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怪しさ / Diary740
18.7.2019

そして、同日に同コレクターさまの下で出逢えた同じく 1930 年代にフランスで産まれた一つに私は心は掻き乱されました。これまでに幾つかのアイウェアを愛用しどれも異なる方向性で等しく惹かれてまいりましたが、その中でも私の心に最も残っているのは左右対称のプレーンなオーバル・フレームでして、それは数年間愛し続けた末に私の中で生じたとある理由から一時休止せざるを得ない結果となりましたので、その後より同条件を探し続けても一向に出逢えず今に至っているのですが、それと全く同じな一つに出逢い、慌てふためき自身の眼鏡レンズを擦ったりスキットルからぐいと呑んで一息ついてみたりとしたものの、決して幻なんぞではありませんでした。私がこれまでに最も愛し長年追い求め続けても一切出逢えなかった左右対称のプレーンなオーバル・フレームが 2019 年 6 月 22 日、確かに在ったのです。

 

 


もちろん実際は鼻当てが付いていたりフレームに装飾性が注がれていたりと私のそれとは異なりますが、しかしながら全体の構築, フレームの縦横比やブリッジの調和などはかつての愛用品と極めて極めて酷似しておりましたので触れるのに一種の恐れすら抱きました。素材や要素によって異なる印象には常に舌を巻きますが、本品におきましてもそれはそれは見事なものでして、14K を用いたゴールドフィルド製法による従来の鍍金よりも約 200 倍の厚みを有した, 金無垢に極めて近しい素材表情の泣く子を黙らせるほどの強さ, 残酷なほどに美しい存在感に呆れるほどに惹かれ、更に施された装飾性にとどめを刺されました。1900 年代初頭から 1930 年代頃にかけてのアイウェアでは金属に装飾を施すことが多く ( それこそ Oliver Peoples が取り入れた主たる要素です )、細やかに刻まれる紋様によって高い芸術性を発揮する職人技術に基づいた世界観なのですが、本品におきましては細やかかつ豪奢に行えたはずのそれらをフレームと並行して流れる二本のラインにあえて留めておりまして、 “ アンティークらしく ” ありながら “ 現代的 ” というこれまた複雑な矛盾が生じているのです。

しかしながら、なぜプレーンオーバル・フレームに出逢えないのか。 私は本当に不思議に想います。金属によるアイウェア自体はヴィンテージやアンティークの世界における不動な存在であり、ボストンやサークル, 稀にスクエアやハーフリムなど装飾性在る・無い問わず出逢えるにも関わらず、左右対称のプレーンなオーバルには一向に, 本当に一向に出逢えませんで、“ ここに在るぞ ” とどなたか御存知でしたら心から御教え願いたいと心から想うほどでして ( 私がお迎えにあがらせて頂きますので ) 、“ なぜ ” の背景は不勉強ながら存じあげておらず、そもそも珍しくない存在と言われたらそれまでなのですが、私にとっては本当に謎な存在です。そして、左右対称のプレーンなオーバルフレームを顔に乗せた時に抱く, 正直に申しあげまして過去数年に渡って私的に愛用しておりましたので主観ここに極まれりですが、金属によるアイウェア特有の知的さと柔らかさと共に在る強烈な怪しさの中毒性から、私はやはり永遠に抜け出せなさそうです。知的である。優しさが在る。繊細さと美しさも在る。 ( 御人によっては ) 色気も在る。しかしなんと言ってもとにかく怪しい。妖しいではなく怪しい。

 

 

 

 

 

30s French eyewear, 14KGF oval flame.

一昨年の同窓会時期だったでしょうか。友人たちと食事中にふと他人からどういう印象を抱かれたいかという話になりまして、“ 面白い ” であったり “ 可愛い ” であったりが挙がる中、私は遥か昔より一貫して “ エロい ” と想われたがっていることに気付きました。それは紳士性であったり懐の深さであったり純粋な経験値であったりと幾つかの要素が調和して成立することと想いますが、欠かせないのが 怪しさ であると考えます。皆様方が社会に属するうえで御自身らしく居られ, 充足心に満ち溢れて心が豊かになり未来への活力を得られるようなアイウェアと出逢えますこと、陰ながら心より願っております。

 

 

SURR by LAILA 福留

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Vintage & Antique eyewear / Diary738
12.7.2019

まず始めに。
通常は月曜日に御休みを頂戴しておりますが、来る 7/15 は祝日につき営業させて頂き、翌 7/16 ( 火 ) に代休を頂戴致します。御認識ほどお願い申しあげます。

 

 


自身が身に着けるものに現在の品でなくてはいけない, 過去の品でなくてはいけないという制約は設けずに、新古問わず惹かれる存在を選んでまいりましたが、二つの要素はなぜだか過去の品, いわゆるで申しあげるところのヴィンテージやアンティークのみという人生を歩んでおりその一つがアイウェアでして、まず始めに中学生になった初日から視力矯正のため眼鏡をかけ始めたのですが、確か 16 歳だか 17 歳だかに眼鏡を道具としてではない要素として捉え、自らの意思で “ これ ” と選んだのが50年代フランスの職人技術による一つでして、以降機を見ては新たな顔を探して新古問わず眼を配ろうとも惹かれるのはヴィンテージやアンティークのみで今に至っておりまして、そのために弊店におきましても, そもそもにおいて旧 LAILA VINTAGE 時代におきましてもアイウェアの類は欠かさずに御提案させて頂いておりましたが、近年のそれら存在における ( 私が感じる限りでの ) 社会的地位の変化によってここ数年は新作の御提案が全くもって叶っておらず、昨年のニ十本が大変に大変に喜ばしい御披露目でございました。アイウェアを身に着けたいと想う方々が一層に増えることもヴィンテージやアンティークのそれらに対して興味を抱かれる方々が増えるのも心から良いことであり愉しいことであり嬉しいことである一方、直接的にせよ間接的にせよ御提案の機会が少なくなってしまうことは諸刃の剣であり自身の力量不足を痛感せざるを得ない大剣で、それらの傷があまりにも痛かったがためまたもや人と人との繋がり, かねてより御協力・御愛顧くださる各国の皆様方に助けて頂いてしまいまして、今期は八点に出逢うことが叶いました。皆様方の御尽力と傷の癒えに心より御礼を申しあげます。

 

 

 

