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真緑のレザー / Diary1347
28.10.2025

弊店が愛し敬愛するヴィンテージカルチャーの一つにEast Westがあります。ちょうど10年前にささやかながら弊社の真のアーカイヴを交えたエキシビションを催したりと弊店では勝手ながら馴染みの深い存在ながら深淵まで御紹介するとなるとちょっとした小説ぐらいの文字量になりかねませんので、元々楽器屋だった会社が興したレザーウェアブランドのため正式にはEast West Musical Instruments Companyという長名であること,サンフランシスコに居を構えていたこと,当時のミュージシャンや銀幕のスターたちがこぞって愛用していたこと,突如現れたレザーテーラーリングという新たなファッション哲学によってその業界が盛り上がり結果的にパイオニアであったEast Westが10年弱で姿を消したこと,そして生み出すデザイナーも受け取る顧客たちもドラッグ愛用者が多数であったこと,そして弊店の感覚ではありますが服飾史を彩ってきたモードデザイナー全員が影響を受けた存在であること。触れるのはこれくらいに留めておきます。

控えめに言って伝説的なブランドであったEast West。前述の通りレザーテーラーという新たな哲学と称されることが多いかと思いますが私はそれ以上にモードなレザーウェアの原点がそこにはあると思います、バイカーだったりアヴィエイターであったりといわゆる防護服・防寒服であったレザーの洋服にファッションの概念を,後のモードデザインの源流を見出したのがEast Westであると。そして様々なモデルが存在しそれぞれに名前が付いているという素敵さでも知られていますが、私はこれまでそれぞれのデザインに過去のファッションカルチャーの気配を感じることはありませんでした。あくまでEast WestのデザインはEast Westから、それ以前には無いと思い切っていたのです。そしてそれはドラッグカルチャーという時代と土地の縁があって育まれたものであると。

ゆえに個人的にこの一着との出逢いは衝撃的でした、アレ?日本だと人気ランキングTOP10には食い込むであろうモデル,Winchesterじゃんか、がその実クラシックでオリジンなフレンチワークプロダクトだったのですから。

 

 

でも実際問題としてはEast Westメンバーがこれらフレンチワークだったりのカルチャーを見ていたか・知っていたかで言うと、私は見ていないし知っていなかったのではと思います。いわゆる御手本としてリソースとしてヴィンテージカルチャーをヨーロピアンカルチャーを探求していたか,追求していたか,勉強していたか、うーんどうなんだろうなぁ正直全然想像つかないなぁ。とはいえデザインチームを組んでいたのでその中にいたのかしら?フレンチワーク好きのドラッグ愛用者、うーん正直に言って分かりません。でもこれもEast Westが唯一無二過ぎてこれまでに一度たりとも頭の中で繋がったことが無かったのですが、考えてみると観察してみるとEast Westにおけるデザインラペルのサイズ感だったりバランスにフランス服飾史特有の大きな襟の文化を感じることができます。

 

 

 

 

 

New 50s French Work Government Worker sheep leather green coat

 

それと同時に単純明快にアラヤダこのレザーコート、グリーンだなんて素敵過ぎるしコンディションも良過ぎるしシルエットバランスとスタイル性も申し分無さ過ぎて最高!と心の中でガッツポーズを取ったのも事実です。これまで様々御提案してきたフレンチワークのGovernment Workerプロダクトですが、真緑なんて存在したんですねぇ。いやーシンプルに滅茶苦茶格好良い。

ちなみに実物からはきっと御想像以上に真緑を感じて頂けると思いますし、きっとその点もより一層楽しく感じて頂けるのではと思います。真緑のレザーコート、良いなぁ。

 

 

SURR 福留

ジェットラグ / Diary1346
24.10.2025

規則正しく夜中2時に目が覚めるという著しく強烈なジェットラグに襲われている今回。皆様方とお会いすることで諸々を吹き飛ばしてなんとか日々が過ごせておりますが体感的には過去最も引きずっています、だってまだ治っていない気がするから。前回の旅順では帰国日に眠くても寝ないで強引に日本時間と合わせる大作戦によって初のゼロ・ジェットラグを実現したので今回も同作戦を敢行したのですが残念ながら功を奏さず、参ったねしかしって感じ。まぁ特段取り組んでいることも無くケセラセラにしてしまっていますが、シンプルに万全ではないですねぇ。あと今回は帰国してからお米と豚汁しかほぼ食べていません、なんだかどんだけ食べても美味しくて美味しくて。日本もしっかりと寒くなってくれたので豚汁作り置きが無理なくできて嬉しい限り、今年愛用のスープジャーが活躍してくれる楽しい季節がやっていました。スタンレーは本当に凄いよ。

そう、寒くなりましたので皆様御風邪などはひかれませんようにお気をつけくださいませね、この風邪はパリのかリヨンのか分からない福留との約束ですよ。危ないなと思ったら豚汁食べてください明太子おにぎりと共に。

 

 

 

ヴェロニク・ニシャニアンの大傑作であり弊店が誠に勝手ながら御愛顧くださる皆様方のクローゼットに一着づつと思い続けているプロダクト。48サイズ表記ブルーカラーと50サイズ表記クリームカラーのハントに成功しました。ヴェロニクさん、勇退ですね。是非ともより一層ごゆるりとお過ごし頂きたい!

 

 

キルティングヴェスト。Olems Carrettiさん感バッチリなので何気ないようで何気なくない感じが好き。

 

 

今回の旅順でもジッパーネックセーターにだいぶと救われました。年々手が伸びる率が高まっているような気がしないでもありません、いや間違いなく高まっているな。この世界観は良い意味でニット“メーカー”には出せないデザイナーの業有りなんだよなぁ。

 

 

ライム色のスポーツジャケット、洒落ています。未使用品というのも引き続き嬉しい限り。

 

 

弊店にとっては滅多に出逢えない良い意味で普通な感じのスーツ、なのですがV狭めで4ボタンでエロティックなシルエットとDolce & Gabbanaらしい強さで社会からしたらほぼ間違いなく普通ではないんだろうなぁ。こんなんだから親戚の集まりで悪目立ちするんですよね。

 

 

Levisらしいボアライナージャケットながらディティールが小さくない?な感じやなんかやたらとゆったりしてない?な感じにやはり本国ではないヨーロピアンクリエイションらしいファッション目線の美学を感じます。1984年の個体なのですがMADE IN FRANCEってそんな古くからあったのですねぇ、これ大好き。

 

 

 

 

 

New

 

以上、今週の新作群でした。もう一度言いますが風邪引かないでくださいね。豚汁ですよ、豚汁!

