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Zの味 / Diary1223
10.5.2024

親愛なるThem magazineさんが数年連続で編集しているヴィンテージ専門版誌(そういえばサイトで近いうちに発売する最新版が告知されていますね、オフィシャルのインスタグラムのトップリンクからも購入予約ができるそう。一昨年や昨年も即SOLDで買えなかったというお客様の声を複数回耳にしました、今回も必buyですね)など、様々な方法と角度にて人々に知れ渡り続けたことで日本国内においても既に市民権を獲得したと言ったとて大袈裟ではないのではと思えるヨーロピアンヴィンテージの世界は、弊店にとって王道で不動の存在だったもの御提案する機会は年々と減ってしまって今に至ります。それには様々な理由と必然性がありますがそのうちの一つが“より刺激を求めてしまったから“

↑これってファッションカルチャーあるあるなのでしょうか?私はそう思っているのですが。

Aという味を知ってしまうと、それはそれで良い(最高)としたうえでBという味を求めてしまいBの味を知ってしまうと…………個人的にはずっと終わらない幸せと苦しさが同居するジャーニーでしてその度に過去の味を一旦全て忘れたいとふと思ったりするものの、そんなの叶うはずがなく。そのジャーニーとその他理由のマリアージュによって弊店の空間から徐々に主にフレンチワークのヨーロピアンヴィンテージという文化が姿を消していきました。

そりゃZの味なんてそうそう出逢えませんよ。個体としての希少性に加えて年代とコンディションとシルエットバランスとサイズ感という過酷極める条件が合わさりますから、弊店の環境ではお金を積んでも手に入れられない存在ですし極端な言い方にはなってしまいますが探すものではない存在です。探す労力+時間+情熱と出逢える成果の公式は絶対にイコールにはなりません。その方法を続けていたらきっと私は世界中からヴィンテージを探し求めるこの生業を続けられていなかったと思います。心ポッキリ。

 

 

なので前回の旅順でこのZの味と出逢えた時は本当に嬉しかった。無欲の勝利だなんて自分都合過ぎることは思いませんが探し物ほど見つからないメソッド宜しくで出逢いを強く願い過ぎていなかったことが功を奏したと思っています。

フレンチワークにおける20年代というポテンシャル、⚪︎⚪︎職業用といった同カルチャーにおいて定番的なカテゴライズが当てはまらない独創的なアノニマスプロダクト感(唯一色と生地感がレイルロード系のといったところでしょうか)、当然ながら繊細な職人技術力による意匠の迫力、当たり前のように各所に注がれる決して当たり前ではない贅沢な仕立ての概念、何よりも嬉しい現代的なシルエットバランス。

弊店はアンティークに敬意を抱いているものの至上主義ではございませんしなんだったらアンティークアンティークしているのが苦手なくらいですが、この一着にはそのマイナス要素がないうえに時代を遡ることで得られる旨味と強みの全て備わっています。

 

 

 

 

 

New arrival 20s French work belted half coat.

 

猛烈に痛快に単純に純粋に格好良いこのZの味は10年前も痺れんばかりに稀有です。

 

 

SURR 福留

 

 

クレイジーなMサイズ / Diary1222
8.5.2024

平置き実寸で肩幅65cm、

 

 

身幅も65cm、

 

 

着丈が90cm。ちなみにヨーク縦幅は最長25cmで袖丈が60cmで裄丈が95cm。

 

 

そんでもってサイズ表記がM。この時代のGianni Versaceにとって、いやVERSACE JEANS COUTUREにとって、いや同クリエイションの1992年にとってというのが正しいでしょうね、これでMサイズ表記を堂々と縫い付ける感性は。

いやはやどうして驚くというより笑うと言うか、なんか嬉しかったですねここまでも独創的で独善的で提案力に満ち溢れたファッションデザイナーがかつて存在してファッションを愛する世界中の皆んなを楽しませていただけに留まらず30年以上時を経た我々をもこうやって驚かせて喜ばせてくれることを。ファッションデザイナーによって時代によってファッションの区分によってサイズ感は様々であると思い続けてきましたし店頭でも高い確率で口にしてきたものの、ここまでクレイジーなMサイズにはついぞ出逢ったことがありませんが、当時のキャンペーンAdを見るとやはり腑に落ちます。これぞファッションデザイナーのクリエイションだと。

 

 

それはもう大胆に肩を落とし、特出したオーヴァーサイズだからこそ生まれるスリーヴの造形美と軽く折り返した時のニュアンス感、特にアメリカンワークなムードを感じさせるコーデュロイ素材とステッチの意図的なコントラストにウエスタンムード漂う各所の意匠。これぞ全盛期のジャン兄の創造性、メデューサが特に誇らし気に見えるのも気のせいではないはず。

 

 

 

 

 

 

 

New arrival 1992s VERSACE JEANS COUTURE work & western-style oversized design shirt.

 

ファッションプロダクト単体で捉えたとて特出してオーヴァーサイズのシャツとしては着丈の長さとポケット位置に個性があり過ぎて羽織りとしてはヨークなどのパーツに違和感を覚えずにはいられない、どこからどう見ても不可思議な立ち位置だからこそ様々な捉え方が叶う有意義でユニーク,という言葉ではとてもじゃないけど片付けられない、でもそもそもにおいてシャツ感覚のウェイトでフラップ付きのポケットが前面に四箇所付いているのって新鮮だし便利じゃない?な一着です。

“これぞファッションデザイナーのクリエイション“にまた出逢えますように、宜しくお願いしますねジャン兄。

 

 

SURR 福留

 

 

ヴェネツィア / Diary1221
3.5.2024

ロンドンはサヴィルロウのビスポークスーツを嗜む父とパリのオートクチュールを着こなす母が北イタリアで営む古書店の子として生まれ幼少期から自国はもちろん様々な国の歴史的文化と触れ合い、建築を学ぶも訳あって志し半ばで断念した後に幼い頃知った多国籍文化に惹きつけられるように数年間世界各国を放浪し、各地で出逢った民芸品や工芸品,布地や宝石などと共に帰国し、それらを用いて愛するパートナーや友人に洋服を製作することでファッションデザイナーとしての才能を開花させた異端であり天才,ロメオ・ジリ。

 

 

社会的要因もあって肩の強さやウエスト細さを造詣的に強調し新たなファッションスタイルとなったボディコンシャスを正統に経験したがゆえその概念に違和感を覚えたジリさんが辿り着いた造詣的であろうとも肩やウエストに意図的な強弱を付けずあくまで身体そのもののコントラストを表現する“新たなボディコンシャス“は後はミニマムモードとして後のファッションデザイナーの道標となりましたので、今回ご紹介する新作の1990SSオーヴァーサイズシャツもまた造詣的でありながら過度な強調がない極めてミニマムな構築であると同時に極めて独自性に満ちています。このシーズンはジリさんの地元に程近いヴェネツィアをインスピレーションソースとしており、このシャツを筆頭に登場する様々な色調はヴェネツィアングラスを思わせる蠱惑的な発色であると同時に随所に東洋文化を感じさせる複合的な,そしてジリさんにとっては必然的な世界観を内包していました。