私は職人技術が関われば関わるほどその品に対しての対価上限がなくなり、かつ新古問わず惹かれるものには惹かれる中で職人技術が関われば関わるほど過去の品における素朴ながら実直で丁寧で, 暖かみと愛情溢れる香りと気配一層に惹かれ心からの敬愛を抱いてきたのですが、この度の新作群にてそれを改めて感じることができまして、例えば 1987 年に設立され近年一層に躍進されているメーカーの御手本となった年代であり姿が極めて近しい御品においてそれらとは一線を画す曲線的な美しさ, 極地的な形状の繊細さを感じたり、これは真に偶然なことで眼を疑ったのですが、私がかねてより愛用していました 60 年代のフレームと極めて近しい 30 年代のフレームが、私のそれと同じようでこれまた極地的に繊細な造形美を有していたり、当時においてその国の職人たちの間で密かに行われていた技術力競争意識的な構築性に出逢えたり、かねてより最上級に敬愛するメーカーであるがゆえこれまでに数多く, もしかしたら初代店舗の地下にあるアーカイヴピースの数より多かったりするかもしれないほど、の御提案をさせて頂いてきたにも関わらず、過去一点しか無かったメタルフレームに遂に出逢えたりと、私にとって八という数字が八以上の価値を有すると心から想うことのできる品々でございました。



 

 

 

 

 

Newarrival. Vintage & Antique eyewear.

1920年代から1990年代に分布し、フランスより六点, 英国より一点, 米国より一点で計八点となります。元々は “ 道具 ” であった存在が、様々な思惑と時代の変化によって身を飾るため, 愉しむための “ 要素 ” となって現在に至るアイウェアの新作群御披露目の御報告でございました。御興味頂けましたら是非にと想います。

 

 

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複雑な立ち位置 / Diary737
9.7.2019

私と “ その存在 ” は数年前、英国のややばかり外れに居を構える、一見すると少年のようでありながら瞳の中に成熟を飼い慣らした、二人の子供と妻を愛する物静かで優しいコレクターのショールームで出逢いまして、“ 製作されていた時代における一つの側面を明確に現わしながら、極めて高い品質を有する ” といった第一印象と、単純を面白いと想えた看板名をきっかけに弊店にて御提案する区分の一つと成りましたが、現在に至る過程で僅かながら学ぶことができたなにがしを含めるとまた印象が変化しておりまして、 “ それ ” が存在していた 1982 年から 1992 年は服飾史において、非常に柔軟性に富んだ創造力を愉しみながら表現する人々が居り、それを社会が愉しみながら受け入れる土台があった時代であり、だからこそ当時に製作された品々や作品群は現代の製作者や表現に影響を与えている、とざっくり申しあげまして私はそのように捉えておりまして、皆様方の中にも居られることと存じますが、その時代の広告や雑誌表現や写真家の作品などに今なお強い求心力, 今だからこその新鮮さや美しさを感じられることがありますが、こと “ その存在 ” が当時に発表していたそれらは私にとって、完全無欠に当時の空気そのままに感じられる, はっきりと申し上げまして新鮮さや美しさよりも 27 ~ 32 年前であるという “ 古さ ” が感じられる数々なのですが、そもそもにおいて “ その ” 品々は、例えば恋人に 貴方はどこが良いと想ってその服を選んだの? と問われたり、同僚に どの点が良いのか? と問われることが正解と申しますか, 時代に取り残された空気を自分の意思で選ぶ意義と申しますか、その問いが大多数であり, その意義が偏愛と成ることを理解したうえで例え 1/100 や 1/200 の確立であろうとも とても素敵だね と共鳴してくれる方々と向き合いたいと心から想えたと共に、なにより “ その ” 品々がどれも見事に上質であったことに衝撃を受けておりましたので、後々の学びで当時の広告や雑誌表現の資料に出逢えた際、それらから新鮮さや美しさよりも時代に取り残された古さを感じたことは、私にとって何も違和感のない至極当然な感情どころか、より愛したいと想える実に実に良いきっかけでございました。

 

 

 



“ それ ” は社会においてきっとデザイナーズヴィンテージという立ち位置なのだと想いますが、表現における方向性や様々な文化と向き合う姿勢ならびに取り入れ方を現実的に品々にて認識すると一概にそのくくりに収めて良いのか悩みつつ、“ 男性の在り方と品質に真摯に向き合う ” という存在の丁度良い形容詞が想いつきませんので引き続き弊店でもデザイナーズヴィンテージとして御提案させて頂いておりますが、この度の新作における一着の物質的な存在感と触れ合うとやはりその立ち位置の複雑さを再確認致しまして、鉄道労働者の世界から拝借した縞模様を極めて活動的・効率的な調和で設計しつつ、特出して古き良き時代の, それこそ効率とはかけ離れた職人技術を真にさりげなく注ぎ込み、王道の設計ながら各所を繊細に調整し、厚手なシャツのような素朴で上質で不思議なほどに軽い綿で仕上げたその一着は、やはり一概にファッションデザイナーによる御品ともクリエイターによる御品とも, 単純なヴィンテージ・ピースともカジュアル・ピースとも言い難く、30年前後以前の空気を漂わせながらも, 仮に雑誌に載っていたとしたらその世界観はきっと時代に取り残された古さを感じさせるのでしょうが、純粋にこれまでと同じく心から胸を張って “ 現在の装いとして是非に ” と御提案させて頂きたいと想える、私にとって複雑であり独特でありながらどうしようもないほどに惹かれる上質な個の在る男性に向けての一着です。

 

 

 

 

 


Newarrival.90s Best Company light cotton jacket.

