夢想と単 / Diary1220
1.5.2024

ヴィンテージバーバリーにおける夢想(ベージュ)と単(ヒトエ,ネイビー)、これまた絶妙に新鮮だし嬉しい存在感です。

2017年頃だったでしょうか、イギリスのバーバリー本店の1階メイン区画でヴィンテージバーバリーが販売されているという衝撃的な出来事を目にしたのは。それまで現代のモードクリエイションが過去のモードやヴィンテージカルチャーやアンティークカルチャーから着想を得たり御手本にしていることは周知の事実ながらそれをオフィシャルで発信したり公にするメゾンやデザイナーは基本的に存在していませんでしたが個人的にもっと自社の過去を積極的に取り入れたら良いのにと思っていたものですから本当に本当に驚きましたし心から素晴らしいと思いましたし独り勝手に誇らしい気持ちになっていました、バーバリー本丸がヴィンテージバーバリーをオフィシャルで販売するという行為を。更に言うと価格帯がNEWクリエイションと同じくだったのですよプレーンな本国クリエイションのバルカラーコートが1500ポンドなら陳列されたヴィンテージバルカラーコートも1500ポンドといった具合に、でもよくよく考えればおかしいことではありませんよね製法が変わっていないのですから、ヴィンテージをNEWクリエイションと同等に扱うと言うことは自社の職人技術力への最大限の敬意であり適性な評価であり老舗としての正しい姿勢であると心震えました。

その頃からヴィンテージバーバリーの世界が一層開けたものとなり現代のバーバリーが一層過去を大切にするようになった印象です。余談ですがそのような取り組みは当時新たに加わった“若い血“による発言と行動が大きな要因で既に在籍していた功労者たちとそれはもうぶつかったとかぶつかっていないとか。そして2024SSの発表にて始動したダニエル・リー新体制による1901年発案の騎士ロゴの復活や新たなクリエイションライン“バーバリークラッシック“の発足など、どんどん再評価されリスペクトされる気配、私は心から嬉しく思います。

もちろんヴィンテージカルチャーにいる身としては個人感情とは別に様々感じることがありますが、ヴィンテージ敬意を払った上で様々最解釈するダニエル・クリエイションは本当に好きですし、お陰様でヴィンテージバーバリー熱も最骨頂です。

 

 

 

それにしても本当に思いますし度々ここでも書いている(と思う)のですがヴィンテージバーバリー、バリエイション多彩過ぎ。弊店は本国クリエイションのみの御提案と決めていますが、それでもいついかなる時も“え、こんなデザインあったの!?“や“え、こんな色あったの!?“と常に驚かせてくれるのがヴィンテージバーバリーでして、いつの時代だからこうと言った傾向と対策も当てはまりませんからその振り幅の広さは尋常ならざるもので、全くもって確信材料がない完全無欠の妄想なのですがヴィンテージバーバリーの全貌を理解している人は世界中のどこにもいないと心から思うほどに深淵過ぎるほど深淵な世界なのです、ヴィンテージバーバリー。

ゆえにフと忘れてしまいます、夢想仕立てや単仕立てが抜群に珍しいことを。元々抜群に軽量で快適なマスターピースをもう一段階二段階ギアを上げて軽量化に成功した夢想と単、このようなアップデートと言うかアレンジはマスターピース側(総合的なファッションブランドではなくレインプロダクトメーカー,アウターメーカーであったヴィンテージバーバリーの時代はこれに当てはまるかと )を元としたデザイナー側がほぼマストで行うことなので、じゃあそれをマスターピース側がやっちゃったら、ねぇ。

 

 

 

 

New arrival 70s&1989s Burberry light cotton bal collar coat.

 

でもやっぱりデザイナーカルチャーとは異なる不変により深く腰を据えた不動感と良い意味で際立つコンサバティヴ感がございまして、その温度差はイコール良し悪しではございませんから引き続き馬が合う合わないにてご判断頂ければと思います。1901年発案の騎士ロゴだけに。

でも異常なほどの軽量感はいずれにも健在です。軽量化って“はい外してください無くしてください“ “はい分かりましたー“って世界の話ではないので本当敬意を抱かずにはいられません。軽い服が全てではありませんが、軽い服は良いですから ねぇ。

 

 

SURR 福留

Copyright © SURR All Rights Reserved