 

 

SURR 福留

そろそろコートを/ Diary1345
23.10.2025

 

急に寒さが増してきましたね。ここ数日は、朝外に出るとひんやりした空気に包まれて、思わず肩をすくめてしまうような気温になってきましたし、そろそろコートの出番かと。 コートはただの防寒具ではなく、冬のスタイリングを考える上で欠かせない存在。シルエットや素材感、カラーの選び方ひとつで、その日の印象がぐっと変わりますし、シンプルに羽織っても十分に決まり、逆にインナーや小物をどう組み合わせるかで全体のバランスや表情も大きく広がっていく。だからこそ、この季節は「どのコートを主役にするか」から考えるのが楽しいんです。 ということで本日は、そんなコートを主役に据えたスタイリングをこれからご提案していきます。自分らしい着こなしを意識してみましたので、是非イメージを膨らませながら見ていただけたらと思います。

 

 

 

 

インナーは、カシミヤのニットにカシミヤシルクのベストを重ねています。やわらかくて軽いカシミヤの心地よさに、シルク特有の光沢感が加わることで、ただ暖かいだけじゃなく、着る人の気分まで上げてくれるような組み合わせで、インナーだけでしっかり存在感がありつつ、あくまで自然に馴染むところが気に入っています。 パンツはヴァレンティノ。落ち着いた色味とほどよいゆとりのあるシルエットで、全体を下から支えてくれる存在で、ラフさもありつつ綺麗に見えるバランスが、このスタイリングの土台を整えてくれています。 そして羽織ったのはジョルジオアルマーニのトレンチコート。自分は重厚感のあるコートよりも、軽さのあるオーバーサイズ気味のものを好んで選ぶことが多く、インナーをしっかり重ね着することで、調整するスタイルが好きなんです。そうすることで肩肘張らずに着れますし、レイヤードそのものを楽しめるのもポイントかと。アルマーニらしい余白のあるシルエットが、そんな自分の好みともぴったり合っています。

 

 

 全体としては、インナーは、カシミヤを重ねて暖かさを作りながら、外側は軽やかに仕上げるスタイリングで、防寒だけじゃなく、着ていてストレスのない心地よさや、自分らしい空気感を大事にした冬の装いです。

 

 

 

SURR 古川

スカートスタイル / Diary1343
16.10.2025

 

最近、お客様から「メンズでもスカートに挑戦してみたい」というお話を耳にすることがあります。性別や固定観念にとらわれず、ファッションの幅を広げて楽しみたいという気持ちをとても素敵だと感じています。そこで今回は、そのテーマにフオーカスして店頭の商品を軸にスタイリングを組んでみました。実は自分自身も今年に入って既にスカートを3点購入しており、日常のスタイリングに取り入れる楽しさを体感しています。今回はそうした実体験も踏まえてご提案させていただきますので、ぜひ新しいバランス感を楽しんでいただけたらと思います。

 

 

今回のスタイリングは、スカートとトラウザーズをドッキングさせた特別なボトムを中心に組み立てています。シューズの甲が見えるか見えないかぐらいロングなスカート、そこにロングコートを重ねることで、縦のラインが一層際立ち、全体のシルエットがすっきりと洗練された印象に引き上げられますし、シンプルな配色ながらも、裾にかけて重なり合うレイヤードが、見る角度や動作によって異なる表情を見せてくれるのもポイントです。特に、横や正面から感じられる奥行きは、このドッキングデザインならではのユニークさと言えます。

 

 

 スカートとトラウザーズが融合したボトムス、挑戦的に見えながらも実際には自然に取り入れられるデザインですので、おすすめです。ボトムス・ジャケット・コートは、店頭にてご用意しておりますので、直接生地の落ち感やシルエットの揺れを体感していただければと思います。

 

 

 

SURR 古川

French Leather / Diary1342
10.10.2025

オリジンヴィンテージ,ワークだったりミリタリーだったりアメリカンプロダクトだったりと、ヴィンテージファッションがある程度根付いた頃から在る文化のヴィンテージを勝手ながら弊店ではこう呼んでいます。まぁクラッシックなヴィンテージですかね、もしくは平たく言うと“ベタ”ないし“王道”なヴィンテージでしょうか。の、レザープロダクトを前回セレクションしたのが丸々一年前くらいで、その頃は本当に幸運なことに直前の買い付け旅順でしっかりと出逢うことができたので弊店としては相当数のラインナップが叶いましたが今期は予想通りと言ってはなんですが、そうはいきません。でも一着でも二着でも出逢えただけ幸運に思えるのが正直なところ、負け惜しみでもざれごとやうわごとじゃなくてね。ヴィンテージカルチャーで上質な品々に出逢うのってかねてより本当に大変ですから、それは昨今特に感じるヴィンテージの流れ(ありますよね?)とは大筋関係はございません、元々上質な品々に,“ちゃんとした”品々に出逢うのって本当に大変なんです。

 

 

なのでこんな時代にも関わらず親愛なるコレクターのもとでフランス空軍のアヴィエイタージャケットと出逢えた時は本当に嬉しかった。しかも三着まとめて、しかも一着は着脱式襟完備で一着はこれまでに出逢ったことがない“とある個性”を秘めた非王道個体で。このフランス空軍のアヴィエイタージャケットを初めて目にした時の衝撃ったら今でも忘れていません、“何これクッソカッケーじゃん!” “しかも軍モノなの?超デザインカッケー!” “うわ着てもカッケー!”。今でも全く同じくに思います。こういった幾つかの服飾史に濃密な影響を与えたオリジンのおかげでヴィンテージがどんどんと好きになっていったんだよなぁ。

 

 

この文化に置いて実は相当に細かく細分化されているので個体によって著しく諸々が異なるダブルブレスト構築の政府関連企業及び国営企業のためのフレンチワーク・レザーコート個体、これは本当に“当たり”です。テーラードジャケットを若干香らせるスタイリッシュでスッキリとした雰囲気ながらしっかりとガバッと羽織るコートで居てくれるシルエットバランス、オリジンヴィンテージらしくある程度着込まれていますがおかげで生じているこの時代の最上質なシープレザーならではの異常なまでに美しい迫力のテクスチャー。そういえば昨年オリジンヴィンテージのレザープロダクトをセレクションした際あまりにもコンディションが良過ぎてボタンが留められないなどの支障をきたしてコンディションが良いことが現代の着こなしに置いてマイナスになるという異常な逆転現象が巻き起こっていたなぁ。これはその逆、即心地良く身体を守れるヴィンテージコート。

 

 