 

 

この生地感なんかまさしく超オリエンタル。ちょうど昨日かねてからお世話になっている生地のスペシャリストYさまがレクチャーしてくれたのですが、この生地感はアジア圏を思わせる語感で呼ばれ主に50から60年代頃に和服用などで人気を博していたそう。それを1990SSのプロダクトとして採用したのは古参への挑戦心か懐古主義ゆえか東洋文化への憧れか放浪旅の甘酸っぱい思い出か。いずれにせよ2024年の目線で捉えると古臭さも流行遅れ感もない猛烈に美しい発色とエレガントな癖を感じられる楽しいテクスチャーですね。

 

 

 

 

 

New arrival 1990SS Romeo Gigli Camicie design collar oversized shirt.

 

本当に全くもって出逢えないロメオ・ジリによるRomeo Gigliのメンズクリエイション、2021年ぶり四着目の御提案です。今回の一着も本当に本当に濃いのですがこの抜群に造詣的でありながらモダンであり、かつ今の“造詣的なオーヴァーサイズ“(それこそジリさんが違和感を覚えた時代のボディコンシャスの概念ですね)と一線を画すオーヴァーサイズ。見事です。

美しい発色は本当に痺れます、なんでしょうね才能が発信してくれる圧倒的なエナジーって。ファッションの力,モードの力って本当に尊い。

 

 

SURR 福留

夢想と単 / Diary1220
1.5.2024

ヴィンテージバーバリーにおける夢想(ベージュ)と単(ヒトエ,ネイビー)、これまた絶妙に新鮮だし嬉しい存在感です。

2017年頃だったでしょうか、イギリスのバーバリー本店の1階メイン区画でヴィンテージバーバリーが販売されているという衝撃的な出来事を目にしたのは。それまで現代のモードクリエイションが過去のモードやヴィンテージカルチャーやアンティークカルチャーから着想を得たり御手本にしていることは周知の事実ながらそれをオフィシャルで発信したり公にするメゾンやデザイナーは基本的に存在していませんでしたが個人的にもっと自社の過去を積極的に取り入れたら良いのにと思っていたものですから本当に本当に驚きましたし心から素晴らしいと思いましたし独り勝手に誇らしい気持ちになっていました、バーバリー本丸がヴィンテージバーバリーをオフィシャルで販売するという行為を。更に言うと価格帯がNEWクリエイションと同じくだったのですよプレーンな本国クリエイションのバルカラーコートが1500ポンドなら陳列されたヴィンテージバルカラーコートも1500ポンドといった具合に、でもよくよく考えればおかしいことではありませんよね製法が変わっていないのですから、ヴィンテージをNEWクリエイションと同等に扱うと言うことは自社の職人技術力への最大限の敬意であり適性な評価であり老舗としての正しい姿勢であると心震えました。

その頃からヴィンテージバーバリーの世界が一層開けたものとなり現代のバーバリーが一層過去を大切にするようになった印象です。余談ですがそのような取り組みは当時新たに加わった“若い血“による発言と行動が大きな要因で既に在籍していた功労者たちとそれはもうぶつかったとかぶつかっていないとか。そして2024SSの発表にて始動したダニエル・リー新体制による1901年発案の騎士ロゴの復活や新たなクリエイションライン“バーバリークラッシック“の発足など、どんどん再評価されリスペクトされる気配、私は心から嬉しく思います。

もちろんヴィンテージカルチャーにいる身としては個人感情とは別に様々感じることがありますが、ヴィンテージ敬意を払った上で様々最解釈するダニエル・クリエイションは本当に好きですし、お陰様でヴィンテージバーバリー熱も最骨頂です。

 

 

 

それにしても本当に思いますし度々ここでも書いている(と思う)のですがヴィンテージバーバリー、バリエイション多彩過ぎ。弊店は本国クリエイションのみの御提案と決めていますが、それでもいついかなる時も“え、こんなデザインあったの!?“や“え、こんな色あったの!?“と常に驚かせてくれるのがヴィンテージバーバリーでして、いつの時代だからこうと言った傾向と対策も当てはまりませんからその振り幅の広さは尋常ならざるもので、全くもって確信材料がない完全無欠の妄想なのですがヴィンテージバーバリーの全貌を理解している人は世界中のどこにもいないと心から思うほどに深淵過ぎるほど深淵な世界なのです、ヴィンテージバーバリー。

ゆえにフと忘れてしまいます、夢想仕立てや単仕立てが抜群に珍しいことを。元々抜群に軽量で快適なマスターピースをもう一段階二段階ギアを上げて軽量化に成功した夢想と単、このようなアップデートと言うかアレンジはマスターピース側(総合的なファッションブランドではなくレインプロダクトメーカー,アウターメーカーであったヴィンテージバーバリーの時代はこれに当てはまるかと )を元としたデザイナー側がほぼマストで行うことなので、じゃあそれをマスターピース側がやっちゃったら、ねぇ。

 

 

 

 

New arrival 70s&1989s Burberry light cotton bal collar coat.

 

でもやっぱりデザイナーカルチャーとは異なる不変により深く腰を据えた不動感と良い意味で際立つコンサバティヴ感がございまして、その温度差はイコール良し悪しではございませんから引き続き馬が合う合わないにてご判断頂ければと思います。1901年発案の騎士ロゴだけに。

でも異常なほどの軽量感はいずれにも健在です。軽量化って“はい外してください無くしてください“ “はい分かりましたー“って世界の話ではないので本当敬意を抱かずにはいられません。軽い服が全てではありませんが、軽い服は良いですから ねぇ。

 

 

SURR 福留

Diary001の10年後 / Diary1219
30.4.2024

↑と書いてから昨日で10年経ちました。あの頃は特にゆったりとご覧頂きたかったので1ラックにつき7点と決めていましたが今は逆に様々をカオス気味にご覧頂きたいので8点でも9点でも良いですし、あの頃はMaison vintage,Military,Work,Antique,Otherの5軸展開でしたが少し前に改正して今はDesigners vintage,Maker vintage,Military,Work,Antique,Otherの6軸だし、あの頃は電球色の照明だったけど今は昼白色だし、あの頃のDiaryは意図的に改行していましたが今はなんだったら句読点も省略していますし、あの頃は店頭でジーンズなんて履けませんでしたが今は滅茶苦茶気分ですし、あの頃はラブレット付けて無かったけど今は付いているし、あの頃はsurfaceで書いていたけど今はiPadでそのおかげで腱鞘炎になったけど幸い数日で治ったし、あの頃はタバコ吸っていたけど今は吸っていないし。

