フレンチブルーほど魅力的な色はない / Diary490
30.1.2018

 
 
 
生産環境がより整頓された1950年代フランス。ワークウェアという区分でさえも、皆が皆、木を切り倒すわけではないしょうし、無我夢中で絵を描くわけでもないしょうが、身なりをきちんと整える内容を職とする彼らのために仕立てられる “ 上着 ” も、当然ながら点在していたと予想することは、ファッションという世界でなくとも想像しうる事と存じます。
 
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日常的にテーラードを着る上で、快適性なるものを求めるのは至極当然。動きやすさではなく、立ち姿の美しさを限りなく追求した英国の其れらとはまた一線横にある内容でしょう。そりゃそうです、そもそもが「ワークウェア」というから、立ち姿の美しさを添える衣類など役に立つはずがないでしょう。つまりは、ビスポークレヴェルの具体性を用いずとも、動きやすくて、丈夫、そのうえ、きちんと見えるテーラードスタイルである “ 上着 ” 。其れは当時、一部の彼らにとって必要な衣類だったでしょうし、必要とされるべき種類の衣類なのでしょう。
 
然るに、出土された其の必要とされるべき “ 上着 ” が、カジュアル度数が高い4つ釦となりますと、必然的に意識が傾注する始末。
生産環境がより整頓された1950年代フランス、素晴らしき時代。
 
 
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時を現在に戻しまして、動きやすくて、丈夫、そのうえ、きちんと見えるテーラードスタイルである “ 上着 ” をいざ探すとなると、世の中よく出来たもの。適度なものが見つからない。欲するものを探すと見つからない。おそらくそのようなシステムになっているのでしょう。磁場とか、宇宙に神秘とか、その類の。
この場合、当て嵌める条件の中で、“ 動きやすくて、丈夫 ” というのが鬼門になるのでしょうが、やはりそこでいとも簡単に解決してくれる区分がワークウェアでしょうし、“ きちんと見える ” を解決してくれる内容こそ、随一フレンチワークなのでしょう。
しかしながら “ テーラードスタイルである上着 ” そのうえ4つ釦という限定性を加味しますと、磁場とか、宇宙に神秘のせいにせざるを得ない内容でしょうが、それはツチノコを捜索するような種類の希少性ではなく、あくまで存在しうるシステムの話。
 
ともあれ、AをA的に理解する美しさのように、ワークウェアをワークウェア的に理解し、自身の習慣性のもと向き合った際、どんな職種であろうと短い人生において必要なミルクチョコレートとミントガム、道に迷っときの質の良いコンパス、文庫本が気持ちよく収まる収納力と、それを現実的に可能にする計4つのポケットの内、わざわざフラップが設置されたチェストポケットには、失くしたら困る週末のゲームチケット。
 
 
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動きやすくて、丈夫、そのうえ、きちんと見えるテーラードスタイルであり、日常的な4つ釦で、ミルクチョコレートとミントガム、道に迷っときの質の良いコンパス、文庫本が気持ちよく収まる力を有した “ 上着 ” である其の1着、が、結局は想起させるきっかけとなりましたが、キャラクターに上手に昇華されたフレンチブルーほど魅力的な色はないと今一度考えさせられた次第。
 
柔らかく肌馴染みの良いお素材に合わせたしっかりとした羊毛のセーターは気持ちよく馴染み、それがスチールブルーであれば文句のつけようもなく。
 
 
 
 
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50s France tailored cotton work jacket
 
 
 
磁場とか、宇宙に神秘とか感じる前に、どうぞ、北青山3丁目まで。
 
 

 

 

SURR by LAILA 小林

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