90年代フランスのアノニマスデザインレザーコート、その旅順においてBEST3に位置したハイライトの出逢いでした。Anne Marie Berreta hommeかな?Claude Monatanaかな?Thierry Mugler hommeかな?それらいずれかではありませんが、それらいずれもを内包したモードデザインの歴史が産んだギミックギンギンの謎のクリエイションでヴィンテージハーフコートという楽しい個性、しかもしっかりと上質なバッファローレザーの大迫力でちゃんとヴィンテージの風合いが感じられる、かつちゃんと重過ぎない。良い意味でこれまでに弊店で御提案してきたヴィンテージプロダクトと異なるベクトルでそれが何より楽しい。そういえば何周もして逆に最近使ってないかも“モードな”って形容、これは素直に思える“モードな”ヴィンテージレザー。

 

 

 

 

 

New 50−90s French Vintage Leather Selection

 

 

SURR 福留

足元のバランス / Diary1341
9.10.2025

 

元バレンシアガアーティスティックディレクターデムナによるグッチのファーストコレクション。このコレクションで印象的だったのは、足元のバランスです。ルーズなロング丈のパンツを貯めて履く、挑発的な造形でありながら、全体に不思議な調和と落ち着きを感じさせるのは、やはりパンツと靴のバランスに秘密があるように思います。 今回は足元を自分なりに解釈し、店頭の商品でスタイリングを組んでみました。

 

 

 

足元に余白を持たせながらも、だらしなく見せないのは、この靴の持つフォルムとバランス感覚。パンツの裾がわずかに靴の甲に触れ、自然に生まれる“たるみ”がラフさを演出しつつも、ホースビットの存在感がラグジュアリーな雰囲気を保ってくれる。落ち着きと品の両立を叶える足元だなと思いました。

 

 

 

結局のところ、このスタイルで一番語っているのは、服そのものではなく「バランス」なのだと思います。そんなことを改めて感じさせてくれる装いでした。

 

 

 パンツは私物ですが、ジャケット・ローファーはご案内できますので、気になりましたら是非に。

 

 

 

SURR 古川

ざれごと、うわごと / Diary1340
3.10.2025

ニットだニットだ言うようになってから,都内随一のニット好きないしMr.カーディガンを自称するようになってから,全身カシミアまであと靴のみとざれごとを言うようになってから,毎年一枚は自分にとって最高なセーターをGETしてじっくりと時間をかけて七着くらいまで集めて季節が巡ったらそれらを外に干して風を当てカシミアの虹をかけてやってくださいなとうわごとを言うようになってから数年経ちますから、今年も現時点で既に数人の親愛なる皆様方に“そろそろですか?”と問うて頂いたので必要以上に口にはしないが問われたら真実を述べる派の私は正直に答えました、“はいそうです”と。

 

 

ちなみにこういった嗜好季節行事に触れる際にはいつからかを自分の中で振り返るのが地味に好きなので履歴を軽く探ってみたのですがイマイチ分からず。Vintage Knit Selectionという感覚はおそらく本当にずっと私の中に在り続けるのだと思います、事実ずっと着てるしね。

ということでVintage Knit Selection25-26AWです。24−25AWにおいては本当に本当に幸せなことに困るほどの良縁が重なり(本当に)過去最高着数の御提案が叶いましたので今年は昨期には届かないかもしれませんが当然過去の自分を超えることを目指してしっかりとたっぷりと御提案できるように精一杯努めますので、またざれごと言ってんのかSURRは、仕方ねぇな的な感じで少なくとも虹の一色を増やす御手伝いをさせて頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

 

New Vintage Knit Selection 25-26AW Pt.1

今期は必ずもう一回はセレクションしたいので今回はPt.1表記。

 

 

SURR 福留

秋冬の気分 / Diary1339
2.10.2025

 

皆さん、この秋冬の気分ってもうありますか? 毎年季節が変わると「今年はどんな色を着たいかな」「どんな組み合わせが気分かな」って考えるんですが、今季の私の気分は、ネイビーやグレーは例年通り多用しまくり、そこに、パキッとした色を合わせることなんです。 秋冬ってどうしても暗めのトーンや重ための素材に寄りがちで、それはそれで安心感もあるし綺麗にまとまるから大好きなんですけど、同時にちょっと物足りなさを感じることもあるんですよね。だからこそ、インナーや小物で鮮やかな色を加えると気分がガラッと変わるし、ジャケットの中にビビッドなニットを合わせたり、マフラーも主張のある色を取り入れるだけで、いつものスタイルが一気に新鮮に見えるんです。 特にネイビーやグレーは、グリーンやオレンジみたいな少し強めの色を合わせても不思議とケンカしないし、むしろ全体を引き締めてくれるんですよね。 あとは、クリーム色の物を合わせると、秋冬らしい重さの中に柔らかさが加わって、それもまた気分が変わって楽しい。

 

 

 

このちょっとした色の組み合わせの工夫が、気分を変えてくれるのがいいなと思っています。 ベーシックに差し色をひとつ足すだけで、「いつもの自分」が「ちょっと新しい自分」に更新される感覚があって、それが毎日のスタイルに小さな刺激や喜びを与えてくれるんです。去年は、グレーやブラックに頼り過ぎてしまったので、今年の秋冬は、そこに工夫を加えて、もっと楽しみたいと思っています。

 

 

 

ほんの少しの新しさを加えて、自分らしい引き出しを増やしていきたいです。

 

 

 

SURR 古川

修繕が施されたプロダクト / Diary1338
26.9.2025

ヨーロピアンカルチャー,フランスなんて特に特に特に昔から圧倒的な服飾史的存在価値と市民権を有している“修繕が施されたプロダクト”。それらは自ずとファッションデザイナーの品ではなく労働のためや生活のための品々で修繕にはそれらを予想・妄想・想像させる気配が漂い、イコール歴史そのものだからこそ前述の存在価値として尊敬され続けてきました。それらを集めた博物館展示も珍しくなくナポレオン・ボナパルトの豪華絢爛な実物衣装の並びに修繕がびっしりと施された市民の衣類が飾られていたりと非常に興味深い構成だったりします。

 

 

ゆえにかねてより存在する修繕が施されたプロダクト専門のコレクターたち。彼らや彼女らにとって仕事相手は往々にしてファッションデザインの御手本を探すデザイナーや会社であったり貯蔵品を探す博物館関係者であったり熱心な個人収集家であったりと、ファッションコレクターの中でも敷居が高い存在だったりしまして、自ずと埃っぽいことも現代的なシルエットではないことも極端な話ですがもはや服としての体裁を保っていなくても問題無し、“なぜなら生地そのものが修繕そのものが歴史だから”言わんばかりの威風堂々たる佇まい方やコレクターの表情もまた非常に興味深く、なによりも独特。

