添った際には強い求心力を有すると感じておりまして、混沌は例えばランウェイという御披露目の場において着用者の進む方向が無作為に交錯したり嗜好品を嗜みながら歩いたり、純粋にふざけたり愛犬が登場したりと様々ですが、一つの品という物質においては、鬼才的な判断力で幾つかの要素をこれでもかと混ぜ合わせることで表現されることが多いように想います。

 

モードの本場が得意とし特に技術面や美意識面ではフランスが専門的に培ってきた曲線美をあえて選ばず、工業的, 無機的, 無表情的ともいえる直線を採用することによって産まれるフレンチメゾンとしての違物感溢れる土台に載せられる動物の紋様や氏の衣装に身を包んだ彫像画が匂い立たせる一着としての個は、テキスタイルデザインや柄物という “ いわゆる ” な表現に属することを許さない、まるでこの世のちょっとした隙間に迷い込んでしまったかのような異世界感に溢れていますが、これもまた用いられる綿の蕩けるような質感と直線的な構築の歪みと秀逸な色調の成り立ちによって、結局のところ装うことを愛し愉しむ大人の男性に強く御提案したくてたまらない、これが布陣にあることで得られる人生における豊かさを想像すると口角が上がるのを抑えることができない一着でございます。

本品が産まれた期の氏の世界には様々な象徴要素がございましたが、動物紋様と彫像画の出で立ちはその代表的な存在の一つでしたので、それをあえて直線的な構築で可動域を広く配置し開襟仕様というとにかく寛いだ仕様によって仕上げられたこの一着を御馴染みの親愛なる穏やかなコレクター様の静謐な空間で目にした際その存在感に気圧され、ポケットの形状や袖の下部, 首回りの吸いつきなど細部に注視することで気付けるモード文化独自の遺伝子と申しますか、選ばなかったにも関わらず発揮されてしまう極めてささやかな曲線美と目が合った際に心を射抜かれました。

全ての要素において結果的に純然たるシャツジャケットという稀有な体を獲得したこの豪奢で秀麗で混沌とした一着にて、モロッコの避暑地しかり軽井沢の別荘しかり, 真昼の酒盛りしかり愛する女性とのボートしかり, 一人秘密の Bar しかり友人との宴しかり、人生を豊かに彩る様々な環境と瞬間を過ごして頂きたくて、たまりません。

 

 

 

 

 

 

 

1992s Jean Paul Gaultier cotton shirts jacket.

 

 

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御礼 / Diary715
8.5.2019



この度は小林の引退に伴い御言葉や御便りなど様々な御配慮を頂戴致しましたこと、彼に代わり心から御礼を申しあげます。本当に本当に、ありがとうございます。

彼が弊社の戸を叩き結果 5 年間在籍したこととなったのは御縁以外の何ものでもありませんでしたが、その内の 2 年 8 カ月間密に過ごしたことを少し前に振り返ってみましたところ、おかしな表現かもしれませんが私の頭には “ ボーナスステージ ” という言葉が挙がりました。その時間において私は彼に何かを “ 教えた ” 自覚が一切ございませんでして、例えば この縦を横にするとこうなる といったいわゆるで言うところの “ 意見 ” のみで判断を全てを彼自身に任せ続けたのですが、それは 一つの空間に選任する人物がその空間の軸であり、その表現にまつわる責任者 という “ その容れもの = その人物 ” と当時から今に至るまで一貫して一個人的に考えているがゆえでした。私にとって彼は部下という区分ではなく、いわゆる仲良しこよしな間柄でもありませんでしたが、パートナーと呼べる一人の人間であると共に紛れもなく社会に真正面から向き合う親愛なる立派な一人の人間でした。数多の失礼や不充分が在ったにも関わらず彼を僅かなりとも愛してくださった御方に今一度御礼を申しあげます。この感謝の念は、忘れません。
渋谷や恵比寿や六本木などの夜の大人の時間にあの眼鏡が光っておりましたら御写真などに収めて頂き拝見させて頂けますと幸いです。一緒にアハアハハと笑わせてくださいませ。

 

SURR という一つの容れものにおける絶対的に最も大切な存在は御客様方、その次が品、その次が選任者ですが、これを機に私が再び選任にて携わらせて頂きますこと、それに伴い週に1度, 月曜日に御休みを頂戴 ( 月曜が祝日の場合は、その明けた翌日が御休みとなります ) 致しますこと、御了承頂けましたら幸いです。

自分とは全く異なる考えや感性と共に過ごしたことによってまた視点を増やすことができましたので、今まで以上に御愉しみ頂ける容れものを目指して、ヴィンテージやアンティークを中心とした品や文化の根本的・潜在的・実質的な求心力をじっくりと御提案できるよう、社会におけるより強い違和感であり続けながら社会の迷惑にならぬよう毎秒精査致します。

