モードのお手本 / Diary223
15.1.2016

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以前にも書かせて頂きましたが、メゾンヴィンテージのほとんどは WOMENS アイテムです。その事実は別段問題なく、ファッション歴史, 特にモードの歴史は女性のために積み重ねられたものですので、そう在り続けるべきで、だからこそ豊かな発展と芳醇な広がりに繋がったのだと思います。

いわゆる MENS メゾンヴィンテージと言いますと、スーツやシャツといったフォーマルなアイテムに限られます。それは60 – 70年代のプレタポルテ発足から全盛にかけては特に顕著なのですが、これまでに2着のみその時代の MENS メゾンヴィンテージに出逢う事が出来ました。( うち1着は昨年のこちら http://surr.co.jp/archives/3459 )

ようやく出逢えた3着目の MENS メゾンヴィンテージ。それはムッシュ・サンローランが人生を掛けて行ったクリエイションにおいての指標とも言えるスタイルの、モードのお手本たる一着でした。

 

 

 

 

 

1962年の YSL 立ち上がりから2002年の引退まで。約40年間という長きに渡ってモードを牽引し続けたムッシュは、数多くのデザインやアプローチを打ち出し、世の中に新たなスタイルの旋風を巻き起こし続けましたが、その中でも特に代表的と言えるルックの一つがミリタリーです。昨今においては至極当たり前の世界観で、目にしないシーズンはありませんが、元々着飾るためのファッションではないミリタリーの要素をモードと大々的にコネクトした先駆者がムッシュでした。

写真集やネットアーカイヴなどで数多く目にする機会があり、 LAILA VINTAGE でも稀に実物を御紹介させて頂く事のあるサンローランのミリタリールック。モードの歴史において欠かす事の出来ないアイコンであり、私としては分岐点の一つとすら思っているアイテムでして、本品を右前の合わせにし、ボタンなどの装飾品を豪奢にするとそのまま WOMENS のそれに早変わりするほどの象徴性がこの一着には注ぎ込まれておりますが、そこはやはり流石のサンローラン。精密で繊細なアレンジが随所に注ぎ込まれております。

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力強いショルダーラインに厳正なるモードを感じさせつつコンパクトなウエストラインに微塵も違和感無く繋がる、男性のボディラインに配慮の限りを尽したパターンメイク。一見ワイドなアームもその身頃と絶妙なバランスで成り立っており、全体を一つの物語として捉えた時の起承転結は完璧とも言える美しさ。ゆえに男性にとっていささか難解に思われるショートジャケットでありながらも、申し分無く上品かつ力強い男性性でお楽しみ頂ける一着に仕上がっています。

デザインソースはイギリス軍のバトルドレスジャケットでしょう。お手本に忠実でありながら完全なるオリジナルピースと言える成り立ちは、“ これぞデザイン ” 、“ これぞモードのお手本 ” と心から称賛出来る仕上がりで、ムッシュという才能の尊さを再確認させてくれます。

 

 

 

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モードの歴史を培ったメゾンヴィンテージにとっての、シンボルとも言えるサンローラン WOMENS ミリタリールック。それと密接な通じ合っていながら、どこまでも男性的にリ・デザインされ仕立てられたプレタポルテ全盛期のサンローラン MENS ミリタリールック。

 

 

 

 

 

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70s Yves Saint Laurent , prêt-à-porter military jacket , mens

 

過去出逢ってきた2着も見事でしたが、それ以上にムッシュの魂を濃すぎる程に色濃く感じさせてくれる一着です。幻と思えるほどに出逢えないのも、これでまた納得出来ました。
紛れも無いミュージアムピースですが、いつもの通り SURR は現代の街中で颯爽と着こなすリアルクローズとしてご提案致します。

 

 

SURR by LAILA 福留

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