完敗に乾杯 / Diary068
7.11.2014
今までにご紹介してきた 90s ドリスの中で、最もタフネスかもしれません。
伝統的なスタイルゆえの豪奢さと現代的な感覚が、彼だからこそ成り立った繊細な一着です。
伝統的な紳士用外套,チェスターフィールドコートをモチーフとした一着は、
その特徴ゆえの明確なカッティングが施されています。
しかしながらもれなくオーバーサイズ・フィッティングに仕立てられているこちら。
チェスターでそれというのはいささか合点がいきませんが、
袖を通すとやはり、ドリスのメッセージに屈服せざるを得ません。
今回もやはり、完敗に乾杯でした。
明確な仕立てでありながら、しっかり落ちてくれるシルエット。
一般的なチェスターのスタイルを一瞬で忘れさせてくれるドリスのフィッティングは
立体的なカッティングを壊す事で、その向こう側に辿り着いてくれました。
これはまさに驚天動地。
さも手品のごとくロジックが崩れ、再構築された瞬間です。
そしてディティール。
スタンダードを拡大するだけで非スタンダードに。
シンプルでありながら大胆なこの手法は、同校出身者も好むところですね。
きっとお互いが刺激し合っていたのでしょう。うん。
伝統的なスタイルの延長上は決して仰々しくなく、
大胆ながら静かという、旨過ぎるコントラスト。
『 紳士的な骨太 』 と 「 モードの繊細 」
両者が仲良く調和する、90s ドリスの新しいチェスターコート。
90s Dries Van Notten, oversized chesterfield coat
ちなみに私が一番舌を巻いたのはこちら。
詳しくは宜しければ店頭にて。
SURR by LAILA 福留
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