 

 

 

 

 





 

 

 

取り急ぎ視える事柄から視えない事柄に至るまで、彼の容れものから私の容れものへ再構築, スクラップの無いビルドを時間をかけて穏やかに進行致します。機会ございましたら引き続き御気軽に御立ち寄りくださいませ。

 

 

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永遠に定まらないという定まり / Diary713
1.5.2019

これは私が想うところですが、弊店に在りますデザイナーやメゾンの品, いわゆる看板がはっきりと分かる品の八割以上は “ 奇才者 ” によるものであり ( 更に申しあげますと、私は弊社各店の扱う品の新旧を問わず同じく想っております ) 、その奇才者たちには社会において広い間口で受け入れられる作風を主に得意とする人物や、受け入れられ辛いながらも受け入れられた際には極めて強い求心力を有する作風を主に得意とする人物が居たりと方向性の分布があり、更にその中には特に稀有な創造性によって表現における前人未到に辿り着いた “ 鬼才者 ” が居る と捉えておりまして、こと Jean Paul Gaultier 氏は私にとって前述の作風で申しあげるところの後者にあたる鬼才者なのですが、彼の世界における正統的な男性性及びそれに伴う紳士性をより直線的に感じて頂けると想える、この度の新作の一着。

 

 

この土台となるミリタリー区分での仕立て様式はテーラードジャケットの分野においても特に強い, 文字通り “ 強い ” 個を発揮する傾向であり魅力を有しますが、全体を独善的に調整することで結果的にそれと対を成す軽やかなサマーテーラードに仕上がった一着で、陽を通せばやや透ける綿は否が応でも織りを感じずにはいられない乾いた凹凸感と手触りによりやや重厚なシャツといった軽快な表情を醸し出し、肩以外にほとんどの芯地存在を感じさせないサルトリアの職人技術による実質量的にも体感的にも極めて “ 軽い仕立て服 ” という複雑怪奇な構築を実現しております。

また、これもミリタリー区分での仕立て様式ならではの傾向であり魅力である 前立てを全て閉じることでの重厚な男性性 の演出なのですが、こと本品においてはそれだけに捉われることなく愛して頂きたいと切に想います。 “ これぞモード ” と声を大にせずにはいられない洗練された比翼の顔ですが、それを実現した大きなスナップボタンを留めないことで産まれる前立ての歪み, 個性的な部品に伴う重量によって演出される過大な前立ての歪みは氏からの贈り物という名の作為であると邪推せずにはいられません、私は。前述の軽快な生地の表情ならびに絶妙に延長された着丈の相まるそれは、出で立ちを永遠に歪ませ続ける、 “ 永遠に定まらないという方法で定まる ” 一着でございます。

 

 

 

 

 


1990s Jean Paul Gaultier cotton tailored jacket

焚火を見ていてふと気付いたらだいぶ時間が経っていた なんて経験、私だけではないはず。

 

 

SURR by LAILA 福留

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ご挨拶 / Diary712
29.4.2019

 

 

 

 

 

 

2016年9月1日から約2年と8ヶ月、Diary執筆数306回、身長は0.8cm伸び、体重は変わらず、肩幅が少し広がり、ササミの効果はみられず、未だ背中に龍は入らず。此れといった変化といえばその肩幅の僅かな広がりによって就任当初よりお世話になっていたスーツをおよそ半年前から着れなくなった事と、先日も私事にて綴らせて頂きましたがミステリー傾倒からジャンルレスへ読書が広域化した事、酒を嗜む際に以前より食べなくなった事くらいでしょうか。後者については、“ 小林、大人になったのでは、” と沖縄料理屋でディレクターの福留に謂われた記憶がありますが、例えば 成長 を充てがい顧みると自身では認識もゆるく、精神的にはさて一体なにが変わったのだろうと物思いに耽る時間もあったりなかったりですが、 感覚 という分野においてひとつ謂えるのは SURR という弊店空間に対し、あるいは “ もっと狂え!! ” と際限なく謂われ続けた就任当初から(哀しいかな今でもよく分かっておりません)ちっとも狂わず普通の人間の普通の男性のいたって普通のわたくしが 職場 である以上にそれはまるで 家 のような 精神的結び のようで 呼吸そのもの のような想いを抱いている胸の内は、過去の一度も経験したことがない抱きで御座いますので、年齢の重ねと共に心に蓄積していたナニカがゆっくり漏洩してゆく感覚へ、免疫も対処法もなく、ただただ自身で自身を見守ることで今は時を過ごしております。