 

 

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Midsummer propose / Diary736
5.7.2019

弊店は例年において “ 真夏の御提案 ” がほとんど叶ってこなかったという誠に恥ずべき自負がございまして、それは私自身が冷えに弱いなどでそのような装いが不得手である点と、純粋に御提案したいと心から想える品との出逢いが希薄であるという点が理由として挙げられるのですが、先日から続く湿度に伴う過ごしにくい, ある種真夏の太陽よりも過ごし辛さを痛感する, この時期の辛さはお大袈裟でなく体調を崩しかねない、日々を体感致しますと、先日の旅においてこれまでにはない世界観の幅と数と以上な密度にて今期は “ 真夏の御提案 ” が叶いますこと、心から嬉しく想います。

 

 

毎度絶頂的な芸術観点からなる美意識を発揮してくれる “ 織りの専門家 ” 、存在自体はおそらくは定番の枠にて固定されているながら弊店にとっては選ぶという判断が極めて難解でありこれまでにほとんど御提案が叶わなかったため大変に喜ばしくなによりも幸運に想える1900年代初頭の “ 穿く麻 ” 、氏の表現においても特に前衛的であり結果的に現代と繋がることととなったイタリアンモードの王による “ 未熟と成熟 ” 、数年前から弊店を魅了して止まない独善性と品質に対する姿勢と実行力から成る時代に取り残されているようでどうしようもなく惹かれてしまう “ 中毒性 ” 、そして、彼女もまた伝説的なモードの立役者の一人でありながらその芳醇な略歴の中で1年と半分しか存在しなかったがために出逢いを願うことすらも叶わない, 出逢えたことが, そしてこのように御提案が叶ったこと自体が弊店にとって一つの “ 事件である一着 ” 。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

空間で御品と向き合うとこのような編集が叶ったことは 運が良かった以外の何ものでもない と改めて想うほどに私にとって真夏の御提案は難解な, 正直に申しあげますといついかなる旅であろうとも、出逢えることに期待心を寄せていない区分でして、“ 織りの専門家, 穿く麻, 未熟と成熟, 中毒性, 事件である一着 ” の計九着からなる御品と出逢えたことは、仰々しい表現となりますが私にとっては一つの奇跡です。

 

 

 

 

 

Newarrival. Midsummer propose.

 

 

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1 の存在感 / Diary735
3.7.2019

例えばジーンズを小粋にお召しの御客様と交流させて頂いたらすぐさま帰宅してジーンズに履き替えたい衝動にどうしようもなく駆られるほどに、私は影響を受ける際には素直に受けて直情的な想いを巡らせる性分で、自身の中に在る気分は良しにせよ悪しにせよ受け入れるようにしておりまして、昨年にアンバーリングを御提案させて頂いたのも紛れもなくその直情によるもので、かねてより主に繊細なリングを周囲の人々から恐れられる異形の野獣が一輪の薔薇を大切にするがごとく好みの対象としていたものの、これまた前述のジーンズ方式と同じくな偶発的経緯を幾度か経て心が繊細の逆に位置する装飾的リングを求めるように成った末に出逢いが叶い御提案させて頂いた次第だったのですが、その感情は一時的なものではなくアンティーク・ファインジュエリーの取捨選択にもはっきりとした変化を及ぼすことと成りまして、このように直情的過ぎる自身の潜在意識にはやはり腹と頭を抱えますが、ことこの生業に関わることであれば直情も大切である とも考えております。

 

この度の新作群は最古が 1864 年となり、アンティーク・ファインジュエリーに関しましては最新で 1960 年代 ( 注:弊店では 1940 年代以前の御品をアンティーク・ピース、それ以前をヴィンテージ・ピースとして御提案させて頂いておりますが、これらに関しましては “ アンティーク・ファインジュエリー ” という呼称で統一させて頂いております ) となりますが、これまでに御提案させて頂いた幾度かに比べて特に装飾的リングが目に付く印象を私は抱きまして、アンティーク・ファインジュエリーという世界には時に出で立ちの傾向や方向性が近しいものが在りながらも、あくまでそれらは近しいだけで結局のところは全てがそれぞれに異なる無垢な 1 の存在感を有しているのが特色であり現実であり、男性のおける装身具という要素に難しさを感じ, だからこそそれと向き合う意義と価値となによりの面白みを感じる私にとってはこれまでもこれからも独立した存在かつ心と寄り添ってくれる解の一つで、弊店におけるこれまでの幾度かは常に異なり続けていたものの、この度の新作群で装飾的リングが目に付くことと成ったのは喜ばしく、例えば女性的とも捉えられる曲線美の内部に白金とニ十石のダイヤモンドを載せた一つや、男性性が強く宿った形状に三十二石のダイヤモンドを載せたうえで光を集めるための細やかな職人技術が施されたこの度の最大幅を有する一つや、七石のうちの一つがそれはそれは大きいダイヤモンドの大胆な輝きと共にヴィクトリア期らしい装飾の趣意による独創的な立体感をお愉しみ頂ける一つなど、それぞれにおける物質としての華やかな 1 の存在感がケースの中に鎮座しておりまして、それら個の質量は空間全体と対比させた際には 0.1 %以下となるのでしょうが、全体に及ぼす影響はその数値以上に強大ですので、絶望的に華やかさの足りない私がようやく一人前の人間に成れたような錯覚を受けますが、きっとそれらが旅立ったら元の野獣に元通り。読書と空想が好きな父親思いの美しい女性がやってきて人間に戻れる日はいつに成ることやら。

 

 

 



引き続き皆様方の日々が豊かになる何かに成れましたら幸いです。

 

 

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手懐ける / Diary734
2.7.2019

私は傘が心に寄り添わない性分で、鞄以上に可能な限り持ち運びたくないため不自然なほどに濡れるのもいとわない日々を過ごしており、とは言え限界があったためその度に簡易品を購入しては失い続けていたのですが、その繰り返しがあまりにも虚しかったため “ 逆に大きな犠牲を払えば持ち運ぶのではないか ” と想い立ったある晴れた日に手に入れた一本を愛用していたのですが、高度一万メートルで十数時間過ごしてから少し経った先日に知人宅を訪ねた際うっかり置いてきてしまい失意に暮れました。実は以前にも一度同じ意図で手に入れた一本の傘がありそれはタクシーの中へ置き去りにしてしまったのですが、どういうわけかある日自宅の押し入れにそれが在り、心の底から驚く  という夢を知人宅から帰った晩に見まして、都合の良過ぎる自分の潜在意識に腹と頭を抱えた次第です。

 

このように私は元来大変に大変に粗野な人間でして、正直に申しあげましてこの生業に関わること以外の全てが, 例えばシチューのパッケージに書かれたレシピを読まずに作る, 絹豆腐のつもりで木綿豆腐を買うなど、残念な有様で、きっとこの生業に対して私の中に在る考える力が全て注がれているであろうほどに本当に本当に残念な日々を過ごしているのですが、考える力の全てを注ぎ続けようとも経験を積み重ねようとも、この生業では予想や夢想や考察を上回ることばかりが巻き起こり “ 愉しい ” という感情が尽きることはありませんでして、最近におきましても一つのブレスレットが心を愉しく愉しく掻き乱してくれたのです。