 

 

実はこれまで弊店では彼らや彼女らとのコミュニケーションはほとんど交わされなかったんです、弊店にとってしっかりと現代のファッションとして向き合えるプロダクトであることは必須条件なので埃っぽいものもシルエットが好みでないものも服として成立していないものを選ぶことができませんから。見る分には触れる分には特段に楽しく刺激的なんですけどね。とあるコレクターが修繕された生地の一部分や古い生地の一部分を大量に集めた分厚いファイルを所有していたのですが物凄く素敵で猛烈に欲しかったです、価格を聞いて無言で戻しましたけど。きっとあれはどこかのメゾンやデザイナーが獲得したんだろうなぁ、まさに服飾史そのものでした。

 

 

ということで素敵な素敵な修繕が施されたプロダクト。弊店が旧LAILA VINTAGE体制からSURRになるにあたって、それらに敬意を払うべくアートリペアという勝手ながらな冠にて稀に御提案してきましたが、もうここ数年その文言を使っていませんでした。まぁ元々御提案したいと思えるそれらなんて滅多にありませんでしたが、だって奇跡のバランスみたいなもんですもん。本当に久しぶりな御提案となります、アートリペア・プロダクト。

 

 

特徴であり象徴である背面の大型ポケットそのものすら撤去されている50年代のハンティングジャケット。その全体に施された修繕は筆舌に尽くし難いです。一体何人の手仕事が関わっているのだろうか、一体どれくらいの時代を跨いでこの姿に辿り着いたのだろうか。予想・妄想・想像はとどまることを知りませんが決してその域を超えません。当然ながらしっかりと着るための服として成立していますしこれからも成立し続けるでしょう、生地の表面におそらくは防水を目的としたコーティングが施されていたようで現状“コーティングが施されていたんだろうな”と思わせる程度でほとんど消えているのですが、ここまで修繕されながらも生地強度が残ってくれているのはその消え失せたコーティングが大きな要因だったと思われます。

 

 

なお両胸のポケットボタンが欠損していたので私物コレクションの90s Hermesゴールドボタンを縫い付けました。敬愛なる服飾史、親愛なるアートリペアということで。

 

 

 

 

 

New 50s French art-repair cotton hunting jacket

 

 

SURR 福留

感動した素材 / Diary1337
25.9.2025

 

これは本当に”感動した素材”なんです。様々なカシミヤに触れてきましたけど、バランタインのスコットランド製特級カシミヤに出会った時の衝撃は、今でも忘れられません。最初に手に取ったときは「軽いな」という印象。でも、実際に袖を通した瞬間、ただ軽いだけじゃなくて、肌にしっとり吸い付くような柔らかさと、肌触りに正直”何これ”と驚きました。これが特級ランククオリティのカシミヤかと圧倒されました。デザイン等で驚くことはあるのですが、素材一つでここまで印象に残ったのは初めてでした。

 

 

 

こちらのニットがまさに、その”感動した 素材”であるバランタインのスコットランド製特級カシミヤです。シンプルな無地も勿論好きなんですが、この幾何学的な切り替え模様を取り入れていて、深い胸元にしっかりとしたリブ、見た目にも相当なこだわりを感じる一着です。これに慣れてしまうと、”特級カシミヤ以外を着れない”なんて贅沢な事を思うようになりました。

 

 

 

以上、”感動した素材”についてお話しさせていただいたのですが、これからも、この場では私自身が心から良いと思ったものや、実際に感動したことを、素直に言葉にしてお伝えしていきたいと思っています。

 

 

 

SURR 古川

色々です / Diary1336
19.9.2025

秋冬の一番最初に着られるカシミアって超軽量かシルクとの混紡なんじゃないかなって思う。で、こちらは超軽量でカシミアシルクの混紡セーターという弊店にとっては特に希少種の一つ。ナチュラルフィット設計でモックネックで冷たいホワイトカラーっていうのも嬉し過ぎやしませんか?

/ 90s malo light cashmere silk sweater

 

 

巨匠全盛期のカジュアル提案でワークSTYLEの味付けとデニムテクスチャーのスパイスで自然体ながら確かに響くデザインシルエット。今までも大切な存在でしたが今まで以上に大切に感じざるを得ない。私は簡単にRest In Pieceなんて公の向けて言わないで心の中でもっと大切に想う。

/ 90s Armani Jeans work-style denim shirt

 

 

オリジンカルチャーだったら重さや硬さすら内包した“原始の革の上質さ”とかデザイナーズカルチャーだったら唯一無二の“デザイン性”とか“スタイルバランス”とか“クレイジーな個性”とか、レザーウェアの判断基準って幾つかあると思うんです。で、個人的に思う重要な判断基準がやはり“品質”なのですが、となるといかんせん候補がギュッと少なくならざるを得ない茨の道なので親愛なるブルネロ・クチネリさんがレザーウェアを贔屓目なくらいに愛してくれるのは本当に助かると言うか嬉しい、だって彼ほど間違いない人物ってそうそういないんだもの。彼ならではのクラッシックカルチャー目線の“レザーウェアとしての普通さ”にさりげないデザイン感性が注がれたとんでもなく軽やかで柔らかな最上品質のレザーウェア。これってきっとコンサバティヴだと思う、そしてコンサバティヴって最強だと思う。

/ 00s Brunello Cucinelli biker-style design leather jacket

 

 

一つのミスが即座に命の危険に関わるってミリタリーおける様々な環境の中でも稀なので、空挺部隊,パラトルーパーのために設計されたプロダクトの数々は自ずと特に特別なものとなり特徴的なものとなり、結果的に必然的により濃くモードカルチャーと繋がることとなりましたのでどの国でも空挺部隊のプロダクトって特出して格好良いんです。ベルギー軍のこれもまさにそう、パズルを組み合わせたかのような象徴的な迷彩紋様に空挺部隊特有の個性的な意匠の数々。

/ 1963s Belgian Airborne Forces jigsaw camouflage paratrooper jacket

 

 

Uomoの最初期頃のヴァレンティノ=男性に向けてのイタリーモードの基準。造形的な肩を筆頭としたデザイン概念にピュアウールギャバジンのテクスチャーに落ち着いたカラーリングに明らかなる軽量感といった良い意味で最老舗のアチラやアチラのトレンチコートとは異なる要素性が“コート屋のコート”と“デザイナーによるコート”のそれぞれがこの世に存在して然るべきな意義を示しています。

/ early80s Valentino Uomo wool gabardine trench coat

 

 

超厚切りの食パンを小脇に掲げるくらいのサイズ感。何言ってんだこいつと思われるかもしれませんが僭越ながら個人的には適切な比喩ではないかと思っています。そして超厚切り食パンくらいのサイズ感なので財布系も小物系もスマホ系もスッポリ入るのでものすんごく使いやすい はず。

/ New 1985s Hermes cross body small leather bag

 

 

 

 

 

New

 

あとBest Companyのスウェットジャケットがありますが前回古川が書いたので割愛します。色々な新作、機会ございましたら。

 

 

SURR 福留

1995-early00s PRADA Uomo / Diary1334
12.9.2025

個人インスタで自分なりに一応は積極的に私的な内容を書いているつもりなのですが、これはどうにもこうにもそこに書く気分になれない話。ずばり皆様は好きなブランドはありますか?