 

 

 

さて2016年9月1日から約2年と8ヶ月、数字に置換するとなんとも呆気なく、迫力もなにも御座いませんが、これはわたくしが弊店へ正式就任してから現在に至るまでの濃厚かつ凝縮された時の過ごしで御座います。分かりづらい,行きづらい,入りづらい,居づらい、出づらい弊店の特質にも関わらず、貴重な有限人生のなかで足を御運び下さり、お話を下さり、御愛顧下さる有難味は、我々の無い脳みそで振り絞ろうと言葉などで御伝えもしきれず、そこにはヴィンテージ衣類小物を扱う小売商店という一線を超えた感謝の意が常に、常に御座いまして、それは本日のように改めて綴らせて頂いたところで上辺言のように聞こえるやもしれませんが、本日のような時節だからこそ、お伝えをせねば私自身,生涯苦しみ抜くことになりそうですので勝手ながらこの場を借りたいと思います。折角のデートにも関わらずお越し下さるカップル様へもこんな処へ来てはいけませんと言葉を呑み込み、お香の匂いが独特だからか,わたくしの内に何かを視たのか赤ん坊には大抵泣かれてしまい、紳士淑女の皆様へ何かと失礼な対応や言動もあったかもしれませんし、金額立派な品々へ数ヶ月苦しみを抱かせてしまったお客様も居、声帯が潰れてしまいお耳汚しをしてしまった時も有、話が長過ぎて御待ち合わせの時間に遅れさせてしまったあの時も、“すぐに戻ります”の張り紙でお待たせをしてしまった際も、わたくしの未熟度ゆえに皆様へ多大なご迷惑やご不憫を御掛けする機会も数えきれぬほどありまして、常に申し訳ありませんと心の基底に澱みもありませんが、それでも尚、それでも尚、貴重なお休み時や、一回性たる人生の歩みの途中に弊店へ足を御運びいただく事に、お話をいただく事に、ヴィンテージ衣類小物を扱う小売商店という空間を御愉しみいただける事に、誠心誠意心の底より抱く感謝の意、それ以上に言葉もなく、超えうる想いなどありようもなく、皆様にしっかりと御伝えをさせていただきたく存じます。皆様、いつも本当にありがとうございます。またこれは弊店の総意と申しますか、分かりづらい,行きづらい,入りづらい,居づらい、出づらい性質やもしれぬと承知はしながら、本来的には思う存分御寛ぎいただきたいですし、日頃のお疲れを少しでもお忘れいただきたいですし、何も仰らずにさらりとお帰りになられましても、商品として陳列させていただいている其々へ注視いただかず本当にお話だけでも、寝そべりリラックスいただきたい想いはもう確実なもので、今日寄って良かったなと、憶っていただきたい我々の身勝手で全力なエゴでありながら、失礼と承知ながらそのように想うのです。その一心であります。誠であります。皆様の戻ってはこない御過ごしの中で、一回性たる人生の歩みの途中に、弊店の存在や空間や美味い鰻屋の話や、女性問題どうしようの解決策も糸口もみえない談義や、計6つポケットが存在するトライアルマスターとの御縁や、人生で初めて御獲得いただいたHermes coatとの結びや、Karim Hadjabのクレイジーで真っすぐな精神や、消滅したバージニアクリーパーや、何かが生まれる平地や、平地から商業ビルへの景色が当たり前となる数年後にそういえば眼鏡かけたつまらない男がその昔居たなと、何よりお洋服が好きだという皆様と我々の繋ぎを、皆様の一回性たる人生の歩みの途中に、その片鱗でもご記憶として御査収いただけるならば、手前共の身勝手な申し上げで誠に恐れ入りますが、冥利に尽きる想いであります。皆様、いつも御愛顧下さり、本当にありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

わたくし店長として立たせていただいた2016年9月1日から約2年と8ヶ月、本当に本当に本当に愉しく、本当に本当に本当に愉しく過ごさせていただき、月並みな文言で恐縮ながら、本当に幸せな時間の経過で御座いました。たかが小売商店の店長スタッフが退く運びになんと仰々しい!! と憶いになられる御人もいらっしゃるだろうと存じますし、既になにかと寒い運びと重々承知しながら、あるいはここまで貴重なお時間を割き、ご一読下さっている皆様とわたくしは小売商店のスタッフとお客様という商業的関係性かもしれません。されど、しかし、わたくしは皆様とお話させていただいた機会を、机上の関係性のみと憶ってはおらず、わざわざこの場を借りて申し上げるべき事事では決して決して御座いませんが、精神を捧げ続けた北青山の小売商店でありますし、その場で御縁をいただいた皆様との時の過ごしでありますので、しっかりとご挨拶をさせていただきたいと存じます。このように身勝手なご挨拶と相成りますが、わたくし小林 開は、5月6日(月)付けで弊店ならびに弊社を退職致します。1日(水), 2日(木)は休みをいただいておりますが、最終日まで精一杯のご奉仕をさせていただきます。

