3月21日 12:00 / Diary689
20.3.2019

肩に載せ袖を通すことで逆に芳醇な可動域を体感できる着用感。身体に載せることで実際的な質量がより軽やかに感じられる心地良さ。ポケットに手を入れた時の丁度良い位置感に深さ, それに準ずる収納力の秀逸さ。正中線から外すことで自然と生まれる服そのものの表情, その野性的な迫力。どうしようもないほどに留めやすいボタン位置。それらを全てを留めることで発生する快適性と出で立ち, 実務的な機能性, そして全てを留めないことでのそれ。いずれの状況においても着こなしにおいても縦横無尽に揺れ動き全ての瞬間で美を生み出し続ける生地, その色。

実物を目の前にして体感できるそれらの感想や感情を抱けることは、それがすでに物質として存在しているがゆえに “ 当たり前 ” であると錯覚してしまうこともありますが、このような品が今ここにある, 今手にできていることは決して当たり前などではなくむしろ逆。そして良い品をこのように存在させていることも同じくで、それには何千回何万回の苦悩と精査と検討と、その後訪れる喜びと幸せな体感を経て辿り着けるのであって、その末に一つの “ 看板の価値 ” が定まるのではないでしょうか。

『 Yves saint Laurent rive gauche 』  その看板に対して私が抱く敬意の心は決して現在の服飾史において確固たる地位を築いているからではなく、純度の高い品の美しさや前述のような一着としての無垢な素晴らしさから生まれます。その美しさや素晴らしさ, 純度の高さや無垢さが産まれ育まれる一因となったマジョレル庭園を訪ね、その庭園を産んだ国の空気を吸い人々と触れ合ったことで気付いたのは Yves saint Laurent rive gauche に属する美しさや素晴らしさや純度の高さや無垢さや、それを内包する物質がこの世に存在するのは当たり前ではないこと。その看板がこの世に産まれ育まれた “ 現在 ” があることがいかに凄いか ということでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

90s Yves saint Laurent rive gauche, trench coat

未来永劫変わらぬ最大級の愛と敬意を込めて明日 3/21 ( 木 ) 12:00 に御披露目です。皆様の御期待を心よりお待ち申しあげます。

 

 

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