それは我々ごときが御提案すること自体が野暮なほどの存在価値を社会的にも歴史的にも既に有し、その立ち位置に甘んじることなく縦横無尽に自由な感性と時に驚くほど遊び心溢れる表現力と実行力を発揮し続ける親愛なるメイカーによる 80 年代初頭の一品で、三つで一列となった輪が十二列連なる全箇所において研ぎ澄まされた形状から生じる摩訶不思議な稼働表情と、貴金属に一切の馴染みがない御方でも無意識的に強い求心力を感じて頂けるほどに厳選された、九つのアルファベットと一つの記号とドットから構成される刻印に紛れもなく相応しい素材表情から、男性に向けて心から御提案したいと想える中でも異質なまでに優雅で麗しい存在に感じられ選ばせて頂いた御品でして、私は “ 優雅さや麗しさが特に強い場合は容易に個と寄り添わない。ゆえに寄り添うことが叶えば唯一無二になる ” とかねてより考察しており、本品は稼働表情や素材表情などの印象面と幅の広さや物質的な質量などの現実面ゆえの優雅さと麗しさを備え、例えば私が身に着けた場合には過度な演出性に感じられたりと、強さだけでは正しい解と成らない, 類まれなる感性によって極地的に研ぎ澄まされ愛情注がれているからこその難しさを有する御品と捉えていたのですが、先日のとある時間に驚くほどに優雅さや麗しさが自然に馴染んだ御姿を拝見させて頂き、大変に興奮してしまった次第です。

 

 

 



その印象を直感的に申しあげますと優雅さや麗しさを “ 手懐ける ” と申しますか、強さを強さとしながらも我がものとして制御しきった様子と申しますか、とにかく予想や夢想や考察とは全くことなる次元の御姿でして、ヴィンテージやアンティークならではの既にそのほとんどに着用例や着こなしの指南書が存在しないからこその, 御人によって異なる視え方の, 千差万別で全てが異なる方向に向かい全てが等しく正しい解と成ってくれる愉しさを認識させて頂いていたにも関わらず、優雅さや麗しさをこのように “ 手懐ける ” 着地点に出逢ったことがありませんでして、心から驚きました。手懐け制御しきる御姿と成ることが稀なのか否かはまだ解っておりませんし、もちろんそうすることだけが本品との向き合い方においての解ではありませんが、この驚きによって改めて装身具で手元を彩ることでの豊かさとなにより Tiffany & Co. の偉大さを再確認させて頂きました。

 

 

 

 

 

early80s Tiffany & Co. silver 925 triple loop brecelet.

 

 

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涙とハンカチ / Diary733
28.6.2019

七石のダイヤモンド, 流線形とサファイヤ, 正統的男性用様式, 大胆な美麗さ, 現代性 etc 。不定期で御提案させて頂いております区分であるアンティーク・ファインジュエリーからの新作群は、先のアンバーリングを筆頭とした装身具としての個の派生から影響を受け、これまでで最も存在感としても現実的な質量としても大胆でデコラティヴな面々が揃うことと成りまして、もちろんのことこれまでの御提案とは異なる品々, 時に近しい要素が在りながらも全く異なる顔立ちやそもそもにおいて全く異なる要素や様式など、に分布しているのですが、それに加えて前回のエントリーにも記しました通りこの度は初めてしっかりと編集させて頂くメイカーのヴィンテージピースも併せて御披露目させて頂いておりまして、同社は弊店にとってこれまた心の底から尊敬し愛し, その上下左右・縦横無尽に飛翔する表現力に感嘆し, 時にとてつもない熱量で発される遊び心に心酔する存在であり、それこそ我々ごときが御提案するもの甚だしいほどの存在価値を社会的にも歴史的にも既に提示している大変に立派なメイカーなのですが、永きに渡る歴史と表現力ゆえに数多の作品を世に発表してきており物質として幾つも存在しているにも関わらず、これまで弊社においてしっかりとした編集が叶わなかったのは引き続き我々の勝手千万な判断基準によるものでして、その刻印を眼にする機会があったとて連れて帰るに至らないたびに幾筋の涙を流し幾度もハンカチを手もみ洗う日々を過ごしながら、時にビールやウイスキーやカラオケで心を奮い立たせつつゆっくりと、一歩一歩進んでこの度の御披露目に至りました。

アンティークだから良い, メイカーだから良い、古い年代の方が良い, この国だから良い、18K だから良い, ダイヤモンドだから良い などの論点で装身具を御提案させて頂いたことは、これまでに無いと私は想っておりまして、いずれの背景にせよ要素にせよ、引き続き皆様方それぞれが有する、それぞれの方向に向かって, いずれも等しく正しく美しい感覚と判断基準に則ったうえで、もし弊店の御提案する装身具の中に相応しい一品がございましたら心の底から真に光栄に想いまして、その時に流れる一筋の涙とそれに伴うハンカチの手もみ洗いは前述と正反対の意味合いとなります。

 

 

 

 

 



Newarrival
Antique fine jewelry.

 

 

 



Newarrival
70 – 80s Tiffany & Co.

 

 

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手元に関わる装身具 / Diary732
27.6.2019

この度は弊店都合により 11 日間に渡っての御休みを頂戴致しまして、大変に失礼致しました。期間中に幾人様かがドアの前までお越しくださっていたと当マンションの管理人さんから伺いまして、多大な御迷惑をお掛けしてしまったこと、猛省しております。また御問い合わせなどに関しましても順次御返信させて頂いておりますので、御人によってはもう少々御時間を頂かざるを得ませんことお詫び申し上げます。

 

先日の店舗運営の再開より手元を彩る新作群を御披露目させて頂いておりまして、私は以前より装身具の中でも手元に関わる存在を愛しているのですが、それは本当にかなり以前からのことですので最早きっかけを想い出すことが叶わず、しいて挙げるとしたら父から使わなくなった腕時計を譲り受けてからかなぁ といった本当に未成熟な時代からなのですが、どうしてかは分からないまま変わらぬ熱量でそれらを愛していたところ、確か昨年頃だったでしょうかとある読み物で “ 人の一生で自分が一番視る自身の身体の部位は手元だ ” といった記載を眼にした時、手元に関わる装身具を訳もなく愛してきた自分が私の中で腑に落ちました。