 

皆様、短い間では御座いましたが、本当に、本当に、お世話になりました。
今後ともSURR by LAILAをどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

 

 
2019,4,29
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入り込む隙間などありえようもなく / Diary711
27.4.2019

ファッションとは着るアクセサリーである、とニューヨークのデザイナー様が謂っていたのを憶い出しましたが、デザイナー=精作主の商業性を例えば除いたとしまして、創り続ける精神性の深みなど計りかねますし、作家様も、芸術家様も、絵描き様も、表現性を生命線に据えている御人の精神というのはわたくしにとって宇宙と同様で、いつまでも神秘的な心の描きで御座いますゆえ、ファッションとは着るアクセサリーである、という意味性もスッと心に染み渡るかと問われれば販売員失格ですね、然うではない、と御答えする現状で御座いますし、表面的に受け取るしか学も能も御座いませんで、殊、Jean Paul Gaultier氏が創造されたJean Paul Gaultierという衣服達も着用するアクセサリーであるかは深層理解を必要としますが、例えば同氏創造物は御人にとっては着用するジュエリーでありますし、御人にとっては衣でありますし、御人にとってはハードボイルドですし、御人にとってはパンク精神の顕れかもしれませんが、いずれの感想にしろ御手に取られた創造物も御人の感性に従われた否定しようもない運びと想うと、なんといいますか、宇宙の理の片鱗に近づけた感覚に陥ると申しますか、神秘的な心の描きが結像したような気がするのもわたくしの気のほうが触れているだけかもしれません。
 
そういえば丁度、背面がくり抜かれたジレを探していたところです、という御方は先ずいらっしゃらないでしょうし、そういえば丁度、背面がくり抜かれた新鮮なジレが入りました。という応酬も奇跡に等しいですし、つまりは御手に取られる創造物は御人の感性に従われた否定しようもない運びと存じますし、探究物と御縁があったとしましても,どれほどロジカルに向き合おうと金銭を支払い迎え入れるかの究極地には御人の理由なき感覚以外、入り込む隙間などありえようもなく、そこでは蓮見氏が謂うところの内心の訴えが聴こえるのだろうと思いまして、ここにファッションが愉しく,美しいものである “ 核 ” のようなものがある気がしてならず、Jean Paul Gaultier氏はそうじゃないものを避けて創り続けてきたのかもしれませんし、そうであるものを創り続けているのかもしれませんし、もしかしたらその先のひとつに、ファッションとは着るアクセサリーである萌芽が芽吹くのかもしれないと、Jersey Boysの無限ループに陥りながらふと憶いました。

 

 

 


1992s Jean Paul Gaultier with 60s Charvet cotton shirt

 

 


90s Jean Paul Gaultier with 90s John Lobb

 

 

1992s Jean Paul Gaultier with early1800-early1900s pure gold & precious stone bespoke rings

 

 


1990s Jean Paul Gaultier with many pens

 

 

 

 

 

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1987-1992s Jean Paul Gaultier collection / Diary710
26.4.2019

 

 