 

 

 

変わったこともあるし変わらないこともあって、10年前のDiary001に書いた歴史的に縦に強く結びついたメンズファッションの歴史をご覧頂きたい気持ちは少しも変わりませんし引き続き原点となったオリジンヴィンテージとそれを元に生み出されたデザイナーズヴィンテージを横並びで見比べてどちらが好みかをご判断頂きたいですが、それに加えて根本的に上質で良質なヴィンテージの世界/ファッションの世界をしっかりと取り揃えたい・ご覧頂きたいという気持ちがこの10年間でより確固たるものとなりました。

 

 

 

なので満10年経った今の空間に30年代のリアルアンティークハンティングジャケット(しかも抜群に現代的なシルエット)とハンティングの世界観から着想を得た弊店にとって正真正銘の“メンズモードの最初“と言えるハンティングジャケット(厳密にはワークっぽいけどハンティングもワークっちゃワークですもんね、きっと)が静かに並べられていることは誰に何と言うわけでも何と言われるわけでもありませんが私としては喜ばしい限り。

 

 

 

引き続きいちヴィンテージヒストリーとカルチャーを御提案する店として皆さまの御迷惑にならないよう皆様の日々が僅かでも豊かで楽しくなる何かしらのお手伝いができるよう世界中の各専門家から一点一点コツコツセレクションして参ります。弊店が世界を変えることはありませんが弊店のヴィンテージが世界を変える貴方をさりげなく支えてそっと背中を押すバタフライエフェクトに成れましたら最高です。

 

どうぞ引き続き機会と御縁ございましたら宜しくお願い致します。

 

 

SURR 福留

Sacoche / Diary1218
26.4.2024

様々なプロダクトを発信し続けてきたHermesのバッグクリエイションですが、その中でもメンズ適性のクロスショルダーバッグやメッセンジャーバッグ,そして現代感覚でサコッシュと捉えられるようなモデルってホンット全然無いんです。10数年前にはそれこそメッセンジャーバッグモデルやボディバッグモデル(本木 雅弘さんがなんかの密着映像に出た時にこれ背負ってて、滅茶苦茶格好良かったんですよねぇ)を新作として発表していてアラアラ良いじゃん良いじゃん今っぽくてとニコニコしていたんですけど割合すぐに廃盤になってしまって、んでその時に思ったんですあっわざとだ と。わざと我々を飢えさせようとしているんだ と。

じゃないとおかしいですもん歴代様々なプロダクトを発信してきたにも関わらずここまで出逢えないの、メンズ適性のクロスショルダーバッグやメッセンジャーバッグや現代感覚でサコッシュと。

 

 

先日のボストンはHermesバッグプロダクトの中でも名作かつ王道な存在なのに対してこちらはその真逆、定番では無く一定期間のみ製作されて廃盤に至っているであろう純然たるリミテッドプロダクトです。男性が無理なくクロスボディできるバランスの調整不可能なショルダー、見たことない不可思議なバッグ形状、マチゼロで身体にピッタリと張り付く使用感。これまた一見するとHermes感が極端に少ない無記名感リミテッド感ですがこれまた見事にHermesバッグクリエイションの真髄と真骨頂を味わって頂る個性と癖です。

 

 

 

 

 

New arrival 1996s Hermes

 

私はこれをサコッシュと呼びたいです。ちなみにマチゼロですが最大横幅40cmと面積そのものはしっかりしているので容量はちゃんとあります。

こんなん、最高っしょ。

 

 

SURR 福留

Boston / Diary1217
25.4.2024

収納自由度と出し入れ自由度が圧倒的に高い両開きの設計,本体と強固に縫い付けられているからこそ例え最大限に荷物を詰めたとてビクともしない持ち手(マジで),防水ライニングという最高のポテンシャル,同社のマテリアルシリーズの中でも群を抜いて柔らかく実用性に特化したTaurillon Clemencの素材特製,特にシックでエレガントでさりげなく個性的なマホガニーカラー。

 

 

そりゃまぁそりゃぁまぁね、同社のバッグプロダクトにおける名作中の名作の一つですし私のように首っ丈LOVERが世界中におりますので一目でそれと分かる人もいますが、あくまで社会においては特徴的な意匠もロゴもアピールもない特に無記名で無機質なボストンバッグであるこちらを私はボストンバッグにおける最上最適解として御提案させて頂きます。

 

 

 

 

 

New arrival 2000s Hermes

 

日常はもちろん一人旅にも二人旅にも家族旅にも。いつどのように使うかによってこのバッグのポテンシャルは変化しますがいついかなる気分も人生の瞬間もどうぞお気軽にこの鞄に詰め込んでください。

重複しますがTaurillon Clemenceである点が本当に本当に最高なんです。私のそれはもうだいぶとハードに使っているので擦れてるしクッタリしていますがそれが最高それの方が最高です。もう本当に実用品として向き合って頂いてなんだったら旅先の思い出ステッカーとか感覚的に貼って頂いて、貴方らしいHermesバッグのあるべき姿に仕上げて頂けましたら幸いです。

 

SURR 福留

レザーサックコート / Diary1216
24.4.2024

テーラードジャケット好きなので集める意識がないまま結果的に集まっていたにも関わらずなんだかんだで縁が無かったレザーテーラードジャケットなものですから地味にずっと欲しかったのですが、去年の10月に御披露目した90s SERAPHINの一着(リンクの一番下の画像の真ん中)が欲望を大爆発させてくれました。

Hermesのレザーウェアを手掛けるという甘美な謳い文句でお馴染みの同社のオリジナルプロダクトには主にチーフディレクターによるデザイン性を押し出したクリエイションラインとメーカー力を押し出したクリエイションラインがあるのですが、そのレザーテーラードジャケットは完全なる後者でHermesと共作するクリエイションとは異なり特にノーマルとも言える普通とも言える,誤解を恐れずに言うと地味とも言える世界観とスタイル性でしたが、そこには言わずもがなハイファッションカルチャーやラグジュアリーカルチャーを納得させまくる感性が秘められているしフランスという土壌とDNAを隅から隅まで感じさせてくれる絶妙なバランス感が秘められていますのでショルダーの自然体な強さやしっかりと身体を包み込む体積感やクラッシックでありながら紛れも無く洗練されたシルエットバランスがもう個人的に最適解と思えるほどに好みでして、それにSERAPHINクオリティの墨黒のラムレザーですからもう欲望大爆発、大々々爆発。

ま、SURRにいてくれた時間は極端に少なかったんですけどね。ありがたい限りです。販売員あるあるですよね愛が強いがゆえに結ばれないし別れが早い。

 

 

お陰でお陰でお陰様でこれにも猛烈に惹かれています、フレンチMENSラグジュアリーカルチャー専門家(彼は弊店にとって特に欠かせない存在の一人です…)の下で出逢えたこちらは墨黒では無くグレージュカラーですし表面を起毛させたヌバックですがそれがまた堪らない、個人的に明るいカラーリングのヌバックに愛着を注いで生じるエイジングのカラーコントラスト最高に好きなんです。って言うかグレージュのレザーなんて格好良過ぎでしょ。

こちらもまたメーカークリエイションなのですが、テーラードジャケットでは無くサックコートというこれまた絶妙なプロダクトバランスでして、身体に沿わせる傾向が強いテーラードジャケットではなくフワリと身体に乗せるハーフコート寄りというのが抜群の個性。最上質のレザークオリティを特に現代のムードに寄り添ったスタイル表現が叶うと言うのはとても贅沢で稀有なことだと思います。

 

 

 

 

 

New arrival 90s SERAPHIN nubuck leather sack coat.

