探していないからこそ辿り着けた一着 / Diary1430
27.8.2026

以前は積極的に御提案していたけれど今はもうほとんど御提案しなくなった理由は往々にして“他店でも見かけるようになったから”でして、それはイコール海外のコレクターも日本人需要に気付いて価格設定が上がったこととシンプルに私のテンションが下がったことを示します。まぁどちらかというと後者の方が比重が大きいかな。

フレンチハンティングジャケットもその一つですが、これらに関しては我々がフランスの労働者の服という存在を認識しFrench Workという一つのブランドとして扱うようになった18年前くらいからそもそもにおいてほとんどなかった印象で、そこから比べると言わずもがな日本におけるFrench Workの認知度は桁違いですから現在ヴィンテージカルチャーで確認される個体数が全てくらいに思っています。

言い過ぎかもしれませんがしっかりと古い時代の個体は本当にそれくらいの存在価値として私は捉えているのでとても変な言い方になってしまいますが探していません。French Workに精通したコレクターは幾人かいますが“全く見かけない”と言うようになってから何年も経つしヨーロッパを拠点にして専門的に収集し続ける彼らが無いって言うなら私たちが見つけるにはどれだけの熱意と労力と時間が必要なんだろうか、想像するだけで身の毛がよだちます。

 

 

と言うことで滅茶苦茶に格好良い。40年代というしっかりと古い時代の最高品質の一着で素材の説得力も意匠の探究心も非の打ち所がない、LからXLくらいでガバッと羽織れるフィッティングバランスも加味するとパーフェクトと言える一着です。

刺し子,補強のパイピング,芸術的な裏地のパッチワーク。各所に施された修繕は文句無しに芸術的と言える仕上がりで過去着用者がいかに大切にしてきたか真心を込めて施術したかが如実に伺えます。特に裏地が素晴らしくて各所に大胆に施された贅沢な当て布の重厚感によってまるで無双仕立てかのようにしっかりと身体を包むこむ心地良い着用感に仕上がっていて、この感じってほとんど無いなって。肩の内部補強が無いのでとても綺麗に馴染むのもファッションの目線で捉えると嬉しい限り。

 

 

 

 

 

40s French cotton pique art-repair hunting jacket

 

何度か書いていますがこれまでに格好良いと思っていた存在の格好良さってこれからも変わらないし場合によってはもっともっと格好良い存在になります。アンティーク年代に近いフレンチプロダクトなんかはその最筆頭だしこの一着における格好良さの角度と深さってかなり特別、御提案する私が言うのも野暮ですが逃したら確実に引きずります。

探していないからこそ辿り着けた一着は本当に尊いです。

 

 

SURR 福留

Copyright © SURR All Rights Reserved