小売店業を営む弊店においてお取り扱いをさせていただいている其々に対し私が何よりも重きを置いておりますのは謂うまでもなく、其々との対話 で御座いまして、其々へと自ら入り込もうとする能動的潜水 で御座いますので、大体をもって没入し、創り手の声や着用時代の匂いや其々が今どのような心境で居られるのか真実を知ろうとする意識の傾注、大変烏滸がましいですが総じた努力、というのは決して緩めてはならず、緩めた瞬間シャボン玉のように萎んでしまい死んでしまいますしSURRという小売店空間で小売業を営む我々の存在意義も遥かに死んでしまいますので、シャッターを切りながら、たっぷり時間を注いで各部検分しながら、神保町の古本店をノックしながら鋭い意識の刃を向けるわけですが、そこには各国に点在するコレクター様、ディーラー様、一般収集家様、エトセトラとの対話やら念じて叶った喜ばしきや金銭を支払いたくなるほど絶大な情報など、文頭からの運びを適えて下さる主人達には常に感謝せねばなりませんし、ときにSURRという小売店空間に向けたセレクション業に精神を捧げる福留という人間からナニカを受け取らねばなりませんし、共有せねばならんこともありますし、そのために社外空間の場で数ヶ月に一度酒を交わす機会もありますし、プロフェッショナルレディースに御酒をついでいただく機会も御座いますが、ここまでの運びの最終目的であり最上目的となるは謂わずもがな、皆様に御伝えする で御座いまして、皆様に愉しんでいただく、で御座いまして、その基底には我々も知り、我々も愉しむ、という必然性も追随しますゆえ、やはり感謝の日々でありまして、よりロマンティックに “ ファッションを愉しんでいただきたい ” エゴという名の萌芽を全的にオープンしたとしましても例えば目の前の1着へ深く潜りますと、その連続する日々に曜日を忘れるほど没入しますと、 “ ファッションの愉しさから遠のき, ただの衣服となる ” いよいよヴィンテージ衣類小物を商とする小売店主体から遠のき、ただの男となる瞬間、ただの探究者となる刹那、その一瞬を永久に受け入れてしまうとファッションの愉しさを懇求し、追究し、創り続けたメゾン / デザイナー様に対する不行儀と成り “戻らねば” と息をのむ時々もある中で、殊、Jean Paul Gaultierという主人が精作するJean Paul Gaultierという衣服達に限っては、どれほど真意に迫ろうと、意識の刃を向けようと、深いところまで潜り続けようと視えてはこない真の意は、自己推定にて恐れ入りますがフレンチシズム・アンティークに加わる巨大な+α、詮ずるところの “ 創作 ” なのだろうと憶いますし、そこまでしか視えず、だからこそ愉しく、だからこそ美しく、勝手ながら未だに “ 戻らねばならないところまで往った事がない唯一の創作主 ” で御座いますゆえ、 “ 戻らねばならないところまで決して辿り着けない唯一の創造主 ” で御座いますゆえ、セレクションへと旅支度をする前の閣議に際し、必ず名があるJean Paul Gaultierでありますし、平成最後の編集とさせていただくは最終目的であり最上目的である “ ファッションを愉しんでいただきたい ” 願いを込めまして、Jean Paul Gaultierの創作7体、御披露目で御座います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1987-1992s Jean Paul Gaultier collection
 
4 / 27 (土)12:00 〜

 



New arrival, 1992s Jean Paul Gaultier gillet

 

 


New arrival, 1990s Junior Gaultier oversized textile shirt

 

 


New arrival, 1987s Junior Gaultier oversized striped shirt

 

 


New arrival, 90s Jean Paul Gaultier leather gillet

 

 

 

 


New arrival, 1992s Jean Paul Gaultier cotton shirts jacket

 

 


New arrival, 90s Jean Paul Gaultier leather,suede & unborn calf joint knit

 

 

 

 


New arrival, 1990s Jean Paul Gaultier cotton tailored jacket

 

 

 

 

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世界は平和に廻ると思うのです / Diary708
22.4.2019

 


 

1980年代から1990年代ミラノを中心とするユースカルチャー【Paninaro / パニナロ】について幾度かご説明させて頂いてはおりますが、米国に憧れを抱いたシニョーレが市民へ向けて開始したプロジェクトはマーケティングの成果と謂うにはいささか疑問も残る “ 浅さ ” と謂いますか、採用されていたロゴやテキストには大変ディープな精神性があるのだろうと約2年間研究を重ねましたが得たひとつの回答は “ 意味なんてない ” ゆえの “ 浅さ ” で御座いました。イタリアで育った彼らの巧みなカラーチューニングセンスと、日に焼けた肌と、高い身長と、隣を歩く美しい女性と、あるいは制限性のない色彩選択や瑞々しいカラーパレットはサンバビラ広場を鮮やかに彩り、彩りを構築する【Paninari / パニナリ=個人】へ衣服提供を続けた栄養元こそ【Best Company】カルチュアの支柱的存在と申しますか、そもそもハウスネームも気が触れてるとしか謂いようがないのですが、とにかく英の語を使用したい少年のような無垢さや欲望が渦巻くテキストセンスは本当のところ皆無と謂って宜しいのではないか、無様に単純で偏狭で初見より見解はあまり変わりませんが砕いて申し上げましても、驚いた,なんてダサいのだ!!(褒めております) と思わずにはいられないパニナロというより同社の個体印象ですが、その抗えようもない純真さに加わるイタリア本国の徹底した製作背景や産地を拡大させることなくミニマルに収める社的意向も一躍を担い当時を愛するシニョーレに多く見られる収集家、マニアックコレクターの存在は我々の頭を悩ませるばかりで、彼らの収集導火線に火を付けた功績者こそ,時に英国のスポーツメーカーで多面的に才能をアウトプットしていたコントローラー【Olmes Carretti】その存在はあまりにも大きく、あまりにも濃く、同氏が情熱を注ぎ続けたテキスタイルはどれも決然としたもので、全体の構成から染色糸まで操縦する統制者としての才、ブランディングの舵取り、カラーチューニングの術、製作への落とし込み、当時の時流でしっかりドライブするディレクションの巧みさ、当時の評価以上に迸るなにかを感じるのは彼がメインパーソンとして躍動していたまさにBest Company同社で御座います。だって無いではありませんか。この様子で産地がイタリアですよ、が通用するディープフィールドなんて。

