ダブルブレストブレザー / Diary1101
26.1.2023

やりました、ヴェロニク・クリエイション初期時代のブレザー。しかもカシミア×シルク、しかもダブルブレスト。嬉し過ぎて踊りだしたくなる出逢いです。

 

 

“美しいネイビーのフランネルのジャケットとレザーのものなら何でも”

過去のインタビューで男性が身に着けるべきものという質問にそう答えたヴェロニク女史。確かにランウェイの最後に姿を見せる彼女の姿はいつも極めてナチュラルでスタンダードで何より彼女に良く似合っているコンサバティヴゆえにその解答も説得力しかありませんし、時代,トレンド,ムード,気分に応じて/適合して変化しながらも彼女曰く就任から最新のコレクションまで一貫して同じテーマで同じ本の章を積み上げ続けていると語るHermes hommeのクリエイションも、やはりスタンダードやコンサバティヴのファイナルアンサーばかりであるように感じます。私は以前からスタンダードスタイルやコンサバティヴスタイルを好んでいたものの、服飾という生業ゆえスタイルとしての攻めが少ない自分で良いのだろうかと悩むこともありましたが、彼女のような存在に人知れず励まされて今があります。とは言えやはりコーディネートを楽しんでおられる御客様や匠に精査される御客様と相対すると羨望が止まりません。如何せん弊店の御客様方、本当に素敵な方々ばかりなので。自信のスタイルはコンサバティヴで良いですが生業としてのスタイルの攻め方コーディネートの精査性は最近改めて勉強している心持ちです。それこそCHIRICOのディレクター鈴木とかスタイリング好きですからね。勉強になりますね。

 

と言うことでこの度三連続新作Hermesクリエイションの最後はメンズスタイルヒストリーにおいても現代のスタイルにおいても王道のブレザーであり、勢を極めたHermes hommeクリエイションであり、ヴェロニク・ニシャニアン就任して間もない初期個体という個人感情としては幻レベルの存在であり本気で垂涎な一着です。彼女の初期クリエイションはそれこそ時代,トレンド,ムード,気分に適合された当時のHermes hommeスタンダードバランスでありながら時代を経た今向き合うと個性と癖を感じる良い意味で簡単ではない設計バランスが猛烈に蠱惑的で、個性と癖があるからこそ良い意味で簡単ではないからこそ、それを咀嚼して受け入れた際には他では得難い旨味を御認識頂ける、一種の麻薬のような魅力要素を備えているのです。

 



端的に申しあげるとその個性と癖は肩の強さ。彼女は洒落た粋な両親の元で育ち、とりわけ父親のスタンダードだけどさりげなく御洒落な姿に,その背中に強い影響を受けてファッションデザイナーを目指すに至ったため、Hermes hommeのクリエイティブディレクター就任直後はそんな父の背中を連想させるかのような強いショルダーラインが特徴となります。当然コンセプトプロダクト以外はスタンダードを極めるのでことテーラードジャケットは着丈もしっかりと在りますし、様々な身体への適合を目指すためシルエットバランスもベーシック。それに方の強さが調和しますので、ヴェロニク・クリエイション最初期の味付けは特にクラッシックで、それが現代目線だとデザインシルエットないしコンセプトプロダクトに感じられるというのが興味深くて面白くて堪らないロジック。個人的にも超幸いなことに彼女の初期クリエイションのテーラードジャケットを所有していて毎年楽しく着ているのですが、今期は特に今っぽさを感じる一張羅として例年以上に楽しめています。

 

 

 

 

 

1992s Hermes homme cashmere silk double breasted jacket.

カシミアとシルクによるフランネル,ミッドナイトブルーカラー,ゴールドボタン。兎にも角にも最強の一着。彼女の個性と癖を独自に解釈して是非現代の装いとしてお楽しみ頂きたい。いずれにせよ彼女の就任から最新のコレクションまで一貫して同じテーマというクリエイション・フィロソフィーは確かです。ネバーエンディングストーリー。

 

 

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