厳密に言うと好きな今のブランド,今のメーカー,今のクリエイション。ランウェイなのかプレゼンテーションなのかルックブックなのかで新作が発表されたらワクワクして、今期は何買おうかなアレ買おうかなと背中を追いかけられるような今のものってなにかありますでしょうか?そういう存在があるってなんというか心が励まされるというか暖められるというか、良いと思うんですよねシンプルにワクワクできますし。自分の軸として頼りになるし、極論ではありますがそれだけ買っていれば自分の中でちゃんと着地できるというある種の最後の手段が在るっていうのも有意義だと思う。だからとっても良いと思うんです、今の好きなブランドがあるって。解釈を広げるとしたら“この人が着ている服が欲しい”と思わせてくれるような好きな人だったり“この店で買いたい”と思わせてくれるような好きな店も含まれますね。

私は長らく背中を追い続けてきたファッションブランドがありましたが2021年に目の前から煙のように消えてしまい、ふと現れたと思ったら名前が同じ違うブランドになっていました。それ以来ランウェイを楽しみにしたり今期は何買おうかなアレ買おうかなと思えるような好きな今のブランドは私にはありません、まぁ元々ヴィンテージ贔屓だったので今のブランドに本腰を入れるタイプでは無かったのですが。でも楽しかった、今のブティックで今の洋服を買うという行為は。もしかしたらヴィンテージ贔屓だからこそ良い濃くて恋コントラストだったのかもしれません。でも今は無い、そのブティックはSURRから歩いて10分の距離に二箇所あるけど私にとっては違う。私はPRADA Uomoが好きのではなくミウッチャ・プラダのPRADA Uomoが好きなのだ。

 

 

ということで今期も粛々とミウッチャ・プラダによるVintage PRADA Uomoを御提案致です。区切りがはっきりしているし今のブランドとして数年前から特に勢いがあるmui muiやデザイン目線でキャッチーなPRADA Sportは今年もセレクションしていません、弊店は2025AWも見た目の要素性が少ない傾向(平たく言えば地味)ながらミウッチャ・プラダの震えるようなモード哲学のエナジーとシナジーの力強さが色濃く注がれたVintage PRADA Uomoの“ファーストライン”のみとなりますが御了承ください。

 

 

 

 

 

New 1995-early00s PRADA Uomo Selection

 

これは純粋な幸運なのですが1995年から1997年の最初期クリエイションが今回は多めと相成りました。成熟した完結された世界観だからこそ“いつのクリエイションか”よりもプロダクトとしての求心力と着る人の相性が重要ですが、御提案する弊店にとってはランウェイショーも行わずプレゼンテーションのみで発表され展開も世界3店舗という限られた規模であり、最初の数回のコレクションで後々のほとんど全ての雛形が存在したと言っても過言ではない最初期クリエイションはやはり特別。今回も凄いですよ、同ピリオドにも関わらず良い意味で方向性バラバラですもん。天才ミウッチャの感性はヴィンテージという存在でこれからも圧倒的に輝き続けます。

 

 

SURR 福留

パ二ナロ / Diary1335
18.9.2025

 

1980年代にイタリア(ミラノ)で生まれた、若者を象徴するカルチャー”パニナロ”。 始まりは、当時の裕福な家庭の子ども達が留学先としてアメリカに行き、そこで目にしたファッション・ファストフードをイタリアに持ち帰り、それがパニナロのスタイルに直結したのである。 今回はファストフードではなく、ファッションスタイルについて触れていきます。彼らの定番は、鮮やかなジャケットにリーバイスを穿き、ティンバーランドのブーツ。自分自身の最初の印象としては、ダサいなと思いましたが、深く知っていき、当時の写真を見ていくうちに、ダサさはあるけど、かっこいいなと思うようになりました。このバランスを表現するのって難しいと思いますし、私は、このパニナロのスタイルからは、たくさんのインスピレーションを受けたと思います。 彼らは、モンクレール・ストーンアイランドなど、複数のブランドを好んでいましたが、その中から今回ご紹介するのは、”Best Company”です。

 

 

 

1982年にオルメス・カレッティによって設立され、1992年までの短期間で終了してしまいます。アメリカのワーク・カレッジ・スポーツスタイルをベースにポップなカラーリングや大胆なグラフィック・刺繍が特徴的なイタリアのブランドです。 この羽織は、アメリカのベールボールシャツをサンプルにしており、生地には柔らかなスウェット素材を採用し、配色にはグレー×イエローの鮮やかなコントラストを効かせることで、イタリアブランドらしい遊び心と洗練を加えています。アメリカンスポーツ をイタリア流に再解釈するという姿勢は、Best Companyならではの持ち味だと思います。

 

 

バックプリントには、Newport Beach Californiaの文字、これは、アメリカ西海岸の高級リゾート地で、当時の若者にとってアメリカは一種の憧れで、自由でリッチなライフスタイルを具現化したものだと思います。

 

 

サイズはLサイズのゆったりとしたシルエットで、肩の力を抜いて着こなせる一方、裾や袖口のリブが全体を程よく引き締めてくれます。今回は、パ二ナロスタイルでデニムを合わせましたが、綺麗なスラックスを履いて、少しドレスに振ってもカッコイイですし、気温に合わせてインナーをフーディーやシャツに変えるだけで印象が大きく変わるんだろうなと思いました。各スタイルの中で、様々な合わせで楽しんでいただきたいです。

 

 

SURR 古川

気分 / Diary1333
11.9.2025

 

この90年代アルマーニジーンズのレザーハーフコートは、厚みのあるブラウンレザーを贅沢に使用し、当時らしいオーバーサイズシルエットに仕立てられていて、しっとりとした艶感と部位ごとに異なるシボの表情が、レザー特有の奥行きを生み出しており、着込むほど、経年変化を存分に楽しめる素材感です。 ボタンを上まで留めれば前合わせが高めに立ち上がり、スタンドカラーのような表情を演出できる2WAY 仕様で、クラシカルなコートスタイルから、よりモダンな着こなしまで幅広く対応してくれます。

