
モードカルチャー過渡期の1969年にひっそりと産声を上げ10数年という短い期間で幕を閉じた“ムッシュ・サンローランによる”Yves Saint Laurent Rive Gauche homme、以前は本国の専門的なコレクターですら認識していないため当然ながらヨーロッパ各国において市民権を得まくっているVintage Yves Saint Laurentにも関わらずふとした相当に幸運な瞬間にしか出逢えない、それこそ2017年にサンローラン財団がミュゼを設立した時に1969年からと知ったほどにそもそもにおいて資料すらほとんど残っていない、仰々しい言い方になってしまいますが弊店にとっては幻の存在であり伝説的な存在価値であり、出逢えた際には特級に扱わざるを得ないのが“ムッシュ・サンローランによる”Yves Saint Laurent Rive Gauche homme。きっとその扱いはこれからも変わらないと思います、だって10数年前に存在を認識した頃から出逢いの確率が変わらないんですもん、10数年前に例えば年に1〜2着だったとしたら今も年に1〜2着。時が経っても“無さ”が全然変わらない、と言うかずっと無い、厳密に言うと年に1〜2着も無い。減り続けて然るべきなヴィンテージという世界にも関わらず無さがずっと一定というなんだか不思議な存在、まぁもちろん正確には減り続けていることは間違いありませんが。





ムッシュの偉業はそれこそミュゼを訪ねれば実物を拝見できるし氏の人生も幾つか映画にもなったくらいですし過去Diaryでも何度か触れてきたのでここに細かく記すことは控えますが端的に言うとムッシュのクリエイションで男性用のトレンチコートというのもまた大事件です。良い意味で時代を感じさせる大きな襟を筆頭に各所拡大された意匠,ハンティングやワークなどのタフカルチャーを想起させるパターンメイクにポケット設計,だけど当然のごとく圧倒的にエレガントなスタイル像,裏表が同素材=無双仕立手という贅沢。究極のクリエイションっていつもなんだかんだで自然体と言うかサッパリしていると言うか、爽やかなのよね。

New late70s Yves Saint Laurent Rive Gauche homme “MUSOU”cotton design trench coat
最近また考えたんですよねファッションの価値や評価に関して。まぁ正直考えなくていい事柄と言うかそれに囚われるとアレだったりシンプルに楽しくなかったりもするのですが、そこを考えるのも仕事っちゃ仕事なので。【A:沢山存在していて価値(評価)が高い、B:沢山存在していて価値(評価)が低い、C:ほとんど存在していなくて価値(評価)が高い、D:ほとんど存在していなくて価値(評価)が低い】、ヴィンテージという有限資産の世界に居るとこのAからDが判断の軸の一種になることがあるのですが、もっとAとCの差異を意識して重要に捉えなきゃなって。価値が評価が高いから偉い・凄いではありませんが、服飾史に敬意を払うにあたっては価値や評価を無かったことにはできませんし私の中ではCは特に心動かされること多いので、今まで以上に意識して重要に捉えなきゃなって。このトレンチコートは至極当然C、Cを代表するCね。
SURR 福留
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