人の手は本当に美しい存在ではないでしょうか。美しさの概念は人によって異なることと想いますが、私はどんな手もそれぞれの方向に向かって, それぞれに等しい強さで美しいと感じます。優しい手, 綺麗な手, 力強い手, 儚い手, 枯れた手など、どれもが純粋に強烈に美しく、それらの所作には時に言葉に勝る説得力と表情に勝る表現力があるように想い、そんな手元と調和する繊細であったり, 大胆であったり, 無口であったり, 多弁であったり, 雄々しかったりといった装身具を目の当たりにすると、勝手ながら心から豊かな心持ちになります。

 

この度の新作群は 1864 年から 1980 年代までに分布しており、初めてしっかりと編集させて頂くメイカーピースの御用意も叶いました。繊細な品, 大胆な品, 無口な品, 多弁な品, 雄々しい品など存在としての着地点は様々ございますので、もし僅かでも御興味頂けましたら是非にと想います。誤解を恐れずに申しあげますと手元に限らず装身具の類はお手持ちになくとも生活において困ることきっと無いことと想いますが、しかしながらそれら装身具が在ることで得られる心の豊かさは何とも比べられず何でも測ることができないものである と信じて。

 

 

 

 

 

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Antique fine jewelry and vintage maker jewelry.

 

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ある日は / Diary731
12.6.2019

ジャケット、香水、充電器、Wifi、水、腕時計、ブレスレット、書類、ロッテアーモンドチョコレートと共に街を。

 

 

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鞄を終わらせる鞄 / Diary730
11.6.2019

ミリタリーやワークの区分でも同じくですが、何かを製作するうえで存在する趣意に対する追求心や深刻性が強ければ強いほど、注がれる要素や配慮に強烈に無垢で美しい存在感が備わると感じているのですが、ミリタリーの趣意軸が “ 生きるため ” であったりワークが “ 働くため ” だとして、例えば “ 救うため ” という趣意軸があり、それを踏まえて最上の職人技術と感性が創り上げた物質があったとしたら、私はどういう感情を抱くのであろうか? とかねてより考えていたわけではありませんが、それはそれは豊かで忘れ得ぬ体感でした。

 

これまた様々な側面を持つイタリアにおいて、その一つである小さな小さな, 御伽噺かのように愛くるしい街のとある空間にて熟成された紳士より譲り受けた一つの鞄は、従来であれば美術館や博物館などのガラスを隔てた環境が相応しく、極々稀に出逢えたとて状態や実用性などに対する評価を踏まえると我々にとって現実的ではないがために、出逢いを求めるもののそれを願うことに虚無感を抱くほどの存在なのですが、私の腕時計を何故か気に入ってくれている紳士にとって特に秘蔵であった約 80 年前に一人の医者による個人発注品であり、現代よりも往診の機会が多かったために当時のその医者にとっての利便性, 実用性に対して極地的に真摯に向き合って設計され、結果的に今を活きる私たち, 特に男性にとって馴染みの浅い形状に仕上がったその鞄を、私は訳あって数時間ほど ( 使ってみたいという想いが無かったと言えば嘘になりますが、使わざるを得なかったのも事実です ) 活用させて頂いた時にふと、例えばペットボトルを立てて収納できたり, 小分けの香水瓶が特殊仕切りに収められたり, 歩きながらでも好物のロッテアーモンドチョコレートが取り出せたり, 畳んだジャケットが楽に収納できたり, 地面にそのまま置いても問題なかったり, 鍵をかけられたり等の驚異的な利便性と実用性と、何よりそれを手にして歩いているという事実から得られる心の豊かさを体感したことによって、救うための趣意軸があり、それを踏まえて最上の職人技術と感性が創り上げた物質が存在するという現実と、これが私の相棒に成ることはないという現実と、これを貴方様にとっての “ 鞄を終わらせる鞄 ” として御推奨するという現実が頭を錯綜し、うっかりジェラートを食べ忘れるところでしたが、なんとか空港で食べることができ、甘さと苦さが混ざり合うこの味もまた鳴々一つの人生か と独り想った次第です。

 

 

 




 

 

 

 

 

40s Hermes personal order doctor bag

実用品として是非に。

 

 

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0614 – 0624 / Diary729
9.6.2019

いつも御愛顧くださり、ありがとうございます。弊店は都合により 6/14 ( 金 ) から 6/24 ( 月 ) までの期間、店舗運営を御休みとさせて頂きます。それに伴い期間中に御注文頂きました ONLINE の御配送は 6/25 ( 火 ) 意向の御手続きとなり、メールなどの御問い合わせに関しましても御答えが叶う状況と叶わない状況が予想されますこと、大変に恐れ入りますが御容赦頂戴できますことをお願い申しあげます。

勝手申しあげまして、大変に申し訳ございません。6/25 ( 火 ) 12:00 より通常運営が再開と成りますので、その暁には失われる 11 日間を補ってなお有り余るほどの編集・御提案が叶うよう孜孜忽忽と臨ませて頂きます。

 

 

 

引き続きの御愛顧を心より御願い申し上げます。

 

 

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趣意 / Diary728
7.6.2019

品質と世界観に対する嗜好をこれでもかと詰め込んだ30年前の綿のカーディガン、着飾るためではなく働くためという無垢な目的が結果的に着飾るに値することと成った70年前の起毛綿のトラウザー、ほんのささやかな異文化要素 ( その判断と部位に愕然 ) によってモードと日常の両面を現わした50年前のシルクのシャツ、とある医師の要望を具現化した80年前の革の鞄、など。この度の新作では様々な方向性で等しく濃密な ” 趣意 ” にまつわる品々を編集させて頂きました。
 

 

 


90s Best Company / “ スタイル ”

 

 


50s French work /個人愛注いでます

 

 

20s France / 美意識

 

 


70s Yves saint Laurent rive gauche homme / “ ワークシャツ ”

 

 


40s Hermes / 個人発注品

 

 

 

 

 

Newarrival / 趣意

御興味頂けましたら是非にと想います。

 

 