 

 

 

 

 

ロゴや装飾に頼らず、素材とパターンの力だけで魅せる点に、アルマーニらしいと思いました。 サイズ表記は50なんですが、オーバーサイズ設計ですので、丈の収まりが良く、全体のバランスが良いので、”着られている”ではなくて”着こなしてる”という印象を与えてくれます。 腰位置にはフラップ付きのポケットを備え、実用性とともにクラシックなワークテイストを感じさせるアクセントになり、ヴィンテージとしての雰囲気を纏いつつ、日常的に取り入れやすい万能性も兼ね備えた、時代を超えて現在でも通用する一着です。個人的に、今年はハーフ丈が気分なので、率直に欲しいって思いました。

 

 

流行ではなく普遍的な1着を是非に。

 

 

 

SURR 古川

CCP / Diary1332
5.9.2025

新作として御披露目するのがだいぶと久しぶりと言うのと、その圧倒的な存在価値から新たな出逢いはないと思っていたこともあって、私は彼のこと,彼というファッションデザイナーが産み出した存在を目の前にすると何と言ったら良いものだろうか何と捉えたら良いものだろうかと呆然に漠然に思案と夢想をせずにはいられません。オーストリアのリンツに産まれblah-blah-blah、仕立てを専門的に学びblah-blah-blah、そのあたりはもうよろしいでしょうかね。とにかく強烈に独立した思想と思考で自身が設立したCCPでは生と死,始まりと終わり,恍惚と悲しみ,自由と監禁といった大胆な対比によるメッセージクリエイションや、時に動物の剥製をそのままの形状で鞄にしたり革の裏地に動物の血を塗りつけたりネズミの皮を剥いで帽子をつくったりと数少ない過去のアンケートでキャロル本人が“常に人々を驚かせたい、それがデザイナーというものだ”と答えている通り人々を驚かせ惹きつけ続けてきました。キャロルがCCPを去ってから10数年経った今なおその存在価値は色褪せるどころか、トレンドやインフルエンサーやSNSに左右される機会が増えた昨今は一層輝きを増しているのは間違いないでしょう。

服飾史を彩り積み重ねて今にバトンを渡してくれたファッションデザイナーやアーティストは数えきれないほどいて全員がかけがえの無い存在ですが、やはりその中でも結果的にせよ必然的にせよ抜きん出た人物が幾人かいると思いますし、その中でも伝説としてこれからも語り継がれる人物が僅かながらいると思いますが、僭越ながら弊店にとってキャロル・クリスチャン・ポエルというファッションデザイナーは伝説枠です。

 

 

 

ドレスメイキングの学校で仕立てを学んだにも関わらず,いやだからこそでしょうか、CCPの作品を身につけるという行為にあえて苦痛を織り交ぜ徐々に快適になっていくことを調和ではなく“戦い”と捉え、多くの場合快適であったり実用的である衣服という存在価値から意図的に逸脱させることでCCPの作品は着用者に役立つ物体ではなく自立した存在であることを主張したキャロルにおいて、ミニマムでハードでフェティッシュなレザージャケットは代表的なプロダクトとなったことは必然であり、知る人にとってはきっと知っているにも関わらずいつ見ても圧倒的な佇まいであり知らない人にとってもきっとモノ言わぬ衣服であるにも関わらず何かを感じずにはいられない存在感を有するのもまた必然。時代がうんぬん関係ありませんが前述の通りのような昨今だからこそ異質さは際立つのではないでしょうか。

もう一度言いますが、もうヴィンテージCCPを御提案できる機会は無いに近しいと思っていたので、まさかここまで立派な作品を改めて御提案できるとは。しかしながらこれまた前述の通り私は彼の作品を目の前にすると思案せずにはいられないのできっと御客様との交流に際しては単純に格好良いの一点張りになるかもしれません。今思いましたが思案してしまうのはキャロル・クリスチャン・ポエルによるCCPほどメタファーでもシニカルでもなくアーカイヴとして,ARCHIVEという真に正しい言葉の意味で扱われ保管され継承され続けたファッションプロダクトなかなかどうして存在しないと私が思っているというのも大きいと思いました。

 

 

 

 

 

New 2000AW Carol Christian Poell hiding pocket leather jacket

 

要は畏怖ですね。

 

 

SURR 福留

秋口の装いに / Diary1331
4.9.2025

 

9月に入り、少しずつ秋の気配が近づいてきましたが、昼間はまだ夏の名残を感じつつも、朝晩には、涼しさを感じつつ、着るものも自然と変えていきたくなる季節です。そんな今の時期にぴったりなのが、気分やシーンによって表情を変えてくれるシャツ達です。 今回ご用意したのは、シルクやビスコース、コットン、レーヨンなど、多彩な素材で仕立てられたシャツで、それぞれの素材に特徴があり、光沢や落ち感、軽やかさや柔らかさなど、着心地や見え方の違いを楽しんでいただけます。あまり難しく考えず、まずは今の気分で、選んでみるのがオススメです。 柄や色合いもバリエーション豊かで、クラシックな雰囲気のものから遊び心あるプリントまで揃っているので、1枚でさらりと着ても、ジャケットのインナーとして取り入れても、スタイリングに程よいアクセントを加えてくれます。季節の変わり目は、どうしても装いが単調になりがちですが、シャツ1枚でグッと新鮮な印象に。 9月はまだ残暑が残る日もありますが、そんなときこそシャツは強い味方。素材やデザインで、秋らしくも見せることができますし、週末のリラックススタイルにはゆったりとした柄物を、平日のきちんと感を出したいシーンにはシンプルで落ち着いた色合いを、シーンごとに選び分けるのも楽しいかと思います。 季節の入り口に揃えておきたい、幅広い素材とデザインのシャツ。

 

 

 

 

 

 

material:silk 

天然の繊維の中でも特に高級とされる素材で、吸湿性・放湿性にも優れているため、夏は涼しく冬は暖かいという快適性を持ち合わせており、光沢と落ち感は、袖を通すだけで姿勢まで整えてくれるような存在感で、シンプルに着るだけでも十分楽しめます。秋口のちょっと特別なお出かけに。

 

 

material:rayon 

しなやかで美しいドレープ性が魅力のレーヨン素材は、軽やかに揺れるシルエットを生み出し、スタイリングに動きをプラスし、吸湿性も高いため、今時期でも、着心地をキープしやすいのもポイントです。 季節が変わる時期にさらっと羽織ると、自然と気分まで軽やかに。

