サルトリア工房“LONDON HOUSE”出身で1930年代に考案したアンコンストラクテッド構築によって英国様式であったイタリアの仕立てにナポリ様式という独自性を付与し、結果的にそれが新たな文化となった世界三代仕立てブランドの一つでありその中で最も小規模アトリエゆえの希少性で知られるアットリーニ。弊店はそんなアットリーニを仕立て=テーラー=サルトリアの文化における最高位として認識し尊敬し憧れて続けてきました。

“人間の身体は不完全であるからこそ不完全な服を仕立てるのが優れたサルト”という哲学によって30年代にアンコンストラクテッドを考案した初代アットリーニであるヴィンツェンツォさん、非構築的手法による構築という禅問答のような技術力は全てを手縫いで仕上げることでも知られ、ハンギングの状態では従来のシルエットが出ないため本来では生じない箇所に皺が寄り浮かない箇所が浮くという現象が視認できるのですがそれで正解であり、身体を包むと全てが解消され驚くほどに軽やかで滑らかな,寝られるほどの着心地を産み出すことで世界中の仕立てを愛する人々を熱狂させてきました。
そのアットリーニによるナポリ様式のサルトリア文化はそれこそ弊店がこれまでに何度か言葉や文字にしてきた幾つかと同じく“わざわざ我々が御提案するものではない”=既に絶対的な存在であることは一ミリも疑いようがありませんし、餅は餅屋理論でいったら特級ですし、弊店を御愛顧くださる中にはその文化におけるスペシャリストも多数いてくださいますし掘り下げの興味深さもそれゆえの独特さも尋常ではありません。それがサルト最高位のアットリーニとなると特級度合いも興味深さも独特さもとにかく尋常ならざるもので真正面から向き合うと骨の髄まで魅了され抜け出せません、きっと身に付ける様々も生き方も所作も立ち居振る舞いも必然的に決まってくると思います。
そんな真面目で絶対的な文化に触れると弊店が自分がいかに不良であるか、服飾史を積み重ねてきたファッションデザイナー達がいかに不良であるかを改めて認識するのです。もちろんここでの不良という言葉はネガティヴなものではなく、歴代のファッションデザイナー達はそれら仕立ての文化もしっかりと学んで理解したうえで時に変えたり時に壊したりしていましたので、それは適材適所であり適者生存でしっかりと棲み分けできている文化の違いでありいずれも正解で正義であると改めて思います。
元々スーツスタイルONLYだったこともあって敬愛していましたが、とあるファッションデザイナーとの秘密裏な繋がりを知ってから一層好きになり憧れにまで昇華したアットリーニ、11年前に一着だけ御提案して以来となりますが今のような時代だからこそ改めて不良の立場で御提案したく僭越ながらセレクション致しました。






ヴァージンウール,フランネルウール,ピュアコットン,ピュアシルク,カシミア×コットン、90年代から2000年初頭まで分布した“Sartoria” Attoliniの仕立ては素材感のみならず色調もサイズ感もシルエットバランスも様々。きっと真正面から向き合う際にはフィッティングやインナーやサイズ感などなどに様々な慣習,時にマナー,時に決まりごとがあることと思いますが、きっと弊店は勝手ながらそれらを認識したうえで皆様方が楽しいと思って頂けるか否かを最優先にさせて頂くことになるであろうと想像しています。もしかしたらそれはサルトと真正面から向き合う人々にとっては非常識かもしれない、もしかしたらヴィンツェンツォさんもその息子で現当主であるチェザレさんも怒るかもしれない。でも弊店は真正面から不良なのでファッションは自由であるべきものでファッションは楽しいと感じられるものであることを優先し、北青山の裏路地のマンションの一室でヴィンテージ・アットリーニをひっそりと御提案しようと思います。

New “Sartoria” Attolini Selection
普通にテーラードジャケットをサラッと羽織っている方が目立つという楽しい楽しい時代になって少し経ちますね。弊店にとって欠かせない要素の一つであるテーラードジャケットにアットリーニ一族というNEWメンバーが追加です。
SURR 福留
△