 

本っ 当出逢えないんですよプレーンテーラード系統のヴィンテージSERAPHIN、本当に。よりアウターっぽいデザインコートやボンバージャケットも当然最高なんですけど、よりミニマムでノーマルで良い意味で地味なテーラードジャケット系統を知ってしまうともう駄目ですね。私は自分用に出逢えるまでまだまだ長旅をする気満々です、ある意味覚悟が決まっています。

フワフワトロトロ、宙に浮けそうなレザーサックコートです。

 

SURR 福留

愛と情熱 / Diary1215
19.4.2024

コーティングコットンは知っていたしミリタリープロダクトで持ち運びを目的としたパッカブルも知っていたしラグジュアリーカルチャーならではのトラベル概念も敬愛していたけど、それら全てを兼ね備えた上質な目線の良質なコンセプトプロダクトはまだ出逢ったことがなかったうえに同素材のハットというおまけ付きだなんて。“こんなんあるんだ“シリーズは大々々好きなのでその度に心が泡立つというかテンションが上がるというか興奮することが多いのですが、今回のそれは興奮の前に猛烈に関心し感動しました。

 

 

が、ここまでの特出した実用性への探究心も実現する職人技術力と感性も、そもそもにおいて湖と川に取り囲まれ多湿で雨が多い環境で育ち前職ではレインコートメーカーに勤務し、戦後に廃棄された飛行機の油を染み込ませたコットンから着想を得てコートやジャケットなどのレインプロダクト専門メーカーを設立した創始者のジュゼッペ・マレンツィさんの防水プロダクトに対する愛と情熱を鑑みれば、このような圧倒的に実用的で抜群の有用性を誇りながらそれだけに甘んじずファッションとしてスタイルとして上質で良質な一着を生み出した上でそれを旅先や出先でも着られるような持ち運び型にしようと思いつき、そのために裏地を完全に除去するという困難に立ち向かったうえでせっかくだから帽子もあったら便利なんじゃない?という類稀なる着地点に至ったのは必然だったのでしょう。

 

 

 

 

 

New arrival 80s Herno coating cotton travel rain coat & hat.

 

持ち運び可能でコンパクトにまとめられるレインコートやジャケットはきっと,いや絶対に現代のプロダクトとして存在しているでしょうし大好きな渋谷ハンズに行けばきっと何かしら見つかるだろうし、この板を使って検索すれば一瞬で答えが出るのでしょうしそもそもにおいて全盛感が日に日に高まるTECHカルチャーですからそれらにも近しいレインプロダクトはあるのだろうと思いますが、王道でクラッシックで十分過ぎるほどに美しいパターンと畳むのが勿体無いほどの立体感でボタンの色味とムードを本体生地と調和させたりベルトバックルを綺麗なレザーで包み込んだと思ったら表にロゴやネーム一切無い,一切無くて当たり前な美意識と概念を集約させた上質で良質なトラベルレインコートは滅多に出逢えないのでは。重ねて言いますが帽子付き、しかも眼鏡着用者にも配慮したひさし付きのハンチングハット型。素晴らし過ぎますって。

 

 

SURR 福留

服の形 / Diary1214
18.4.2024

大々々好きな“こんなんあるんだ“シリーズでありそもそもにおいて考えてみると“こんな服の形あるんだ“シリーズなこちらの新作は80年代バーバリーの本国クリエイション。いつの時代も特別な存在感を発揮してくれる同社のレザープロダクトで今回はディアスキンでしょうか、特出して柔らかく軽いテクスチャーにまた惚れ惚れしてしまいシャッターを切るのが楽しかったです。

ボンバージャケットというより今回はスポーツジャケット、まぁドライヴィングジャケットと言っても差し支えないけどやっぱりスポーツと称したいサッパリ感スッキリ感なのですが、

 

 

ジャージみたいなネックのリブがそのまま前立てに直結するのも独特だしベストを重ね着しているような構築も不可思議だしレイヤードがそのままポケット口になるのも癖だし、じゃあそのノリで上にマフポケットもあるのかと思ったらそれは無いし。スポーツジャケットと呼びたいシンプルでコンパクトな形状で前立てが細いリブになってベストレイヤードしてるみたいな構築のこのジャケットの形って、何?っていうシンプルかつ結構気になるのが今回の一着です。どっかの文化にある形なのでしょうか、なんかすごく独特なんですよねぇ。なんとなく和を感じるのは私だけでしょうか。

 

 

 

 

 

New arrival,80s Burberry leather design sports jacket.

 

でもね、ここでもやはり上質なクリエイションであることが効いてくれます。いや、独特さによって特に効果的に作用しているかもしれません。明らかなるレザーの美しさにクラシックだけどちょっと個性を感じる明るいカラーリング、王道感が際立つスタイルバランスとボリューム感、まず“良い服“であることが真っ直ぐ伝わるからこそ独特さが毒ではなくデザインという味として無理なく馴染みます。表記がありませんがフィッティングは48の身体でナチュラルフィット、今回もやはりゆったり感を高めることがプラスになるプロダクトバランスなので、様々なフィッティングとスタイル性への適合が叶うと思います。特に軽くて上質なレザー、こちらも超優秀超優良です。

 

 

SURR 福留

気楽な羽織り / Diary1213
17.4.2024

造形美と色彩感覚、この類稀過ぎる二つ感性はやはり後のBerlutiに吸収された新体制では受け継ぎ切ることはできなかったのでしょうか。会社も時代も文化も違うので仕方ないと言えば仕方ないのでしょうが唯一無二の文化力が失われてしまったと思うとANRYSが消える当時に“買収なんかさせずに国が守るべきだった“と悲しみつつ怒っていたパリの友人の姿を思い出します。

 

 

造形美も好きだけど私は色彩感覚が一番好きな要素かな。創始者の奥さんが日本人だったから着物からの影響も大きかったという点も含めてシックなトーンもヴィヴィッドなトーンもペールなトーンも単体はもちろん組み合わせの感性が本当に唯一で無二、スタンダードでシンプルに組み合わせるのが好き(と言うかそれしかできない)身としては一着が放つ妖艶さだったり癖者感だったり明快に美しいオーラは本当に楽しいです。

