アントワープを起源にヨーロッパ各地で発展し、ミリタリープロダクトの側面からとりわけ英国においての存在価値が際立つダッフルコート、皆様はどのような印象を抱かれておりますでしょうか。私は数年前までファッションプロダクトとして積極的に向き合っていなかったというか、正直に申し上げてほとんど食指が動きませんでした。それはやはり,これは私観だが多くの御客様からも口にするのでここはやはりで良いだろう、青春の印象,ティーンの香り,あの日の思い出が連想されるからであってゆえにダッフルコート=学生服としての印象が残り続けていたからです。とか言いながらこのDiaryに際して改めて思い返してみると私は学生時代にダッフルコート着ていなかった気がします。高校なんて規則がかなり緩く髪色も自由だったのでブルーヘアの女先輩が居たり教室で唾を吐くギャルが居たり,まぁそれは怒られていたけど、私もいとこのお兄さんがくれたSUPREMEのバッグパックとオーディオテクニカのヘッドホンを相棒に学年でも一位二位を争う美貌で花形サッカー部から絶大な人気を経ていた女の子を彼女に三年間ちゃっかり自由に過ごしていました。ってか私の人生でSUPREMEを持っていた期間があったんだなぁそういえば。
ということで例によって御客様方からの影響であったり自身でセレクションしたヴィンテージプロダクトの影響でダッフルコートに興味を抱き今では愛好家の一人となったわけですが、相も変わらずこの“ナシがアリになる現象”は最高ですね、シンプルに自分の幅と可能性がグッと広がるわけですから、ダッフルコートという一つのプロダクトがアリになったことでの幅と可能性は一つのプロダクト分ではないわけです。
現在では私の中でダッフルコートとなるとこちらの専門メーカー,INVERTERE社がベスト、厳密に申しあげますと2000年最初頭までに製作された唯一無二のとあるピュアウールヘリンボーンを用いたダッフルコートがベストofベストです。老舗中の老舗なのでわざわざの御紹介は控えますが骨トグルの存在感も裏地ゼロの軽量さももはや着る毛布な心地良い素材感もフードの有用性も首元ボタンの利便性も、もう最高。私の中ではダッフルコート=2000年初頭までに製作されたヘリンボーンウールを用いたINVERTERE社です。欲を言えば個性あるヨーロピアンなカラートーンだと最高かな。余談ですが先日これを着ている時運良く電車の角ポジションで座れたのですが気付いたら永田町まで寝過ごしていました、早めに家を出ていて本当に良かった。
でもこれまた例によってデザイナーズカルチャーとなると話が変わるからまた楽しいったらない。様々な個性と哲学が注ぎ込まれる,注ぎ込まれて然るべき,注ぎ込まれて欲しいデザイナーズカルチャーのそれであれば良い意味で餅屋には産み出せない餅がペッタンコペッタンコとつけるわけで、良い意味で個性と癖の取捨選択をこちらにはっきりと委ねてくれます。ファッションデザイナーはどうあるべきだと思いますか?私はエゴイスティックであるべきだと思うし,エゴイスティックで然るべきだと思うし,エゴイスティックであって欲しい、だって本物じゃないと人々の心は揺り動かせないし世間に無視されて終わりだし続かないし続けられないし世界を変えたりアップデートはできないもの。
なので親愛なる敬愛なるミウッチャ・クリエイションとなると私は弊店は堪りません、しかも最初期の1995-1997sピリオドと嬉しい嬉しい出逢いでした。最初期の時点でスタイルバランスやフィッティングバランスが捉えどころがないほどに多角的であった彼女ですが、こちらはコートらしいゆったり感が良い意味でクラシックかつスタンダードなMサイズ表記ということで、これまた良縁が結びやすい一着ではないかと存じます。いかがですか、なんにも無いでしょう?なんにも無いって変な言い方ですけど、なんにも無いでしょう?でもこの静謐さと圧倒的な上品さと確かな上質さが彼女の軸であり彼女にとっての“ノーマル”な基準と水準でそれは現代のクリエイションにも受け継がれていますが、こちらは特出して静謐。徹頭徹尾に静謐、静謐とWikipediaで検索したら掲載されていそうなくらい静謐。
New 1995−1997s PRADA Uomo pure wool duffle coat
なんにも無いことに最も意味があるってもはや禅問答,ミウッチャさん本当に素晴らしいし変な言い方ですがイイ性格してるって感じ。これもまた別ファッション世界線におけるベストofベスト。
SURR 福留
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