色気の権化 / Diary271
15.6.2016

数本のヴィンテージ・ウォッチをセレクトすることが出来ましたので、まずはその中から一本をご紹介させて頂きます。

 

 

美意識の高さと、それを可能とする職人の技術力と、それらを維持する実行力において、 Cartier ほどの高い品位を保つ存在には、長い歴史を振り返っても現代と向き合ってもそうそう出逢えないことと思います。
ジュエリーブランドとしてこの世に生まれて以降、世界中の名立たる顧客の様々な要望に応える過程において生まれた腕時計は、その形状が戦車からインスパイアを得たことから “ Tank ” と名付けられたカルティエを代表するアイテムの一つです。

男性用と女性用の2サイズで展開されていたタンクの文字盤は様々なデザインがリリースされ、そのほとんどが年代やシーズンにしか存在しないリミテッド・デザインであったため、腕時計という実用品としてのみならず、コレクタブルピースとして今なお世界中の人々を魅了し続けるのがタンク・ヴィンテージという存在。時代を越えて愛され、これからも愛され続ける名作であり、ラグジュアリーの象徴とも言える逸品ですのでかねてからご紹介したかったのですが、この度、やっと納得のゆく一本に出逢うことができました。

 

 

 

 

 

SDIM3300

SDIM3300

SDIM3300

ミッドナイトブルーとブルーグレーの、イメージとして頭に浮かぶタンクとは全くもって結びつかないまさしくリミテッドなダイアル・デザインが、私の心を即座に射抜きました。
宝飾を専門としていたからこその美麗なリューズにクオーツならではのシャープなフォルム。物質として最高峰の完成度と捉えて然るべきな絶対的な美しさと、変則的で個性的なダイアルが醸し出すこの存在感こそ、私が考える “ SURR が Tank を扱う意義 ” でございます。

 

SDIM3300

SDIM3300

SDIM3300

 

しかし、その個性も カルティエ の “ 背骨 ” あるからこそ成り立つというもの。オーセンティックなモノトーンやペーストーンのダイアル・デザインが完成されているからこそリミテッドとの対比が際立ち、それぞれが光りますし、そして何よりも欠かせないのはケースに注がれたカルティエの伝統的な一つの職人技術です。

 

 

 

SDIM3300

925 シルバーの土台に 22 金を厚く厚くコーティングする “ ヴェルメイユ ” と呼ばれる鍍金。様々なカルティエ・アイテムで行われたこの製法は、冷静沈着で奥ゆかしい仕上がりから想像がつかないほどに高度な技術であり、その驚異的な水準の高さは現代のカルティエにおいても実現が難しいと言われているほどです。
光を均一に反射する当時のカルティエにおいて必然であり当然とされたコーティングと磨きの職人技術の、注視せずとも感じさせてくれる圧倒的な美しさは、現代において大変に尊い要素ではないかと思います。

 

 

 

 

 

SDIM3300

80 – 90s Cartier Tank , for Men

“ カルティエ・タンクを身に付ける男性 ” といえば 1983 年にアーヴィング・ペンが切り取ったムッシュの姿を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。それが指し示す通り本品そのものが示す通りタンクは男性にとっても色気の権化。これからの末永いご愛用を心より御推奨致します。

 

 

SURR by LAILA 福留

03-5468-5966
[email protected]

 

 

//

Copyright © SURR All Rights Reserved