 

 

material:cotton 

季節を問わず頼れる天然素材は、通気性の高さや、吸湿性にも優れているため、季節を問わず快適に着用できるのが強みで、さらりとした心地よさと扱いやすさで、柄や色によっては、オンオフどちらのシーンにも対応可能で、着るたびに肌に馴染み、自分だけの風合いを楽しめるのもコットンならではの魅力です。

 

 

material:viscose 

柔らかく軽やかな肌触りが特徴で、また染色性に優れているため、色柄がとても鮮やかに表現されるのも魅力で、プリントや柄を一層際立たせてくれます。リラックス感のある着心地ながら、見た目は華やか。旅先のリゾートなんかにも。

 

 

 

一枚のシャツから始まる秋のスタイル。素材ごとの違いを楽しみながら、自分らしい一枚を見つけてください。

 

 

 

SURR 古川

誰が使うんだよ / Diary1330
29.8.2025

人が十人いたら十人異なるように鞄も十個あったら十通りの使い方があって有用性がある。 そんな格言は掲げていないだろうけど、そう思わせてくれるほどに十人十色で千差万別な鞄のバリエーションが存在するところも弊店が特にヴィンテージHermesバッグを愛するうえで重要な要因です。僭越ながら様々なヴィンテージバッグと出逢った際、ある程度“あぁこれは御要望多そうだな”と自動的に想像するようになったのはいつからだろうか。それは邪推かもしれませんがある程度のサイズ,雑誌がすっぽり収まる,ある程度のPCガジェット系が収まる,ペットボトルが縦に入るといったサイズ感だとまぁやっぱり御要望多そうだなと思ってしまいます、事実私もそういう観点で鞄を探していたことがあるので。でもそれはあくまで傾向と言うか一般論と言うか、基本的には前述の通り十人十色で千差万別が常だと思っているのですが一年中SURRで御提案すべき鞄を探し求めていると御要望が多そうか否かはある程度プライオリティーが高くなってしまう時もしばしば、意識的にも無意識的にも。でも並行してとっても好きというか、やたらめったら惹かれてしまう,グッときてしまう,キュンとしてしまう鞄のサイズがあるんです、多分個人的趣味嗜好の根幹が作用しているはず。

それが誰が使うんだよってくらい小さな鞄。

 

 

 

これは最たる例です、何せ500mlのペットボトルの口がちょうどはみ出るくらいでジャスト(イメージ画像は下に貼っています)なんですから。2年ほど前に各モードブランドがこぞってボトルホルダーバッグを発表したのは記憶に新しい(楽しく思ったのを覚えています、ルメー⚪︎のレザーのやつとか)ですが、これは今から遡ること24年の2001年に発表された一品です。時を同じくしてHermes femmeのクリエイティヴディレクターを務めていた首にチョンチョンチョンチョンのあの人がある日バッグ工房を訪れた際に使い終わった革の端切れが雑に積まれているのを目にしバッグチームに“何かしら有効活用した方が良い”とアドバイスしたのは有名な話で、その影響で幾つかの名作が生まれましたが、その彼が在籍していた数年の間に不自然なほどに小さくかつ個性的なフォルムであったり機構であったりの鞄が点在していることを御存じでしょうか。まるで雑に積まれていた革の端切れから生み出されたかのように、小さくしたいのではなく端切れだから小さくせざるを得なかったかのような,個性を有したかったのではなく端切れだから個性的なフォルムにせざるを得なかったかのような。しかしながらそれも推測の域を出ません、なにせそれら不自然なほどに小さな鞄はほとんど実物確認できませんので、まるで端切れから思いつきでつくったかのように。

まぁ何にせよこれは抜群。だってスマートフォンに小さめの財布でかなり良い感じの収まりなんですから、もうちょっと何かしら余裕で入るくらいの容量です。というか昨今これくらのスマホバッグ持ってる人そこら中にいますよね、でもこれが生まれた2001年にはスマホはありません、普及するのは十年ほど後の話。

 

 

そんなスマホが普及してからの数年間、Hermesは特に実用的で機能的で男性性が強いアーバンデザインを輩出していました。それらは例によって数年間のみで一挙に廃盤になってしまいましたが私はずっと想い続けています、間違いなく要望の声が多いプロダクトの数々であったと。その一つがこちらのスリングバッグです。これもまた先のスモールバッグと同じくらいの容量ですが500mlペットボトルはちょうど入るくらい、そしてあと少しだけ余裕があるくらい。まぁいずれにしても小さいですね。でもこのスリングバッグデザインが実用的過ぎるし機能的過ぎるし男性性としてグッとき過ぎるしアーバン過ぎる。それこそ最近もHermesはスリングバッグ的なプロダクトを提案してくれていますが、それらより圧倒的にアノニマスなんだ。

肩からストレートに引っ掛けて,クロスボディして胸元に,左右で長さを調整できるのですが最長で約100cmなのでウエストにONする選択肢も。特に必要なものだけを詰め込んでメインバッグ+アルファという存在価値も間違いありません、私も年間においてそういう使い方したいタイミング結構あるんだよなーくぅう。

 

 

 

 

 

New 2001s Hermes & 2010s Hermes

 

鳴々本当に大好き誰が使うんだよってサイズ感の鞄、実際問題相当に使い勝手良いですからねぇ。

 

 

SURR 福留

Rive Gauche / Diary1329
28.8.2025

 

Yves Saint Laurent”Rive Gauche”by Hedi Slimane

このRive Gaucheとは、オートクチュール(高級仕立服)が中心だった時代にもっと多くの人々に、モードを自由に楽しんで欲しいって思いから誕生した、プレタポルテ(既製服)のラインです。私自身の認識としては、モード=高級という定着を、都会的で自分らしく表現できるファッションへと大きく変えた存在です。すごくざっくりとした説明になったんですが、これだけでも当時のファッション業界に大きな影響を与えた事実が、分かるかと思います。今回ご紹介するこの花柄こそが、今のSaint Laurentまで脈々と受け継がれてきたシンボルの一つだと考えます。花柄=フェミニンという概念を壊して、男性が花柄を纏う、イメージに縛られない自由なスタイルを定着させました。そこに、エディの、後のディオールオムに繋がる礎を築いた、ロックカルチャー、シャープなシルエットは、既存のメンズスタイルを更に大きく変えたと思います。

 

 