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騒めき / Diary727
5.6.2019

私自身が品そのものや御客様方との交流にて強い影響を受けるという性質が主たる理由ではありますが、御陰様で綿のテーラードジャケットを着るという行為そのもの, 着るという選択肢が “ 在る ” ということ自体に強い愉しさを感じ、改めてこの生業はなんと有り難いものであろうかと想いまして、様々な襟の形状やポケットの構築性, ベンツ有り無しといった各所の部位に秘められた意思の発信はどれも装うという根本的な愉しさを高い純度にて表現してくれますが、こと綿のテーラードジャケットに関しましては素材の表情, 細やかで素朴なそれらの優しく乾いた表情に一層の説得力を感じるのですが、この度の新作に在ります一着に対して密やかに抱いていた、それらを踏まえたうえでも特に問題児かもしれないという直感はやはり紛れもない確信に変わりまして、大いなる心地良い心の騒めきを独り胸に秘めております。純白であるという時点で既に一つの極地的な独善性にも関わらず、それを頭に過ぎらせないほどの要素を集約させたその出で立ちはもちろん特別ではあるものの、それ以上にこれまでの感覚や判断基準が心地良く騒めくような特異性を秘めているのです。

 

 

 

と、続いて特異性に関して綴っておりましたが 446 字まとめたところで一服した後、思い立って全て消去致しました。題目と致しましては仕立て文化における主に 1940 年代以前の “ 袖の付け方 ” と “ フランスにおける男性性の美意識表現 ” と この一着に秘められた “ とある融合性 ” が在るのですが、それによる心地良い心の騒めきは文字からではなく実物からの物質的な印象を皮切りに抱いて頂きたいと、ふと強く想った次第です。現段階で不肖な私が抱いている印象とは全く異なる着地点があるのではないかという予感を抱きつつ、いくら千差万別とは言えどこまで予想外な姿を魅せてくれるのであろうという未知への畏怖も抱きつつ、このような現代社会の装いにおける異物的でありながら有意義な存在感、捉えきれない不確定な予感でありながら高ぶる感情を抱かせてくれるこれらヴィンテージ / アンティークという世界は、引き続きなかなかどうして蠱惑的であると、独り口角を上げながら当エントリーを閉めさせて頂きます。

 

 

 

 

 



 

 

 


30s Belle Jardiniere double-breasted white cotton summer tailored

 

 

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Je te veux / Diary726
30.5.2019

ささやかな勝手な願いの一つに “ テーラードジャケットを沢山の御方に御愉しみ頂きたい ” がありまして、一個人的な印象で恐縮ながら日常的に, 日常的でないものの布陣の一つにされている方とされていない方がはっきりと分かれるように感じており、それは SURR 設立から現在に至ってなお変わることがございませんで、男性における 不変中の不変 という表現がこれでもかと似合う存在でありながらも、これまた私のささやかな癖である行き交う人々を眺めていた ( in Japan) 時にふと、テーラードジャケットのような男性における不変的な装いの方が “ 今 ” は街中で際立つのではないか?という想いが去来し、とても不思議かつなんだか愉快な気分に独りで成った瞬間がございまして、季節を問わず時流を問わず不変中の不変を纏う愉しさを直線的に実感でき、季節に応じて時流に応じて細やかに, 時に大胆に変貌を遂げるそれぞれが常に不変である意義を示し続けるテーラードジャケットは、やはり男性における数少ない男性としての存在意義を具現化した存在で、基本的にモードは, ファッションは女性のためのものと考える私にとってテーラードジャケットに袖を通した際に湧き上がる “ 男性として命を受けた喜び ” を共有させて頂きたく 引き続き僅かでも御興味頂けましたら是非に を胸に、僭越ながら今夏の御提案は純白ないし乳白の綿でございます。

 

 

 




幾つかの時代, 背景, 目的性に分布しながらいずれも夏季に羽織ることを目的として産まれた品々は、皆様方にどのような感情にて御査収頂けるのか、初めて KARIM HADJAB や Antique fine jewelry を御披露目したあの時のように心躍りつつ正直に申しあげましてどこか不安でもある自分が居り、本品らに関しましては私も街中などで着こなし例を眼にした機会が少なく、そもそも街中などで眼にする可能性が低いであろうと想われるそれぞれに異なるながら等しく “ 品位溢れるえぐみ ” が極端に秘められた品々ですのでやはり妄想・夢想が叶いませんが、それと同時に皆様方との化学反応の具現, 御人によってきっとやはり異なるであろう千差万別で全てが正しい御姿を陰ながら拝見できる瞬間を心の底から心待ちにしている素直な自分も居ります。

 

 

 

 

 

Newarrival,1930 – 1999s White cotton summer tailored.

Je Te Veux の旋律のように不変的で、足が躍るような爽やかと共に明確な説得力を御愉しみ頂けますことを願って、これからマツモトキヨシに行ってまいります。

 

 

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運動量を経た精査 / Diary725
29.5.2019

御人によって異なる判断基準, 趣味嗜好, そしてそれに伴う視え方の違いたるや、その千差万別で全てが正しく、きっと厳密にそれらはぴったりと重なることなくそれぞれの方向に向かって, それぞれが等しく美しい結果に向かって進み続けることが本当に本当に素晴らしいと, 尊いと想って止みませんで、そんなそれぞれに対してほんの僅かでも豊かになる要因に成りたいと願っていることは以前綴らせて頂きましたが、弊店にて御提案させて頂く品々には “ 時を重ねることで変化する一つの基準 ” と “ 変化しない二つの基準 ” を除いて制限を一切設けていない理由の一つは、前述の通り御人によって向かう方向や結果が異なるがゆえと我々が想って止まないからでして、その点を 節操がない と言われましたら何一つ返す言葉がございませんが、それ以上に節操がないからこその感覚器官の運動量と、その運動量を経ての精査に重要性と魅力を感じておりまして、例えばこと足元に関しましては制限を設けていない, 制御をかけていないうえで現状は革靴しかございませんで、それも運動量を経た精査の結果なのですが、それこそサンダルそのものもスニーカーの新作も御提案できていないことは我々にとって恐縮と反省の繰り返しでありながらも引き続き現状を打開する予定はございませんので、今年一年も革靴を御提案させて頂くことと、どうやら相成りそうです。