 

 

これはテーラードジャケットのプロダクトバランスなのですが、物としてはハーフコート。しかもフォレスティエールのように室内で着たままでも支障がないカバーオール的概念と構築と設計かつフォレスティエールのように着る人を選ぶ(万人向けではないからこそハマると強い)シルエットバランスではなくスタンダードで王道的スタイリッシュさを秘めたテーラーメイド。

 

 

気軽に羽織れて気楽に過ごせてスタンダードに綺麗なスタイル性でリネンコットンの清涼感溢れるテクスチャーで優しさの中にしっかりと色の個が光るという控えめに言って相当に優秀な一着。この楽チン感なんかANRYSを当時楽しんでいた人々の全体的な世界観をまんま現していて、やっぱりそうですよねと合点がいく感じも大好きです。

 

 

 

 

 

New arrival,90s ARNYS linen cotton half coat.

 

もう一度言いますがテーラードジャケットではなくハーフコート、しかも室内で着ていても不自然じゃない気楽な羽織りです。それこそ当時楽しんでいた人々はほとんどがシャツでタイドアップでドレス系のトラウザーなのかな、革靴なのかな、ポケットチーフなのかな。もちろん言うまでもなく抜群な世界観だけど私は絶賛カジュアル勉強中とあってファイヴポケットパンツやジーンズが特に気分なのでARNYSの世界観と言えど今のカジュアルで合わせたいのですが、当時の人々からしたら眉をひそめる着方なのでしょうか、まぁいいけど。それこそ13年ぶりにスポーツスニーカーに惚れることができてよりカジュアルテンションが上がっているんですから!出張のたびに実用品として必要性をしとどに感じ幾度となくアレ買おうかとかコレで良いかとか思いあぐねていたんですが、適当に買わなくて本当に良かった。まだヴィンテージジーンズと合わせる勇気はないけどこれからの気分に合わせて色々と楽しみたい。もちろんARNYSともね。

 

 

SURR 福留

Pelle / Diary1212
12.4.2024

イタリーモードの最古参であるヴァレンティノ・ガラヴァーニ。各国(やはり主に本国イタリア)のコレクターの協力もあってそのヴィンテージプロダクトと出逢えば出逢うほどいかに偉大なファッションデザイナーであったかモード史に置いて重要な人物かをスルメのごとく噛み締めててじんわりかつ確かに味わって年々好き度合い尊敬度合いが高まっておりますので、先日のアレッサンドロ・ミケーレのディレクター就任のニュースはやはりヴァレンティノを大いに盛り上げてくれるのではないかと喜ばしく思うと同時に、ヴィンテージカルチャーにしっかりと敬意を評する人物なので1959年から2007年と約半世紀に渡って展開されたヴァレンティノ・ガラヴァーニ大先生の作品群をどのように再解釈するかが楽しみな次第で、まだまだ私の中でのヴァレンティノ愛は高まっていきそうな予感ムンムンです。

 

 

構築的なサドルショルダー、綿密に配置されたダーツ、テーラードジャケットの襟元とボンバージャケットのスタイルを融合させた抜群の個性、全体に及ぶ立体美、心が洗われるような美しい裏地(ポケットの中まで同じく)、そして一目で品位が伝わる圧倒的に上質なラムレザーのエナジー。80年代にPelle(レザー専門)のクリエイションラインから発信されたこちらの新作も本当に本当に見事でして、もちろんラベルにValentinoの文字が刻まれていますのでデザイナーズクリエイションのそれということは認識できますがこちらに関してはそれを認識する前段階の佇まいから何かを感じて頂ける方、きっと居られると信じたい一着です。

 

 

 

 

 

New arrival,80s Valentino Pelle lamb leather design bomber jacket.

 

先日のMilletもそうですが、ラベルでもネームでもなくまず強烈に心惹かれるような出逢いはSURRに成った2014年4月29日から現在に至るまで変わらず稀有。いや時間が経つごとに高まっているな、間違いなく。

 

 

SURR 福留

口ヒゲ / Diary1211
11.4.2024

前回のDiaryのように私はこれまでに幾度かミウッチャ・プラダというファッションデザイナーを心から愛しオタクのように楽しんできたことを書いてきたと同時に、何度か2018年が彼女のキャリアハイに感じていることと新たにラフ・シモンズが加わり世界観が変化したことで、何年も続けてきた“毎シーズンPRADAの新作を楽しみにし、あわよくば何かを手に入れる“という私にとって極めて重要なルーティーンが終わりを告げたことを書いてきました。もちろんラフ・シモンズの加入は多くの人々にとって喜ばしい出来事であり事実業績も上がり2022年(2023年だっけ?)なんかは注目度が高まったファッションブランドの第一位として挙げられるなど、より多くの人々が楽しんでいることと思いますので、私が愛する愛するPRADA Uomoから離れたのは単純明快に私の好みと気分。ただただ、ただただそれだけの話です。

しかしながらついに、ミウッチャ・クリエイションではなくミウッチャ&ラフ・クリエイションでバババチコンとくる一着に出逢えました!

 

 

23SSマルチポケットベスト、本当にバババチコンとグググッときました(あのビジュアルも大好きです、まんまカー⚪︎ートのあれ)。ファッションを楽しむ方の中にはこういう系はもう何年も前に流行ったじゃんという見解も有られることと思いますが私はその頃から今に至るまで全くもって惹かれなかったんです、これ系のベスト。もちろんお召しになっている姿そのものが素敵な方は沢山おられましたが、自分が着るプロダクトではなかったというか何というか、SURRという容れ物で御提案するビジョンもほとんど浮かびませんでした。

でもこれは大好き、堪らない。PRADAだから?もちろんその看板を背負っているからというのもありますがそれだけではないぞと、直感的に思いそれが何なのかクエスチョンの正体は何なのか心の片隅で考えていた時、パリのコレクターの元で出逢った一つのプロダクトが答えを教えてくれたのです。

 

 

私は全くと言って差し支えないほどにアウトドアカルチャーに触れてこなかったのでミレーというブランドのことを知りません、ミレーって口に出したこともないかもしれません。このプロダクトに出逢って初めて知りました、フランスのブランドであることや100年近く続いていることや主に鞄を製作していることなど。この口ヒゲのおじさんが描かれたMountain Flight by Milletが一体全体どういう存在なのか、正直に言って知りませんがとっても格好良いプロダクトだと思ったし素直に滅茶苦茶着たいなと見た瞬間に一目惚れしてしまいました、こういう便利ギア系そのものを着たことがないにも関わらず。そのきっかけが23SS PRADA Uomoであることは間違いありませんが、それと同等のエネルギーでこのマルチポケットベストに惹かれたことによって心の片隅のクエスチョンが解けました。

 

 

 

 

 

New arrival,80s Millet multi pocket vest.

