楽器を製作していた会社が1967年にレザーメーカーに変化し、デザインレザー/レザーテーラーという新たなジャンルを確立したところ追随するメーカーが後を絶たず、結果先駆者にも関わらず1979年に廃業という結末を迎えた East West Musical Instruments。ファッションデザイナー“全員”が教科書にしていると言っても過言ではなくファッションデザイナーの“ほとんど”が大なり小なりサンプリングしていると言って過言ではない、紛れもなく服飾史の1ページを刻んだ伝説的なレザーメーカーの残した様々なデザインレザーピースの数々。それらのほとんどは1968年~1970年代半ばまでに製作されましたが、こちらはその前である設立初年度に製作されたとされるプルオーヴァーレザーシャツ。この時代のみラベルデザインが異なります。伝説的デザインを生み出す以前のため良い意味で服飾史に刻まれた East West のイメージとは異なりますが、立体構築の美しさは紛れもなくそれ。48サイズの身体で少々肩がつっぱるフィッティングです。
そしてこちらが全盛である1968年~1970年代半ばまでに製作された個体。East Westはプロダクトごとにユニークなモデル名を付けることで知られていますが(個人的に一番好きなモデル名はEmperor of Low IQ、低知能の帝王です)、こちらは残念ながら滲んでいて判別できませんね。このような純シャツモデルはとても珍しいんですよ。しかもXLほどのサイジング。モダンに着こなせるリアル East West です。
ヴィンテージ Missoni でピュアカシミアは初めて出逢いました!
名匠 Brioni のピュアカシミアジャケット。軽やかな織りで春も無理なくお楽しみ頂ける一着です。個人的にサルトリアの品々はテーラードジャケットとして正統派であればあるほど(勝手ながら)着こなしを崩せない,遊べないと捉えているのですが、ヴィンテージサルトリアのクラッシックなバランスであれば無理なく崩せて遊べて楽しいです。一度知ると抜け出せませんよ。
1995AWの1stキャンペーンビジュアルで採用して以降、近年に至るまでヘリテージ的に製作しているポコノ素材のスポーツジャケット。いかにミウッチャ女史がこのメンズスタイルバランスを愛しているかが伺えます。近年では見られない妖艶なダークブラウンカラー、ライニングがウールなので見た目究極的にさっぱりしながらも抜群の防寒性(私は今日もMy2018AWコートを着てきました。裏地無しの一枚生地仕様なのですが、それでもフロントをしっかり留めて身体を包めばバッチリ暖かいです)にて日々をお過ごし頂けるライフスタイルピースです。フロントがジップアップではなくボタン。このミリタリーライクな個性様式もやはり最初期である1995-1997sプレゼンテーション時代ならではか。
以上、今週の新作でございました。どうか雪がそれほど積もりませんように。
SURR 福留
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