正々堂々、歪む 歪む 歪む。
既存を覆す という至極シンプルな行いによって
従来から大きく変容させるのがデザイナーの役割の一つ、だと思います。
その高低差があればあるほど心に残り、時代を越え続けますが
Maison Martin Margiela のマルタン・マルジェラは、
それに関しても大きな才覚を備える人物。
今回ご紹介の一品はご覧の通り、ミリタリーがデザインソースです。
その分野に限らずバッグというアイテムのほとんどは
芯を入れる事でフォルムを安定させますが、
それを一切合財無くすというのが、今回行なわれたデザインの一つ。
ミリタリーらしいへヴィーデューティーながら、柔軟性の高いコットン素材と相まって
面白いまでに歪む不定形の定形が、多彩な可能性を予見させてくれるのが、楽しい。
限りなくオリジナルに近しくもあり、オリジナルとは異なる各部パーツ。
無機質でありながら不思議とエレガントな着地点の塩梅が、相変わらず美味過ぎる。
“ これぞメゾン・バッグ ” “ これぞハイファッション ”
といったアプローチとは一味異なる、静かながら適格なスタイルで
確信犯的淫靡な男性像を。
99s Maison Martin Margiela, military style bag
発表以降、やはりお客様との会話に挙がります
新デザイナー就任。
メゾンの継続において、通る道の一つではありますし
アクションを起こすにこした事はないと思いますので、
様々な想いが去来するものの楽しみです。
しっかりとしたスタンスを持つ方ですので、個人的には様々行なって頂きたい。
四つ留めを残すか無くすか、取り急ぎそこが気になるところ。
SURR by LAILA 福留
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