 

“お前が惹かれた理由、それは品の良さだろう?“ 口ヒゲのおじさん、教えてくれてありがとう。あの頃のマルチポケットベストは私にとってリアルではありませんでしたが、23SS PRADA Uomoとこのヴィンテージ・ミレーのマルチポケットベストはリアルもリアル、大リアル。タフギア感満載でクラシックでヴィンテージ感を備えていますが、意匠の絶妙な洗練性とバランスとちょっと薄ピンクを感じさせてくれるカラームードによって隠そうとしても滲み出てしまう、モード本国のDNA。

どうなっても結局私は品が良いのが好きみたい。

 

 

SURR 福留

怪作 / Diary1210
10.4.2024

学生生活を経たのちにパントマイムを学んだり政治活動を行ったりと日々を過ごしてきたミウッチャ・プラダが家業に加わったのは29歳頃で、幾つかの改革と成功を収めたのちにメンズクリエイションであるPRADA Uomoを始めるのが46歳頃。数字で見ると“着手する“としたらややばかり成熟したタイミングなのかもしれませんが、だからこそミウッチャ・プラダというファッションデザイナーによるPRADA Uomoの最初期クリエイションには後々のクリエイションの全てが揃っているという表現が過剰ではないほどに完成された世界観と感性が詰まりに詰まっているのではないかと私は常々思っています。

 

 

その世界観と感性は彼女の生きてきた足跡そのものであると同時に、元はPRADAの模造バッグ制作会社社長で後の伴侶からの“君はメンズをやった方が良い“といったアドバイスであったり、それこそパントマイムの師でありマイムの父と呼ばれるエティエンヌ・ドゥクルー氏などからの刺激があってこそかと思いますが、長らく彼女のクリエイションを見つめ続けていると(私はPRADA Uomoのオタク)いつからか“メンズはこれくらいで良いのよ、これくらいが良いのよ“と微笑むミウッチャさんの姿が目に浮かぶような、そんな決して深刻過ぎず程良い軽やかさと清涼感があると同時にしっかりと美しくて凛々しい、そんな男性像との向き合い方,ファッションの在り方を楽しむようになりました。

 

 

なんて言うんでしょうか、ミウッチャさんのメンズウェアって根本的に軽やかなんですよね。もちろん時に濃い創造性や大胆なデザイン性があるのですが濃くて大胆でありながらもやり過ぎていないというか、意図的に煮詰めずに着用者に任せる感じと言うか。完成された美意識と独創的なオリジナリティがありながら“これくらいで良い、これくらいが良い“でちょうど良く終わらせるバランス感覚が控えめに言って天才的だなと。

 

 

PRADA Uomo初のAWショーであり僭越ながらMY BEST3シーズンの一つとさせて頂いている1998AWクリエイションであるこちらの弊店新作は、いわゆる中綿が入ったテーラードジャケットの形状ながらテーラードジャケットにあらずなまさに絶妙かつ抜群にちょうど良い一着でして、このシーズンと言うか1998のイヤーテーマが平面であり一貫して独創的なオーヴァーサイズ設計が軸となった一年間でこのジャケットもまさにその通りなのですが、身体にフィットさせないアンフィットがまさに今のオーヴァーサイズのモード概念に通じることなんかどうでもよくなってしまうほどに抜群な異素材×クラシックのマリアージュであり、なんなら着た時の方が着ていない時よりも軽やかに感じされるほどの圧巻な着用感であり、肉眼でないと正確に捉えられない色彩美を秘めた、有りそうで無いったら無いプロダクトバランス感と個性的でありながら抜群にエレガントな世界観と良い意味で時代性も性別も国も感じさせない不変性と何より圧倒的なモードを秘めた、テーラードジャケットの形でありながらテーラードジャケットとしては着られない、デザインジャケットないしハーフコートと捉えて然るべきな怪作です。

 

 

 

 

 

New arrival,1998AW PRADA Uomo oversized padded nylon jacket.

 

そう、まさしく怪作です。

 

 

SURR 福留

カジュアル / Diary1209
5.4.2024

フランス,イタリア,イギリス。それぞれの国の様々な地にいる各分野の専門家のもとで出逢えたファイヴポケットジーンズやチノ,カラージーンズやミリタリートラウザーといったカジュアルに振り切ったパンツの数々。そういえば長らくポツポツとしかパンツ類を御披露目していなかったことにふと気付いたのでこの度一挙に御披露目です。

トラウザーなどのドレス寄りなパンツももちろん素敵ですが、これらカジュアルパンツも最高で個人的にはどちらもちょうど同じ熱量で大好き。各国で様々な文化のカジュアルパンツに出逢い、そしてこの度のように一挙御披露目すると思いますが腰回りの設計からレッグラインの伸ばし方,時に幸運にも出逢える特出した個性など本当に様々が存在することからもデザイナーカルチャーしかりメーカーカルチャーしかりワークしかりミリタリーしかり、カジュアルの概念はどこにおいてもいかに欠かせないかが伺えます。どの個性も楽しい。

 

 

 

 

 

New arrival,17 casual pants.

引き続き私は何着ようか考える時にパンツから決めることがほとんどなパンツ好き人間です。

 

 

SURR 福留

造詣的デザイン / Diary1208
29.3.2024

メーカーは作らない作れない、と言うか作る必要がない(棲み分け的にも)。それがデザイナーによる造詣的なデザインシルエットとSTYLEの数々でメーカーとデザイナーの差異があるとしたらまずそれらは非常に大きな要因になりますし、やはりデザインの概念による様々な味付けや演出は楽しいし心躍るし時に感動させてくれるし、高確率で高い美意識が注がれているからこその美しさや格好良さへの探究心はいつもファッションの本質的な楽しさを思い出させてくれます。おかげで私は自分自身の身体で測ったビスポークプロダクトにほとんど興味を示さなくなりました、だって私の身体で測ったシルエットやSTYLEより親愛なるミウッチャさんやヴェロニクさんが造詣して演出するシルエットやSTYLEの方が綺麗で格好良いもん。

 

今回は新作春ニットより3点のデザインセーターと2点のデザインカーディガンを抜粋です。

 

 

 

イタリーモードの重鎮,ヴァレンティノ・ガラヴァーニ。前回も記しましたが彼のなんでもないようで静かかつ確かに美しいデザイン造詣は本当に秀逸かつ絶妙な無二感が漂います。このドッキングコットンセーターの時代性を反映させアメリカンスピリットをさりげなく注入したスポーティーでスタイリッシュなラウンドシルエットなんかもまぁ絶妙。そういえば先日楽しそうなネットニュースが発表されていましたね、また楽しく創造してくれるのでしょうかミケーレさん。