 

 

 

 

 

パニナリのクローゼットを構成していた主要成分がカラフルなコットン・スウェットやウールセーターに加え大概を占めていたブルージーンズの存在はやはり硬く、デザインソースが米国からのインプットの他,アウトドア・タッチな都会活動着も目につく同社表現の中で、ブルージーンズへ注がれるエネルギーには絶対的な質量が御座います。あるいは当時市民に愛されていたジーンズという名の穿き物にはゆったりとしたヒップバランスから脚軸に沿うテーパードの急激性,レッグフォルムの一貫性が存在し、それは国柄をストレートに顕すほどのマテリアルと存じながら同社製作の其れ等には偶発的に誕生した物体のように独立したエナジーと申しますか、非人工的な温かみと申しますか、水量調節をしたように魅せかける非デザイン性と申しますか、その非計算性が共通項に浮かび上がるように総じてカントリータッチな運動的バイオリズムという印象を肥大させていく一方な私的見解とはいえ、それは同国他社の功績軌跡を辿りますとより明確にくっきりと浮かび上がるのではないだろうかと憶うわけでありまして、産地本場のBest Company by Olmes Carretti製作ブルージーンズというカテゴライズは実のところもっとスケールが大きく、同年代頃に多く見られるヨーロッパ産ブルージーンズという拡大解釈で腑に落とすほうが馴染みも宜しいように、馴染みが宜しいようなブルートーンですし、ファッション・モードから最も遠い民衆的な香りが鼻を突くものです。

 

 

Levis社ワークトラウザーの一種701のヒップパターンのように魅せて其処までドラマティックではなく、おそらくバックポケットがただ巨大なだけではあるまいかと憶いますし、全体として基底要素が伺えない独特の着用リズムはスタイリングなど意図した瞬間敗北する気配が御座いますので是非とも無の心領域にて常用頂きたく存じますし、経験的推測で恐れ入りますが洗い込むとゆっくりとフラットに落ちて往く主張性も都会性もないエイジングとその非成熟未来に希望を持つ御方など100名いたら5名程の物好きと失礼ながら憶いますがいずれにしても、Olmes Carretti氏 唯一の魅せ処 “ 刺繍采配 ” 成るバックポケットの表現物にはハッとさせられた刹那、わたくしが勝手に認識している稀少種バードコレクション(鳥が主役の刺繍表現)がまさか犬に殺生されているとは哀しいとかモラリティがどうとかそんなお話ではない大変ディープな精神性があるのだろうと熟考に熟考を重ねて得たひとつの回答は “ 意味なんてない ” とお決まりの終着点ながら例えば解釈変更で道端で倒れていたバードがドッグに助けられている図として如何でしょう、平和に参ろうではありませんか。そんな珍品を強引解釈でマイジーンズに認定する御人が世界中に1名はいらしても、やはり世界は平和に廻ると思うのです。

 

 

 

 

 

 


New arrival, early90s Best Company blue jeans design from Olmes Carretti, Dog help the bird

 

 

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ファッションは愉しく美しい / Diary709
25.4.2019

弊店には 僭越ながら静かにじっくりと強く御提案したい と想う区分や世界が幾つかございまして、そのうちの一つは 2017AW 期に始まったのですが、それはこれまでに多くとも年間 5 着という文字通り静かな御提案でしたので、これまた自分の不甲斐無さを噛み締めずにはいられないものの、年間 5 着ほどしか出逢えないそれら全てから私にとって最大の原動力である ファッションにおける最上の力 を絶大に感じることができたり、その製作者の半生を描いた音楽劇を体験し帰国後すぐに幾人かの知人に “ 私には能力も権力の無いからお願いだ、その音楽劇を日本でも開催させてほしい ” と酒の力を借りずとも, もちろん借りたならなお強く懇願したり ( ただいま公式サイトを確認しましたら、引き続き PARIS 公演と LONDON 公演のみでございました ) 、時に “ その音楽劇のためだけに御旅行を是非 ” と心から申しあげさせて頂いたりを経て、心折れることなく現在に至ります。

