Roman Style / Diary1186
10.1.2024

先にインスタグラムで御挨拶させて頂きましたが既に10日となってしまいましたが、こちらでも謹んで新年の御挨拶を申しあげます。今年も皆様の日々が少しでも豊かで穏やかになりますように、そしてその過程においてファッションやカルチャーと触れ合う際に、そして時にショッピングで心身の栄養補給をする際に弊店が僅かでも御役に立てますよう精進致しますので2024年も機会ございましたら宜しくお願い致します。

 

さて今年はどんな刺激に出逢えるのやらどんな初めましてが待ち受けているのやら、かねてから心に留めていたアレやコレとの念願の出逢いはあるでしょうか一度も思ったことはないにも関わらず圧倒的に惹かれる何かはあるのでしょうか。服飾史には世界中の様々な文化にはまだまだ魅力的な何かが沢山ありますし世界には初めましてだらけで、探しているものに限って見つからないメソッドがありますが引き続き頑張りたいし衝撃的に惹かれる出逢いは時に困っちゃけどやっぱり喜ばしいもの。いずれにおいても引き続き皆様には家族や生活や仕事が第一なことは前提なうえで服飾史及び世界中の様々な文化から魅力と刺激を得て頂きたい所存です。なお私の今年の目標は減酒、休肝日ルーティーンの確定がファーストフェイズです。

 

私はこの生業において定期的に新たな刺激や出逢いを味わうことができるのは役得というか本当に贅沢であり有難いことであると思っていると同時に、それらが必ずや自分の物にはならないというのは因果応報というか宿命であることを胸に刻みながら仕事をしています。しかしながらその喜びと宿命を胸に刻んでいながらも“プロダクトとしての出逢えなさ度”と“自身の身体にフィットする度”が高ければ高いほど宿命に抗いたくなる=自身の物にしたくなる欲求が心を沸騰させます、それが私の愛するクラッシックカルチャーであればあるほどに。

 

 

 

1945年より外から見えるロゴを必要とせず、例えば買って着た数ヶ月後に“ここがこうなっているから美しく心地良いんだ”などと着用者本人だけに服そのものが語り掛けるようなプロダクトを製作し続け、自らを流行ではなくファッション及びスタイルそのものと定義し、ラグジュアリーなビスポークテーラリングに特化し続けてきたBrioniが“ローマ(設立地)人のスタイル”、そして“メンズハイファッション”とイタリア語で正々堂々と刻んだラベルが縫い付けられたこのジャケットの存在感と価値は、私にとって目が眩むほどに高いです。

 

しかもなんとモーニングジャケット、モーニングジャケットです。旧体制では何度か、SURRになってからはアンティークカルチャーから一着御提案させて頂いたくらいのプロダクトでして、近年でも存在するとは言え正装(礼服)以外で御目にかかる機会は私の環境下では皆無な、1850年頃よりテーラードジャケットに至る進化を遂げたほぼロストプロダクト。それがBrioniのハンドメイドによって現代のファッションシーンに投入されていただなんて熱過ぎるったらありません。

純礼服として機能させないことで現代のスタイルとして、それこそBrioniが想うRoman Styleとして楽しんで欲しかったのでしょうか、チャコールグレーの繊細な密度なフランネルもモーニングジャケットとしては新鮮ですし、ちょっと大きく感じる襟も低めに感じるボタン位置も良い意味でアンティークカルチャーには属しません。なんと言ってもシルエットが美し過ぎて震えます。

モーニングジャケットをファッションに落とし込んでいる実例に出逢う機会は前述の通り皆無なので、きっと日常でこのプロダクトに出逢っていたらラグジュアリーなメンズスタイルがやはり心地良く適正に感じていたのだと思いますが、日本から遠く離れた建物に一歩足を踏み入れるだけでWifiの電波がゼロになるような僻地にて買付旅順Ver.のカジュアルスタイルの上から羽織ってみたらそれはもう素敵に感じられまして、なんならオリジンヴィンテージ的なミリタリーパンツやらジーンズなんか合わせたい気分にすらなってしまって、まだ自律神経の乱れが整っていない心がとにかくとにかく掻き乱されまくりまくったことは今となっては良い想い出。

 

 

 

 

 

New arrival,90s Brioni hand made morning jacket.

いやぁまさかモダンかつ着崩したいと素直に思えるモーニングジャケットに出逢えとはなぁ、驚いた驚いた。本当、世界にはまだまだ素敵な物があるなぁ。

 

 

SURR 福留

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