その現状は決して正しい / 正しくないといった概念ではなくあくまで我々の基準と判断ですので、それこそ皆様方それぞれに在られます向かう方向と結果に沿っておりましたら心の底から嬉しく感じる次第ですが、こと右足と左足で一つとなる、国や時代や文化に基づく構築理念と美意識と、何よりも職人の技術力を結晶化させた物質的に単純明快な美しさに関しましては、例え沿っておられずともほんの僅かでも御興味頂けましたら是非にと強く強く想わずにはいられない説得力と求心力を、初めて感じたあの日から一切変わらぬ熱量にて抱き続けている次第です。それは望郷の念と美意識が同居した王道なようで異質な注文靴にも、“ サイド・エラスティック ” という機能性と美しさを両立させた知的な一足にも、堅牢さと繊細さを丁度半分で融合させた反則的なほど明確に格好良いブーツにも、最上級の技術と経験値と実行力にて仕上げられた全てにおいてタフでカジュアルにも関わらず履くと脳内にエレガンスが響き渡る一足にも、それこそそれぞれ向かう方向と結果が異なりながらそれぞれに等しい熱量と美しい熱意が込められておりまして、精査を経て我々にとっての “ より厳選 ” という現状に成りながらも、このように千差万別な存在を物質として認識・経験, なんと言っても御提案できることは、やはり幸せだ と想います。

 

 

 

 

 

それではささやかな癖である夜の散歩に行ってまいります。

 

 

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別次元の何か / Diary724
28.5.2019

弊店において設立以降重要な存在の一つで在り続ける Tom Ford 氏による Gucci のクリエイションにおいて、かねてより最も好ましい / 輝かしいと感じていた一つの期がございまして、そう感じているのはそもそもにおいて私だけでなく、以前より, これは私的印象ですが、Archive という言葉が一部においてより形骸化したように感じられる近年よりも以前に, 既に保存・保管対象として強い敬意を抱く人々がいたがために、その期の特に濃密な要素が詰め込まれた品々にはなかなかどうして出逢うことが叶いませんでした。
ブランド ( 社会 ) とデザイナー ( 個人 ) という関係性および結びつきにおいて、製作する品以外も用いて世界観を表現するクリエイティヴディレクターという立ち位置を創り、長い歴史と文化において築き上げられた Gucci という存在をより高みへと押し上げ、そして “ 今のモード ” を創る人々を育てた一人である氏は、24 年間の Gucci クリエイションにおいて服飾史に対する学びと敬意を経たうえで独自の解釈と概念を盛り込み、なおかつ様々な文化や技術を用いた多彩かつ重厚な表現によって沢山の名作を生み出しており、その柔軟な思考と嗜好に品位に対する追及心と実行力、表現は常に明確であり時に非現実的なようでも品そのものを身体に沿わせた際の驚異的な変幻自在な着地点といった、独自性と創造性と品としての品格に弊店は心酔し続けてまいりましたが、この度の御提案における期には、そして本品には氏の Gucci クリエイションにおける全てが明確かつ的確かつ簡潔に、何よりも強く詰まっているように想います。

 

 

 



目的意識が “ 着飾る ” の対極に位置し、その純真さゆえにオートクチュールの時代から, そしてプレタポルテに移行してからはより明確にモードの世界と結びついた “ ミリタリー ” の世界における雛形的な存在の一つであるユーティリティシャツを純真無垢な視点で選択したうえで文化と威信の結晶である職人技術を糸一本, 縫い一線, 構築一曲線の全てに注ぎ、それらは一着における各部位や装飾とは異なる、よりささやかなで静かな要素であるものの、着用時には同等の, 捉え方によってはそれ以上に重要な役割を果たして本品の存在意義を支え、それこそ御手本となるユーティリティシャツらしさであり、なおかつそれらとは一線を画す異質な上品さを備えた無口な平織りに乗せられたハンドペイントの動植物によって、ミリタリーの世界において時たま行われる名も無き手書き作家の意匠に対してと、1966 年に生まれた同社の象徴紋様 “ Flora ” に対して敬意を表しており、簡潔に綴りますと以上の通りですがその物質としての現実的な存在感と説得力には言葉で表現できない別次元の何かが含まれているのです。

 

 

 

 

 

2003SS Gucci shirt jacket.

着用を重ねることで深みが増す生地感と、徐々に失われ表情を変えてゆくペイントと、シャツジャケットとして, 時に素直なシャツとしての極めて現実的かつ独善的な着こなしと、これぞ “ ファッション ” これぞ “ モードのクリエイション ” な御姿を御賞味頂きたく心から想います。

 

 

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Gnossiennes No.1 / Diary723
24.5.2019

静謐に揺れる匿名のドレープ、計算的かつ創造的なイタリアンクリエイションの腰回り、耳に残る無音のように豊かなサマーテーラード、3 分少々漂い続ける妖艶さそのもののようなビッグ・メゾンの佇まい等、この度の新作は私にとって Eric Satie の Gnossiennes No.1 を喚起させる品々ばかりでございました。

 

 

 

80s Italy anonymouse

 

 

Silk&wool

 

 

80s Ermenegildo Zegna

 

 

Linen

 

 

early80s Best Company

 

 

70s Ermenegildo Zegna for summer

 

 


My best of Tom Ford creation for Gucci

 

 

 

 

 

Newarrival0524

この度も混沌とした無作為な品々であり、特に日常のふとした隙間に在る異世界のように奇妙な, 心がざわつくにも関わらず触れてみたくなるような, 一度知ったら抜け出せない危うい妖艶さをはらんだグノシエンヌな品々です。機会ございましたら是非に。

 

 

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緑を纏った乳白色 / Diary722
22.5.2019

弊店にとって欠かせない要素である Maison vintage において特別な存在であり、そもそも服飾史における最重要人物の一人であり、当時から現在に至るまで沢山の, 本当に沢山の人々の装いを豊かにし、美術館・博物館のショーケース内を彩り続け、数年前に財団によって設立された二カ所の独立美術館によってその地位を今まで以上に確固たるものとし、服飾史に残した幾つもの偉大な作品群がこれからも服飾における全方位にとっての教科書で在り続ける、“ モードの帝王 ” の冠がまさしく相応しいムッシュが心酔した地で私が過ごしたあの時間は、他の国内外各地と同じように一言では表すことのできないものであり、きっと歴史や文化に明るければより実感が沸く様々があったであろうとは想うもののあいにく全方位に不勉強な私にも関わらず、空気や人々や大通りや裏通りやタジン鍋やミントティーや御風呂やテラスから圧倒的な感情の運動量, 生物的な強さ, 脈々と受け継がれた文化の濃さ, なにより人間の手仕事による尊さを五感, 特に視覚的に強烈に感じ、その刺激を受け止めることに必死でした。




 

 

