最良の資質 / Diary530
24.4.2018

 

ミシェル・ゴンドリー監督の自伝的映画に登場する少年ダニエルは終盤、いきさつによりセルフで髪を刈上げ、街のスーパーで売っていた紳士シャツ(巨大)を着用し、フランス田舎町を歩行する前方からのロングカット。イタリアメゾン18fwのショーのラスト、照れ臭そうに登場したクリエイティブディレクターが釦2つ程外して着ていたブルーのビックシャツ、引き続き脳裏に焼きついて離れてくれないウィリーガーソンの強烈な色気。ここ最近(“引き続き”を入れると2年程)無意識に浸透していたそれらのイメージを意識的に手繰り寄せるとぼんやり浮かぶ「完璧に近い個性」という共鳴点。その僅かな隙間に落ちた成功を手にするため一任されるシャツというアイテムは、角度を変えて向き合うだけで男性的にも、ファッションとしても通用する見事な振り幅。自身を編集する上でこしらえた多様なセオリーや厳しいルールも突き通せる適応力。ゆえに、枷を外し、本来的にも実際的にも自由で構わないと思いますし、わたくしは絶大な信頼を置いているわけであります。このシャツというアイテムに。気の向くまま釦を外し、風を通すため裾はアウト。本来ダブルカフとは袖を捲りやすいように発明された内容ですのでその意義を通して頂き、あるいはウィリーガーソン並みの色気を獲得するため重力に逆らわず、だらりと。それが最良の資質を備えた1枚ということであれば、ネームに込められた重み、細やかな運針、質のよい釦、圧倒性を放つ生地が具体的要素であるように、なにをどのように着用したとしても満足に受け入れてくれる許容力。「完璧に近い個性」にコミットメントする素晴らしき実相。

 

プレタレーヴェルでは確実に出現しない、エメラルドグリーン/ストライプという特異点こそ。

 

 

 

 

 

 

 

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1993s Charvet cotton shirts, green stripe

 

 

 

 

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