造詣的デザイン / Diary1208
29.3.2024

メーカーは作らない作れない、と言うか作る必要がない(棲み分け的にも)。それがデザイナーによる造詣的なデザインシルエットとSTYLEの数々でメーカーとデザイナーの差異があるとしたらまずそれらは非常に大きな要因になりますし、やはりデザインの概念による様々な味付けや演出は楽しいし心躍るし時に感動させてくれるし、高確率で高い美意識が注がれているからこその美しさや格好良さへの探究心はいつもファッションの本質的な楽しさを思い出させてくれます。おかげで私は自分自身の身体で測ったビスポークプロダクトにほとんど興味を示さなくなりました、だって私の身体で測ったシルエットやSTYLEより親愛なるミウッチャさんやヴェロニクさんが造詣して演出するシルエットやSTYLEの方が綺麗で格好良いもん。

 

今回は新作春ニットより3点のデザインセーターと2点のデザインカーディガンを抜粋です。

 

 

 

イタリーモードの重鎮,ヴァレンティノ・ガラヴァーニ。前回も記しましたが彼のなんでもないようで静かかつ確かに美しいデザイン造詣は本当に秀逸かつ絶妙な無二感が漂います。このドッキングコットンセーターの時代性を反映させアメリカンスピリットをさりげなく注入したスポーティーでスタイリッシュなラウンドシルエットなんかもまぁ絶妙。そういえば先日楽しそうなネットニュースが発表されていましたね、また楽しく創造してくれるのでしょうかミケーレさん。

 

 

こちらもヴァレンティノ御大による一着、ここまで絶妙に複雑な織りの組み合わせはなかなかどうしてお目にかかれないにも関わらずアクセントカラーの赤と白以外を全てミッドナイトブルーのワントーンであえてさりげなく仕上げる、これがクリエイションだよなぁ。なんでもないようで後のミニマムモードを先行したコンパクトでスマートなフィッティングもまた拍手です。

 

 

コットン50%・ヴィスコース30%・シルク20%による特出して爽やかでモッタリとセクシーなテクスチャーにコンサバティヴなようで明るく華やかなカラーリング、リブラインのさりげないカラーコントラスト。全てにおいて抜群なデザインセーター過ぎて出逢った日にホテルで試着して自撮りしてしまいました、夜中の3時半に。これは先取りでサマーセーターと呼べるプロダクトになります、はぁ堪らん。

 

 

ニットプロダクトが大看板だったのでヴィンテージにおいても今のところは安定して出逢えるもののセーターではなくカーディガンとなるとハードルの高さが尋常ではなくなってしまうのはやはり実用性の高さゆえワードローヴから無くす必要性がないメソッドでしょう。しかもここまでアヴァンギャルドでエレガントなテキスタイルデザインとの出逢いは相当に久しぶり、特有のコクーンなオーヴァーサイズフィッティングはここでも健在で相も変わらず無二な美的感覚のミッソーニ夫妻なのでした。

 

 

フェラガモ一族が培い創始者次男のレオナルドさんが紡いだ男性像とデザインの世界観ってむせかえるほどに品があって鋭利なくらいエレガンスで、数あるファッションデザイナーの中でも特異な“ステージ“にいるなと時に出逢える特出して上質なクリエイションを目の前にする度に思います。このカーディガンは私にとってまさにそれで、無地幾何学模様編みの圧倒的な存在感にエロティックなコルクカラーにナイロンを12%配合することでの特にモッタリとしたテクスチャーとシルエットムードの全てが混ざり合ったデザイン造詣物の感、圧倒的です。

 

それでは先日のプレーンシリーズと併せまして機会と御縁ございましたら宜しくお願い致します。

 

 

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