 

 

こちらもヴァレンティノ御大による一着、ここまで絶妙に複雑な織りの組み合わせはなかなかどうしてお目にかかれないにも関わらずアクセントカラーの赤と白以外を全てミッドナイトブルーのワントーンであえてさりげなく仕上げる、これがクリエイションだよなぁ。なんでもないようで後のミニマムモードを先行したコンパクトでスマートなフィッティングもまた拍手です。

 

 

コットン50%・ヴィスコース30%・シルク20%による特出して爽やかでモッタリとセクシーなテクスチャーにコンサバティヴなようで明るく華やかなカラーリング、リブラインのさりげないカラーコントラスト。全てにおいて抜群なデザインセーター過ぎて出逢った日にホテルで試着して自撮りしてしまいました、夜中の3時半に。これは先取りでサマーセーターと呼べるプロダクトになります、はぁ堪らん。

 

 

ニットプロダクトが大看板だったのでヴィンテージにおいても今のところは安定して出逢えるもののセーターではなくカーディガンとなるとハードルの高さが尋常ではなくなってしまうのはやはり実用性の高さゆえワードローヴから無くす必要性がないメソッドでしょう。しかもここまでアヴァンギャルドでエレガントなテキスタイルデザインとの出逢いは相当に久しぶり、特有のコクーンなオーヴァーサイズフィッティングはここでも健在で相も変わらず無二な美的感覚のミッソーニ夫妻なのでした。

 

 

フェラガモ一族が培い創始者次男のレオナルドさんが紡いだ男性像とデザインの世界観ってむせかえるほどに品があって鋭利なくらいエレガンスで、数あるファッションデザイナーの中でも特異な“ステージ“にいるなと時に出逢える特出して上質なクリエイションを目の前にする度に思います。このカーディガンは私にとってまさにそれで、無地幾何学模様編みの圧倒的な存在感にエロティックなコルクカラーにナイロンを12%配合することでの特にモッタリとしたテクスチャーとシルエットムードの全てが混ざり合ったデザイン造詣物の感、圧倒的です。

 

それでは先日のプレーンシリーズと併せまして機会と御縁ございましたら宜しくお願い致します。

 

 

SURR 福留

クラッシックプレーン / Diary1207
28.3.2024

プレーンしかりベーシックしかり、弊店ではいつからかメーカーカルチャーとデザイナーカルチャーの2種を明確に分けて考えるようになりました。前者は時代やその国々の時流に合わせたスタンダードを展開するのに対して後者は独自解釈のデザインを展開、前者はSTYLEにおける創意性や装飾性を排除するのに対して後者はデザイナーそれぞれの創意性や装飾性を積極的に注入する。この違いは私にとって非常に大きな要因であると同時にメーカーが良いや偉い/デザイナーが良いや偉いといった優劣が微塵も介在しない、ただの単純明快な事実になっています。時代と時流に合わせたスタンダードが好きなのであれば心身にフィットするのであればメーカーカルチャーを、好きなデザイナーのデザインSTYLE提案が好きなのであれば心身にフィットするのであればデザイナーカルチャーを、どっちも好きでフィットするのであれば両方を選んで楽しめば良い、ただそれだけのことだと切に心から思い折に触れては御客様方に御提案している次第です。

 

この度の新作春ニットより3点のメーカープレーンセーター、2点のデザイナープレーンセーターを抜粋しました。たった5点ではなく5点も、弊店にとっては珍しくしっかりとお選び頂けるなという感覚です。

 

 

 

2点のBallantyne Cashmere社とmalo社。いずれも弊店にとっては純粋無垢な“ニット専門“メーカーなのですが、国の違いだけでは説明がつかないスタンダードなクラッシックプレーンの差異、面白過ぎます。

Ballantyne Cashmere社の1点目はピュアスコットランドカシミアで2点目はピュアメリノウール、共に90sのVネックなのですがインナーにシャツを着込むことを前提としながらもあくまで肌着を原点としているクラッシック概念を軸としたリラックスムード溢れる自然体なオーヴァーサイズでして、そのゆったり感こそ“ヴィンテージ“Ballantyne Cashmere社ならではなのですが、時代と時流に合わせたそれは当時スタンダードSTYLEが今となってはこうもデザインSTYLEに感じられるとは。

対するmalo社は同じくオーヴァーサイズながらBallantyneと一味も二味も異なるまん丸シルエットでしてずばりアメリカンSTYLEからダイレクトに影響を受けたボンバーの概念、これがまた抜群にこの時代のイタリアらしくて最高なんです。BallantyneがまさにセーターらしいSTYLEなのに対してこちらは完全にスウェット、それこそUSカルチャーのアチラさんやアチラさんのスウェットムードを想定して頂いて決して遠くありません。それにイタリーカルチャーの最高峰カシミアの素材感と色彩感覚が調和するものですから、最高で最強の独自性と個性ってなもん。この世界観は出逢えません。

上から表記48、46(にも関わらず先の48よりも着丈が6cm長いという)、48ですがフィッティングバランスが全然違いまして、その自由に捉えられる感もまさしくデザイナー設計の世界観。これら純粋なメーカーだからこその時代を経ることで生じる結果論的個性デザインSTYLE感が弊店は面白くて興味深くて堪りません。“え?デザイナーズじゃないの?“と良い意味での矛盾を感じさせてくれるムード、メーカー側はそんなつもりは微塵もなかったはずですから。

 

 

 

対するこちらはデザイナーカルチャー、今回の春ニットには他にも複数のデザイナープロダクトがあるのですが、この2点はクラッシックプレーンと捉えて差し支えなしに感じました。

1点目はBallantyneと同じくミッドナイトブルーカラーでVネックで48サイズ表記ですが全然違います。先にBallantyne着て次にこれ着て同じ48サイズですよとアナウンスされたら混乱しちゃいます、サイズ表記って何?って哲学みたいなこと考えちゃいそう。この差異こそ個性こそある種の癖こそミウッチャ・プラダさんが考えるクラッシックかつプレーンで、御人によっては小さいと捉えられても,時にいやいや小さ過ぎるぞと捉えられても致し方ないコンパクトでミニマムでコンパクトなフィッティングこそ彼女が思う普通かつ格好良い男性像。猛烈になんでもないような一着ですが、ミウッチャ・プラダという稀代のファッションデザイナーの真髄そのものを現していると言っても決して言い過ぎではありません。

