



70年代が主に10代の終わりから20代の始めだったドルチェさんと10代真っ只中だったガッバーナさんですから当時のカルチャーはファッション哲学形成に大きな影響を与えていまして、彼らに限らず近代のモードカルチャーを特に牽引した人々に多く該当する年代傾向だからこそセブンティーズというデザイン要素やスタイル性や空気感は90年代の終わりから現代に至るまでモードの文化に存在し続けていますし、それから影響を受けた後年のデザイナーがどんどん輩出され続けているのでこれからも変わらないでしょう。そう、パッチワークデザインもセブンティーズカルチャーの一つですが軽くネットサーフィンしただけでも国内外問わず様々なデザインやプロダクトが挙がりますので、既にセブンティーズという感覚ではない独立した一つの存在として認識されている方も多いことと思います。まぁ本音を言えばその感覚で良いと思うしセブンティーズだからうんぬんと言った解釈は基本的に必要無くって好きだったり素敵と思う感覚が一番、これはパッチワークデザインに限らずですね。まぁ私はそういった文脈を紐解くのが元々好きなタイプだったみたいだしヴィンテージという服飾史に関わる職務なのでそういう角度の解釈も必然的に必要ですが、まぁだからこそ“本音を言えば”そういう事柄は必要無いと思うようになったんだなぁって。
ファッションヒストリーとしてのパッチワークには様々な側面がありまして、一つはハンドメイドと言った健康的な側面、そしてもう一つはWar is overやFreedomと言ったヒッピーカルチャーによる健康的だけではない側面、そしてもう一つが社会情勢と政治的背景が関わるため健康的うんぬんでは測れないパンクカルチャーの側面,まぁこれに関しては芽吹きが70年代中期を少し越えた頃で全盛が80年代のため厳密にはセブンティーズ&エイティーズカルチャーになりますが。と言いながらもハンドメイドもヒッピーもパンクも数珠的に繋がっているのも興味深く結局のところソウルが繋がっていたりするのですが、ことドルチェさんとガッバーナさんのこちらに関しては70年代後期にモードカルチャーに登場したインサイドアウト(裏返し)も取り入れているので、ヒッピーカルチャーにパンク精神プラスといったところではないかと想像できます。そういえばパンクカルチャーも服飾史と根強い関係性がありますね。
ハンドメイド=ホッコリ / ヒッピー=働いてないしドラッグも買っちゃうから金無いけど結婚したいからそこら辺のカトラリーを曲げてお手製の結婚指輪にしちゃうぜ!あわよくばそれ売っちゃうぜ! / パンク=体制なんて既成概念なんてクソ喰らえ!好きに切ったり貼ったりしちゃうし裏返しで着ちゃうぜ!。ではドルチェさんとガッバーナさんのモード解釈は?=ヒッピーでありパンクであると同時にウール&カシミアによるフランネルによる上品さと内側にキルティングライナーを配置することでの凛々しい立体感を。なんとまぁシンプルで強い源流と、美しく的確な新しい解釈でしょう。
その本質的な主役とも言える生地感に関してはヴィンテージ年代特有あるあるの一つである“この時代は普通の水準だけど現代では異常なほどに上質”が最高に効いています。触れると脳に電気信号が伝達されて即座に眠気を誘発するその様はまさに着る毛布でここまでの生地感はヴィンテージ年代では一部において確認されているものの織り機などの兼ね合いで現代では製作できない・再現できないロストテクノロジーだし、別で近代にも存在するのでしょうがその(主に販売価格的な意味合いでの)ハードルを想像すると生唾を飲み込んでしまいますね。今の今だとしたら、もう震えます。

New late90s Dolce&Gabbana multi patchwork wool cashmere duffle coat
その稀有な生地感も複数種類のチェックパターンと上品なトーンのヘリンボーンによるパッチワークデザインも広い身幅と短めな着丈の独特なボリューム感も全てが抜群、この場合往々にしてクラッシックな印象になりがちなフランネルのテクスチャーが見事なモダン要素に変換されます。
設計要素的に便宜上ダッフルコートと称しましたが完全な別の存在価値です、なんとも言えない抜群にモードで創造的な新しいコート。
SURR 福留
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