French bespoke coats / Diary635
4.12.2018

例えば一つの旅において 100 という品に出逢えたとして、弊店では一品一品異なる専門職人様方による施しを経て御披露目という手順を以前より選ばせて頂いておりますが、その配分は手前どもの人的力量であったり職人様方各々の施術量に則って変速しておりますので、折に触れて頂戴する “ 今後も何か新作はあるか ” という御質問に対しては常に ( 大前提として絶望的に濁りきっているうえでの ) 迷い無き澄んだ眼差しで “ はい ” と御答えさせて頂いているのですが、今期におきましては例年以上にコートの類が随時不十分な状態が続いておりまして心苦しく想っております。
また先に続いて、御興味頂いている品がある前提で “ では、それと見比べた方が良いか ” という御質問を頂戴する機会がございますが、弊店の品は弊店にとって全て異なる論点における魅力があると想える品, それぞれがそれぞれにおいて前向きな意味合いで異常なまでに独善的と感じられる品の御提案を努めておりますがゆえに、それに対してもやはり絶望的濁澄眼差しをもって “ 適宜御判断頂くべきです ” と御答えさせて頂いておりまして、その品の背景なのか組成なのか御身体への添い方なのかなど判断基準は常に流動的なことと想いますし、そもそも御気分や御心持ちこそ縦横無尽に流動的なことと想いますし、メメント・モリではありませんが先々 ( 誰にも解らない未来 ) に捉われ過ぎても健全ではないと想いますので、常に御自身における御自身だけのそれこそ独善的な直感諸々に則って御判断頂くべきと想います。さすればすべからく晴れ渡った御心にてこの過酷な世の中をお過ごし頂けるのではないかと。

 

 

この度準備が整いましたのは全て “ フランスにて製作された、それぞれに一人の注文主が居たコート ” という背景の品々となります。すなわちこれまた異常なまでに独善的であり我々にとってより強く御注目頂きたいとささやかに主張してしかるべき上質さの品々でして、社会貢献性の高い資格所有者が注文主であったり、その同区分において稀有な色気特徴を有する一着であったり、老舗による変則的な製作背景の一着であったりとそれぞれに 『 個 』 しかございませんが、愛しさと切なさと心強さと共に難易度が同居するビスポークコートという区分において弊店の独善的な選択基準を僭越ながら敷かせて頂いた末の内容となります。それらの 『 個 』 と独善的な魅力があるうえで我々にとっての現代性がある品々を、注文主と偶然かな一致する御身体への寄り添いを良縁と御判断頂いても良し, 寄り添わないことでの唯一無二な結果を御認め頂いても良し, もちろん嗅覚のみで御選択頂いても良し。いずれにせよ約 90 ~ 55 年ほど前に一人の注文主によって立案し、一人ないし複数の職人によって実体化したコートが時を経た現代においてどのような過程を経てどのような姿になるのか、私は心より愉しみに想っております。御興味頂けましたら御期待頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

 

1930s – 1963s French bespoke coat collection

順次こちらでの御紹介ならびに店頭での御披露目を行わせて頂きます。宜しくどうぞお願い申し上げます。

 

 

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