2点目のヴァレンティノ・ガラヴァーニによるピュアコットンケーブルニット、この世界観とムードがまた堪りません。彼はファッションデザイナーとして濃い味付けのSTYLE提案ではなくそれこそメーカーカルチャーのように時代と時流に合わせたクラッシック概念にさりげなく知的で美的な流線型を注ぐくらいのSTYLE提案が軸な方だったものですからこちらもエイティーズのスタンダードかつスポーティーなバランス感でして、袖丈もちょっと短め9.5分丈くらいでちょうど良いくらいの絶妙にコンパクトな設計なものですから、サイズ表記5(=XXLくらい)の構築ながら現代感覚ではゆったりめのLくらいに着地しているのがまたユニーク。このヴァレンティノさんらしいなんでもないようで静かかつ確かに美しいシルエットバランスの、例えるなら第三者がふとした瞬間に“アレ?なんかそれシルエット綺麗だね、、、あぁヴァレンティノ・ガラヴァーニ、なるほどね“と腑に落ちるくらいのさりげない美しさが、これまたデザイナーの真髄だと心地良く感じます。

 

はてさて、貴方のちょうど良いはどこにありますでしょうか。明日は造詣的なデザインの世界観を御提案させてくださいね。

 

 

SURR 福留

24SSも大好き春ニット / Diary1206
27.3.2024

二月のどこかだったと思うのですが都内が突然春真っ盛りのように暖かくなった数日があったんですよ、ある夜の仕事終わりマンション出たらお向かいさんたちとばったり会って立ち話している時にやはり突然暖かいですねぇ的な話になった時、お向かいさんの一人がややばかり不満気に“もうニットとか着れない“と言ったので即座に申しあげました、春もニットの季節ですよ と。

はい、例年通り弊店にとっては春もニットの季節で旬とのことで今年もスプリング・セーターを是非とも御提案させてくださいませ。こんな感じなのでいついかなる時でも環境でもセーターは探し求め続けているのですが、先日の旅順はスプリング・セーターとの良縁に本当に本当に恵まれていまして、いやはやだいぶと御機嫌でした。しかも王道なクラッシックプレーンSTYLEから造詣的なデザインSTYLEまでなんとも抜群に満遍ないバランスで、ここ数年で一番の豊作感を味わえた次第です。

 

 

 

 

 

スプリングカシミア、爽やかなウール、サッパリコットン、一着のみサマーセーターと呼ぶべきコットンシルクまで、今回も当時の時流に則ったコンサバティヴなスタンダードが時代を経ることで逆にコンセプティヴなデザインに見える興味深くて楽しい矛盾や攻めていながら結局のところクラッシックを土台にしているからこそタイムレスなモードデザインの普遍性など、様々な素材と形と色と癖にてお選び頂けます。今年も一着一着コツコツと探し求め続けるべきライフSTYLEギアの一つと出逢って頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

 

New arrival,Spring Sweater Selection.

 

去年は12点でしたが今年は16点、こういうアップデートは個人的に地味に嬉しい。

 

 

SURR 福留

ワーク+ドレステーラー=モード正攻法/ Diary1205
26.3.2024

去年くらいにふと思ったんですけど、格好良いとか素敵とか欲しいとかのポジティヴと言うか前向きと言うか正の感情って高確率で時間が経てば経つほど強まるんじゃないかって。なので昨年5月5日の御披露目から想い出や想い入れや羨望の強さは変わらないどころか、 俄然強くなっているので、

 

 

これに関しては引き続きうまく言葉が出てきません。

でも今回は前回と異なり個性がまた面白いと言うか違うベクトルで同等の強さでググググッと惹かれるのでその点は言葉が出てきます。服飾史およびモードヒストリーの最重要存在の一つであるサファリジャケットは、それまでのモードにおいて粒立てられることがなかった特に強い男性性かつ土臭く実務的な世界観を存分に取り入れた発明に対して、こちらはワークの世界観を思い切り取り入れたと言うか、まんま母国のワークカバーオールをリファレンスとした個体ということでサファリジャケットではありませんが根幹は同じで出口が異なるながら熱量は同等、ましてやサファリと違ったミニマムな設計が逆に良いという意見があって然るべきな一着です。

 

 

 

 

 

New arrival,1969-early70s Yves Saint Laurent Rive Gauche homme work jacket.

 

特に正々堂々と取り入れたワークの世界観をムッシュが考案したMENSモードの世界観で設計し徹底的なドレステーラー様式で設計する。このモード正攻法的な創造のアプローチは近年においては逆に新鮮なのかもしれませんね。

 

 

SURR 福留

新作6点 / Diary1204
22.3.2024

どうやら運良く時差ボケは免れたようです。旅順のふとした瞬間に牛スジをトロトロに煮込んだカレーが猛烈に食べたくなって帰国して即作ったのですが、ふと思い立って初めて無水調理をしてみたらびっくりするほど美味しかったです、凄過ぎますね無水。カレーに自律神経の調整機能でもあるのでしょうか、次回も検証してみようかな。

それでは新作、カレーって美味しいよなぁと思いながら選んだ6点です。余談ですが外食をあまりしない私ながら鎌倉にあるカレー屋「キャラウェイ」はお薦めです、しかもハヤシライス、当時アルバイトしていた地元の友人が一番美味いとして推薦してくれました。しかもテイクアウトがマスト、基本並ぶ店なのでテイクアウトなら並ばずに買えてGOODなんです。機会ございましたら。

 

 

 

親愛なるウェストンながらヴィンテージカルチャーでこのモデル,Yachtとの出逢いは初めてです。独特のスポーティーさ、ボリュームの癖、ロシアンカーフの存在感、それが色気溢れるブラウンカラー。選ばないなんて選択肢は無いよねぇ。サイズは9 1/2C、足が合う方羨ましい。

 

 

これも一目惚れでした、さすがジョンロブなプロダクト感とレザーの迫力とアルチザンな高級感と色気。サイズ表記8EEです。

 

 

この洒落っ気、この世界観ですよねARNYSの本質って。独特だしエグいほどに強くて美しくて、良い意味で万人受けしないなぁといつも思います。だからこそ唯一無二に格好良いです。レザーとキャンバスのツートーン、この素材コントラストでなお特急にエレガンスです。

 

 

まだファッションブランドではなくニットメーカーだった時代の、同じ呼称でありながら根幹が異なる大々々好きなBrunello Cucinelliのヴィンテージプロダクト。素材組成はありませんがおそらくはピュアウールで構築的な設計のグレージュカラーのジッパーニットジャケットという抜群の個体個性。だいぶサラリと爽やかに着れちゃう最高のやつです。

 

 

これは明らかに今回の旅順におけるチャレンジングゾーン、この一着と向き合った時に あ、まだ挑戦できることがあるって良いなぁ と思いました。きっかけはズバリ兼ねてから御愛顧くださっている親愛なる顧客さまでその方がお召しになるNIKEジャケット姿が格好良かったから、弊店も初のNIKEウェアです。ブルーがかったグレートーンにまず惚れました。

 

 

昨年5月ぶりの弊店にとっては事件な一着。こちらに関しては明日改めてDiary書きます。

 

 

 

 

SURR 福留