御提案数の少なさは私の実力, 努力不足と並行して “ 良縁を結んでくれる所有者が一人しか居ない ” というのが現段階での要因でして、既に服飾史に深く名を刻んだ人物であるがゆえ氏のヴィンテージピースはある程度存在するのですが、 ( あくまで私の判断基準において ) 最上の力を感じられる出逢いがあったとしても、それはモードの世界における他の製作陣と同じく全て女性のための品でして、逆に申しあげますと一回の旅でそれらの女性のための品には安定した周期で出逢えることは、それらがその存在感に相応しい品位で評価されていることを示し心から嬉しく想うのですが、心寂しいことに氏の男性のための品のおける私にとって最上の力が感じられる出逢いは、 PARIS の中心地にショールームを構える穏やかで優しい一人のコレクター様のもとでしか叶いません。

こちらで綴りましたテディベアやスケッチの逸話などの喜怒哀楽溢れる半生を描いた音楽劇の最期に氏がモニターに現れ、声高らかに “ ファッションは愉しい!ファッションは美しい! ” と終幕の言葉を口にした時、私は泣きました。とてもとても幸せな気持ちで泣きました。そして封切り二日目とあってか幕切りの際にピカソと同じくな縞模様に身を包んだ氏本人が壇上に現れ、それはそれは熱狂致しました。社会に属する様々な物事と同じくファッションの世界にも明るい側面とそうでない複雑な側面が表と裏で綺麗に合わさり互いに作用しあっておりますが、私はその明るい側面の中でも最上の純真で無垢な想いの力の強さを、今後も盲目的なほどに信じて愛し続けます。

 

 

 

 

 

Coming soon
1987 – 1992s Jean Paul Gaultier collection.

これまでと同じく独自性 / 独善性に溢れた一着の服として強い品々につき引き続き弊店にとっても “ 全ての御客様方に等しく御提案できる ” と捉えていない存在ですが、そこに後ろ向きな感情は一かけらもなく、ましてや強い愛 ( 偏愛 ) を無意識的に極限までに胸を張って注いでしまう存在でして、何よりどのように捉えて頂けたとしても、どこかしら何かしら大なり小なりで全ての御客様方に等しくファッションは愉しく美しいと想って頂けると確証の無い確信を強く強く抱く存在が Jean Paul Gaultier 。 4/27 ( 土 ) 12:00 より一挙に御披露目させて頂きます。

 

 

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and more.

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John Lobb, Lopez / Diary707
20.4.2019

 


 
セントジェームスストリートを縄張りとする紳士顧客の強い要望と期待により産声を上げたミッドセンチュリーの傑作は、上顧客等のアフターナイトを軽やかに愉しませたビスポーク・ローファーの最上種でありながらレンガ張りの硬い地へ効果的に働く性能と緩やかな傾斜に加わるエリプスフロントの控えめなシグネチャー、ハリソンズのフランネルから絵の具のような英国産ブルージーンズまで自動調律するオーセンティックフォームの素晴らしさ。ビスポークの発露よりブルジョワのみの嗜好品に留めないレディメイドへと舵を切り今日まで進んでおられる John Lobb, Lopes の邂逅ということで遡りますと2014年7月24日で御座いました。1950年代の創作から時も経ち,近年では二十歳の青年が金策を練りに練りながら購入されるお話など伺うと小さな島国の青年の足下まで職人の息遣いを結び合わせる内容に魔法でも幸運でもない深いところの実力を感じずに入られませんが、ここまで民主的に広く受け入れられても,ファッションデザインーの就任や変遷事実をオープンされながらも一切衰えない 格 や 敷居の高さ というのは服飾史やワラント付与の情報証明ではない,履物としての純粋かつ純真な御作り、圧倒的な品質に勝るマテリアルなど御座いませんで、2014年7月24日の言葉を借りるなら “品質に見合った正当対価によって人々の手に渡り、対価以上の満足感を与え続ける” 殊の外、遠く離れた島国の、成人様の財布を苦しめる理由などありえはしないでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


New arrival, 80s Lohn Lobb loafers model “ Lopez ”

 

英発祥ローファーという怠け者の手助けを御完結いただくに当たって濃いでは辿り着くゴール地点の秀作、其の一種と存じますJohn Lobb, Lopesの皮革の弾力や厚みを保たせたキャンディーフォルムのトゥ、気品のあるシェイピング、キュッと締まったヒールカップ、熟成された御色を除いて履いては忘れるほど心地よい其の John Lobb, Lopes の甘みどころを愛でながら呑む酒は、最高に旨いことでしょう。

 

飲み過ぎ注意。

 

 

 

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New arrival, leather shoes / Diary706
19.4.2019

