yet / Diary1271
29.11.2024

先日帰国した買付けの旅順はフライトの都合により珍しく早朝5時にパリ着のスケジュール。普段というかほとんどは夕方前くらいに到着してその日は休養もしくは軽くのみ活動して翌日から本格的に買付け開始がデフォルトだったのでイレギュラーながら到着して即座に行動開始、機内で意識的に睡眠を摂ったのでさほど眠気を感じなかったのですが言っても12時間以上のフライト&時差ボケ(私は少なくとも二日間は抜けない)なのでよーし気合いを入れなきゃなーと独りごちながら早朝に到着した今旅最初のアポイントメントにて奇跡と言っても良いほど幸運にも出逢うことができたのが垂涎のレザープロダクトでした。

勝手に心の師と仰ぐ御馴染みのコレクターが“Leather is finish”とはっきり言い切ったのは記憶に新しい限りなので(確か2023年の中頃だったかな)2022年,2023年と幸運にも2年連続で御提案できた政府関連企業や国営企業のためのフレンチワーク・レザープロダクトのセレクションは今年は難しい、もしくは一貫して敷いてきた“重くない個体かつ著しくコンディションが良い個体のみ”という私の判断基準を著しく下げなくてはいけないだろうと,良くない言い方ですが妥協せざるを得ないだろうと覚悟して臨んだのですが、驚くべきことに歴代のセレクションと比べても微塵も遜色がないどころか数点に至ってはこれまでに出逢ったことがないほど美しいコンディション,これ一度も袖通されていないんじゃない?なんて個体にも出逢えまして、眠気も時差ボケも一瞬で吹っ飛んでくれたのです。

 

 

本当に驚きましたし想定外過ぎてかなり動揺してしまいました、もちろん嬉し過ぎる想定外ね。今年もこれまでと同じく重い個体とコンディションに難有りの個体は一切選ばず、現実的で実用的で有用性に富みモダンなプロダクトデザインとして,なんだったら現代のプロダクトとして捉えられる暖かなレザーコートのみを私の勝手な判断基準ながら厳選。極めて月並みな表現ですが総合的には歴代最高峰のラインナップになってくれたように思います。

 

 

 

 

 

New. 50-60s French Government Worker Leather Selection

 

本当に幸運なことに今回は特に沢山の個体が揃っていましたが、そこからセレクションが叶ったのはたったの十着のみでした。しかしながら弊店にとって十着という数はしっかりとしたバリエーションです。さぁ今年もレザーを,本物のレザーを,もう新たに製作することが叶わないロストプロダクト的なレザーを楽しみましょうぞ。

Leather is not finishでした、今のところは。でもただただ幸運だっただけであくまでyetなだけです、あくまでね。

 

 

SURR 福留

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