知っていた青とは異なる青, 赤とは異なる赤。彩り全てがこれまでの人生経験と大きく異なる心地良く異質な色調に感じられたのは決して自律神経の不調などではなく正真正銘に土地の色であり、網膜に襲い掛かるかのようなそれら全てに時間を忘れて見入っているとふと、その魔力に魅せられたムッシュが新たな色彩と感性を手に入れたことを想い出し、ただ現状を視ることしかできない私とは別の世界に居た、それらから新たを産み出すことのできた氏はどのような感情を, 時に愉しさを得ていたのだろうと夢想せずにはいられず、この生業において幸運にも数多くのムッシュの作品を眼に手にし、それらを現代の装いとして様々な御客様方に御提案させて頂き、いつからか氏がこの生業における最上のデザイナーとなり、こうしてこの地を訪れることとなった自らの人生の経緯をなんともなかなかに面白いものであると, そこまで悪いものでもないなと薄ぼんやりと素直に考えられたのは私にとってささやかながらとても大きいことであり、やはりマラケシュの匂いと音と風などのお陰だなぁと想い、またどこかで機を設けて訪れたいな、その時はホテルのベランダでのんびり過ごそうかしら なんて想って鳥の声と木々のざわめきに耳を澄ましながら太陽の下で寝ころび、そういえばここも同じ地球かと独り言ちた時間が少し前にございました。



 

 

 

 

 

そもそも数年前までその存在自体を認識しておらず、とある一着との出逢いによって衝撃を受けたあの瞬間から常に求め続けているものの、我々が交流する限りの各国の専門家において全くといってよいほど認知されていないムッシュ全盛期の Rive gauche “ homme ” 。この度幸運にも出逢うことが叶った一着のシャツはこれまで数少ないながら御提案させて頂いた中でも最も王道的な装いながら、その構築理念に, 基本要素の装飾論点に, 素材が醸し出す空気に, そして出で立ちそのものにムッシュの姿を重ね合わせずにはいられず、この緑を纏った乳白色がこれまでの人生経験と大きく異なる心地良く異質な色調を感じられ、あの地を想い出さずにはいられません。



 

 

70s Yves Saint Laurent rive gauche homme cotton shirt

本品に関しましては僭越ながら一個人的な願望と致しましてシャツという存在の根本的な美意識に沿った御姿にて御愛用頂きたく想っております。御身体が合われる貴方様に猛烈に嫉妬しつつ心から御推奨させてくださいませ。

 

 

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強大かつ素朴な欲望 / Diary721
21.5.2019

そしてもう一つの運営目的, 信念は “ 品の魅力を御伝えする ” ことに何より尽きまして、前述が御客様方へ向かった類に対してこれらは店という空間での表現全てへと向かった永久に精査と洗練が終わることのない類でして、男性に向けてのヴィンテージ専門店という題目を設けさせて頂いている弊店においてその判断や区別, 品一つ一つに纏わせる価値は様々な精査の末に弊店の勝手な基準であり続けており、ゆえに必ず異なる考えを有される御方が居られることは実感致しておりますが、そんな勝手な基準ながら, いやだからこそ全てに品において強く御伝えしたくてたまらない, この感動や愉しさを共鳴させたくてたまらないという強大かつ素朴な欲望が根本的にありますので “ どのよう ” に表現したら “ より良いか ” という各鍵括弧の部分は常に考え模索し悩み続けております。

どのように言葉を綴っても実物を目の前にした感情の方が大切で、どのような写真も人間の眼による表現には遠く及ばず、どのような背景も着用時の感覚的な “ 格好良い ” という説得力には敵わない。これらは私がこの生業における割合初期の段階に想ったことでして、ゆえに選ぶ存在と御提案させて頂く存在が向き合う形となる小売という生業を心から尊く豊かに感じております。そして世界中を旅して人と出逢い, さらに人から人へと繋がり, それに伴って数多くの選択肢を眼に手にし続ける過程で訪れる様々な輝かしい出逢い ( 本当にその品から微弱な光が放たれているかのような ) のきっかけのほとんどが感覚器官である私にとって、品を表現するうえでの最上として “ 物質としての魅力を直線的に、感覚的に無垢に現わす ” という目標ならびに欲求を常に抱き続けております。何度か店頭にてお話しさせて頂いているのですが、我々の知る背景や特徴などの言葉や解釈はただのおつまみ, 御通し, 箸休めでしかなく、主食は御客様であり主菜は品そのものである と、炊き立ての白米が御客様方で揚げたてのから揚げが品ならば我々はきんぴらゴボウだ と心から想っておりまして、とは言え結局のところ品は物言わぬ存在ですので、その僅かなる補足要因として我々のような者が居りますが、その品を捉え判断するのは御客様方ですので、その邪魔をせず, かつ御用とあらば陰ながら推し支えるのが我々に与えられた存在意義で、その推し支えの場となるのが店という空間であったり Diary であったりとするにも関わらず、言葉ならびに写真において、私は未だに満足できる表現に至ったことがございません。人の感情の, 人間の眼の, 感覚的な説得力の凄さたるや。いつも自らの力不足を実感致します。

 

表現を模索し悩む存在というのは実のところ弊店でほとんどの品が該当し、イコールそれだけ魅力を感じるという大変に幸せな成り立ちなのですが、直近で申しますと新作の以下ジャケットは本当に悩ましい存在でございまして、もちろん “ いつ ” の時代に “ どこ ” の区分より “ どのような ” 目的に則って製作され “ どのような ” 特徴を有するかというおつまみとしての要素はありつつも、一個人的にはそれ以上に物質としての根本的な魅力にて表現させて頂きたくて頂きたくて特にたまらない一着でありながら、並行して物質的な様々に “ あまり沢山の御人に共感頂けないのではないか ” という要素を感じつつも、だからこそどうしようもなく惹かれてしまう一種の中毒的な求心力に、Paris の中心地から外れた親愛なるコレクター様のもとで出逢ったあの日から熱病ごたる冒されているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

メゾンやデザイナーとは異なる出生であり職人技術や文化とは異なる論点ながら、全く異なる方向性の豊か過ぎる特徴とそれらと同等の熱量と、どうしようもないほどの熱病性を有する一着です。

 

 

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Newarrival0518, 流線美 / Diary720
18.5.2019



 

 



 

 

革靴における季節の制限が良い意味で消失したように感じたのは何年前でしょうか。引き続き御興味頂ける御方とそうでない御方に細分される存在ですが、弊店はこれまでもこれからも革靴が表現する研ぎ澄まされた流線美が軸で在り続けます。どのような質感であったとて。

 

 

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