“自分が読んだ本、読んでいる本、近いうちに読む本、いつの日か読めるようになることを信じたい本、いつの日か読めるようになるなら「我が人生に悔いなし」と云える本、そういった本の集合体であって、そこには過去と未来、夢と希望、ささやかな見栄が混じり合っている、自分の心の内部のように。”  以上は、本棚とは一体何たるかを説いた作家様の表現ですが、ミステリー小説しか読まなかったわたくし自身,自己追究しましてもTSUTAYAで借りて気に入った映画と同じ監督様,主演様の他ナンバーを借り続ける一例と謂いましょうか、明智小五郎の呼吸と合えば江古川乱歩ノンシリーズも拝読し続ける一例の集積版とも謂いましょうか、そもそも祖父の時代よりたんまり在ったものですから漫画より十津川警部ということでドラゴンボールを経験しておらんわけでありますがここ数年、様々な様式の様々を拝読するようになり様々な魅力と好みではない様々を分別するようになり、気が付けばスツールの上はカオスティックジャンルと化し、気が付くと本棚は要領を得ておらず、しかしながら自分が読んだ本も、近い将来読もうとストックしている本も、畠中 哲夫氏の精神性をいつの日か読めるよう信じている1冊も、過去と未来、夢と希望、ささやかな見栄が確かに入り交じり、構築されて往く図は、規則正しく整頓されていた西村京太郎の5年前とは想像も付かぬ人生図のように其れは其れは物思いに耽る一瞬が御座いました。

 

 

 

衣服革小物をお好きな皆様ならば、ファッションを追究される御人ならば、クローゼットという神聖地こそ本棚と太い楔で結べるイコール理論のように感じ、御人の歳を重ねてきた投影図であろうと憶い、御人の感性内心そのものの投影図であろうと憶い、ときに手放す1着もあれば、同品種のみが並び,同属性が一列する節目もありましょうし、シャツ,タイ,ブレザー、あるいは自身を外界へと連れ出してくれる 御靴 の構成図も面白いように御人それぞれ異なる嗜好と申しますか、驚くほど “異なっている” と感じるもので、驚くほど “趣味嗜好が顕われるもの” もしくはその御人の内面を綺麗に的確に映す鏡のような役割もある、かのような先入性もわりかし然うであろうと思いまして、自己投影を履物に顕す御方は世間一般的に 趣味が良い と云われるのでしょうが、いずれにしましても在ると想うのです。自身が履いた靴、履いている靴、近いうちに履く靴、いつの日か履けるようになることを信じたい靴、それぞれの構成がセミブローグ3足の御方もいればローファーをこよなく愛する御方も居、ダブルモンクのフィギュアを人生の支柱に納める御方も居、カオスティック本棚現象を受け入れる御方も澱みない個の性と存じます。其の様なわけで3足のレザーシューズ、4月20日 12:00より御披露目とさせて頂くわけですが共通成分を占める当方シューメーカーは本棚理論で謂うところの “いつの日か読めるようになるなら「我が人生に悔いなし」と云える” に的確した想いを抱いておりました10代,20代前半から時も経ち、レストランのストックホルダーも増え、嗜む酒も増え、読む書物も多様化し、コンビニエンスストアおにぎりのグレードも上がり、有り難い事に英国同社の御靴を1足手に入れる機会も御座いまして、日々わたくしの足を護っていただき、ときにわたくしというつまらない男性像を此れ見よがしに立ててくれるもので、本棚理論に添えると “読んでいる本” ということになりますが、初恋の抱きはとんと変わらない不思議が御座います。それは1866年より続く看板を足に従える精神性と申しますか、あるいはHermes製品の分泌物と同属性なる魅力でしょうか、年齢職種に問わず同社1足の選択に悔いを残さぬ御作り、とでも申しますか、それはもう分け隔てなく包み込む御足下のように感じずにはいられず、“丸の内でセミオーダーして来ましたよ” とご満悦な外科医様も、初獲得なる皮革靴が同社であったスニーカー愛好家の学生様も、静まり返った夜の内ベランダで煙草を吹かし管理人より御叱咤があった弊店ディレクターも、未だドランゴンボールに触れていないわたくしも、40数年履き続けるチャールズ皇太子も等しく、ひとしおに平等で御座います。近い将来、万が一動物保護法的な路線で「皮革靴の製造禁止令」なる法律が可決しましても今のところ我が人生に悔いはなく、在るのは未来と夢と希望と、例えば手持ちのJohn Lobbと、おにぎりのグレードを上げたささやかな見栄で御座います。

 

 

 

 

 

 

 

 


New arrival, 90s Lohn Lobb monk strap short boots model “ Varese ”

 

 

New arrival, 80s Lohn Lobb loafers model “ Lopez ”

 

 


New arrival, 90s John Lobb double monk shoes model “ Williams ” for YT

 

 

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