直線的ではなく、緩やかな弧を描くラウンドカットが施されており、動きに合わせて自然に揺れる為、花柄の軽やかさとの相性がよく、タックインすればすっきりと収まり、アウトで着用すれば裾のカーブが軽快さを与え、だらしなく見えず、上品さを保ちつつ、日常にも寄り添っている設計です。

 

 

サイズ表記は大きめで、過度にタイトでもルーズでもなく、程よいゆとりと直線的な落ち感で、細身の私がややゆったりと着ても、あるいは標準体型の方が自然なフイット感で着ても、良いサイズバランスだと思います。ケミカルウォッシュされた細身のリーバイスに合わせたんですが、シャツの落ち感を意識したIライン、このバランス感は最高に気分です。白のブーツとか合わせたいですし、振り切ってロングのスカートを履いても問題なくフィットすると思います。薄手の生地ですので、今時期でも活躍しますし、秋口は様々なスタイルにインナーとしてお使いください。

 

 

ちょっと気分を変えたい方に。

 

 

 

SURR 古川

セットアップ / Diary1328
22.8.2025

やっとこさ処暑の季節だっていうのにこれまた暑い日々が続いておりますねぇ、でも今週もしっかりとしたAWを織り交ぜた新作群です。書くってのはやっぱり重要なメソッドですねもはや気分はすっかりと秋でして、毎日何かしらの羽織が欠かせませんよ私は。暑い時間帯もあるけどインナーやらで調整、ここでも全身ゲージ100ロジック(ジャケットが涼しさマイナス10だからインナーは特に軽量な涼しさ60、パンツも薄手で涼しさ50、靴下も穿かないから涼しさ10みたいな)を採用しています。サマーニットも引き続き活躍中、“さぁ、もはや汗かきたまえ。私が思い切り吸ってあげるから。そして思い切り洗濯したまえ”の気概、やっぱり良いじゃないか。

 

 

セットアップはセットアップでもスーツに非ず。そんなプロダクトが昔からやたらめったら好き、好きというかやたらめったらツボ。スウェットセットアップなんて最高ですよ、過去に二度しか御提案したことないけどあれらも本当に最高だったなぁ…あとアディダスセットアップも一度だけありました、覚えているよ。ジャン・シャルル・ド・カステルバジャックの圧倒的なモード哲学とイタリア老舗スポーツメーカーであるエレッセのド直球ド真面目な協業、昨今においてファッションとスポーツのコンビネーションは当たり前というかなんなら旬な感が(きっと)強いですが、この頃はその芽生えというかなんなら先駆けと言うか平たく言って相当に早かったのではないでしょうか。事実デザインの概念がありながらも軸足は思い切りスポーツでしてその点がやはり良い意味で近年と違う、動きやすさを重視したコンパクトな着丈も短めの袖丈もまさに時代性を反映させた“ガチ”のスポーツ。でもイエロー楽し過ぎるイエロー、素晴らしい。

 

 

これはセットアップではないのですがセットアップの感覚にて(なので上下別々でお求め頂けます)、SURR今季初のピュアカシミアはこれらにて封切りです。鳴々親愛過ぎるブルネロ・クチネリのニットプロダクトよ今年も私を思い切り楽しませておくれ。現代ではなかなかどうして出逢えないアメリカン・カルチャーの影響を特に色濃く反映させた丸いボンバーシルエットのデザインスタイル性、ライトな内モンゴル産カシミアの素材表情と街中で見かけない絶妙な芥子色が最高。初っ端から優勝セーター。

そしてこれよこれ、ピュアカシミアジョガーパンツやっとこさ出逢うことができました。おそらく私は数年前から店頭にてカシミア愛に加えてカシミアパンツの尊さを幾人もの御客様方にお伝えしている はず、だってだって大好きなんだものカシミアのパンツ、でも本当に本当に全くもって出逢えないんです各メーカーないしニットプロダクトに強いブランドにおいても“ピュア”カシミアパンツは必ずしも用意してくれているプロダクトではありませんから、新旧問わず本当に探せない。でもいつか御愛顧くださる皆様方にピュアカシミアパンツをと願い続けて幾年、やっとこさ叶いました。しかも親愛なるブルネロクチネリの肉厚内モンゴル産カシミア、100億満点でしょ。引き続き探し求め続けますが、個人感情的には最初で最後です“ピュア”カシミアパンツは

 

 

 

 

 

New Castelbajac & Brunello Cucinelli Set-up

 

もっと沢山のスウェットしかりニットしかりのスーツではないセットアップと出逢いたいなぁ。

 

 

SURR 福留

軽さと存在感 / Diary1327
21.8.2025

 

2000年代初頭のARMANI JEANSのコットン・リネンのスポーツジャケット。 私自身、リネン100%の物を所有したことはなく、特有のネップ感のある表情は好きなんですが、ドライな肌触りが馴染めずに今現在に至るのですが、こちらは、コットン50%リネン40%ポリウレタン10%ですので、特有の表情は残しつつ、コットンの柔らかさが硬さやシワ感がやわらぎ、ポリウレタンによるストレッチ性により、着心地がラクで、身体の動きに自然についてくる1着で、リネンの良さを残しつつ馴染みのある肌触りですので、これなら欲しいって思いました。

 

 

 

 

スナップボタンにはFIOCCHI(フィオッキ)の刻印が見えましたが、FIOCCHIはイタリアの老舗金具メーカーでボタンからリベットまで金属パーツを手がけてきた名門で、その耐久性の高さから数々のメゾンご用達です。見えない部分なんですが、こういう細部のクオリティが全体の上質さに繋がるんだと思いました。

バックにはジッパー付きで、これによって機能のためのジップからデザイン性へと昇華しています。 ジップを閉じれば直線的なシルエットに、少し開ければ動きや軽やかさが出せる仕様で、大胆さがありながら、生地との調和で嫌味のない仕上がりで、クラシックな素材感の中にある遊びっていいですよね。

 

 

 

サイズ表記は50で、細身な私からしたらオーバーかと思ったのですが、そんなことはなく肩に沿って落ちてくれて、着丈も67CMほどで、丁度いいバランスで、身幅も後ろジップによって調節できますので、時期に合わせてインナーの枚数を増やせるのはこのサイズ感の強みだなと思いました。サイズ表記を見て判断することも大事ですが、やっぱり試着って大事だなと改めて思いました。 今気分のシャツ×ショーツのスタイルに羽織っただけなのですが、そのくらいがいいかなと思います。各々様々なスタイルがあると思いますが、今気分の夏の装いの上から羽織るほうが、自分の中の流行りを大事にしつつどこか新しい気持ちになれる気がします。

 

 

軽さと存在感、どちらも欲しい方に。

 

 

 

SURR 古川